サイコロ・くじ引き転生【短編集】(改題)   作:しゃしゃしゃ

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今日って祝日だったんですね。
 ………。祝日はほぼ確実に休みだった学生時代が懐かしい…。
 今回短いです。申し訳ありません。(くじとサイコロが悪い)

後書き(本編)


☆□ 34番 小原直希 享年32歳の場合

「次の方どうぞー」

 

ガチャ

 

「失礼します…? 」

 

「どうも~。えーっと? 34番 小原直希さんですね。こちらの席にどうぞ」

 

「は、はい………」

 

 

「あの、ここは、どこ、なんでしょうか…病院ではなさそうですが」

 

「あー、はい。ここは死後の世界で、小原さんに第二の人生を送ってもらうため、サイコロを振ってもらう場所となっています」

 

「………………………は? 」

 

「まぁ、理解できないのも無理ないですが、

 小原さん、あなたはお亡くなりになりました。記憶にありませんか? 」

 

 

「な、何を言って…あ」

 

~混乱中につき省略~

 

「落ち着いたようですね。

 『かくかくしかじか』。今説明した神様転生をしていただきます」

 

「一つだけ聞いてもいいですか」

 

「どうぞ? 」

 

「私の息子は、妻は、どうなりましたか」

 

「んー………。二人とも亡くなった後は輪廻転生していますね。記憶も洗い流されていますし、あなたのことは記憶にもないですね」

 

「………そう、ですか」

 

 

「では、転生先を決めるサイコロ

 はりきってどうぞ! 」

 

「………」

 

 

からん からから

 

 

 

⚃:⚁

 

 

 

「はいはい。出目は4と2『ポケットモンスター』の世界ですね」

 

「ポケットモンスター、ですか(よりによってポケットモンスターの世界か…あの時、ゲームソフトを買いに行かなければ…ッ! )」

 

「この転生先はシリーズごとでバリエーションがあるのでもう一度サイコロを、今度は一つだけ振ってみてください」

 

 

「はい」

 

 

ひゅ からん

 

 

 

 

 

 

「出目は3………『ポケットモンスターDPt』の世界に決定しました。

 舞台としては北海道をモチーフとしたシンオウ地方ですね」

 

「………」

 

「大丈夫ですよ。ポケットモンスターの世界はそこまで危険な世界でもないですし。主人公に任せていれば悪の組織も壊滅するし、あとは自由に生きられますから」

 

「はい」

 

 

 

 

 

「続いては転生特典です。

 『かくかくしかじか』で、“アイテム特典”の数をまずは決めてもらいます。どうぞ」

 

「はい」

 

からん からから

 

 

 

 

 

 

「出目は2、くじを2枚引いてください」

 

「………」

 

がさごそがさごそがさごそ

 

 

1756・・・1748

 

 

「では特典の説明を始めさせていただきます。

 一つ目は1756番『ゴルゴンの首』です」

 

「ゴルゴン…?」

 

「ええ、メドゥーサといえばわかりますか? 髪が蛇で、見たものを石に変えてしまう有名なそれです」

 

「あぁ…、どこかで見たことが」

 

「まぁ、この特典は神話のゴルゴンの首そのもの、生首ではなく、機械です」

 

「機械? 」

 

「はい。ドラえもんの秘密道具の一つとしての、『ゴルゴンの首』です」

 

「ドラえもんですか…」

 

「息子さんとよく見ていたようですね」

 

「ええ、最近は…あまり見ることがなくなっていましたが…」

 

「このゴルゴンの首という特典は前面にラーメン屋の岡持ちのような蓋の付いた箱型の道具で、この箱の蓋を開けると不気味な咆哮とともに光線を発し、その光を浴びた生物の筋肉をこわばらせ、石のように固めてしまうという機能を持っています。

 本体は箱の中に入った首型の石像で、目から光線を放ちます。固まった者を元に戻すにはその頭に付いた蛇のような髪の毛を上に引っ張ればいいのですが、この石像は亀ぐらいのスピードで動くことができます。

 なのでゴルゴンの首の中身を落とすと、襲われて出遭った者の体全体が石にされてしまう危険があるのでそこは注意してください」

 

 

「―――落とすと、と言いますが、その場合は特典を戻せば、帰ってくるのではないのですか? 」

 

「ん? あ。たしかにそうですね。失礼しました」

 

 

 

 

 

「続いては1748番『光線じゅう』です」

 

「なんだか、名前と番号の近さから、考え付きますが、これも? 」

 

「はい、ひみつ道具の一つです」

 

「やはり」

 

「この『光線じゅう』は原作に登場したものの、結局使われなかった道具で、一撃でマンモスを撃退するほどの威力を持っているという記述を神様が再現した特典になっています。

 つまりは火力がすごい未来光線銃という見方で間違っていません」

 

「………怖いですね」

 

「んん、まあ確かに。人に向けて撃てば確実に命を奪えるぐらいの威力でもありますからね」

 

「これは使いません」

 

「まあ、小原さんのものですし、好きに使ってください」

 

 

 

 

「“能力特典”を決めてもらいます」

 

「はい」

 

「サイコロを」

 

「はい」

 

ひゅっ からからから

 

 

 

 

 

 

「………」

 

「あー。出目は6『はずれ』ですね。

 ドンマイです」

 

「はぁ」

 

 

では転生です。

あなたは2つの神からの贈り物をもって別世界に転生します。

今のあなたの自我を保ったまま、赤ん坊からあなたは人生をやり直します。

これからあなたの生きる世界に私たちは関与しません。

あなたがこれから手にする力で何をしても、それはあなたの自由です。

私たちはあなたが亡くなった後に、あなたの人生を閲覧しますが、評価するわけではありません。

三度目はありません。二度目の人生を、後悔なく過ごせるかはあなた次第です。

転生を実行します。それではよき人生を 

 

 

 

 

 

 





No.34 小原直希
 旅に出てシンオウ地方をめぐり、『ゴルゴンの首』でポケモン捕獲してモフモフ天国に浸っていた(年甲斐もなく)。
 観光目的で「リッシこ」に行ったら運悪く“ギンがばくだん”が投下され、池の水と一緒に消滅した。




はい。

 かわいそうに………。新しい人生歩もうと決めたそんな時だったのに、ねぇ~。
 もう少し面白い特典なら、いい感じにストーリー進められたんですが、今回の転生者小原さんは一般人で、社会人で、お父さんだから、あまり無茶な動かし方をするのは忍びなくて…。

ではまた次回~。



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