ロクでなし魔術講師と投影者(リメイク中につき凍結) 作:よこちょ
展開が思いつかなかったんじゃ……
まあ言い訳はともかく、今回初のライダー要素が出てきます。まあ、察しのいい人はタイトルで気づいたでしょうが。
そのへんも楽しんでくれると幸いです。
では、どうなる第10話!どうぞ!
学校を飛び出してしばらく走り、西地区へたどり着いた。
しかしまさか学校行事の途中で学校を抜け出すことになるとはな。
怒られなきゃいいんだが。
………そういえばこれ先生もいない状況なんだよな。
てことはワンチャン俺怒られないのでは………?
そんなことを考えながら走り、先生とルミアを探す。
だが、非常に重要なことを思い出した。
「…………裏路地って、どの裏路地だよ!」
そう。先生は「裏路地に来い」とは言ったが、どこの裏路地かを言ってなかったのだ。
お陰で今から第1回チキチキ先生探してウン千里
しなければならなくなった。
「…………先生〜!」
声をあげて探すことはや10分。
ようやくグレンとルミアを発見した。
発見したのだが………
「ルミア。これどういう状況だ?」
「わかんない………」
俺が見つけたには、
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
と叫ぶグレンと、
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
小柄な少女、リィエルがこちらも叫びながらグレンに大剣を振り下ろし、
「きゃうん!」
その少女の後ろにいた青年、アルベルトさんが少女の頭に「ショック・ボルト」を撃ち込んだ姿だった。
「いや、まじでどういう状況?」
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「とりあえず……お久しぶりです。アルベルトさん、リィエル。」
「ああ。元気そうで何よりだ。」
「ん。何より。」
「えっと……どちら様ですか?」
おっと。ルミアは面識ないんだったな。
「この2人は帝国宮廷魔道士団特務分室のメンバーだ。前言った、俺の命を救ってくれた人達でもある。」
「そうだったんだ。」
「自己紹介はこれくらいにしておこう。グレン。わかってることを話せ。」
アルベルトさんが仕切り直し、状況整理に入る。
今わかっていることは、アルフォネア教授は動けないということ。
鍵はグレンが握っているということ。
俺が関わっていることはバレてない可能性が高いといううこと。
そして、グレンが女王陛下に会えれば解決するということだ。
これを踏まえ、作戦を練る。
結果、「グレンとアルベルトさん、ルミアとリィエルが魔術で入れ替わる」という作戦になった。
そして、俺の役割は別にある。
それは、この中では俺にしかできない役割だった。
「了解。任せておけ。」
そう言い、俺は単独行動を始めた。
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「この辺でいいかな。」
グレンとルミアに変身したアルベルトさんとリィエルが走っていった道にある塀の上に座る。
「お、きたきた。」
そのまましばらく待っていると、足音をたてながら親衛隊が走ってきた。
そして俺に気づかず、そのまま走っていた。
「ま、気づかないよね〜」
まあ相手が気づかない理由は単純だ。
人払いの結界をエンチャントしたマントを羽織っているからである。
もちろん通常なら看破されて終わりだろうが、今は独断専行で焦って動いている。
よって比較的バレにくいのだ。
「さて、仕事しますか!」
弓と「スリープ・シールド」をエンチャントした魔矢を投影し、構える。
「ふっ!」
矢をつがえて引き絞り、親衛隊の足を目掛けて撃つ。
だが、俺自身あまり弓が得意ではないので、命中率はそこまで良くはない。
最初は宝具を投影し、憑依体験をして当てようとも考えたのだが、それで撃とうもんなら刺さるだけじゃすまないと思い直し、普通の弓にした。
「う〜ん。微妙だなぁ………。」
まあ、俺は「とにかく撃て。可能なら当てろ」と言われただけだしな。
実際当たらなくとも、「視認できない敵からの遠距離攻撃」というのは精神的にキツいだろうし。
そんなことを考えながら撃ち続け、親衛隊の四分の一程を眠らせたところで、親衛隊が人混みに入ってしまった。
