ロクでなし魔術講師と投影者(リメイク中につき凍結)   作:よこちょ

14 / 30
どうも。よこちょです。
前回UA7000突破したと言ったばかりなのに、もう8000超えていました。
本当にありがとうございます!
さて、今回で原作4巻までの内容が終了します。
今回は少々オリジナル要素、ご都合主義があ少々強めかと思われるので、苦手な方はにーげるんだよーしてください。
それでもおっけーという人は第14話、どうぞ!


第14話 固有魔術 【構築・解析の盤面】

朽ちた槍、折れた剣、崩れた城、壊れた鎧。倒れた屍、宙に浮く不完全な杯。

様々なものが壊れ、朽ち果て、無へと還っている。

そんななかに立つ男が1人いた。

男は探した。

壊れないものを。

男は泣いた。

自分の弱さに。

壊れぬものは、未だ遠く。そして近く。

 

────────────────────────

 

「…………ハッ!」

 

目が覚め、ガバッと起き上がる。

起き上がると、腹の部分が熱を持ったように痛かったが、傷は完全に塞がっていた。

周囲を見渡すと、死んだはずのグレン、アルベルトさん、そしてベットに倒れているシスティの姿が見えた。

 

「………俺は、生き残ったんですね。」

 

「ああ。らしいな。ついでに俺も。」

 

「二人ともしぶといものだ。グレンだけでも死んでいれば少しは楽だったんだがな。」

 

「そんなこと言いながら【リヴァイヴァー】してくれるなんてアルくんったらツンデr…嘘です冗談です。お願いだからその指下ろして。」

 

「……フン。」

 

相変わらず2人は漫才をやってるような応酬をしている。

見ていてとても面白い。

だが、今はそんなことを言ってる場合じゃない。

 

「……ルミアは。」

 

「リィエルが連れていった。」

 

「………あの馬鹿が。」

 

さらに聞くと、やはりバークスは黒。

恐らく白金魔道研究所の地下施設でよからぬ事をしているのだろうとのことだ。

そして、アルベルトさんの口からとんでもない言葉が飛び出してきた。

 

『Project;Revive Life』。

死んだ人間を蘇らせるという魔法のようなことを可能にする術式。

だが、この術式は実現不可能とまで呼ばれていたらしい。

だが、バークスはルミアの規格外な感応往復を利用してそれを成し遂げようとしているらしい。

 

そして、リィエルはその術式の唯一の成功例だと言うこと。

詳しいことは省くが、「兄の記憶」を利用されてリィエルは暴走。

「兄のためだ」と、天の知恵研究会に手を貸してしまっている状態らしい。

 

「んじゃ、俺らは行くから。」

 

「お前は大人しく待っていろ。」

 

「そんな!俺も行く!」

 

「ダメだ。」

 

「なぜ!」

 

「危険すぎるんだ。それに、今のお前じゃロクに動けんだろう。かえって足でまといだ。」

 

「それは……!」

 

残念ながら、図星だった。

今の俺じゃ走るのが精一杯。

とてもじゃないが、戦えないだろう。

 

「いいから大人しく待っていろ。いいな?」

 

そういうとそのまま返事も聞かず、行ってしまった。

 

「………クソっ。俺は、何も出来ないのか……!」

 

「………アラン。」

 

いつの間にか起きていたのだろう。システィが声を掛けてくる。

 

「……私ね。まだ魔力残ってるの。」

 

そう言って俺を回復する。

その途端に咳き込み、顔が青白くなった。

 

「おいお前それ、マナ欠乏症……!」

 

「いいの!いいから、その変わりに、ルミアをお願い。」

 

「……………」

 

「私は………まだなにも出来ないの。でも、アランならできる。そう信じてるの。だから……」

 

「………ああ。分かった。」

 

そう言って自分の血で濡れた学園のローブを着直し、壊れたドアを開けて廊下に出る。

 

「………さて、行きますかね!」

 

────────────────────────

 

