今回はカエデとアニが始めて会った編です。
「ここはどこだろ・・・?」
カエデは今、エレン達がいるであろうウォールローゼの北にある荒地の未開発の土地に来ていた。
ウォールマリア奪還作戦のための物資を各地に置く作戦を2回行った後、1週間の休暇があるということでここまで来たというわけだ。
そして今・・・カエデは絶賛迷子中だった。
元々荒地だったのに加えて、カエデがその土地に到着したのは夜だった。そのため、視界が悪く、自分が今いる場所を特定することができなかったのだ。
そんな時小さな灯りと小さな声、そして木が何かに叩かれる音が聞こえた。
「シッ!! シッ!!」
ドカッ ドカッ ドカッ
その小さな声と共にこの静かな森の中に響く重い音。
そのことから推測するに誰かが鍛錬しているのだろう。
――誰かいるんだ!!
その人に道を聞こう!!
そう思ったカエデはその小さな灯りまで走る。
数本立っている木を次々と避け、高い雑草はかき分けて進んだ。
――よしっ!
あと少し!!
カエデは草むらをかきわけて小さな灯りのところまで着く。
そこでカエデを出迎えたのは、鍛錬をしていたであろう少女の鋭い右足だった。
自分の顔に迫ってきた右足に驚くが、持ち前の反射神経でなんとかしゃがむことで避けた。
そしてさらに追撃しようとする少女を見て焦ったカエデは必死に手を顔の前で振って自分が害のない人間だと知らせようとする。
「っ!?
ま・・まって!!」
「・・・人間?
・・・だれ?」
元々獣だと思って攻撃したのか、カエデを見て人だと判断した金髪の少女――アニ・レオンハートは攻撃するのをやめる。
「ふ・・ふぅー
私はカエデ・サクライっていうんだ!」
「そう・・・
・・・私はアニ・レオンハート
さっきのよく避けられたね・・?」
足は収めたが、腕を構えて警戒心を解いていないアニはカエデにそう問うた。
それも仕方ないことだろう、人身売買などもこっそりと行われているこの世界では、この少女が自分を油断させるための作戦であるということもあり得るのだから。
「あははっ
うーん
きっとすごく小さなときから両親と組手してたからかな」
カエデは自分が優れている理由はいくつか思いついたのだが、両親に鍛えられたというのが一番相手を納得させられると思ったのか、そう答えた。
「すごく小さい・・?
今も十分小さいけど?」
「うわっ!!
ち・・・ちっちゃくないし!!
巨人よりおっきいし!!」
カエデはそうアニに言ったものの、巨人の大きさは自分がよく分かっていてそれは無理があったなと思いながらアニを見ると、アニは首をかしげながらも口もとが緩んでいた。
「・・・・?
1m級?」
「もはや巨人じゃない!!
それ小人だから!!」
「あなたが・・・?」
「ぐはっ・・・」
カエデはアニの言葉の攻撃に敗れてズーンという効果音が出そうな感じで崩れ落ちる。
今まで口で勝てた相手は少なかったが、この少女はかつてないほど強敵だった。
「それで・・・?
その1m級の小人さんがここになんでいるの?」
「アニに弄ばれてる・・・
くぅ・・・
まぁいいや・・・私がここにいるのは道に迷ったからなのです!!」
「迷った・・・?
・・・ぷっ」
胸を張って自分は迷子だと言うカエデに思わずアニは笑う。
だが、そのあとすぐに口元に手をやり、いつもの無表情をつくった。
「わ・・・笑われた・・・
むー!!
なんかヤダ!!決闘じゃ!!」
「いいよ
引き受ける」
言葉遣いがおかしいカエデの案を受けたアニは、拳を顔の前に置いて構えを取る。
そしてそれを見たカエデも右手を前に、左手を胸の位置に持っていく構えを取った。
◆◆◆
アニSide
食糧不足で荒地の開拓地に飛ばされてから、私はその日のぶんの開拓が終わってから森の中に入って鍛錬をするという日々を送っている。
幼い頃から父から教わった足を使った格闘術。私は正直、人間同士が争うことが滅多にない現代にこんなものは意味のないものだと思っていたし、現状を考えると実際そうだった。
そして幼い頃、私はこの格闘術を教える父が厳しすぎて本当に嫌いだった。
でも父から離れて1人で生活してみると、この格闘術の鍛錬している時が一番充実している。そして私は生きていると実感できた。
今日もいつものように小さな灯りをもって森に入り、しばらく南に行ったところの人目のない場所で鍛錬をしていた。
「シッ!! シッ!!」
ドカッ ドカッ
声を出しながら一定のリズムで布を巻いた木に蹴りを放つ。
まずは左足を軸にし、体をひねりながら鋭い蹴りを木の低い位置に巻いた布の部分に右足のすねが当たるように放つ。その際左手を後頭部のあたりへ、右腕は蹴りを放つときに振るために伸ばした状態だ。
この鍛錬を終えたら次は中段、上段の蹴りを木に放つ。
その鍛錬も終えたらイメージをしながら父から教わった様々な技を練習するのだ。
40回ほど木に右足を打ち込んだあと、突然後方からガサガサガサという音がする。
今までもたまに、ここら辺に住んでいる獣に襲われているので今回もそうだと思う。そう思い、左足を軸にして音の聞こえた後方へ回し蹴りを放った。
――えっ・・・よけられた!?
