【完結】倍率300倍を超えられなかった少年の話   作:気力♪

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三つ巴写輪眼故スタミナへの影響は軽微、されど無いわけではない。
という言い訳フェイズ。特訓内容もっとキツイのか思いつかなかったのです。



個性強化と二日目の夜

翌日、午前5時30分。朝が早いからか昨日の疲れからか皆どこか眠そうだ。

 

相澤先生は普段通りのテンションで言い始めた。

 

「お早う諸君。本日から本格的に強化合宿を始める。今合宿の目的は全員の強化及びそれによる仮免の取得。具体的になりつつある敵意に立ち向かうための準備だ。心して臨むように。というわけで爆豪、こいつを投げてみろ。」

 

相澤先生は懐かしの個性把握テストで用いたハンドボールを爆豪に投げ渡した。

 

「これ...体力テストの...」

「前回の...入学直後の記録は705.2m...どんだけ伸びているかな。」

 

ボールを持った肩をブンブン回す爆豪。

「1キロくらい行くんじゃねぇの?」「いったれバクゴー」とヤジが飛ぶ。

 

「んじゃよっこら...くたばれ!!!」

 

くたばれって...と見ている皆の心が一つになった。入学当初から爆豪はブレないなぁ。

相澤先生の端末にビピっと音がした。どうやら結果が出たようだ。

 

「709.6m」

 

「⁉︎」と皆の驚きの声がする。

 

「この3ヶ月間様々な経験を経て、確かに君らは成長している。だがそれは精神面や技術面、あとは多少の体力的な成長がメインで個性そのものは今見た通りでそこまで成長していない。だからーー今日から君らの個性を伸ばす。死ぬ程キツイがくれぐれも...死なないようにーー...」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

自分に割り当てられた個性強化プランはシンプルだ。鏡を使って自分に催眠、催眠解除を繰り返して当て続けるだけである。要は連射だ。

 

催眠内容はリミッター解除。この個性強化特訓では自身への催眠の精度向上、催眠の速度向上、などを目的としている。

まぁ傍目から見ていると鏡をじーっと見つめているだけなので辛そうと思われないだろうがこれがなかなかキツイのだ。

200回程連射してようやく気付いたのだが催眠の使用には微弱だが身体エネルギーを消費する。塵も積もれば山となる。連射していればかなりの体力が持っていかれるのだ。

 

「これは...キツイなッ!」

「弱音吐かない!ヒーローになりたいならね!」

「承知しました、マンダレイ!」

 

まぁ皆に比べれば自分の特訓など生易しいものだ。常闇など暗所での黒影(ダークシャドウ)制御の特訓だろうがぎゃあああと悲鳴しか聞こえてこない程なのだから。

 

さて、連射だ。今は考えるのをやめてひたすら催眠を撃ちまくるのみだ。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

PM4:00、今日の訓練終了時間だ。

 

「さぁ昨日言ったね『世話焼くのは今日だけ』って!!」

「己で食う飯くらい己で作れ!!カレー!!」

 

皆は疲れながらも「イエッサ」と返す。グタと擬音が聞こえてきそうだ。

 

「アハハハハ、全員全身ブッチブチ!!だからって雑なネコマンマは作っちゃダメね!」

 

ハハハハハと楽しそうに笑いながら緑髪のヒーロー、ラグドールは言う。見ている側は楽しそうだな畜生...

 

そんな筋違いな恨みを抱いていると近くにいた飯田がハッと何かに気付く。

 

「確かに...災害時など避難先で消耗した人々の腹と心を満たすのも救助の一環...流石雄英無駄がない!!世界一旨いカレーを作ろう皆!!」

 

「オー」と満身創痍ながら皆で返す。疲れていても飯田はブレない。そこが頼もしくも面白い奴だと思った。

 

「さて、こういった大人数での調理は役割分担が肝だ!幸いにも僕たちはちょうど21人!白米を炊く係に7人、野菜の皮を剥くのが7人、カレーを調理するのが7人としよう!さぁ、作業開始だ!」

 

