ついに声付きでアニメにも出てきやがったぞデビルマンモー!なんで関俊彦さんボイスなんだよ!
分からない人はエクストリーム帰宅部で検索してみて下さい。ポプテピピックの大川ぶくぶ先生の書くゲーム内容にかすりもしない謎の4コマ漫画です。
期末試験終わってのホームルーム
期末試験の実技をクリアできなかった切島、砂藤、上鳴、芦戸の4人は意気消沈していた。芦戸などは涙を流している始末である。
「皆...土産話っひぐ、楽しみに...うう、してるっ...がら!」
「まっまだわかんないよ、どんでん返しがあるかもしれないよ...!」
「緑谷、それ口にしたら無くなるパターンだ...」
その慰めに怒りを覚えた上鳴がキレた。
「試験で赤点とったら林間合宿行けずに補習地獄!そして俺らは実技クリアならず!これでまだわからんのなら貴様の偏差値は猿以下だ!!」
「落ち着けよ長え。」
瀬呂が上鳴たちを慰めるように言う。
「わかんねぇのは俺もさ。峰田のお陰でクリアはしたけど寝てただけだ。とにかく採点基準が明かされてない以上は...」
「同情するならなんかもう色々くれ!!」
上鳴は更にキレた。まぁお前らの試験はワイヤーアロウみたいな移動用装備がないと無理ゲーだったし、気持ちはわかる。
そんな上鳴に飲まれていた空気をぶっ壊すのは我らが担任相澤先生だ。
「予鈴が鳴ったら席につけ。」
カアンと音を立てて勢いよくドアが開く。と同時に生徒たちは席についてシーンと静まり返る。毎度思うが調教されてるなコイツら。
「残念ながら赤点が出た。したがって...」
目をクワッ!と見開いて相澤先生は言った。上鳴たちに引きずられて暗かった空気を完全に破壊する言葉を
「林間合宿は全員行きます。」
「どんでんがえしだぁ!」
感激のあまり芦戸など涙を流していた。
「筆記の方はゼロ、実技で切島、上鳴、芦戸、砂藤、あと瀬呂が赤点だ。今回の試験我々
「本気で叩き潰すと仰っていたのは...」
「追い込む為さ。そもそも林間合宿は強化合宿だ。赤点とった奴ほどここで力をつけてもらわなきゃならん。合理的虚偽ってやつさ。」
カッと目を見開いて相澤先生が言う。皆の反応が予測できたので耳を塞いでおく。時々思うが精神年齢が皆と異なるせいで反応がズレるのだ。
「ゴーリテキキョギィイーー!!」
わぁいと立ち上がり喜ぶ赤点ファイブ、だが相澤先生がそんな優しさだけの行為を行うわけもないので、ご愁傷様と心の中で思っておく。
「またしてもやられた...流石雄英だ!しかし、二度も虚偽を重ねられると信頼に揺らぎが生じるかと!!」
「わぁ、水差す飯田くん。」
「確かにな、省みるよ。ただ全部嘘って訳じゃない。赤点は赤点だ。お前らには別途補習時間を設けてる。ぶっちゃけ学校に残っての補習よりキツイからな。」
喜んでいた赤点ファイブの顔色が曇った。喜んでいたポーズのまま固まったからなんだかちょっとシュールだ。
「じゃあ合宿のしおり配るから後ろに回しておけ。」
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「まぁ何はともあれ、全員で行けて良かったね。」
「一週間の強化合宿か!」
「結構な大荷物になるね。」
「洗濯機とか使わせてもらえるんなら荷物は少なくて済むんだがなー、夏だし。」
「家庭的やね団扇くん。」
「暗視ゴーグル。」
「水着とか持ってねーや、色々買わねぇとなぁ。」
葉隠が何かを思いついたようでパンと手を?叩いた。
「あ、じゃあさ、明日休みだしテスト明けだし...ってことで、A組みんなで買い物行こうよ!」
葉隠のニコっという擬音が聞こえてきそうな提案は、皆に好意的に受け入れられた。
「おお良い!!何気にそういうの初じゃね⁉︎」
「爆豪、お前も来い!」
「行ってたまるかかったりィ。」
「轟くんも行かない?」
「休日は見舞いだ。」
まぁクラスのトップ2はマイペースに断ったのだが。
「ノリが悪いよ空気を読めやKY男共ォ!!」
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「てな感じでやってきました!県内最多店舗数を誇るナウでヤングな最先端!木椰区ショッピングモール!」
『腕が6本のあなたにも!ふくらはぎ激ゴツのあなたにも!きっと見つかるオンリーワン!』
「そういや服って安価大量生産じゃなくてオーダーメイドが主流なんだっけ。」
