「次の方どうぞ―」
ガチャ
「こんばんわ~…」
「こんにちは。50番、五十嵐 空さんですね。どうぞこちらに」
「はいー」
パタン スト…
「では、
おめでとうございます。五十嵐さん、あなたは神様転生の権利を得ました!」パチパチパチー
「マジですか。飛んでみるモンですね」
「モンですねー。自殺だろうが他殺だろうが事故死だろうが、神様は死に方で人を差別したりしないのです。
お気づきの通り、ここはいわゆる神様転生を行う場所でこれから先、五十嵐さんには転生先と特典を決めていただき、二次元世界に転生していただきます。まぁ五十嵐さんがここに呼ばれたのは偶然ですけどね」
「わーいわーい」
「喜びが独特ですね。転生のシステムについて、まずはその説明をさせていただきます。『かくかくしかじか』………という感じです。わかりましたか?」
「はい。まるで脳みそに情報を叩き込まれたかのように」
「表現も独特ですね。ともあれ理解してくださったのなら準備完了。
転生先をサイコロで決めていただきます。どうぞ」
「あい、さー」
からん、からから
からからから
⚄⚀
「おー……」
「はい、出目は5と1 なので『Fate/シリーズ』に転生ですね。ご存じですか? 」
「ZEROとHeaven's FeelとプリズマイリヤのアニメとFGOですかね」
「結構知ってますね……」
「中学生の頃に知って、そっから~です」
「なろほど。それではもう一度サイコロを、今度は一つ振ってください。出目でどの作品の世界に転生するかを決定します」
⚀・・・stay night
⚁・・・zero
⚂・・・EXTRA
⚃・・・Apocrypha
⚄・・・kaleid liner プリズマ☆イリヤ
⚅・・・Grand Order
「ではどうぞ」
「たりゃー」
からんっ からから
⚅
「おー」
「出目は6。五十嵐さんの転生先は『Fate/Grand Order』の世界に決定しました」
「やったー? 」
「おめでとうございます(喜んでいいのか困ってる? どういう感情だこれ)」
「次は特典を選択してもらいます。2種類の特典を贈らせてもらうのですが『かくかくしかじか』で、まずは“アイテム特典”の数をサイコロで決めます」
「はーい。投げても? 」
「どうぞ」
からからからから
⚅
「んー。やったったー」
「出目は6。くじを6枚引いてください。番号の品物があなたの特典になります」
「わーいわーい、やったった、やったった」
「(喜んでるんだよね。喜んでるんだよね? )」
がさ、がさ、がさがさ
「んー? んーんーんー」
がっさがっさ、がさがさがさ!
1595・・・11・・・1602・・・128・・・1237・・・303
「それでは特典の説明をさせていただきます」
「一つ目の特典は、1595番『味見スプーン』です」
「スプーン? 」
「はい。見た目は何の変哲もない一口サイズの小匙ですが、このスプーンはその名の通り味見をする機能を有するアイテムとなっています」
「んー? 」
「まぁ、ぶっちゃけドラえもんのひみつ道具です」
「あー」
「使い方は簡単。食べ物の写真にスプーンをつけるだけ。そうすることで写真の食べ物を掬い取って味見することができます。
ただし『味見スプーン』なので、食べられるのは一枚につき一回、一口だけです」
「ふむん。……カタログとかで一枚にいくつも載ってるケーキとかはどうなるんですか? 」
「独立していれば一つずつ一口食べられますよ。ハサミか何かで切り離せばどうとでもなりますしね。ちなみに、スプーンは一つで何枚にでも使用可能ですし、味見スプーンを取り換えれば一度味見した写真ももう一度味見することができますよ」
「ふむー」
「続いて二つ目の特典は、11番『マネマネの実』です」
「悪魔の実」
「イェース」
「ボンちゃんさん? 」
「ざっつらいっ! 」
「イエーイ! 」
「いえーい」
「ゴホン。はい、そういうわけで『マネマネの実』です。食べた者を、右手で他人の顔に触れる事でその人物の声・体格・傷跡といった身体的特徴を完全にコピーし、自分の体に自在に反映させる事ができる「マネ人間」にする超人系悪魔の実の一つです」
