【完結】倍率300倍を超えられなかった少年の話   作:気力♪

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ヒロアカ映画の公式サイトを見て勘違いに気付く
映画って林間合宿の前かよ!合宿の後入寮前だと思ってその辺のスケジュールを空けていた馬鹿作者がいるらしいですよ?

そんな馬鹿作者の作品が日刊ランキング載ってた奇跡。思わずスクショしました。なんやねん5位って。


編め必殺技

焼肉屋から帰っての夜

 

芦戸たちの提案により、お部屋披露大会が開かれる事となったのは昨夜のこと。皆からは「ちょっと待て団扇、これ全部雄英の支給品じゃねぇかよ!」と突っ込まれたのは気にしない。インテリアには金がかかるのだ。

「MAXコーヒー買うのやめたらお金浮くんと違う?」と貧乏仲間の麗日の指摘はグサッと刺さったがMAXコーヒーは心の癒しなのだ、やめられない。

 

ちなみに女子部屋の匂いを全力で嗅いでみたが、まだ生活臭が染み付いてないせいか特に違いは分からなかった。フローラルな香りは何処へ...

 

そんな馬鹿騒ぎの翌日、自分達は教室に集められた。

 

「昨日話した通り、まずは仮免の取得が当面の目標だ。ヒーロー免許ってのは人命に直接関わる責任重大な資格だ。当然その取得の為の試験はとても厳しい。仮免といえどその取得率は例年5割を切る。」

「仮免でもそんなキツイのかよ。」

 

峰田の呟きが響く。全くもって同感だ。だがヒーロー飽和社会の今だ、新しいヒーローにもそれ相応の実力を求めるという事なのだろう。辛いぜ。

 

「そこで今日から君らには一人最低でも二つ...」

「「「必殺技を、作ってもらう!!」」」

 

ミッドナイト先生、エクトプラズム先生、セメントス先生がドアから現れた。

 

「必殺技!!!学校っぽくてそれでいて、ヒーローっぽいのキタァア!!!」

 

これ、学校っぽいのだろうか。いまいちノリきれない頭でそんな事を考えた。

 

「必殺!コレスナワチ、必勝ノ技・型ノコトナリ!」

「その身に染みつかせた技・型は他の追随を許さない。戦闘とはいかに自分の得意を押し付けるか!」

「技は己を象徴する!今日日必殺技を持たないプロヒーローなど絶滅危惧種よ!」

「詳しい話は実演を交え合理的に行いたい。コスチュームに着替え、体育館γに集合だ。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「体育館γ、通称トレーニング(T)台所(D)ランド(L)略してTDL!!!」

 

ハハッと陽気に笑う彼のネズミが頭に浮かぶ。そういや千葉県在住なのにランドにもシーにも行ってなかったなぁと今更ながらに後悔。最新の技術で進化したアトラクションとか楽しそうだったのに。

 

「ここは俺考案の施設、生徒一人一人に合わせた地形や物を用意できる。台所ってのはそういう意味だよ。」

 

そう言いながらセメントス先生は個性で地面のコンクリートを操り、それぞれの修行に用いるステージを構築していった。

 

「なーる」

「質問をお許しください!」

 

飯田がピシッと手を挙げて質問をした。

 

「何故仮免許の取得に必殺技が必要なのか、意図をお聞かせ願います!」

「順を追って話すよ。ヒーローとは事件・事故・天災・人災...あらゆるトラブルから人を救い出すのが仕事だ。仮免試験では当然その適正を見られることになる。情報力、判断力、機動力、戦闘力、他にもコミュニケーション能力、魅力、統率力など、多くの適正を毎年違う試験内容で試される。」

「その中でも戦闘力は、これからのヒーローにとって極めて重視される項目となります。備えあれば憂いなし!技の有無は合否に大きく影響する。」

「状況に左右されることなく安定行動を取れれば、それは高い戦闘力を有している事になるんだよ。」

「技ハ必ズシモ攻撃デアル必要ハ無イ。例エバ飯田クンノレシプロバースト。一時的ナ超速移動、ソレ自体ガ脅威デアル為必殺技ト呼ぶニ値スル。」

 

「アレ必殺技でいいのか...」と飯田がジーンとしていた。

 

「なる程、『これさえやれば有利・勝てる』って型をつくろうって話か。」

「先日大活躍したシンリンカムイの『ウルシ鎖牢』なんて模範的な必殺技よ、わかりやすいわよね。」

「中断されてしまった合宿での『個性伸ばし』は、この必殺技を作り上げるためのプロセスだった。つまりこれから後期始業まで...残り十日あまりの夏休みは、個性を伸ばしつつ必殺技を編み出す、圧縮訓練となる!