さっと役割分担を決める。自分は皮むき班へと配属された。

 

「ちゃちゃっと終わらせて調理班の援護に行くぞー。」

 

「オー」と気の無い返事をかけてくるのは皮むき班の連中、料理が得意な奴はあまりいなさそうだ。

 

「上鳴、ジャガイモの芽はちゃんと取るようにな。あと、ピーラーないから手とか切らないように気をつけること。」

「応!...って団扇お前皮むき早いな!」

「家事歴これでも長いんだよ。」

 

さらさらさらっとジャガイモの皮を剥いていく。こういった単純作業は慣れたものだ。まぁ愛用の棒型ピーラーが欲しいところではあるのだが。

 

「第一陣はこんなもんだろ。上鳴、調理班に持って行ってくれ。」

「あいよ!」

 

皮むき作業は順調であった。残る心配は調理班の中に見えていなかった爆弾がいるかどうかであるが、そこは一人暮らしの麗日や地頭の良い八百万に信じて任せよう。

 

思い返すは前世の学生時代、『持ち込みで材料加えてオリジナリティ加えようぜ!』と言い出した馬鹿と、『カレーに果物って合うらしいぜ?』と何処からかドリアンを持ってきた馬鹿が重なって作られたあのカレーの味と匂いは筆舌に尽くし難かった。

だが、それすらも楽しい思い出であったと今思い返すと思える。そんな事を思い出していた。

 

「団扇、なんか面白い事でもあったのか?笑ってるぞ、顔。」

「ちょっと昔の事を思い出した感じだよ。カレーにドリアンはないよなぁって。」

「何だよそのチャレンジ精神は。」

「俺もそう思う。若気の至りって奴だな。」

「いくつだよお前。」

「16歳だよ。さて、皮むき第二陣終わり!尾白、持って行ってくれ。」

「任せろ。にしても半分くらいお前1人で終わらせてないか?」

「慣れてるからな。さて、残り終わったら調理班への加勢に行くぞ。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「うめー!このカレーいける!普通に美味い!」

「マジか、こっちのカレー正直微妙だわ。ちょっとそっちの鍋のルーくれよ。」

「おう、ちょっとだけな?」

「...うめー!何だコレ、同じ材料のカレーなのに何でこんな味が変わるんだ⁉︎」

「クックック、その答えを教えてやろう。」

「お前は⁉︎途中から調理班に入った団扇!一体何が違うんだ?」

「飴色に炒めた玉ねぎはルーにコクを与える...」

「その一手間がおいしさの秘訣!やね!」

「ええ、食べ比べて驚きました。ここまで変わるものだとは。まだまだ精進が足りませんでしたわ。ですが次はもっと美味しいカレーを作ってみせますわ!」

「まぁこっちのカレーも悪くはない。これから頑張れよ八百万。」

「はい!」

 

「団扇くん、この美味しい方のカレーちょっと貰って行っていい?」

「ん?構わんぞ。」

「ありがとう、ちょっと洸太くんにカレー届けてくるね。」

「おう、行ってらー。」

 

皆の食が進む。最初になくなったのは自分の作った飴色玉葱カレーであった。勝った、と誰と競争していた訳ではないが思った。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「本当に来たのかB組連中...」

「あからさまに面倒くさそうだね団扇くん。」

「いや、ぶっちゃけ早く寝たい。風呂上がってから疲れがドッと出てきた感じ。」

「あー、それ僕もあるかも。」

 

事の発端は夕食終わりの会話だった。

マンダレイからの「明日の肉じゃがの肉、牛肉か豚肉かどちらかを選んでほしい」という一声があった。皆特に拘りはなかったのでジャンケンで決めようという話になりかけた所で物申してきたのがB組きっての問題児物間である。「憎きA組との勝負の機会を逃すのか。」「肉じゃがは当然牛肉だよなぁ!」などと難癖をつけてきてあれよあれよとAB対抗腕相撲大会が開かれる事となったのだ。

 

周囲をさらっと見渡す。やってきたB組連中に皆夢中になってこの部屋にいるはずのとある人物については気にしていないようだ。

 

気付いているのはおそらく自分だけだろう。頑張れとは言わない。だが生きて帰って来い峰田よ...