まずい・・・。このあとすぐに獣の追撃が来るかもしれない。
草むらから出てきた何かは、私の渾身の回し蹴りはしゃがみこんだ事であっさりと避けられてしまった。
すぐさま私は体制を整えて再び蹴りを放つ。
しかし、目に映ったのは獣でではなく、手を顔の前でぶんぶんと振っている黒い髪の可愛らしい少女だった。
「ま・・まって!!」
「・・・人間?
・・・だれ?」
私が言えたことではないが、人がここに居るのはおかしい・・・
今まで人に出会ったことはないし、小さな明かりでさえも見たことはないのだ・・・
「ふ・・ふぅー
私はカエデ・サクライっていうんだ!」
「そう・・・
・・・私はアニ・レオンハート
さっきのよく避けられたね・・?」
このカエデという名の少女・・・普通じゃない・・・
あの蹴りを不意打ちで避けるなんて只者じゃない・・・
もしかしたら何か理由があって私に近づいたのか?
「あははっ
うーん
きっとすごく小さなときから両親と組手してたからかな」
この少女はいまでも十分小さいのに、それよりもすごく小さいとき・・・?
それは一体どれくらい小さかったのだろうか。
「すごく小さい・・?
今も十分小さいけど?」
「うわっ!!
ち・・・ちっちゃくないし!!
巨人よりおっきいし!!」
巨人より大きい?いや・・・ないない・・それはない・・
そういえば巨人にはその大きさから○m級って呼ばれる・・・
つまりこの子は・・・
「・・・・?
1m級?」
「もはや巨人じゃない!!
それ小人だから!!」
小人か・・・。それはこの子にぴったりではないか!
「あなたが・・・?」
「ぐはっ・・・」
なんか崩れ落ちた少女を見てなんだか弄るのが楽しくなってきた
なんか私がこの子を警戒していたのがおかしくなってきた。
せっかくだから、もう少し攻撃してみよう・・・
「それで・・・?
その1m級の小人さんがここになんでいるの?」
「アニに弄ばれてる・・・
くぅ・・・
まぁいいや・・・私がここにいるのは道に迷ったからなのです!!」
は・・・?迷ったって・・?
それじゃあホントに背伸びしてるだけの子供じゃないか・・・
「迷った・・・?
・・・ぷっ」
なんだろう・・・この子といるとすごく楽しい。
なんで私は出会ったばかりのこの子といるだけでこんなに心がうきうきするのだろうか。
「わ・・・笑われた・・・
むー!!
なんかヤダ!!決闘じゃ!!」
なんか本当に子供だね。
でも・・・偶然かもしれないけど、あの蹴りを避けたこの子なら相手になりそうだね。
ずっと相手が欲しかったし相手になってあげよう
「いいよ
引き受ける」
父から教わった構え、右手と左手を顔の前に持っていく。私を見てカエデも右手を前に、左手を胸の前に持っていく。見たことのない構えだけど、違和感がなく隙もないからきっと誰かに教わったんだろう。
「いくよっ!!」
構えているカエデに先ほど鍛錬をしていた右のローキックを放つ。そのローキックに合わせるようにカエデも蹴りを繰り出すことになり、足と足がぶつかり合う。
いつもは木に布を巻きつけているため痛みを感じることはなかったが、今ぶつかり合っているのは足だ・・・当然足に痛みが走る。
その痛みを耐え、右足を引き戻すことはせずに地面につけて体重をかける。続けて体重をかけた右足を軸にして後ろ回りながら左足で回し蹴りをカエデの顔に向けて放った。
「甘いよアニ!!」
カエデがそう言った瞬間、視界が斜めに回る。そして気づいたら私の視界には夜空が広がっていた。
え・・・
いったい何が?