尚、個性の伸びや技の性質に合わせて、コスチュームの改良も並行して考えていくように。プルスウルトラの精神で乗り越えろ。準備はいいか?」

 

「ワクワクしてきたぁ!!」と皆の声が揃う。さぁ、修行の時間だ。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「団扇クン、君に新タナ個性ガ生マレタノハ聞イテイル。ソチラの個性ハドウ使ウカイメージハ出来テイルカ?」

「ええ、見てください!影分身の術!」

 

印を十字に組み、練りこんだチャクラを使ってもう一人の自分を編み上げる。このプロセスも慣れたものだ。

 

「ホウ、精神ヲエネルギーニスル個性トハソンナコトガ出来ルノカ。」

「他にも色々できますよ、身体強化、壁への張り付き、水面歩行、変化の術なんかが今習得している技です。」

「フム、デハ一戦交エテミルカ。催眠ハ使ワズナ」

「はい!」

 

分身を一旦回収。重り無しの先生相手だ、胸を借りるつもりで行こう!

 

「チャクラ全開、行きます!」

 

写輪眼を発動。チャクラを足に集中、あの日のオールマイトの姿からイメージだけはできていた高速体術で行く!

 

「速イッ!ダガ直線的ダ!」

 

エクトプラズム先生のカウンターが迫る、体全体を使ったその蹴りの速さはまるでムチだ。

 

だが、写輪眼には見えている。エクトプラズム先生の義足をくぐるようにしゃがみ下からエクトプラズム先生の顎を蹴り上げる。そして影分身の術を発動。エクトプラズム先生の上に影分身を生成、上空からチャクラを一点に集中させた拳を叩き込む!

 

叩き込んだ拳により、エクトプラズム先生の分身は地面に叩きつけられ消滅した。

落下地点にセメントにヒビを入れながら。

 

「エクトプラズム先生、もう一体お願いします!」

「ウム、承知シタ。...スピードニ怪力、ソシテ動キヲ見切ル目。オール・フォー・ワントヤラハ馬鹿ナ事ヲシタモノダ、彼ハ良イヒーローニ成ル。」

 

エクトプラズム先生は、そんな事を一人ごちたとか。

 

「サテ、新シイ個性ガ体ニ馴染ンデイルノハワカッタ。想像以上ダ。」

「ありがとうございます。ちょっと自分自身でも火力を制御できていない感はあるんですけどね。」

「イイヤ、先程ノパンチハ良カッタ。アノ破壊力ハ必殺技ニ値スル。名前ハツケテイルカ?」

「そうですね...」

 

チャクラコントロールでの怪力といえば思い出すのはNARUTOの綱手やサクラの使うあの技だ。あれ程の威力にするんだという思いを込めて、こう名付けよう。

 

「桜花衝なんてどうでしょう。」

「桜花衝、良イ名前ダ。デハ、ソノ100%ノチカラヲ一度試シテミヨウ。地面ニ向ケテ打ッテミロ。」

「はい!」

 

分身を回収。チャクラコントロールに集中。丹田で練ったチャクラを拳一点に集中させ、地面に叩きつける。そしてインパクトの瞬間に拳からチャクラを放出!

 

「桜花衝!」

 

その衝撃により、セメントスの作り上げたステージは、砕けて散った。

 

自分のステージの高さが低い所で良かった。でなければ他の皆に破片が当たって大変なことになっていただろうから。

 

「...加減ノ特訓ガ必要ダナ。」

「...頑張ります。このままだと人を殺しかねないので。」

 

全力の桜花衝はただの人に打ってはならない。そう心に誓った。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

セメントス先生にステージを作り直してもらい、修行を再開する。

 

今度は火力の調節の特訓だ。セメントス先生に厚めのターゲットをつくってもらいそれを壊し切らないように桜花衝を叩き込もうとする。駄目でした。

横への衝撃で破片が吹き飛び下にいた緑谷の脇を通りすぎる。

 

「大丈夫か、緑谷!」

「え、うん大丈夫!」

 

緑谷は、何か考え事をしていたのか破片に気付いてすらいなかったようだ。命の危機だぞオイ!