これでは撃てないので弓矢を消し、遠見の魔術で様子を見る。
「……どうやら上手くいったぽいな。」
見えたのは、アルベルトさんが「ショック・ボルト」の狙撃で気絶させていってる所だった。
これならば、俺の出番はもうないだろう。
そう思い、グレンから借りた通信用の魔道具でグレンと連絡を取る。
どうやらまだ入れ替わったことはバレてないらしい。
俺は帰ってきていいということだったので、そのまま帰ることにした。
「………このまま無事に終わってくれればいいんだがなぁ。」
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学校へ帰り、無事にアルベルトさんに変身したグレン、リィエルに変身したルミア、それからクラスメイト達と無事に合流できた。
「あ!アラン!どこいってたのよ!」
帰ってくるなり、システィに怒られた。
「いや、ちょっとお花をつみにな。」
「こんな長い時間つんだら花畑なくなるわよ?全くもう………。先生もルミアもいないし………。」
いやそこにいるぞ、とは口が裂けても言えないので、慌てて話題を変える。
「ところで、今どんな感じだ?」
「ハーレイ先生のとこといい勝負してるわよ。あとは決闘戦で勝てれば優勝よ。」
「ほう。なかなか凄い所まで行ったんだな。」
実際、システィやギイブルと言った成績優秀者が少ない俺らのクラスがここまで勝ち進めているのは凄い事である。
これはグレンの戦略の賜物だ。
(………今度なんかあったら助けるか。)
参加出来て楽しかったので心にそう決めていると、
「間もなく、決闘戦に入ります。参加する生徒は集合してください。」
アナウンスが入った。
システィは勿論、参加生徒だ。
「システィ、頑張ってこいよ。」
「ええ。絶対に勝ってみせるわ!」
「おう、行ってこい!」
そう言ってシスティを送り出す。
そしてそのままアルベルト(グレン)に近づき、小声で会話をする。
「……なあ、まだバレてないんだよな?」
「ああ。なんとかな。」
「……なあ、先生。表彰の時、こっそり着いて言っていいか?」
「あ?なんでだよ。」
「まだなんかあったら怖いからな。」
「でも流石にあの隠蔽のマントじゃ防げないと思うぞ?」
「大丈夫。俺に策がある。」
策を話すと納得してくれたようで、「わかった。」と了承してくれた。
(ま、何も無いのが1番なんだけどな。)
話し終わったので決闘戦のフィールドへ視線を向ける。
視線の先には、システィが「ゲイル・ブロウ」で対戦相手を場外に吹っ飛ばして勝利を収めている姿があった。
どうやら無事に優勝出来たらしい。
クラスのみんなも自分たちの優勝に驚くと同時に喜び、帰ってきたシスティを胴上げしていた。
「さて………先生?」
「ああ。わかってる。」
俺は先生のローブの内側へ張り付き、その時を待った。
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優勝が決まり、先生が表彰される時間になった。
先生はアルベルトさんの見た目のまま、表彰台まで歩く。
女王陛下はグレンの顔を知っているらしく怪訝そうな顔をしている。
「この者が講師のグレン=レーダスかね?」
「いえ、違うと思うのですが………」
側付きの親衛隊─確かゼーロスとか言ったか─が白々しくそんな疑問を投げている。
「なあ、お前ら。馬鹿騒ぎもいい加減にしようぜ?」
先生が変身を解き、姿を晒す。
「なっ!貴様何故ここに!お前は街中にいる筈では!?」
「途中で入れ替わったんだよ。セリカ!頼んだ!」
グレンの声を合図に地面を光が走り、声や視界を外部と遮断した結界が張られる。
「セリカ殿!まさか裏切るおつもりか!」
ゼーロスが慌てるが、アルフォネア教授は何処吹く風と結界を維持している。
その後、ゼーロスが焦って行動している理由を女王陛下とのやり取りでグレンが察知し、行動を開始した。
しかし、グレンが動こうとした瞬間にゼーロスが神速の勢いで移動してきた。
「ハァッ!」
このままではグレンが行動不能になると思い、俺が動く。
一先ずは干将莫耶でゼーロスの2本のレイピアを防ぐ。
「なっ!貴様どこから!」
急に現れた俺に驚いたゼーロスは一旦下がり、再び突進してきた。
それをクロスさせた干将莫耶で防ぐ。
が、勢いが強すぎて後ろへ下がってしまう。