「変身ー…じゃないんでしたっけ? 」
「そうですね。あくまで“マネ”であり、記憶や人格、身体能力などは写し取ることはできません」
「そうそう。あのー、えっと…オカマ拳法? がナミさんの真似したままだと出せないとか、ありましたよね」
「ええ。ついでにいうと、右手で記憶した当時の記録にのっとってなので、月日が経ったりなんだりで元の人物と一致しなくなることがあるのでそこは注意してください」
「はい」
「能力の解除方法はマネってる時に左手で頬を撫でることです。以上でよろしいですか? 」
「はーい」
「三つ目の特典は、1602番『あなただけの物ガス』です」
「あなただけの物ガス? 」
「これまたドラえもんのひみつ道具の一つで、効果は読んで字のごとく「ガスを吹きかけたものが他人にとられなくなる」、つまり“あなただけのものになる”ひみつ道具なわけです」
「へー」
「アニメでは、のび太君にガスを吹きかけられた漫画本は彼以外に読まれることを拒み、ジャイアンをぼこぼこにして、しずかちゃんはまるでペットの犬のように従順? 盲目? な感じになってしまいました(鳥の雛の刷り込みみたいな感じだったかな)」
「うわぁ」
「まぁ、その後間違って先生にガスをかけてしまって「のび太だけの先生」になった先生にひたすら勉強を教えられるというオチがつくのですがね」
「あっはっは」
「このガスを吹き付けられたものは、吹き付けた者以外の他者からの干渉がほぼ不可能となり、対象が人であった場合は人権無視の強制労働だって可能なヤバめのひみつ道具です。
先生の例を見るに、別に絶対服従させられるわけではないのでご注意ください」
「はい」
「四つ目の特典は、128番『眠七號』です」
「?」
「『BLEACH』の護廷十三隊十二番隊副隊長 涅ネムの正式名称です」
「あー、あの。ミニスカで、コキュッしおしお~ってなってた」
「ですです。
涅マユリの無から新たな魂を生み出す被造死神計画「眠」の七號目の個体。かの天才の義骸技術・義魂技術の粋を集めて作られた最高傑作の人造死神で対外的には彼の娘とされています」
「死神ってことは……どうなるんですか? 」
「この特典は世界によるんですけど……。
はい、FGOの世界においては受肉した英霊的な感じになりますね」
「んー? 」
「つまり魂魄を削って敵を粉砕する「義魂重輪銃」のような技や、怪力といった超人的な能力はそのままに、現世に干渉可能な肉の器を持って顕現するということです」
「んー…ん。なるほど」
「見た目や気配は普通の人間そのものというかなので基本的に人外バレすることはないと思いますよ」
「そですかー」
「そですよー」
「五つ目の特典は、1237番『コリンクの入ったモンスターボール』です」
「モンスターボール? 」
「はい。この特典は生き物だけど生き物じゃないことにしてポケモンを特典にしちゃおう! という神様の横紙破りでできた特典で、せんこうポケモンコリンクが入っています」
「コリンク…コリンク……コリンク? 」
「でんきタイプの、水色の猫みたいなポケモンです。進化系はルクシオとレントラー」
「あぁー! ダイパで出てきたあれですか。あのー…アレ! 」
「多分それです」
「えっとえっと、ツッコミのルクシオですよね」
「え? 」
「ポケスペでパールに助けられたあれです」
「よくわかりませんが多分そうだと思います」
「よかった」
「よかったですね」
「最後 六つ目の特典は、303番『ココ・ジャンボ』です」
「?」
「ココ・ジャンボは、亀です」
「??」
「スタンド使いの」
「あー」
「分かりました? 」
「アニメで見ました。あの、あれ、鍵はめ込むと中に入れるやつですよね」
「その通り、正解です。スタンド名『ミスター・プレジデント』により、体の中に部屋を作ることができるジョジョ第5部に登場する動物のスタンド使いその人――もとい亀です」
「確かトイレないんでしたよね。ジッパーでトイレ作ってたの」