「………って出てきたはいいものの、あの二人どこだ?」

 

カッコつけて出てきたはいいのだが、場所が不明だ。

アルベルトさんの口ぶりから察するに、白金魔道研究所の地下へ行けばいいのだが、正面からじゃ無理だろうしなぁ。

 

だがふと、研究所の作りを思い出す。

あそこはまるで「水の神殿」とも言える程の水を使っていた。

なら、必ず取水口のような場所があるはずだ。

 

「この島で適した場所といえば………あそこか。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ビンゴ!」

 

研究所近くにある湖に行くと、不自然な水の流れが出来ていた。

前散歩したときにみたときは無かったし、十中八九ここだろう。

俺は【エア・スクリーン】を使って水中へ潜り、入口を見つけてそこから入った。

────────────────────────

 

「うわー。こりゃひでえ有様だな。」

 

入った途端大量のモンスターが目に入った。

入ったことは入ったのだが、全員無残な姿で死んでいる。

恐らく、グレンとアルベルトさんが殺ったんだろう。

 

そのまま進んでも、見えるものは死体死体死体。

なかには宝石獣なんていう豪華なものまであった。

(ちなみにもったいないから宝石は剥ぎ取った。)

 

道なりに進むと、前の部屋からバチバチという魔術の音が聞こえた。

 

こっそり中を伺うと、件のバークスとアルベルトさんが闘っていた。

 

バークスは全身がおかしなくらいに盛り上がり、火を出したり雷を出したりして、アルベルトさんは淡々とナイフを投げて闘っていた。

 

そしてこちらに気付いたアルベルトさんが、アイコンタクトで「気付かれずに先へいけ」と言ったので、隠蔽のマント羽織り、魔力放出で空を飛んで隣の部屋へ移動する。

 

その部屋からは、銃撃音や剣を弾く音が聞こえていた。

 

────────────────────────

 

「いやぁぁぁ!」

 

リィエルが跳躍し、斬り掛かる。

それを魔力を纏わせた拳で受け流し、逃げるグレン。

戦況は拮抗してるように見え、絶望的なまでにグレンが不利であった。

 

その横ではリィエルの兄を名乗る青毛の男が、『Project;Revie Life』を完成させようと、ルミアを核とした魔法陣を弄っていた。

 

「グッ……!」

 

ついにグレンが足に1発貰ってしまい、動けなくなってしまう。

 

そんなグレンにリィエルの大剣が振り下ろされて、首がはね飛ばされ──ることはなかった。

 

「ったく。俺にあんだけ大口叩いといてそれか?先生。」

 

アランが干将莫耶を投影し、前と同じようにクロスさせてガードしたからだ。

 

「……悪ぃ。助かったわ。」

 

「アラン──。生きてたの?」

 

「簡単に死んでたまるか阿呆。まだ俺は童貞なんでね!死ぬわけにはいかん!」

 

「せっかくカッコよかったのに台無しだなお前!?」

 

「どうてい……?それが何かわかんないけど……それごと斬る!」

 

「お前童貞斬るとかおっかねえな!男泣くぞ!?」

 

軽口を叩きながらも、大剣を両手の剣で捌くアラン。

勿論、剣には綻びひとつ無い。

 

「……!さっきは壊れたのに!どうして!」

 

「当たり前だ。強度を上げたんだからな。」

 

アランはさっきの反省を踏まえて大量の魔力を注ぎ込み、より強く、硬く投影したのだ。

 

「それに、俺はもう迷わない。」

 

「さっきは躊躇っちまったが、今回は躊躇わん。でなきゃ、話にならん。」

 

そう言って今度はリィエルの大剣を白刃取りの要領で素手で受け止める。

 

「!?なんで!」

 

「こいつのおかげだよ。」

 

そう言って腰に付けているフルボトルを指す。

 

「この『アダマンタイトフルボトル』を付けとくとめっちゃ防御力上がるんだよ。だからこんなこともできるのさ!」

 

