ロクでなし魔術講師と投影者(リメイク中につき凍結)   作:よこちょ

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ルミア;えっと……皆さんどうも。今回担当するルミアです。

リィエル;ん……。同じくリィエル。……ねぇルミア、これなに?

ルミア;前回のあらすじみたいなことしてくれっていわれたんだけど……どうしよう?

リィエル;前回……?なにそれ?

ルミア;ええっとね、前回っていうのは

アラン;だあぁぁもう話が進まねぇ!前回は俺とシスティが共闘してネビュラガスに犯されて変質してたアビーを撃破!ガス回収してから先生んとこに移動中だ!

ルミア;そうだったの?私達この時来たばっかりだったから分かんなかったんだよね。ありがとう、アラン君。

リィエル;ありがとう……?よく分かんないけど。

アラン;………まぁいいや。ともかく!どうなる第29話!

3人;どうぞ!!


第29話 正義と〈正義〉

カチャリ、という音が何重にも重なり、静まり返った路地に響く。その音はグレンに向けられた何本もの銃口から鳴った音であり、その銃口はすべて、グレンの頭へ向けられていた。

 

「くそっ……!」

 

「フフ……チェックメイトってやつかな?グレン。」

 

その銃を構えているのは、ジャティスの召喚した人工精霊〈タルパ〉である。

 

(くそっ……何か手はないのか!)

 

先程までの戦闘で幾分か損傷しているものの、身体はまだ動く。だが、今この状況でいくら早く動いても、どう考えても銃口から玉が飛び出して身体を貫くのが早いということは容易に想像出来た。

 

(打つ手なし、か。)

 

己の敗北を悟り、それでもなお策を巡らせる。

絶対に諦めないという精神で考えては見たが──状況はあまりにも絶望的であった。

 

(クソっ!手持ちの飛針も底を尽きかけてるし、爆硝石もねぇ。あるのはペネトレイターと弾丸、それに巻物〈スクロール〉だけ……。何か手はないのか!)

 

「残念だったね。君が万が一にでも『イヴ・カイズルの玉薬』を入手出来ていれば勝敗は変わってたかもしれないが……。まぁ、軍属じゃない今の君には無理か。」

 

必死に策を巡らせているせいでジャティスが何を言っているかはいまいち分からなかった。

ジャティスが未だに自分に執着していることも。

 

(なんで俺に執着してんだか。………白猫は無事に逃げられただろうか?アランは負けちゃいねえだろうな?)

 

打つ手がないと分かってしまったせいか、悪い想像ばかりが頭をよぎる。しかも、自分の教え子が死んでしまうというような最悪の想像だった。

 

「フフフ………ともかく、ようやく僕の正義が君の正義に勝ったんだ!これで僕は『禁忌教典』〈アカシックレコード〉を手にする資格を得たんだ!」

 

グレンには禁忌教典なるものが一体何なのかはさっぱり分からなかった。が、今分かるのは最早この男を止められる存在がここにいないということ。そして、今の自分に出来ることが、アランとシスティーナが死なないように祈ることだけであった。

 

「チッ………うっせぇなぁ。殺すならさっさと殺せよ。」

 

「悪いね。でも漸くここまで来れたんだ。嬉しくて舞い上がる僕の気持ちも分かって欲しいね。」

 

「知りたくもねぇよ。テメエなんぞの気持ちなんか。」

 

「そうかい。残念だがまぁいいや。君は一瞬で殺す。それが僕の正義を破った君への最大限の敬意だ。」

 

カチャリ、ともう一度音が鳴る。

今度こそ、完全に詰みだった。

 

「じゃあね。グレン。あの世でセラによろしく頼むよ。」

 

「…………あぁ。」

 

そして、ジャティスの人工精霊達が一斉に引き金を引き、グレンの頭に血桜を咲かせ──ることはなかった。

 

『ボルテックフィニッシュ!!』

 

突如として響き渡った場違いなハイテンションな声と共に現れたビルド─アランが必殺技のボルテックフィニッシュを放ちながら現れたからだ。

 

「なにッ!?なぜ貴様がここに!グハッ!」

 

突然の攻撃に慌てて人工精霊で防御したが勢いは殺しきれず、そのまま路地の奥の方へとサッカーボールよろしくぶっ飛んで行った。

 

「よっと。よう、先生。一応聞くが無事か?」

 

「先生!大丈夫ですか!」

 

上空から変身を解除したアランと、『ラピッドストリーム』でやって来たシスティーナが着地した。

 

「お、お前らなんでここに!白猫は逃げろっつったろ!アランもそうだが、ここはお前らの居ていい世界じゃねえんだよ!」

 

それに対し、泣きそうな顔で必死に逃げろというグレン。

せめてこいつらだけでも逃がしてやりたい──グレンのそんな思いを知っている上での行動なのか。

そんなグレンの思いを汲んだのか、アランが言葉をつなぐ。

 

