バレットガールズIF ~もしも岬守学園が共学になったら~   作:土居内司令官(陸自ヲタ)

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sortie2 ガングレイヴ

 私立岬守学園、神奈川県 横浜市にある、創立149年となる由緒正しきお嬢様学校だ。

 「専守防衛」を校訓とし、「守るための攻め」を追求したスタイルで全国に名を馳せる指定防衛校の1つでもある。

 しかし、近年の少子化による入学生の減少が深刻化しつつあった。このままでは学園が経営難に陥ってしまう、そこで共学制度を取り入れるという思い切った決断がなされたのである。

 

 

 

「今年の1年、共学だって?」

 オレンジ色のショートヘアを風に揺らしながら、あんパンを頬張る女子高生が呟く。

「レンジャー部にも男が入んのかなぁ……」

「それはそれで、面白そうじゃない♪」

 オレンジショートヘアの隣にいた、ウェーブがかかった長い紫髪の女子高生が返す。すると、オレンジショートヘアが言い返した。

「くれぐれも下着姿でほっつき歩かないでくれよ? 風評被害になりかねないし、まず第一に振る舞いとしてどうかと思うぜ?」

「その辺は気を付けるわよ。幼稚園児じゃあるまいし」

 

 

 

 

 

 

 入学式から数週間、仮入部期間が終わり、本入部の時期となった。

 私立岬守学園を始めとする指定防衛校では、全ての生徒は部活動もしくは委員会に入る事が義務付けられている。勿論、陸上部やテニス部といった普通の部活動もあるが、変わった部活もある。

 戦車や歩兵戦闘車を取り扱う「機甲部」、榴弾砲やロケット砲を専門とする「特科部」、ヘリコプターを操縦する「飛行部」、一般的な歩兵を担う「も部」、そして少数精鋭の特殊部隊、「レンジャー部」等々……。

 

「はぁぁ…………」

 本入部の時期となり、テンションの高い生徒が多い中、1人の女子生徒が肩を落として歩いていた。

「何で入部届を出し間違えたんだろう……」

 そんな事を呟きながら、赤いショートヘアの女子生徒が廊下を歩く。

(何で『ある程度成績を出さないと転部出来ない』なんて、理不尽な校則があるんだろう……)

 がっくしと肩を落として歩くが、ふと彼女の頭にある考えが浮かんだ。

(成績を出さないと転部できないなら、その成績を出せばいいんだ! 我ながら名案だね!)

 すっかりテンションがV字回復したものの、何かにぶつかった。

「あでっ……ご、ごめんなさい!」

「すいません、こんな所で立ち止まってて――」

 その時、彼女は驚いた。おかっぱっぽい髪型だが、穿いているのはスカートではなく長ズボン――

「お、男ぉ!? ――あぁ、そうか。外進(外部進学生、中高一貫等で高等過程等の途中から入学した生徒)の方ですか?」

「ええ、まあ。1年 I組(都合により、GとHは欠番)の鳥尾 千夏です」

「同じ学年だね! 私、1年 D組の火乃本 彩っていうんだ」

「よろしく、火乃本さん。今、レンジャー部の部室を探しているんだけど、配られた地図がよく分からなくて――」

「同じだね! 私も、これからレンジャー部に行くところだったんだよ。だけど、高等部の校舎は初めてで……」

「じゃあ、一緒に探すか、火乃本さん」

「うん! あ、彩って呼んでいいからね、千夏君?」

「分かった、彩さん」

「もう、さん付けは止めてよぉ」

 

 

 

 かれこれ30分以上歩き回り、漸く別棟 2階にあるレンジャー部部室を2人は見つけた。

「訊いた上級生が親切な人で良かったよ〜」

「そうだな」

「あれ、仮入部の時に来たんじゃないの?」

「あの時は射撃場集合だったからさ」

「なるほど、そうだったんだ」

「彩さんは仮入部に来てなかったの?」

「実は、救護部に入りたかったんだけど、入部届を間違ってここに出しちゃって……」

「普通入部届を出し間違える?」

「だよね〜……」

 そして、2人は[レンジャー部]と書かれた引き戸を開けた。

「「お邪魔しま――あれ?」」

 見事にハモる2人。というのも、レンジャー部がもぬけの殻となっていたからだ。

「もしかして、集合に遅れちゃった?」

「入部早々、説教確定だな」

 そう言いながら、2人はレンジャー部部室を見渡す。

「ロッカーが11個ある……見て見て! 私と千夏君の名前があるよ!」

 彩が、壁沿いに並べられたロッカー達を指差す。かなり端に、[火乃本 彩]と[鳥尾 千夏]と書かれたロッカーがある。

「私のロッカーが、ラッキーカラーの赤だ! 千夏君のは……ワインレッド?」

「赤紫と言おうな?」

 そんな千夏のツッコミを尻目に、彩はロッカー達を見比べる。すると、ピンク色のロッカーに目が止まった。

「あ! 『スイーツ☆が〜るず』のシールが貼ってあるよ! 私も毎週見てるんだよね〜。変身シーンがカッコカワイくて――千夏君は好きな番組はあるの?」

「ん〜、あえて言うなら、『ハンチョウ』とかかな? 最近の刑事物としては珍しくドンパチシーンがあって、何より安積班長がベレッタ M9A1を使ってて――」

「千夏君、もう終わった番組だよ?」

「言わないでくれ、死ぬほどへこんだから。まぁ、『相棒』とか『ガンゲイルオンライン』かな?」

「一気に方向性変わったよ!?」

 その時、誰かが部室に入ってきた。

 

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