そう言ってそのまま剣を素手で弾き飛ばす。

 

「オラァ!」

 

空いたボディーに拳を叩き込み、吹き飛ばして壁にぶつける。

 

「おい先生。ちょっと任せたぜ。」

 

「ちょ、なんでここd」

 

「調べたいことがあんだよ。終わったら加勢する。頼んだぞ?」

 

「………ああ。」

 

そしてその場をグレンに任せ、青毛の男の方へと歩を進めた。

 

────────────────────────

 

「ようクソ野郎。会えて嬉しいぜ?」

 

俺は青毛の男(名前は知らん)の正面に立った。

後ろからはグレンとルミアがかち合っている音が聞こえる。

 

「な、なんなんだお前!リィエルの剣を素手で受け止めるなんて化け物か!?」

 

「それで結構。化け物だろうがなんだろうが、俺は俺なんでね。やりたいことをさせて貰おう。」

 

そう言って懐から巻物を取り出す。

それには特に絵柄も書いていないので、一見ただの巻物にしか見えないと思う。

 

「さて、初めて使うがやってみるか!【構築・解析の盤面】──!」

 

ここで説明しておこう。

俺の魔術特性は解析や改編に向いている。

だから俺は投影魔術が使えるわけだ。

 

んで、魔術特性の「解析」を応用したのがこの【構築・解析の盤面】だ。

 

これは純粋に術式解析するだけでなく、その理論、方法などを全て記すことが出来るのだ。

しかもその魔術を紙に写し取り、自分で使うことも改編することもできる。

 

ようは『自分を中心に一定距離に存在する全て術式、魔道具の作りをパクって自分で使えるようにする』っていう固有魔術だ。

 

「ふむ。問題なく起動しているな。」

 

なんせ初めて起動するので動くかすら不明だったのだ。動いてよかったぜ。

 

術式が起動し、ちゃんと『Project;Review Life』についてが記された巻物が完成した。

 

それを読んだ結果、今ルミアをあの魔法陣から出したらルミアが危険だということがわかった。

なら、こうするまでだ。

 

「【投影】─!」

 

投影した一振の短剣を方陣に突き刺す。

 

「【擬似展開・破戒すべき全ての符】!」

 

『破戒すべき全ての符』を使い、術式を初期化する。

 

これによって方陣が消滅し、ルミアは安全になった。

加勢しようとグレンの方を見ると、グレンがリィエルを抱きしめていた。

 

リィエルが抵抗せず、大人しくしているところを見ると、説得に成功したのだろう。

グレンは満身創痍ではあるが、無事ならばよかった。

 

「さて………あとはお前だけだな?青毛。」

 

「ひ、ひぃぃぃぃぃい!」

 

青毛は腰が抜け、地べたを這うようにして逃げようとする。

 

「阿呆。そう簡単に逃がすか。」

 

「ごがっ!」

 

だが、俺の投げた剣の鞘が後頭部に命中し、気絶した。

 

「安心しろ。殺しはせん。だが、裁きは受けてもらうがな。」

 

短剣を魔力に還し、巻物をしまったところでルミアを助けるため、ルミアの元へ行く。

 

ちなみに青毛はしっかり亀甲縛りをしてケツに「えくすかりばー(弱)」と掘った木刀を刺し、顔には「顔面偏差値-1145141919810」と書いた紙を貼り付け、股間に「なんと平らな山でしょう!」と書いた紙を貼っといた。

 

「大丈夫だったか?」

 

繋がれていた鎖からルミアを下ろしながら声をかける。

すると、緊張の糸が切れたのか、こちらに身を預けて泣き始めてしまった。

 

「………ごめんな。俺が不甲斐ないばっかりに怖い思いさせちゃって。」

 

俺が躊躇せずにリィエルを無力化できる強さを持っていれば。あるいは、リィエルを殺してでも止められていれば。

後悔が募る。

 

「いいの。怖いくらい。」

 

「……だが。」

 

「だって、また助けてくれるんでしょ?」

 