 

「あ、始まるみたいだよ団扇くん。」

「そだな、最初は尾白と庄田の試合か...体育祭の時の事を思い出すな。」

「そういや団扇くんって心操くんと同じ騎馬だったよね。」

「ああ、時間なくて庄田と尾白は洗脳しっぱなしで始めちまったんだよ。そこがちょっと心残りだったな。...あ、尾白が負けた。庄田って力強いな。」

「ううん、多分力を入れるまでのトップスピードが早かったんだ。それにあの柔らかい手が力入れるのを悟らせなかったのかも。これはもしかして凄い特性かもしれない。庄田くんのあの優しそうな見た目だ。握手をして隙のできた(ヴィラン)に攻撃をすれば威力は倍増する!」

 

緑谷特有のブツブツが始まった。正直こいつのブツブツは割と為になる事言ってるのでもっと聞きたいところではあるのだが次の試合はもうすぐだ。正気に戻そう。

 

「おーい、次の試合始まるぞ、戻って来い緑谷。」

「あ、うん。ありがと団扇くん。次は障子くんと骨抜くんだね。どっちが勝つと思う?」

「これは障子一択だな。あいつのフィジカルは俺が見習いたいレベルの強者だからな。骨抜の奴が隠れマッチョだとしてもオープンマッチョな障子には敵わないだろ。」

「本当だ、あっさり倒しちゃった。障子くんの勝ちだね。」

「次は口田と宍戸か、口田って何気に俺より腕力あるんだよなぁ...もっと鍛えないと。」

「そこで自分を鍛えようと思える所がお前の強い所なのだろうな、団扇。」

「お疲れ、障子。お前も来たかこの窓際のんびり席に。オレオあるぞ、食べるか?」

「頂こう。さて団扇、お前は今の試合をどう見る?」

「互角ってとこじゃねぇかな。宍戸も口田も筋肉のつきやすそうな異形型だし。お互いの作戦次第だろうさ。」

「始まったよ!口田くんは宍戸くんの攻撃を耐えて返すつもりみたいだ!」

「持久戦か!どう転ぶかだな...」

 

口田のスタミナ切れを狙う戦術はドンピシャだったようで、宍戸は徐々に口田の腕に押されていった。

 

「あ、虫だ。」

 

突如襲来した物間のその一言で虫の苦手な口田は「キャアア⁉︎」と叫んでその場を飛び退いた。その隙を突かれて口田は宍戸に敗北してしまった。

 

「うわ、物間っていつのまに補習から抜けて来たんだ?全く気付かなかった。」

「虫の苦手な口田くんには効果てきめんの口撃だったね...」

「全くだ、どこで情報を仕入れているのやら。」

 

ちなみに物間はその後「えー、僕には本当に虫がいたように見えたんだけどなぁ!」「負けたのをB組の僕のせいにしないでほしいなぁ!」などとある意味見事な口のうまさで「不正だろコラァ!」との声から逃げ切って補習へと帰っていった。

 

「物間って本当に凄え奴だな、ある意味。」

「同感だ。だがその心根はクラスの仲間の事を思えばこその腐りようだ。...B組だけの時に物間がどんな奴か興味が湧いてきた。」

「確かに...案外紳士だったりして。」

「まぁA組の俺らはそれを直接見れないだろうけどな。にしても切島遅いな...これは代役か?」

「行って来い団扇、お前が適任だ。」

「正直に言うとだな、俺肉じゃがには牛肉派だからこの勝負負けてもらいたい。」

「まさかの内患だと⁉︎」

「なので俺はここでぐだぐだしてます。それが俺にできるクラスへの最大の貢献だからな。」

「そういえば団扇くんにしては珍しく頑張れとか言ってなかったね...あ、切島くん来た。」

「これで問題なしだな。」

「釈然とせんがまぁいいか、今は友の勝利を願うのみだ。」

「そうだね障子くん。あ、始まった。」

 