「アニの足技ってすごく鋭いね!!」
声のした方をみるとカエデがキラキラとした眼差しでこちらを見ていた。
勝ったのはカエデなのに・・・なんでこんな期待の篭った目で私を見るんだろう・・・
取り敢えず今は目の前の幼い少女の問いに答えよう。
「まあね・・・
小さい時から父からこの格闘術を教わっていたから・・・
でも・・・こんなにもあっさり負け・・ちゃった・・・」
そう・・・私は負けてしまったのだ。私が小さい時から鍛えたもの・・・。私が最も得意としていた特技が負けてしまったのだ。
夜空を見ながら様々な思い出が頭の中に思い浮かび、私の中の何かが崩れた気がした。
「ア・・・アニ!?
ご・・ごめん・・
痛かった?
・・・どうしよっ!どうしよっ!
アニ・・・泣かないで!!」
「え・・・?」
そっと手を目元に置くと・・・濡れていた。
私・・・私泣いてるんだ・・・
おかしいな・・・何回手で拭いても止まらない・・・
「カエデ・・・ごめん・・・
私・・・涙が止まらないみたいだよ」
「えっ!?
えっと・・・えっと・・・
どうしよ・・・」
このあたふたしている少女が本当に私に勝った・・・んだよね?
なんでだろ・・・この子を見ていると本当に心が楽になるよ。
また鍛え直して、いつか・・・いつかカエデをいじけさせてやろう。
「ぷっ・・・」
「あっ!!
あぁぁあああ!!
笑った!!
心配してたのに~!!」
「だってカエデ見てたらなんか楽しくなってきちゃってさ」
「あれ・・・?
これって喜んでいいのかな・・?」
「いいんじゃない・・?
・・・・たぶん」
私が何か言うたびに面白い反応をしてくれる。今までほとんどの人は私から離れて言ったのに、カエデは私にくっついてくる。これが友達なんだろうか?
そういえばカエデは何歳なんだろうか?身長から考えると・・・8歳くらいかな。
「そういえばカエデは何歳なの・・?」
「私・・?
私はどんな人が見ても12歳に見えると思うけ―――」
「はぁぁあ!?」
「いや・・・落ち着くんだ私・・・
この身長とあの子供っぽさで12歳・・!?
ないない・・・
きっと少しでも大人に見せたくて嘘を――」
「嘘じゃないもん!
12歳だし!!」
「なっ!?
読心術!?」
「アニ・・・?
声に出てたけど・・・?」
「え・・・
そっか・・・それほど私は取り乱していたんだね」
これほど衝撃だったことは今まであっただろうか・・・
うん・・・声に出たことはしょうがないね。
「アニ・・・!?
なんか自分で納得してるよね!?」
「うん」
「くぅぅぅ~
アニ・・・ひどい!」
「・・・ぷっ」
「アニのその勝ち誇った顔なんかヤダ!!」
「・・・それでカエデは道に迷ったんだっけ?」
「なんかスルーされた!?
むぅ・・・・
そう・・・迷ったんだよー」
カエデはすぐに切り替えることができるようだね。
カエデともっと話したいところだけど、きっと避難民の中に知り合いがいて会いに来たのだと思うから行かせてあげよう。
「あそこにある星があるでしょ?」
私は北極星を指差してカエデに教える。避難民たちが暮らしているのはここからちょうど北にあるからだ。北極星さえ分かればちゃんと着くはず。
「うんうん!
あの星だね!!あの星のある方向へ行けばいいの?」
「うん
ここから北へまっすぐ歩けば着くはずだよ」
「そっかぁ!!
アニ!!本当にありがとう!!
じゃあねー!!」
えっ!?ちょっとまって!?
いくらなんでもすぐ行くとは思わなかったよ・・・
そう思っていたらカエデはグルっと振り返って私に向かって手を振ってきた。
「アニーー!!」
「なに?」
「また明日遊ぼうねー!!
あとアニの足を使った格闘術教えてほしーなー!!」
明日・・・明日かぁ。また明日会えるんだね。あと少し鍛錬して少しでも差を縮めよう。
あと・・・カエデは私の格闘技を教えて欲しいのかぁ・・・
なんだろ・・・この父に教えてもらった格闘術が評価されたようで・・・
なんかうれしいな・・・
「うん
いいよ
また・・・明日ここに来たら教えてあげる」
「ありがとー!!」
「でも!!
その代わりにカエデの格闘術も教えてもらうから」
こんなに強い相手が近くにいるのだ。私が少しでも強くなるために教えてもらわない手はない。
カエデと一緒に鍛錬すれば私はもっと強くなれる!!