そう言った時のルミアの笑顔は、どんな花よりも美しく、どんなものよりも尊く思えた。

 

「………ああ。約束する。俺がお前を守ってみせるさ。」

 

そう言って、ルミアを抱き締める。

嫌がられるかもと思ったが、なぜかこうしたかったのだ。

 

こうして、この事件は幕を下ろした。

 

────────────────────────

 

今回の事件の後日談的なことを話そう。

まず、俺らの遠征学修は中止となった。

研修先のバークスが「失踪」してしまったからである。

 

そして、失踪事件の調査のため、という名目でサイネリア島からの避難勧告が出された。

だが、観光地なので必然的に人が多い。

そのため、船の順番待ちの時間が丸一日でき、クラスメイトはサイネリア島のビーチで遊んでいるところだ。

 

ん?俺か?

俺は………………

 

 

 

「……………なぜ、なぜ俺はあんな恥ずかしいことをォォォォ………………。」

 

はい。現在研究所内での発言がブーメランのごとく時間差でダメージを負わせたため、1人ビーチパラソルの下で反省会中です。

ていうか俺なんであんな恥ずかしいこと言っちゃったの!

馬鹿なの!アホなの!死ぬの!いや今死んでるよ!

 

1人謎にハイテンションで反省会をしていると、目の前に影ができた。

 

「…………ん?リィエルか。どうした?」

 

砂に半分埋まった頭を上げると、リィエルがいた。

後ろにはシスティとルミアも居る。

 

「ええと……………昨日はごめんなさい。」

 

「ああ。気にすんなって。」

 

あのあと、グレンからリィエルについての話をされた。

詳しいことは省くが、訳ありで記憶を利用されただけらしいからな。

別に怒ってない。

 

「まあ、ぶっ刺されたときはアホクソ痛かったがな。治ってるし気にすんなって。」

 

「………うん。ありがとう。」

 

「よかったね。リィエル。」

 

「うん。よかった。」

 

「ま、お前らの仲が戻ってよかったぜ。身体張った甲斐があったってもんよ。」

 

「本当にありがとう。アラン君!」

 

「お、おう。」

 

そんな顔を赤らめながら言わないでくれ……

こっちまで赤くなる。

 

「?アラン、顔赤い。熱?」

 

「さー泳いでこよっかなー!いやー気持ちよさそうだなー」

 

リィエルがなんか言ってるが、無視だ無視!

 

俺はなんとなく海へ行きたくなったので、海へ飛び込む。

決して顔が赤いのを隠すためだとか、そういうわけではないのだ。うん。

 

────────────────────────

 

島の某所。

1人の女─エレノアが歩いていた。

周囲には避難勧告のおかげで人っ子1人いなかった。

 

「…………やはり、バークス様では役者不足でしたねぇ。」

 

1人、誰に言うでもなくそう言う。

 

「しかし、元軍人のグレン=レーダス様だけでなく、あんなジョーカーまで居たとは………。つくづく、人間というものは面白いですねぇ。」

 

くつくつくつと、愉快そうに笑う。

その顔は、純粋なる喜びに溢れていた。

 

「最初にフルボトルがなくなった時には驚きましたが………。まあ、いい実験になりました。しばらくは預けておいてもいいでしょう。なにせ、『パンドラボックス』と残りのボトルはこちらにあるのですから。」

 

「さぁ…………。お次はどんなものを魅せてくれるのか。楽しみですわぁ。」

 

 

 




これにて「遠征学修」編が終了です。
次回からは「システィーナ結婚騒動編」………ではなく!
完全なるオリジナルの話になります!
結婚騒動の話はその後になります。
楽しみにしてた人がいたらごめんなさい。

舞台はアルザーノ学園から離れ、「受勲式編」となります。ちなみ伏線は一応貼ってましたw
お粗末なものなので分かりにくいかもしれませんが、よければ探してみてください!(ちなみに魔術競技祭の時です)

では、次の投稿まで!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。