「はい。電気は通っていますが水道は通っておらず、そのためトイレだけでなく風呂場や洗面台もありません。
部屋と外は出入りが自由であり、スタンド発動の文字通り
「んー、亀の部屋…カメハウス…カメルーム? 」
「カメハウスですね~」
「さて、“アイテム特典”が決まったところで“能力特典”も決めていきましょう! 」
「はいさー」
「ではサイコロを」
「ほいさー! 」
からん からから
⚅
「あちゃちゃー」
「あー、出目は6 『はずれ』ですね」
「うぬぼぁー」
それでは転生です。
あなたは6つの神からの贈り物をもって別世界に転生します。
今のあなたの自我を保ったまま、赤ん坊からあなたは人生をやり直します。
これからあなたの生きる世界に私たちは関与しません。
あなたがこれから手にする力で何をしても、それはあなたの自由です。
私たちはあなたが亡くなった後に、あなたの人生を閲覧しますが、評価するわけではありません。
三度目はありません。二度目の人生を、後悔なく過ごせるかはあなた次第です。
転生を実行します。それではよき人生を
「いってらっしゃいませ~」
「ありがとうございましたー」
No.50 五十嵐空
適当に幸せに、前世とは大違いの優しい父親母親のもとですくすく育ち、2015年カルデアに拉致られた。
空「転生してから考えたけど、この世界死亡フラグ多すぎだよなー。人理が大変とかいうけど、俺出しゃばらなくても解決するしなー」
死ぬような目に遭いたくないし、自分が何かしなくても主人公が世界を救ってくれるならそれでいいかなーと、亀ニートになる決意を固める。
レフによる爆弾テロ直後、こっそり管制室に向かいそこらに転がる死体(カルデア職員)をマネマネの実を食わせたネムにコピーさせ、成り代わらせる。
→ネム(ガワ:職員)は記憶喪失ということで押し通らせる。
『あなただけの物ガス』で干渉不可にしたココ・ジャンボの中に引きこもり、職員として成り代わらせたネムにご飯を持ってきてもらうニート生活を開始。
藤丸立香が特異点攻略頑張ってる間、五十嵐空はココ・ジャンボの中で持ち込んだゲーム機で遊んだり、電子書籍に落とした漫画・小説を読み漁ったり自堕落な生活を送っていた。
→→ネム:職員として精力的に働く。
藤丸立香がサーヴァントと親交を深めている間、五十嵐空はコリンク(未進化)とじゃれ合いきゃっきゃきゃっきゃ。
カルデア内ではネムの自室以外に顔を出すこともなく、数年間ココ・ジャンボの中で自堕落な日々を送り、偶にエミヤさんを筆頭にしたカルデア調理部の料理をネムに写真撮ってもらい、味見スプーンで一口食べてみたり。
ホームズにネムのことがバレたりしたが誤魔化してするするスルー。
カルデアが落とされたときはネムに頑張ってもらって脱出し、シャドウ・ボーダー乗車。
その後もいろいろあったが、引きこもりを続け全部終わった後は日常に戻った。
FGOの物語が終わった後もニートはやめられず、ネムのマネマネの力で詐欺まがいの金稼ぎをして生涯無職を貫いた。
嫁無し、子ども無し、友人無し。
一生を怠惰に過ごし、ネムとコリンクに看取られ幸福感のまま亡くなった。
*追記
なお、カルデア時代に職員だったネムにほぼ全女性鯖(静謐ちゃんは無理。他には鬼とか獣とか)の顔に触れてもらって、メモリー保存。
マネマネの能力で変身したネムととっかえひっかえにゃんにゃんした。
→「マネマネ
最高にエンジョイした。
追記*
はい。
出てきた特典がいい感じだったので、原作に全くかかわろうとしない転生者を書いてみたかったんです。
いかがだったでしょうか。
実際、FGO世界に転生とか、主人公補正がもし仮にあったとしても、死ぬか死ぬよりひどい目に合う未来しか見えないんですよね、と。
作者はそう思います。
なんでこんな感じになりました。
ちなみに、ネムこと眠七號は全力全壊(誤字にあらず)で戦えばA級サーヴァントは打倒可能、超級鯖は無理、な戦力です。
今回それが発揮されることは一度もありませんでしたが(裏方なので、職員なので。対サーヴァント戦とかナイナイ)
ではではまた次回~♪