始まった腕相撲。始めは切島の劣勢だったが、爆豪の「負けたら死ね!」との声援?に応えた切島が逆転し勝利した。

 

「あの声援にノータイムで同じ応えられるって切島と爆豪って面白い関係だよなぁ。」

「そうだね、かっちゃんと対等に友達やってる人は切島くんくらいだから。昔付き合ってた友達はどこかかっちゃんに付いて回ってる感じがあったけど切島くんにはそれもない。いい関係だと思うな。」

「昔から爆豪を見ている緑谷がいうのだから間違いはないだろうな。」

「さて、2対2で最終戦の爆豪対鉄哲か、まぁ勝つのは爆豪だろうなぁ...畜生、豚肉で肉じゃがかぁ、今世で初だな。」

「団扇くんってたまに変な言い回しするよね。」

「気にするな、生まれつきだ。」

 

爆豪と鉄哲の腕相撲は、一進一退の激戦だったが、相手の呼吸を読みきった才能マン爆豪により徐々に手首を巻かれた鉄哲は次第に追い込まれていった。だが根性の男鉄哲徹鐵、腕がテーブルにつくギリギリで踏みとどまっていた。

 

「ちょっとトイレ行ってくるわ。」

「このタイミングで⁉︎」

 

そう言って立ち上がり、入り口の近くにいたこっそりと部屋に入って来ていた男の肩を掴む。

 

「流石に二度目の水差しはノーだぜ?」

「何のことかなぁヴィラン潰しさん?言いがかりはよしてくれよ。何?鉄哲がこれから巻き返すからってB組の僕に当たっても仕方なくない?」

「...うん、お前に口では勝てないわ。というわけでちょっと黙ってろ。」

 

こういう時にこの個性は便利だ。目さえ合っていれば無理矢理黙らせる事ができるのだから。

 

妨害のなくなった腕相撲は順当に爆豪の勝利で終わった。あーあ、豚肉の肉じゃがになっちまったぜ。と愚痴ってみる。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ちなみにこの場にいなかった漢、峰田実は風呂場に服を着て入るという女子連中の卑劣なる策謀により理想郷を見る前にとっ捕まったらしい。そして合宿所の事務室に囚われるもなんとか脱出し、本命中の本命ワイプシへの覗きを敢行しようとしたものの入浴場を男女で変更するという単純なトラップに引っかかってしまった為に虎の裸しか見られなかったという。二段でオチをつけるあたり奴は笑いの神に愛されている。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

妙な時間に起きてしまった、慣れない枕で寝つきが悪かったからだろうか。

なんとなく周りを見渡してみる。どうやら自分以外にも起きている人物がいるようだ。

眼鏡をかけていないので一瞬迷ったが、どうやら飯田のようだ。皆の布団をかけ直しながら何かを探しているようだ。

 

「何やってんだ?飯田。」

「む、起こしてしまったか。すまないな団扇くん。」

「気にするな。眼鏡探してるのか?」

「ああ、その通りだ。誰かに蹴られてしまったのか近くに見つからなくてな。」

「手伝うぞ、なんか目が覚めちまったんだ。」

「ありがとう団扇くん...む。」

 

自分に気を取られてしまったのか足元の尾白の尻尾を踏んでしまったようだ。反射的に尾白は尻尾を動かして飯田を投げ飛ばした。

 

「い、飯田!」

 

皆を起こさないように小声で叫ぶ。投げられた先は障子の真上だった。その結果飯田は寝ぼけた障子の6本腕に拘束されてしまった。

 

「ちょっと待ってろ、今助ける!」

「すまない団扇くん、障子くんの力が強くて動けない!」

 

足元に気をつけつつ飯田の元へと駆け寄る。拘束を外そうとするも寝ぼけてる割には障子の力が強い。さすがオープンマッチョだ。

 

「なぁ飯田、これ障子起こさないか?」

「それは、最終手段にしよう。よく寝ている障子くんを起こすのは忍びない。」

「それなら、本気出しますかね!」

 