「確かにそうやけど、団扇くんいつの時代の話してるん?」
「んー、個性発現前時代の雑学仕入れてると現代の感覚とズレるなーって話。」
「へー、昔との違いって他にどんなのあるん?」
「例えば...昔は携帯のオーダーメイドとかなかったんだってさ、みんな人型個性用の板型使ってたんだとか。」
「へー。」
麗日と取り留めのない話をしていたら、切島が仕切り始めた。
「目的ばらけてっし、時間決めて自由行動すっか!」
「それじゃあ、1階のミリタリーショップ行くやついるか?」
「なぁ団扇、ドリルってミリタリー系か?」
「ドリルはホームセンターじゃねえかなぁ...何に使うかは聞かないが失敗を祈ってるぞ。」
「団扇...畜生!やっぱイケメンは敵だ!」
峰田は走り去って行った
「ククク、貴様には三枚目イメージのついた俺の苦しみはわかるまい...」
「何を言っている団扇、狂ったか?」
「あれ、常闇もミリタリーショップか?」
「ああ、何があるのか気になってな。」
「護身グッズとか色々あって面白いぜ?このショッピングモールの店は前に来たことあるんだよ。まぁ多少値は張るがな。」
「フム、面白そうだ。幸い俺は特に買うべきものは無いからな、ウィンドウショッピングと洒落込もう。」
「んじゃ行くか。」
自分と常闇は集まりから離れて歩き出す。
「ところで団扇は何を買うつもりなんだ?」
「んー、最新式のテイザーガン、元々予約してたんだよ。どうせ林間学校にも
「いや、その理屈はおかしいぞ。」
「だって俺が行くんだぞ?入学から半年経たずに接敵経験何回あると思ってるんだ、林間合宿にも敵は来るさ。間違いない。」
「恐ろしい負の自信だな。」
「備えあれば憂いなしだよ。来なきゃ来ないで笑い話で済む訳だしな。」
「そういうものか...?」
「そんなもんさ、多分な。」
そんな会話をしていると、人混みに紛れて遠くに黒いパーカーを被った青年が通り過ぎるのが見えた。パーカーを被るって逆に目立つと思うんだがなぁと何となく思っただけで過ぎ去ってしまった。
後にして思えば、コレはこれまでの体験で培った敵に対する嗅覚が告げた警告だったのだと思った。
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「入り口からして妙なものが置いてあるなこの店は。」
「ステインのマスクって...どうしよう、俺も欲しいかも。」
「買ってどうする気だお前。」
「いや、こういうネタグッズって欲しくならん?まぁ金ないから買わんけど。」
「そういえばお前の親は今何をしているんだ?たまに奨学金暮らしだと聞くが。」
常闇が微妙に答え辛い事を聞いてくる。とはいえこれは予想していた質問なので問題はない。
「ああ、お袋は再婚して長野にいるよ。育ててくれた親父は...今お勤めしてるな。」
「お勤め?」
「ああ、職場の図書室みたいな所で管理業務についているんだってさ。」
「それでは親父殿の収入を当てに出来るのではないのか?」
「親父勤め始めたばっかりだから給料低いらしいんだよ。だから今は貯金と奨学金頼りの暮らしって訳。まぁ奨学金に利子は付かないから返済怖くないのが唯一の救いって所だな。」
「ふむ、あまり恵まれた環境ではないという事は分かった。苦労しているんだな。」
「この程度苦労には入らんよ。」
ちなみに、嘘っぽい言い方をしたが嘘は言ってない。親父は今刑務所内の図書工場という場所で勤めているのだと扉さんから聞いたのだから。
店内に入る。相変わらずのごちゃごちゃ感だ。だがそれが良い。
常闇は入り口の樽に刺さっている剣のレプリカの一本に興味を惹かれたようだった。
「ム、この剣は...」
「あー、こういうレプリカって部屋に一本は飾っときたいよなあ。わかる。黒い鞘も常闇のイメージとマッチしてて良い感じだし。ただ、お前午後は集まってどっかで遊ぶって事忘れんなよ?」
「...見ていただけだ。」
「嘘つけめっちゃ欲しがってたろ。」
「見ていた、だけだ!」
「あーはいはい見ていただけな。んじゃウィンドウショッピングがてら中入るぞー。」
「何か釈然とせんぞ...」
「気にするな。」
今度こそ店の中に入る。所狭しと並ぶ防犯グッズは圧巻だ。
「さて、職場体験で知り合った先輩ヒーロー曰く、こういったミリタリーショップのアイテムを使っての軽犯罪って起こりやすいんだってさ。」