 

「ちょっと緑谷と話してきます。なんか悩んでそうなので。」

「ム、ダガ訓練ハドウスル?」

「こうします。影分身の術!行って来い分身一号!」

「おうさ!」

 

そう言って影分身は緑谷の元へと向かった。

 

「さて、セメントス先生!ターゲットよろしくお願いします!」

 

その日、チャクラが切れるまでターゲットに桜花衝を打ち込んだが、手加減は全く身につく感じはしなかった。何が原因なのだろうか。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

何か悩んでいる緑谷に背後から近付く。こちらに気付いた様子は全くないようだ。

 

「緑谷。」

 

と言いながら肩に手を置く。人差し指を伸ばしながら。

 

「あれ、団扇くん?」

 

振り返る緑谷、肩に手を置かれた方に回ったので人差し指は緑谷の頬へと当たった。ハハハ、イッツ古典的ジョーク。だが緑谷は怒るでもなく苦笑いで返して来た。これは重症だ。

 

「何か悩んでいる感じだったから、話をしに来た。」

「団扇くん...そうだね、何かヒントになるかもしれないし、話すよ。」

「おう、ドンと来い。」

 

そうして緑谷は話し出した、自らの悩みを。

 

「僕さ、病院で言われたんだ。100%の力を下手に使うと靭帯が損傷して一生腕が上がらなくなるかもしれないって。林間合宿の時にアイツ、血狂いマスキュラーと戦って怪我したトコ、これ以上処置が遅くなってたらそうなる可能性もあったんだってさ。」

 

いつも自爆しても何だかんだとリカバリーガールのお陰で命拾いしていた緑谷だ。マスキュラー相手にも同じように無茶をしてしまったのだろう。

 

でも思う、今気付けたことは、取り返しの付かなくなってから気付いたのではなくてラッキーなのだと。言葉には出さないが俺はそう思う。

 

「てことは、今腕は大丈夫なんだろ?何を悩んでるんだ?」

「うん、だから100%の力はもう使わないって約束した、約束したは良いんだけどそうしたらどうしても火力不足になるなって思っちゃって。あの日もマスキュラー相手に100%を打ち込んでも耐えられちゃったから尚のこと。」

「...私に良い考えがある!」

「どうしたの突然⁉︎」

「火力不足を解消する手っ取り早い方法は武器を使う事だ。そして幸いにもそういう問題を解消するのにうってつけの奴を俺は知っている!訓練終わったら一緒に工房に行くぞ!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

そうして訓練後、緑谷を連れてパワーローダー先生の工房へと向かう。

 

ドアの前で警戒、ノックして警戒、ドア開けるときに警戒を怠らない。突然爆発してくるのがこの部屋だ。約一名のせいで。

 

まぁ警戒していても避けられるとは限らないんだけどさ!

 

「団扇くん⁉︎」

 

「なんか爆発しとる⁉︎」

「大丈夫か団扇くん⁉︎」

 

後ろから麗日と飯田の声がする。お前らも来たのか、この伏魔殿に。

 

「フフフフフ、ナイスキャッチですよマグロさん!」

「爆発慣れして来たからな、まぁお互い怪我がないようで何よりだ。」

 

爆発の瞬間写輪眼とチャクラによる吸着を発動し、爆風に耐え、飛んできた発目と何かの破片を見切り受け止めたのだ。慣れって怖い。

 

「さて、要件はメッセージで伺ってます!そこのいつぞやの人、武器が欲しいのですね!」

「発目さん僕の事覚えてないんだ...」

 

「というわけで、まずはお身体に触らせてもらいます!んー、良い体してますねぇ!」

「は、発目さん⁉︎」

「な、何やっとるん⁉︎」

「男女7歳にして席を同じうせずと言ってだなぁ⁉︎」

「諦めろ皆、発目はこういう奴だ。それで、何か思いつくか?」

「ええ!とりあえず皆さん、中に入って下さい!」

 