ポケットに入れていた鏡を取り出し自身にリミッター解除をかける。

そして小指から順番に拘束を解いていく。痛みからか障子は少し「うーん」とうなされたが無事飯田を助け出すことに成功した。

 

「助かった。ありがとう団扇くん。...君には助けられてばかりだな。」

「好きでやってる事だ、気にするな。それに、お前に助けられた事の方がずっと多い。」

「それは...そうなんだろうか。」

「そうなの、少なくとも俺の中ではな。さて、眼鏡探そうか。」

「そうだな。まずは眼鏡が先か。...む!峰田くんの髪を見てくれ。」

 

言われた通りに布団で簀巻きにされている峰田の髪を見てみる。葡萄のようなもぎもぎにくっ付いて楕円形のものが付いている。あれは眼鏡ケースだ。

 

「なんというか、運が無いな飯田。まぁ片面しかくっ付いてないから眼鏡取ることはできるかね。」

「だが手が峰田くんの髪についてしまえばくっ付いて取れなくなってしまう。危険なミッションだな。」

「なんかイライラ棒みたいだな。」

「イライラ棒?」

「ああ、電流の流れたコースに当たらないように鉄の棒を通すってゲーム。昔はテレビ番組とかで流行ってたらしいぜ。」

「団扇くんはそういう古い話に博識だな。」

「小ネタ収集は趣味なんだ。さて、飯田くんのーちょっといいとこ見てみたーい。」

「飲み会の掛け声ではないか⁉︎」

「気にしない気にしない。さぁ頑張れ飯田負けるな飯田!でももぎもぎくっ付いても美味しいかもだぞ!」

「僕の失敗を望んではいないか君は!」

「面白い事が起きるのを望んでいるな。というわけで飯田、GO!」

「くっ、だが行くしかないのは事実!さぁやるぞ!」

 

意を決して眼鏡ケースに手を伸ばした飯田、上手いことケースを開けることに成功したがその瞬間に峰田が「世界中のおっぱいは全部オイラのもんなんだからよぉ!」と寝言とは思えない奇声をあげるとともに転がり始めた。

この時点で俺はダウンしかけたが面白いことへの嗅覚がまだ何かが起きると目をそらすことをさせなかった。

転がった峰田は切島に衝突した衝撃で眼鏡を中へと飛ばさせた。その眼鏡は空中でツルを展開した。そして隣に寝ている常闇の顔面へと向かっていった。

 

ーースチャ

 

空中ドッキング、その言葉しか思いつかなかった。

 

飯田も自分も大爆笑を堪えて布団に手を叩きつけた。奇跡だ、奇跡としか言いようがない。

 

「写真だ、写真とろう!これは広めるべきだって!」

「だが他人の寝顔を勝手に写真に撮るなど不埒な真似を...ッ!」

 

飯田に何か言われる前にスマホでパシャりと写真を一枚。クールに寝ている常闇に何故か掛かっている眼鏡、会心の一枚だった。

 

散々笑いをこらえた自分と飯田はとりあえず常闇から眼鏡を回収し、「連れション行こうぜー」「いつの時代の人間なんだ君は?」との会話の後ともに部屋を去ることになった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

道中に聞こえた相澤先生たちの会話。

峰田の件で迷惑をかけた事を気に病んでいる飯田には効果てきめんだったようだ。

先生達は自分達を信じてくれている。それはとてもやる気の出てくる事実だろう。

飯田も自分も思ったことは同じだ。Plus Ultra 期待のその上を超えていこうと。

 

「まぁ麻雀しながらってのがちょっとアレだけどな。」

「何⁉︎あのカチカチという音は麻雀の音だったのか⁉︎聖職である教師が賭け事に興じるなど!」

「待て飯田。金賭けてるかどうかはわからんだろうに、早合点で突っ込みに行くな。麻雀自体はちゃんとしたボードゲームだ。」

「む、確かにそうだな。イメージが先行していたようだ。止めてくれてありがとう。」

 




詳しい描写が欲しい?雄英白書2を買うのじゃ
という姑息なダイレクトマーケティング。雄英白書2はいい買い物でしたと胸を張って言えます。

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