「成る程...アイテムで力を持つことによる高揚感が犯罪を引き起こすのだろうな。」
「らしいぜ、だからできるヒーローはオフの日にこういった店を視察するんだとか。」
「となると、案外この客の中にヒーローが混ざっているかもしれないな。」
「緑谷なら私服でも見抜くな、間違いない。」
「確かにそうだ。」
常闇とともに店内を歩く。常闇も護身グッズに興味を持ってくれたようだ。
「ム、この閃光手榴弾、1つ5千円か。」
「そういや聞いてなかったんだが、体育祭の時常闇の
「そうだ、俺の
「となると轟と爆豪みたいなのが鬼門だな。」
「そうだ。あとはこういった閃光手榴弾も辛い所だ。」
「となると八百万もか。」
「ああ、八百万には弱点をまだ知られていないだろうがそれも時間の問題だろう。来年は勝てるか怪しい所だな。」
「珍しくネガティブってる?」
「今のままではと言うだけの話だ。来年までに八百万にも当然おまえにも負けんように鍛えてみせる。こういう時の合言葉だろう?Plus Ultraという校訓は。」
「確かにそうだな。」
その後自分は予約していた最新式テイザーガンとカートリッジ3つ(計5万円)を購入し、店から出た。
どこか騒がしくなったショッピングモールに違和感を覚えながら。
「団扇!コレを見ろ!」
「...木椰区ショッピングモールにてヴィラン連合首魁、死柄木があらわれて雄英生徒と接触⁉︎集合場所に急ぐぞ常闇!」
「ああ!」
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結局その日は死柄木と接触した緑谷を除いては解散となった。死柄木が現れた為ショッピングモールが一時封鎖となったためである。
帰りの電車で切島と芦戸と話した。
「心配だな、緑谷の奴。」
「ああ、でも死柄木と相対して無事だったのは本当に運が良かった。死柄木はとりあえずで殺しにくるような奴だからな。」
「団扇はUSJ襲撃の前にヴィランと接敵したんだっけ?」
「ああ、運悪くな。今思うと最初の接敵で捕まえられなかったのは駄目だった。千載一遇の大チャンスだったのにな。」
「言うな団扇、そんな未来の事なんて誰にもわからないんだからよ。」
「そーだよ、生きてて良かったってくらいに思わなきゃ!」
「ありがとよ2人とも。」
「それじゃあ俺は次の駅で、お前ら2人とも結田付だっけか。」
「ああ、乗り換えはもうちょい先だ。じゃあまた明日な、団扇。」
「おう、また明日。」
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「...とまあそんな事があって、敵の動きを警戒し、例年使わせて頂いてる合宿先を急遽キャンセル。行き先は当日まで明かさない運びとなった。」
「えー!!」
「もう親に言っちゃってるよ。」
「故にですわね...話が誰にどう伝わっているか学校が把握できませんもの。」
「合宿自体をキャンセルしないの英断すぎんだろ!」
「てめェ、骨折してでも殺しとけよ。」
爆豪が緑谷に顔を向けず言い放つ。それに対して葉隠が反論する。
「ちょっと爆豪、緑谷がどんな状況だったか聞いてなかった⁉︎そもそも公共の場で個性は原則使用禁止だし。」
「知るかとりあえず骨が折れろ。」
「かっちゃん...」
爆豪はそんな大事件の後であっても平常運転だった。
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その後の日々はテストの返却や演習試験の感想戦など忙しくもあったが流れるように過ぎていった。そして待ちに待った夏休み初日、自分は
刑務所に来ていた。
「面会時間は30分です。」
「ありがとうございます。...久しぶり、親父。ちょっと痩せた?」
「まぁ規則正しい生活してるからな。お前はちょっと太くなったんじゃねえか?」
右袖を捲り力こぶを作る。
「鍛えてますから。」
「うわめっちゃ触りてぇ。」
「お楽しみは仮出所の後でって事で。」
「出所後の楽しみが1つ増えたな。」
「そんなちゃっちいのを楽しみにすんなよ元ヤクザ。」
「いいんだよ、小さな幸せが大事だって気付いたのさ。」
「刑務所って暇そうだもんな。」
「ああ、娯楽つったら一日4時間のテレビくらいだからな。...そうだ、テレビで思い出した。雄英体育祭三位だったな、お前。」
