サイコロ・くじ引き転生【短編集】(改題)   作:しゃしゃしゃ

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今回短いです。

後書き(本編)


☆■ 28番 能山北斗 享年19歳の場合

「次の方どうぞ―」

 

ガチャ

 

「失礼します」

 

「はい、28番の能山北斗さんですね? こちらの席にどうぞ」

 

「はい、失礼します」

 

パタン…

 

「それでは能山さん、あなたはこれがどういうものか分かっていますか? 」

 

「………天国息と地獄行きを決める、というわけではなさそうですね…。

 異世界転生ですか? 」

 

「イエェス。大体その認識で合っています。能山さんは一つの人生を終え、その上で今の人格・記憶、そして神様から贈られる“特典”を持って、漫画・アニメ・ラノベなどの創作物をモデルにした世界に転生していただきます」

 

「はぁ…二次創作とかでよく見るあれですか」

 

「あれです。といっても私共の転生システムは『かくかくしかじか』となっていまして、ほんの少し能山さんのご存知のものとは異なりますが」

 

「そうですね、サイコロですか…不正はありませんよね? 」

 

「それはもちろん。断言しますよ。不正はありません」

 

「そうですか。なら早速、始めますか? 」

 

「おお、乗り気ですね。はい、サイコロです」

 

「ちょっとわくわくしていまして。こういうのに中学高校と憧れてたりしたもので」

 

「では、どうぞ」

 

「はい………(ファンタジーはなしで! ) 」

 

 

からっ、からから

 

 

⚅⚅

 

 

 

「おっ! 」

 

「おー、おめでとうございます! あたりですね。

 出目は6と6なので『特典決定後選択の“自由”』です」

 

「ううん…どこにするか…」

 

「とりあえず、特典を決めてください。特典とは『かくかくしかじか』で今から決めていただくのは“アイテム特典”の数になります」

 

「はい………まぁ、なんでもいいか。軽ーく」

 

からん、から

 

 

 

 

 

 

「あ゛っ! 」

 

「あー……出目は1 なので特典くじを一枚引いてください」

 

「はい…慎重に…せめて便利なものを…」

 

がさっ

 

 

1019

 

 

「 1019番は『タウリン×∞個』です」

 

「タウリン? 」

 

「タウリンとはゲーム『ポケットモンスター』シリーズに出てくる、いわゆるドーピングアイテムの一つで、使用するとポケモンの基礎ポイントの「こうげき」努力値を10上げることができます」

 

「ポケモン用、なんですか…」

 

「いえいえ、こんなこともあろうかと! 能山さんのようにポケモンとセットでゲットされなかった方のために、神様設定で“ポケモン以外にも使用可能”となっていますので大丈夫ですよ」

 

「…どういうことですか? 」

 

「つまり、人間が飲んでも効果を得られるということです。例えば能山さんがこれをがぶ飲みすれば、超人的な「こうげき」(りょく)を得られるということです」

 

「おお! 」

 

「ちなみに原作の設定では上昇に上限があるのですが、これについてはその上限が取っ払われています」

 

「つまり? 」

 

「飲めば飲むだけ、力が増していき、ドラゴンボール的攻撃力を手に入れることだって出来るというわけです! 岩を砕き、山を動かし、星を破壊する! そんなスーパーパワーが飲み続ければ宿ります! 」

 

「…そこまでいくと恐ろしいですね。気になったのですが、そのタウリンって、あくまで「こうげき」の値を上げるだけなのでは? 」

 

「そうですね。お考えの通り、この特典は「こうげき」を上げるだけで、「すばやさ」や「ぼうぎょ」の値は上昇しません。だから、そうですね…またドラゴンボールで例えると、超トランクスのようにスピードが伴わない状態になります。なので一般人相手ならともかく、バトル漫画の世界の怪物や超人相手では手も足も出ないかもですね」

 

「やっぱりそうなんですね…速度が違うと戦いの土俵にも立てない、と」

 

「ですね。では続いて“能力特典”を決めていただきます」

 

「はい」

 

 

 

からん、からから

 

 

 

 

「出目は2 『鑑定』です」

 

「これは、どこまでわかるものなんですか? 」

 

「そうですね…まず名前や年齢なんかの基本的な情報が浮かび、次いで身長や体重といった身体データ。注視すれば知りたい情報がポンポンと浮かんできますよ。愛想や義理といった訳の分からないパラメーターも存在しているようですね」

 

「なるほど…寿命とかは出ますか…? あの、えっと『DEATH NOTE』の死神の目で見れるみたいな」

 

「あー、それは…『鑑定』では不明のようですね。この特典は過去と今現在の対象の状態を数値化して見せてくれる特典なので」

 

「そうですか」

 

 

 

 

 

「それでは転生なのですが、転生先は決まりましたか? 」

 

「…………………………はい。

 『思いたったら乳日』でお願いします」

 

「…おぅ。えー、っと琴義弓介先生作の竹書房刊の『思いたったら乳日』で、よろしいんですか? 」

 

「はい」

 

「………理由は聞かないでおきます。では」

 

 

あなたは1つと1つの神からの贈り物をもって別世界に転生します。

今のあなたの自我を保ったまま、赤ん坊からあなたは人生をやり直します。

これからあなたの生きる世界に私たちは関与しません。

あなたがこれから手にする力で何をしても、それはあなたの自由です。

私たちはあなたが亡くなった後に、あなたの人生を閲覧しますが、評価するわけではありません。

三度目はありません。二度目の人生を、後悔なく過ごせるかはあなた次第です。

転生を実行します。それではよき人生を 

 

 

 

 





No.28 能山北斗
 原作が原作なので、爆乳美女いっぱい。
 『鑑定』でえっちでおっぱいの大きい子を探して、アタックしてぱっくんちょした。

 仕事は探偵まがいの恐喝屋。高校で知り合った『センパイ』と共に気が弱い浮気男や犯罪に手を染めた若者を脅して金を巻き上げる商売をしていた。『センパイ』が「頭脳担当」なら、能山は「実戦担当」。
 センパイがカモと話している間、能山がパフォーマンスで「鉄パイプでバブルアート」や「フライパンをちぎる」を行いビビらせた。

 数回刑務所にぶち込まれたが反省などせず、生涯そうして生きた。
 52歳、交通事故で死亡。



はい。
 『思いたったら乳日』それなりにエロいよ!
 エロ初心者だった頃、心臓ばっくんばっくん言わせながら読んだものです。

 今回はいまいちいい感じにできなかった。特典が一つじゃあ、いまいち展開しづらいですわー。

 ではまた次回。

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