金属戦士物語   作:ンヲデアンチサ

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今ここに受け継がれるは、魂。
この物語の果ては幸福か、絶望か。


2話「継承」

精太さんが心臓にスターターを当てた後、すぐにスターターから黒色の繊維が彼の頭部以外の全身を覆った。

「この黒い糸は特殊な炭素繊維で構成されていてね。これが第一次装甲となるのさ。そして次はこれだ。」

そう言って彼はスターターの上の方にあるボタンを押した。

その時、スターター側面にある緑色のレンズから発せられた眩い鉄の粒子が彼を覆った。

「これから第二次装甲が展開される。」

程なくして粒子が集まり、一つの形を成した。その形は形容するならそう、鉄の鎧だった。

「どうだい、なかなかのものだろう。」

少し得意げに言う精太さんの気持ちも分からなくはなかった。

 

「すごいな。」

 

「ああ。」

 

「どうだい君たち、少しは興味が出てきたかい?」

精太さんが感嘆した僕たちの様子を見て言ってきた。

「ええ。」

「俺も、なりたいとは思う。けどよ。スターターは二個しかないんだろ?なら、俺は金属戦士になれないじゃないか。」

 

「そう言うと思ったよ。そこで、だ。二人ともここに行きなさい。」

と言って精太さんは「日本金属戦士協会近畿支部」と書かれたパンフレットを取り出した。

「ここに行って戦士の登録をすればスターターを作ってくれるし、適正検査もしてくれる。」

「分かりました。ひとまず明日、そこへ行ってみます。ですが少し、金属戦士になるかどうか、考える時間をください。」

そう言って僕は家に帰ることにした。

 

「僕は、金属戦士になれるのだろうか。」

自室で自問自答を始めてから既に五時間が経過していた。

「もういいや。なるようになれ、だ。」

全てを投げ出したい気持ちでベットの中に入り込んだ。

「ここは、何処だ。」

おそらく夢の中だろう、ということしかわからなかったがそこには見覚えのある顔があった。

「何故、貴方が・・・・・・・。」

祖父が、立っていたのだ。しかも、スターターを携えて。

「お前は明日、人生において大きな分岐点に立ち会うことになるだろう。だが、その判断はどれをとってもお前の勝手だ。好きにするといい。だがな、凍主。これだけは忘れるな。今日お前は、私の『魂』を受け継いだのだ。」

そう言って祖父は誇らしげに、スタータを掲げた。

「凍主、此れは私の誇りだ。そしてそれと同時にこれは、お前にとっての誇りとなるものでもあろう。だからお前がどのような道に進んだとしてもコイツだけは持っていてくれ。」

「分かった。」

僕が頷くと祖父は嬉しそうに頬を緩め、静かに去っていった。

翌日、目を覚ますと。昨日の迷いはとうに消え去っていた。

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