超面白かったです。ドキドキしっぱなしでしたね。
最後10:00~のところ(あぁ!もう!報道陣どいてホント! 邪魔だって!)と思いながら見て、心臓が止まるかと思いました(それくらい夢中になって)。
「…
君がこれから手にする力で何をしても、それは君の自由。
ボクたちは君が亡くなった後に、君の人生を閲覧するけど、評価するわけじゃない。
君の人生に三度目はないよ。二度目の人生を、後悔なく過ごせるかは君次第だ。
転生を実行する。それではいい人生を ばいば~い! 」
「―――。 ―――」
⚀⚁⚂⚃⚄⚅
「よし、完了っと。お菓子食べた~い。漫画読みた~い。 アニメ見た~い」
「ふぅ、次はっと」
ガチャ
「―――!! ―――」
「はーい。547番 古金勉 享年15歳 さんですネ? 」
「―――! ―――! 」
「はいはい騒がないで、とりあえず席についてください。あ、ドア閉めてくださいね」
「―――」
「………(反抗期だなぁ)」パチンッ
ばたんっ!
「―――。―――! 」
「まってね、確かにコレは神様転生だけど、ボク神様じゃないし、特典も好きなものあげるわけじゃないから。ちゃんとルールがあるの。聞いて(というか、聞け)」
「―――。―――」
「はいはいお役所でごめんね。あと、君は知らないみたいだけど、最近の神様転生物では、神の怒りを買って悲惨なことになる転生モノもあるんだよ? 」
「―――! ―――」
「(理解したし、恐怖しているけど収まりつかず謝れない、と。反抗期だなぁ)」
「じゃあ、説明するよ。(最低限ね)」
「これから君にはサイコロを振ってもらう。そのサイコロの出目で転生する世界を決める」
「―――?! ―――! 」
「そうだよ。転生する世界は選べない。ただボクたちが勝手に決めるわけじゃないだけましだろ? 」
「―――!! 」
「―――君はわがままだね」
「―――! 」
「うん、とりあえず振って。あと、君の死はボクや神様のせいじゃない。君自身の不注意だ」
「―――? 」
「いいから、ほら」
「―――っ!」
から、からから
⚂:⚀
「―――? ―――! 」
「あ、これはおめでとう? 君は『ONE PIECE』の世界に転生することが決まった」
「―――! ―――!! 」
「(うわぁ、喜んじゃってまぁ。 あらら、頭ん中ピンク色だ。こいつ、うわぁ)」
「夢とロマン、海賊の漫画。君にぴったりだね(小悪党っぽくて)」
「―――。―――」
「ああ、うん。そうだね。じゃあ次は特典だね。サイコロ一つ振って、それで出た目の数くじを引いて、引いたくじに書いてある番号のアイテムが、特典として与えられるという仕組みだから」
「―――? ―――? 」
「(ちっ、気づいたか。面倒だなぁ、でも質問されたら答えないわけにいかないし)」
「君に与えられる転生特典は2種類あるんだ。“アイテム特典”と“能力特典”アイテムは漫画やアニメの特殊な武器や道具を最大6個まで手にできる。能力は6つの中から一つだけ、便利な力を手にできる、という感じ、わかった? 」
「―――。 ―――」
「あーうん。そういう決まり何で、サイコロ振って? 別に要らないなら拒否してくれてもいいんだぜ? 」
「―――! ―――! 」
から、からからー
⚁
「はい、出目は2だね。じゃあ2枚くじ引いて」
「―――!! ―――! 」
「だめだよ、もう一度なんてない。ごねるなら引かせないよ? ボクは別にどっちでもいいんだよ? 」
「~~~~ッ!! ―――! 」
がさごそがさごそ
1017・・・1884
「―――? 」
「はい、えっとあー、ふむふむ」
「―――! 」
「はいはい、まず1017番 これは『ふしぎなアメ×∞個』だよ」
「『ふしぎなアメ』? ポケモンのあれか? 」
「そうだよ。ポケモンのあれ、ポケモンのレベルを1アップさせるキャンディ。君はそれを∞個手に入れたわけだ」
「なんだそりゃ! そんなのが特典だってのか! 」
「まぁ、仕方ないよ。恨むんならこれを特典に加えた神様か、引いた自分自身を恨むんだね」
「くそっ!! 」
「(“この”アメはポケモンだけでなく、人間でも食えばレベルが上がるってのは、言わなくていいかな。聞かれなかったしね)」
「じゃあ次だ、1884番。これは『ひきのばしローラー』だね」
「『ひきのばしローラー』? ひみつ道具か? 」
「そうだよ、某猫型ロボットの持つひみつ道具の中の一つさ」
「なんっだそりゃっ! くそっ! こんなんじゃっ! 」