「自慢の息子と誇っていいぜ?まぁ本当は一位取りたかったんだけどさ。」
「お疲れさん、お前は良く頑張ったよ。」
「ありがと。」
体育祭の話となればアレは話さない訳にはいかないだろう。
「そだ、体育祭の日に凄いことがあったよ。」
「なんだ?」
「偶然母さんと会って、なんだかんだで和解した。」
「何があったお前⁉︎」
「ついでに言うと明日母さんの再婚相手の家族に蕎麦をご馳走になる事になってる。」
「幸せそうで何よりだなぁ!でも聞きたいのはそういう事じゃねぇよなんだかんだの中身だよ!」
「いや、なんか偶然会った。」
「適当⁉︎」
実際ガチに偶然だったので間違ってはいない。捜査上の機密を話さないで伝えるとなるとこうなってしまうだけだ。
「んで、母さんが再婚したうずまきさんって人と仲良くなってさ、この人なら母さんを任せられるって思って母さんの催眠を解いた。そしたら母さんは俺の事を許してくれたって感じ。」
「省略された所にもの凄いドラマがあった感じの話し方だなぁオイ。」
「詳しいことは話すの恥ずかしい系の話なんだよ。」
その言葉に「あ、コイツマジで詳しく話す気ねぇな」と判断したのか親父はハァと溜息を吐いた。
「まぁお前がいつも通りで良かったと思うべきかね。実際俺を売った事気に病んでるんじゃないかと心配してたんだよ。」
「杞憂だったね親父。ヒーロー科って忙しすぎてそんな事考える余裕はなかったよ。」
「そいつは何よりだ。」
「まぁ忙しすぎて親父の面会に来るのも遅くなっちまったんだけどさ!」
「そこは気にしてねぇよ。日曜日に面会受け付けてねぇ刑務所のお役所体制が憎いって言ってたって扉から聞いたぜ?」
「ついでに言うなら平日の受け付け閉まるの早すぎ問題も憎いわ。何、16時受け付け終了ってサービス業舐めてんだろ。平日授業終わんの16時過ぎてんだよ。」
「大変だな雄英生徒は、毎日7限あるんだろ?」
「そー、あと土曜も6限までみっちり授業詰まってるんだよ。驚きじゃね?」
「マジか...遊ぶ時間とかあるのか?」
「無い。放課後は基本トレーニングと勉強だし。通学片道2時間だし。」
「日曜は?」
「自主トレ。」
親父の溜息が聞こえた。そりゃこんな灰色の日常を青春真っ盛りの息子が送っているとなると心配にもなるだろうさ。
「...もうちょい青春を楽しめよお前。」
「そこは大丈夫。高校では友人に恵まれたから。」
「へぇ、どんな奴らだ?」
「紹介するならまずは緑谷だな。」
「緑谷...聞いた事あるな、体育祭で出てた奴か?」
「そうそう、あの時はまだ個性の調整できてなくて指とか腕とかぶっ壊しながら戦ってたっけ。」
「ああ、あの氷の奴相手にボロボロになりながら戦ってた奴か。凄え根性してるよな。」
「そう。あいつ何気にメンタル強いんだよ、誰かを助けたいって思った時とかは。あの時は炎を使わないっていう焦凍のトラウマぶち壊すために無茶苦茶したって感じ。でも普段は気弱で優しいヒーローオタクってんだから人間って奴は面白いわ。」
「お前何様だよ...」
「ヒーローの卵様だよ。」
緑谷の次は焦凍だろうと話を続けようとしたところ、後ろのドア前で立っていた刑務官さんが告げてきた。
「面会時間、あと五分です。」
「あ、ありがとうございます。それじゃあ親父、何か言っておきたい事とかある?」
「あー、改めて考えると特にねぇな。お前が青春楽しんでるってのは物凄く伝わってきたし。せいぜい風邪とかに気をつけろってくらいだな。」
「ありがと。んじゃあ俺からも、しっかりあったかくして寝なよ?」
「ああ、そうする。」
「それじゃ、帰るわ。また来る。」
「おう、ヴィランとかに気をつけて帰れよ。」
「それをヴィランの巣窟で聞くとは思わなかったかなぁ。」
「皆しっかり更生中だよ馬鹿たれ、元ヴィランの巣窟だ。」
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刑務所から出ると、緑谷からメールが届いた。
「プールで体力強化するからみんなも一緒にどう?」と
「んー...ここからだと雄英着くのは14時か、プール使用時間は多分17時までだから...よし、行くか。」
ちょうど思いっきり動きたい気分だったのだ。さぁ、泳ぐぞー!
平日の自由時間が取れなくてなかなかできなかった面会回です。雄英のスケジュール厳しすぎるんよ...
ウルトラアーカイブみて驚いた点です。