「そうだな。確かにここは俺らのいていい世界じゃねえかもしれんな。実際こんな血生臭えとこ居たくねぇし。」

 

「だったら早く逃げ」「でも!」

 

グレンの言葉をシスティーナが力強く遮る。

まるで、説教中のシスティーナのように。

教え子を諭す教師のように。

 

「貴方が居ていい世界でもないわ。先生。」

 

ぱちくりと目を瞬かせ、何を言っているか分からないという顔をしているグレン。

 

「だな。今の先生は俺らの先生だ。それ以外何もんでもねえよ。例え昔軍属だったとしても、な。」

 

「そうよ。だから…………学園に戻ってきて?先生。私達には貴方が必要なのよ。」

 

アランは茶化すように、システィーナは若干涙ぐみながら。それでも真摯な目で、「一緒にいて欲しい」と頼んでいた。

 

「俺は……お前らの先生でいいのか?」

 

「ったりめえだろ?第一、学園が襲撃された時に俺が相手殺しても真っ先に受け入れてくれたのは先生じゃねえか。俺だって受け入れる。」

 

「そうね。私だって気にしないわよ。守るためだったんだもの。」

 

グレンを励ますように、2人は朗らかに笑った。

その笑いはグレンのささくれていた心を元に戻し、再び勇気を与えてくれた。

 

 

 

 

「全く、僕としたことが……。折れた腕と脚を繋げるのに時間ががかってしまったよ。」

 

3人が結束した瞬間、ゆっくりと、人工精霊にぶら下がりながらジャティスが再び登場した。

 

「ホント、計算外だったよ。せっかく僕が作ったこの状況が台無しだ。この状況を作るために一体どれだけ苦労したか。」

 

はぁ、と、まるで自分が被害者であるかのようにため息を吐いた。その様子からは巻き込んだ無関係の人に対する申し訳なさや、人を殺めた罪悪感などは微塵も感じられなかった。

 

「………初めて見るが、こいつがジャティスって野郎か。気持ちわりぃ目してんな。」

 

アランの目には、狂気に染まりつつも聖者の如き落ち着きを持った目が気持ち悪く映っていた。

 

「なんだい?そこのクソガキ。一応温情で忠告しとくよ?さっさとこの場から失せろ。さもなくば殺す。そこのセラそっくりの小娘もね。」

 

苛立ちを隠さずに、殺気全開で凄むジャティス。その視線をまともに受ければ常人なら失禁するレベルの殺意だった。それを受けた2人は怯え──ることはなく、

 

「イヤよ。私も戦うわ。」

 

「テメエがくたばれ。腐れ変態。」

 

仲良く中指を立てて、挑発した。しかもいい笑顔をオプションで着けて。

 

「………決めたよ。君たちはこの世のありとあらゆる苦痛を与えながらゆっくり殺す。僕の正義侮辱した報いを受けさせてやるよ。」

 

「「一昨日来やがれ」」

 

「このガキ……!」

 

苛立ちがピークに達したらしい。わなわなと全身を震わせている。

 

「あーあ。お前ら知らねぇぞ?あいつすっげぇ執拗いから多分地獄の果まで追っかけて来るぜ?」

 

「うへぇ、気持ち悪。ストーカーかよ。」

 

「それは勘弁ね………」

 

「………でもまぁ。」

 

ニッと歯を見せ、不敵に笑うグレン。

 

「これで俺らは一蓮托生。全員あいつに目ぇつけられたってわけだ。全力でぶっ潰そうぜ?」

 

「「おう(ええ)!!」」

 

 

 

「『我・秘めたる力を・解放せん』──!」

 

白魔『フィジカル・ブースト』を発動し、パシン!と拳を打ち鳴らすグレン。

魔力を帯びた拳から紫電がバチッ!と音を立て、周囲を一瞬明るく照らした。

 

「行くわよ!」

 

腕を前に掲げ、戦闘態勢を取るシスティーナ。

その指先には魔力が宿り、いつでも魔術を行使できるように準備してある。

 

「さぁ、実験を始めようか!」

 

シャカシャカとボトルを振ってドライバーに挿し、レバーを回して変身するアラン。

身体の前後を鎧が包み、変身を完了する。

 

 

「僕も舐められたものだね。予告しよう。君たちがここで僕に勝てる確率は──0.001%もないよ。」

 

対するジャティスは手から擬似霊素粒子粉末〈パラ・エテリオン〉を振りまき、多数の人工精霊を召喚していた。

 

「さぁ、掛かってこいよ。僕の〈正義〉を執行してやる。」

 

「知るかよボケ!いくぞお前ら!」

 

「っしゃ!行くぜ!」

 

「行くわよ!」

 

 

細い路地の両端から、まるで津波のような思惑が重なり、激突した。




あ、次回辺りに新しいボトルを出したいと思います。
コメントして頂いたやつから出そうかと思ってるんで、よろしくお願いします。
ではでは、次回の投稿まで!チャオ!
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