「あははっ
もちろんだよアニ!!
また明日教えるよー!!」
「うん・・・
ありがとう」
「じゃあまた明日ね!!
ばいばーい!!」
カエデはものすごいスピードで北へと走って行った。
それにしても・・・この短い時間で私は・・・笑って、泣いて、ありがとうと言った。
また明日か・・・明日は1人じゃなく2人で一緒に鍛錬できる・・・楽しみだ。
「きゃぁぁぁああああ!!!」
なんか叫び声みたいのが聞こえた気がしたけど・・・
カエデはちゃんと行けたのかな・・・?
◆◆◆
「ふんふっふんふっふ~ん♪」
カエデは現在、北極星を見ながら走っている。
こんなにも元気がいいのはアニと出会い、明日も遊ぶという約束をしたからだった。
――そういえばアニの足を使った格闘術かっこよかったなぁ
特にあの蹴りを放った体勢と左手を後頭部に持っていく姿!!
きっとあの構えをしているなら上半身も使う格闘術だと思うんだよねー
うん!!明日がすごくたのしみだよ!!
そう思いながら先ほどの戦闘を振り返ってみる。
まずアニの左足を軸とした右足のローキック。これはカエデも同じように左足を軸にした右のローキックで合わせて相殺した。
そしてその後、アニは右足に体重をかけて地面につけ、後方に回りながら左足の回し蹴りをカエデに放つ。
カエデはアニが右足を軸にした時点で次の行動を予測していたため、しゃがみ込みながら右足を外側に向けて地面を踏んで軸にし、そして左足でアニの膝裏を払うように足を当て、膝を曲げさせた。(体重をかけている膝を曲げるようにすると転びそうになる『膝カックン』をやった感じ)
アニの強烈な左足はカエデがしゃがみ込んだ事で避けられ、さらに全体重をかけていた右足はカエデの左足によって膝が曲がってしまう。その結果アニの全体重は膝がまがったことで左足からお尻へと移り、左足は軌道が大きく上にそれて背中から転ぶ形になったのだ。
この際アニの膝が曲がる程度に当てたのは大怪我にならないようにするためだ。
――きっとアニなら私の知らない技を多く知ってそうだなぁー
ドンッ
「あふっ!」
考えながら空を見上げていたため何かにぶつかってしまったようだ。カエデはそっと上を見てみると、人魂の様にゆらゆらと燃える炎、そして見下ろすようにカエデの方を向いている首下から見えない男性の生首だった。
――$♪¥●&◎△$×#!?!?
お・・・お・・・おばけ!!!
「きゃぁぁぁああああ!!!」
カエデは2度ほど転びながら男性から少し離れた木の裏に隠れた。
カエデは6歳のとき一度森の中で幽霊を見てから、幽霊を見るたびに家に1週間ほど引きこもるほど幽霊が苦手なのだ。
「あ・・・あの~?」
ビックゥゥゥゥゥッ
突然横から男性の声が聞こえたことでカエデは背筋をピーンと伸ばす。
そしてゆっくりと振り向いてみると、ゆらゆらと燃える炎が目に入った。
「にゃぁぁああああああああ!!」
ゆらゆらと燃える炎に恐怖を抱いたカエデは再び走り出す。恐怖のあまりうまく走れていないカエデのすぐ10mほど後ろをガサガサと何かが追ってくる音が聞こえ、カエデの顔は蒼白になりながらも頑張って逃げる。
――あ・・あれは人!!
た・・・助けて・・・く・・くれるかな・・?
ガバッ
「たす・・・たすけ!!」
カエデは見えた少し体格の良い人の後ろに回り込み、悪いと思いながらも後ろから追ってくる何かとの間にその人物を割り込ませて助けを求めた。
「な・・・なんだ・・?」
「お・・おばけ!」
カエデが身代わりにした体格のいい人物――ライナー・ブラウンは突然少女が自分を後ろから抱きついてきたことに戸惑う。そしてその少女は尋常じゃないほど何かに怯えていて顔色がすごく悪かった。
「おばけなんてどこに・・・?」
ライナーはすっと前を見てみると、長身で自分の親友である男――ベルトルト・フーバーが息を切らせながら立っていた。
ベルトルトは珍しく慌てており、ライナーはそのことを不思議に思った。
「ベルトルト・・・お前なんで疲れてるんだ?」
「その・・・ライナーの後ろの子が僕のことを見て・・・悲鳴をあげて怯えてるから・・・
えっと・・・なにかと間違えて怯えてると思って追いかけていたんだけど
その子すごく早くてさ・・・」
「そ・・・そうか
君・・・こいつは俺の友達なんだ
こいつすごく優しい奴だから怯えてないでよく見たらどうだ?」
ライナーは怯えているカエデの頭をぽんぽんと叩いて少しだけ落ち着かせながらそう言った。
ライナーの後ろからそっと前を見てみると、そこにはやはりゆらゆら燃える炎と男の生首が見えた。しかしカエデは自分が抱きついているライナーの友達ということでよくその男を見てみるとうっすらとだが体がちゃんとあることがわかった。
どうやらベルトルトは長身で腕も長いため、灯りのあまり強くない松明を持つと顔のあたりにしかあまり明かりが届かなかったようだ。さらにベルトルトは全身真っ黒な服を着ていたために、暗い森の中では体が見えにくかったのだ。
ベルトルトが幽霊ではなく、ちゃんとした人間だと分かったカエデはライナーの背中から前へと出てベルトルトに頭を下げる。
「ご・・・ごめんなさい!!