「なんだっていうなら教えるよ。『ひきのばしローラー』はその名の通りひきのばすことのできる道具。このローラーを転がすと、物、場所などを何でも引き伸ばすことができるというものだ。作中では室内を野球ができる大きさに拡張したりしていたね」
「ふざけんな! こんなのでどうやって戦えっていうんだ! できるわけないだろ! 」
「別にボクたちは君に戦ってほしいわけじゃないよ? 転生して、新たな人生を歩んでみたらどうだいと提案してるだけさ。バトル漫画の世界に転生したって、別に戦わなきゃいけない訳じゃない。一市民として天寿を全うするのもありだとボクは思うけどね」
「! ~~~~! くそっ! 」
「ともかくこれで“アイテム特典”決まったわけだ。次は“能力特典”、さぁサイコロ振って」
「―――! ―――」
「へぇ…(慎重になったのかな? なんてね、ただ単に不安なだけだねこの子は、しょうがないね中学生のガキなんだから)」
「―――?! 」
「はいはい。特典の内訳はこんな感じだよ」
⚀ アイテムBOX(内容量無限)(内部時間停止)(中身把握)(生物不可)
⚁ 鑑定(名前など基本的な内容が丸わかり)(人の名前忘れちゃったとき便利だね)
⚂ 翻訳(どんな言葉も理解できるよ)(読めるし書けるし聞けるし喋れるよ)(on/off可能だよ)
⚃ リスタート×1(不慮の事故など寿命以外の原因で死亡した時、回避可能な時間に戻って 1度だけ やり直しができるよ)
⚄ ○○○コントロール(アレを自由に動かせるよ)(○倫男になれるよ)(たっちゃってたちあがれない時に便利だね)
⚅ はずれ(残念外れだよ、アイテムで我慢してね)
「―――! 」
「だから、決めたのは神様なんだって。はずれがあるのはボクもひどいと思うよ」
「―――! 」
「無理だよ、さぁこれで最後だ、サイコロを振って、さぁ! 」
「~~~っ! ―――! 」
からん、から、から
⚅
「…………………。 そんな、そんな」
「あ~、残念だったね。いや、うん。本当に。でも、出目は6 はずれだ。君は“能力特典”なしだ。本当に残念だったね」
「っ! 頼む! もう一度振らせてくれ! 何もないなんて嘘だろ! そんな、そんなのってない! 俺は転生者で! 主人公なんだろ! なぁ! 」
「そうだね。君は確かに転生者で、主人公だ」
「だろうっ! だったら! 」
「――――でも、君のほかに転生者は何百何千人と存在している、そしてこれからも増え続ける。君だけが特別じゃないんだ。君が主人公なのも君の人生においてはという意味でなら、だ」
「なんでだっ! 俺はっ! くそっ! 」
「受け入れなよ。君は転生する機会を得て、第二の人生を送ることができる。それは幸福なことだろう? 」
「うるさい! 俺はこんなんじゃ何にもなれない! 何もできない! 俺はだめなままだ! 」
「……(力があったら君は何かになれたのか?って聞きたい。でも逆切れするかもだし黙ってよ)」
「気は済んだかい? そろそろ転生させるよ」
「――――――! 」
「だめだね、待たない。
ゴホン
それでは転生です。
あなたは2つの神からの贈り物をもって別世界に転生します。
今のあなたの自我を保ったまま、赤ん坊からあなたは人生をやり直します。
これからあなたの生きる世界に私たちは関与しません。
あなたがこれから手にする力で何をしても、それはあなたの自由です。
私たちはあなたが亡くなった後に、あなたの人生を閲覧しますが、評価するわけではありません。
三度目はありません。二度目の人生を、後悔なく過ごせるかはあなた次第です。
転生を実行します。それではよき人生を 」
「―――」
「ははっ! びっくりしたかい? まぁイケメンが美女に変わったら驚くよね、残念だったね。その性格治した方がいいよ。ばいばーい」
「こっの…くそがーー!! 」
「さてと、次はどんな人がくるのやら…次の人ドゾー」
No.547 古金 勉
転生してしばらくは、原作に介入することを目論んでいた。
フーシャ村で育ち、アメでルフィをつり仲良くなろうとしていたが、赤髪海賊団の山賊殺害を見て、恐怖。自分にはできないと自覚。
その後はひっそりと村の一員として過ごした。生涯村から離れることなく、一市民として生を全うした。
享年32歳。病死。独身だった。
はい、ということで。
古金くんはくじ運がありませんでしたね。あと、精神的にバトル漫画には合いませんでした。
神の使いさんが辛辣なのは、疲れていたからです。546番の人が重箱の隅をつつくような、超神経質な質問狂だったので。
まぁ、親切でもサイコロの結果は変わらなかったのかもしれませんけど。