発目の先導のもと久し振りの工房へと入る。

「団扇くん、昨日の今日でまた来るのか...」と戦慄された気がするが気にしない。自分でもそう思うけどさ。

 

「さて、あなたの戦闘スタイルは小回りの利く機動力を生かしたスタイルですよね?それならまずはこのベイビー!スタンフィストです!」

「スタンフィスト?」

「ええ、敵に拳を打ち付けることで高圧電流を流すベイビーです。パワーが足りないならパワー勝負しなければ良いのですよ!」

「そっか、そういう考えもあるのか...」

 

と、緑谷が納得していると、パワーローダー先生が話に割り込んで来た。

 

「君ら、コス変の件だろ?それならまず俺に話を通しなって。発目のペースに飲まれるのも分かるけどさ。」

「コスチューム変更は説明書出してパワーローダー先生に細かい所を話せばオーケーだよ。でも、そこから一歩先に行くには発目みたいな発明馬鹿の手助けが必要だと思ってる。物は試しと思って麗日も飯田もコイツと話してみると良いぜ?」

「もうマグロさん、そんなに褒めないで下さいよー。」

 

そう言って発目が俺の肩を叩いてくる。やめーや、お前地味に力強いから痛いんだよ。

 

「ねぇ発目さん、他にはどんなアイテムがあるの?」

「お、ノって来ましたねいつぞやの人!それならこんなアイテムはどうでしょう!近遠両用型のアイテム、ガンズグローブです!インパクト部分には砂鉄が仕込まれているので近接の格闘能力強化に役立ちます。ですが本命はそこでなく、拳を握りこむ事で発射できるウッドチップ弾です!有効射程は10mほどですが不意打ちには最適です!」

「うーん、銃のトリガーがそこにあるなら人を抱える時に引っかかりそうだね、他にはない?」

「それならこのアイテム、アイアンソールなんてどうでしょう!」

「ソール、足?」

「発目、緑谷はパンチャーだぞ?あのダル重ソール使う感じじゃあないだろ。」

「待って団扇くん。聞きたい詳しく!」

 

そう言った緑谷の顔は、何かを掴みかけているような、良い顔になっていた。

 

「食いつきましたね!それなら詳しく説明しましょう!このソールは爪先部分のインパクトの際に仕掛けが発動し、瞬間的に2撃の衝撃へと変わるのです!」

「ただしその分のギミックで重くなって足上げるの辛くなるっていう割と残念なアイテムでもあった。フルカウル使える緑谷なら使いこなせるか...?」

「その点は改良しました!新素材のお陰で強度はそのままに軽さを得る事ができたのです!」

「マジか⁉︎」

「そのアイテム、欲しい。そうだ、僕は勘違いしていた、オールマイトが拳を使っていたからって、僕が拳に拘る必要はどこにもなかったんだ!5%のフルカウルで最大限のダメージを出せるのは、拳じゃない、腕の4〜5倍の筋力を持つ足なんだ!飯田くん!教えてほしい事があるんだけど!」

 

緑谷は、完全に何かを掴んだ顔になっていた。

飯田なら、そんな緑谷にかける声は一つだろう。

 

「任せてくれ。」

 

友達が立ち直ったのは素直に嬉しいのだから。

 

「さて、緑谷くんのコスチュームの事がひと段落した訳だし、俺のコスチューム変更もお願いしたい。俺はラジエーターの改良をお願いしたいのだが何か案はあるか?発目くん!」

「そうですね、それではこのベイビーなんてどうでしょう!」

「あ、そいつはまずい、ヘルメットつけとけ飯田。」

「ム、何か危険があるのか?」

 

そう言って飯田は脇に抱えたヘルメットをしっかりと被った。

これで事故で飯田が怪我をする事はないだろう。

 

「発熱を極限まで抑えたスーパークーラー電動ブースターです!第36子です、可愛いでしょう!それではスイッチオン!」

 

飯田は腕のブースターにより天井に頭を打ち付けた。

 

「やっぱり嫌いだぁあ君ーー⁉︎」

 

その後、麗日と飯田は発目作のアイテムを取り入れることなく終わった。発目のアイテムはピーキーで面白いんだがなぁ...