だが、
「先生!もうできたか!」
「ああ!バッチリだ!陛下!」
俺がすべきなのは時間稼ぎ。別に倒さなくても目標は達成出来た。
チャリンッ、という音が結界内に響く。
その音は、女王陛下が着けていたネックレスを外し、地面に落とした音だった。
「なっ………!陛下!なんということを!」
「大丈夫ですよ。ゼーロス。もう、大丈夫なのです。」
「はん、やっぱりな。そいつは呪殺用の魔道具だったんだろうよ。」
グレンの推理とゼーロスの言葉を纏めると、このネックレスには「カースド・ギアス」の魔術が掛けられていて、ギアスの内容は「解呪しない状態で外したら装着者を殺す」。解呪方法は「ルミアの殺害」だった。
このネックレスは側近のエルミナが持ってきたという事だが、そのエルミナが居ないあたり、十中八九そいつが犯人だろう。
「んで、それを知った親衛隊が暴走、そしてこうなった。と。」
「ああ。」
「成程ね。んで、この状態。収集つくのか?」
「…………さあな。……………ってかホントに着くのか?」
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そして時間は過ぎてその日の晩。
グレンとアランは2人で道を歩き、優勝祝賀会をやっているという店に移動していた。
「ったく。俺がとアランが勲章貰うだぁ?しかも二人揃って後日召喚とか。めんどくせえし要らねえっつうの。」
「まあまあ。別に俺ら2人じゃなくてもいいって言ってたし。なんなら友人誘って行きましょうよ。勲章だってタダで貰えるんだし、貰っときましょう。」
「はぁ………。めんどくせえなぁ。」
「どんだけ面倒くさがりなんだアンタ……。それよりほら、着きましたよ。その店。」
「ここか。しゃーねえ。酒でも飲むか。」
「程々にしてくださいよ?」
「わーってるっつうの。てめえは俺の親か?」
「生徒ですが?」
「違えねえ。」
2人でそんな掛け合いをしながら店へ入ると、夜遅いというのに、まだまだ騒ぎ足りないと言わんばかりに皆騒いでいた。
「おーおー。やってるねえ。」
「先生!今日の俺の活躍見てました!?」
グレンは皆に囲まれ、ヒーローのような扱いを受けていた。
アランはと言うと、1人椅子に腰掛け、料理を摘んでいた。
別にボッチな訳では無い。疲れて腹が減っていたのだ。
「ふう。ちょっとトイレ。」
誰に言うでもなくそう言ったアランは椅子から立ち上がると、トイレへと1歩を、
「ア〜ラ〜ン〜!こっちきて一緒話そうよぉ〜!」
………踏み出せなかった。
システィーナが腰にタックルをする様に抱きついてきたのだ。
「ふぐぉあ!?」
立ったばかりのアランは当然体制を崩し、顔面を近くのカウンターに思いっきりぶつけた。
「いってぇ………。おいこら。急に飛びつくんじゃあるません。痛いだろうが。」
「えへへ〜。ごめんなさ〜い。」
「ってかおめえ酒臭えな!なに酒飲んでんだゴルァ!ってか離せ!トイレ行かせろォー!」
なお、その時周りにはシスティーナが呑んだであろうクソ高い酒の空き瓶がゴロゴロと転がっており、それを見たグレンは戦慄していた。
「ふう。スッキリしたぜ。」
トイレから帰ってきた俺は、カウンターへと腰掛ける。
クラスメイトは俺がトイレに行ってる間に粗方帰ったらしく、店内にはルミアしかいなかった。
「なんか悪いな。待たせたみたいで。」
「ううん。全然。ちょうど2人で話したかったんだ。」
聞くと、先生はシスティをおぶって先に送り届けているらしい。
となると当然俺がルミアを送ることになるのか。
まあルミアは美少女だし、嫌じゃない。
「すまん。ちょっと喉かわいた。どっか飲み物ないか?」
「ええっと………これくらいしかないよ?」
そういって差し出したのはコップに入った紫色の液体だった。
曰く、近くのテーブルに手付かずで置いてあったらしい。
「つっても俺だけ飲むのも悪いし、半分こにしようぜ」
「いいの?ありがとう!」
2人でジュース(多分)をグラスに分け、飲む。
ふむ。
「上品で濃厚な葡萄のスッキリした甘みがこのアルコールの味を引き立たせていて非常においs………ってこれ、さっきシスティがガバ飲みしてたワインじゃんか。」
まさか人生初の飲酒をこんなとこでするとはな……
ってか、俺はちょっと頭がぼおっとするくらいだが、がルミアは大丈夫なのか?