えっと・・・生首の幽霊かと思っちゃって・・・
本当にごめんなさい!!」
「も・・・もういいよ
真っ黒な服を着ている僕も悪かったからね」
ものすごい勢いで謝るカエデに少しびっくりしながらも、ベルトルトは頭を掻きながらカエデの行動を許してあげた。
「なぁ?
君の名前はなんて言うんだ?」
「私はカエデ!!
カエデ・サクライって名前だよ!!」
「カエデ・・・カエデ・・・カエデ・サクライ・・・
あ・・・
もしかして調査兵団の?」
ベルトルトは、顎に手をやりながら何度かカエデの名前をつぶやいたあと、思い出したのかカエデに調査兵団に所属している人なのか確認を取る。
「うん!
そのカエデ・サクライで間違いないよ?」
「ベルトルト、この子を知っているのか?」
「え・・・
ライナー知らないのかい?
シガンシナ区の住民のほとんどを救った人物でもあるし、ここの開拓したところから植えている種を持ってきてくれた人物でもあるんだよ?」
「は・・・?
えっと・・・この子が?」
「そう!
その子が!!」
「なんか・・・すごく子供扱いされてる気がする・・・」
ベルトルトの言葉に喜んでいいのか、泣けばいいのかよく分からなかったカエデは頬をふくらませていじける事にした。
そんなカエデの様子にベルトルトはさらに頭の中のカエデについての知識をしぼりだす。
「えっと・・・
あ・・・
カエデって・・・12歳だっけ」
「うん!!」
「ま・・まじか・・・」
こんな少女が自分より年下という事実に空いた口が塞がらないライナー。
「えっと・・・
それで、なんでカエデは森の中に?」
「えっとね、友達に会いに行こうと思ったら道に迷って、アニにあって、道を教えてもらって、逃げて、今話してる!!」
「そうなんだ・・・
あ・・・
アニに明日の開拓の予定変更を知らせに行くの忘れた・・・」
「・・・・ベルトルト
遅いと思って探しに来たのに、まだ知らせてないで戻ってくるとは・・・」
ベルトルトは明日の予定が変わったことをアニに知らせようとしたところでカエデと出会ってしまったようだ。そしてライナーはいつもよりベルトルトの帰ってくる時間が遅かったためにベルトルトを探しにきたところでカエデと会ったようだった。
「はぁ・・・
ベルトルトはアニのところへ行って予定変更を知らせてくれ
俺はカエデを友達が寝泊まりしてるであろう場所に連れて行く」
「わかった
じゃあ僕は行くね
カエデまたね?」
「うん!ベルトルトばいばい!
またあったら話そうねー!!」
そう言ってカエデとライナーは北へ、ベルトルトは南へと歩いて行った。
お化けのことが頭の隅にあるカエデは帰るとき、獣の足音や、強い風によって草が揺れる音がするたびにライナーに飛びつき、そのたびにライナーが頭をぽんぽんと叩いて落ち着かせていたとか。
それから無事にエレンとミカサ、アルミンに会えたカエデはライナーと別れ、3人と少し話したあと、既に寝る時間だったのでミカサと同じベットで寝た。
それから1週間の間、エレン達とアニの荒地の開発をする時間が異なっていたため、アニが仕事をしている間は3人と遊び、3人が仕事をしている間はアニと鍛錬をした。そして夜になればまたアニと鍛錬をし、それが終わるとエレン達と話し、そしてミカサと一緒のベットで寝るという生活をして過ごした。
ということでお化けはベルトルトでした。ヘ(゚д゚ヘ))))))~
次回から5年後になります。