そう思って確認すると、頬が少し紅いがあまり問題はなさそうだった。
「んで、話したいことって何だったんだ?」
「ええっとね………」
それからしばらく2人で話した。
普段の学校生活のこと、システィーナがグレンに対し好感を抱いているということ(まあこれは薄々分かっていたが)。
そして、ルミアの過去を。
初めて知ったが、ルミアは廃嫡された女王陛下の子供だったらしい。
このことはグレンやシスティ等のこの前の事件の関係者以外は知らないから他言無用で頼むということも言われた。
「そうだったのか。初めて知ったわ。」
思えば、凄く礼儀正しいのはそのせいかも知れない。
「うん。さっきお母さんとも話してきたんだ。そしたら色々スッキリしたよ。」
「そうか。それならよかったんだ。」
そう言って再び酒を呷る。
俺は幼い頃に両親も家も、何もかもを失っている。
しかも、最期の挨拶さえできなかった。
だから、
「ホントに、よかったな。」
そして少し羨ましく思う。
親と滅多に会えないとは言え、まだ言葉を交わす余地があるからだ。
「アラン君。辛かったら、泣いていいんだよ。」
「泣いてないし。」
そう。泣いてない。恐らく、初めて酒を呑んだからだろう。視界が濡れたように霞むのは。
そう思っていると、急に頭を抑えられ、撫でられる。
「………なんだよ。」
「ふふっ。何でもないよ?」
「………」
いつ以来だろうか。頭を撫でられるんて。
そう思っていると、どんどん頭がぼうっとしてきた。
(あ……やばい………眠い……)
せめてソファーで寝ようと移動しようとするが、上手く立てず、転んでしまう。
だが、硬い感触はいつまでたっても襲ってこず、代わりに柔らかくいい匂いのした物に受け止められた。
(ああ……なんか気持ちいいなぁ………)
そしてそのまま意識を手放した。
なお、翌朝全力で謝ったのは言うまでもない。
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時間は少し遡り、夕方。
1人の女性が裏路地を歩いていた。
「まさか失敗してしまうとは………。」
その言葉と裏腹に声音は弾み、顔には笑顔が張り付いていた。
「でも……折角のルートが無駄になってしまいましたね。」
「やはり貴様だったか。」
その女性に鋭い声を投げかけたのは、アルベルト。隣にはリィエルもいる。
「俺らが命じられた任務は3つあった。1つ目は親衛隊の監視、2つ目は女王陛下の内定調査。そして3つ目は、お前についての調査だ。天の知恵研究会所属の外道魔術師、エレノア=シャーレット!」
その女性、エレノア=シャーレットは振り向き、微笑を崩さず答える。
「あら?なぜ私個人の調査を?」
「貴様はとても優秀な側近で経歴に傷もなく、特に信頼を置かれていたそうだな。その分女王陛下との付き合いも長かったのだろう?」
「ええ。」
「だからだ。」
「あらあら。せっかちな男性は嫌われますわよ?」
「貴様の態度が『どこかおかしい』、『前と違う気がする』。そう女王陛下に思わせてしまうには充分な時間だったと言っているのだ。」
「…………」
エレノアは初めて、少し笑顔が崩れた。
「お前はいつのまにか変わってしまったと言われていた。お前は『本当のエレノア=シャーレット』なのか?」
エレノアは再び笑顔を浮かべた。
だが、その笑顔はさっきまでと違って狂気に溢れていた。
そして、なぜか二重に聞こえる声で答える。
「さあどうでしょうね?ですが、私は『私』。『私』は私です。」
「ん……あいつ変。アルベルト、あいつ斬っていい?」
「ダメだ。あいつは近づいてはいけない。」
リィエルがそう言うが、アルベルトは本気で止める。
「ん。わかった。突っ込む。りゃあああああ!」
「おい馬鹿!」
リィエルは突っ込み、エレノアを斬ろうとした。
だが、エレノアはスカートを捲り、足のホルスターから「黒色の奇妙な形の銃」と「紫のボトル」を取り出した。
「いけませんわよ?相手の戦力が分からないのに突っ込んできちゃ。」
『コブラ』
銃にボトルを差し込みながら言う。
「沸血」
『ミストマッチ』
『コッ・コブラ…コブラ…ファイアー』
路地裏一帯を煙が覆い、目線を遮る。
そして煙が晴れた時、そこに居たのモノは、エレノアの姿をしていなかった。
全身を血の色をした鎧に身を包み、音の如く目の部分にコブラを模したアイレンズのある、如何にも悪役と言った感じの姿をしていた。
「な……なんだこいつは……!」
「ん!よくわからないけどとりあえず切る!いやあぁぁぁぁぁ!」
「くっ……!援護する。」
「おやおや。かかってくるとは……。ならば、少しだけ相手にしてやろう。」
言っているあいだにリィエルの斬撃が腕に直撃した。
「ほう……。なかなかの硬さだ。だが、甘いな!」
腕を上にあげて剣をあげ、拳の一撃で粉砕する。
「……!!」
「馬鹿な………こんなにあっさりと!」
リィエルの剣が弾かれることはあっても砕ける所を見たことの無い2人は驚き、隙を作ってしまった
その隙を利用されてリィエルは蹴り飛ばされ、アルベルトを巻き込んで壁に激突する。
「おやおや他愛ない。でもまぁ、私も疲れたし、今日はこの辺でいいか。」
「ま、待て!」
「や〜だよ。アデュ〜」
エレノアは煙で逃げてしまった。
「…………なんだったんだ。あいつは。」
残されたアルベルトはリィエルを背負い、このことを報告するために戻っていった。
はい。初ライダーは「ブラッドスターク」です!
まだネビュラガスやプロジェクトビルドなんかは片鱗すら出てませんがま、多少はね?
これで漸く第2巻の内容が終了です。
次から3巻に入るので、お楽しみに。
感想意見など、気軽にコメントしてってください。全部返します。
では、次の投稿まで、チャ〜オ〜