 

「さて、パワーローダー先生、俺もコスチューム変更お願いします。」

「マグロさんもコスチュームを変えるのですか?」

「ああ、ちょっとだけな。背中にこのデザインを入れたいんです。」

 

パワーローダー先生に携帯で撮ったうちはの家紋を見せる。

 

「何かの家紋かい?」

「はい。うちの一族の家紋だそうです。」

「その程度なら半日で済むかな、明日の朝取りに来てよ。」

「はい。よろしくお願いします。」

「あ、マグロさん、今日これから時間あります?」

「ああ、あるぞ。」

「それなら新アイテムのテストをお願いします!今回のはマグロさん向きのベイビーですよ!」

「あいよ、任された。」

 

そう言って緑谷たちと別れ、発目とともにサポート科のテスト用の森へと入る。

 

「今日のベイビーはこちら、ミラーダートです!」

 

そう言って取り出されたアイテムは、鏡でできた投げナイフだった。

 

「さぁ、増えて下さいマグロさん!テストの始まりですよ!」

「...増えてって言い方やめない?なんかプラナリアを思い浮かべちまうから。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

翌日

 

3人のエクトプラズム先生に囲まれている。右前に一人、左前に一人、背後に一人だ。

背後の一人を影分身に任せて戦闘開始。

前の二人が時間差で襲いかかってくる、

 

ミラーダートを近い方のエクトプラズム先生に投げつけて牽制、エクトプラズム先生はサイドステップを挟む事でダートを回避された。だが、ダートは狙った場所に刺さった。トリックプレイと行こう。

下げた手の甲の鏡の反射角を調整してエクトプラズム先生の目へと合わせつつ放ったダートに向けて写輪眼を発動。ミラーダート、手の甲の鏡を経由させてエクトプラズム先生の目へと写輪眼を合わせる。

 

手応えありだ。

 

「写輪眼、鏡面巡りの術。」

 

初見殺しの技であるが、新技は新技である。発目の新アイテムに感謝だ。

催眠したエクトプラズム先生と自分でもう1人を不意打ちし、体勢の崩れたところに必殺の一撃を叩き込む。必勝の型とはよく言ったものだ。この一撃を打ち込めば勝てる技というのは戦闘を大いに組み立てやすくするのだから。

 

「桜花衝!」

 

チャクラを腕に一点集中し、インパクト時にチャクラを拳から放出する。その一撃によりエクトプラズム先生は壁に叩きつけられて消えていった。

続いて対処するべきは最後の一人だ、影分身が足止めに徹したお陰で最後の一人は何もできていない。こちらが3人になったことで一度態勢を立て直すために距離を取ろうとした。その空中にいる隙を突く!

 

「行くぞ!」

「応!」

 

分身がジャンプして俺の手に着地、押し出しつつ桜花衝の応用で思いっきり掌からチャクラを放出する!

 

「分身体技、桜花!」

 

その勢いに乗った分身は超高速でエクトプラズム先生へと飛んで行った。そしてその勢いのまま桜花衝を叩き込む!

 

「翔衝!」

 

分身体技、桜花翔衝。技名をつけてみたがやってる事は分身を飛ばして殴るという脳筋技である。

尚、昨日の寝る前に思いついた技なので完成度は低い。

現に今、飛ばされた分身君が勢いに乗りすぎてステージから転げ落ちている訳なのだから。

 

「分身扱いガ悪クナイカ?」

「いや、俺もこうなるとは思っていませんでした。」

 

そうしてダメージで分身が消えて経験のフィードバックがやってくる。転げ落ちる経験を一瞬で経験するのはなかなかに気持ちが悪い、次にこの技を使うときは気をつけよう。

 

「サテ、新技ハ見セテ貰ッタ。初見殺シと自爆技ダガ、選択肢ニハナル。ソレデハ桜花衝ノ手加減ノ練習トイコウカ。」

「すいません、分身の分のチャクラが消えたんでちょっと休憩させてください。」

 

影分身は自身で解いたときはチャクラは戻ってくるが、ダメージで解けてしまったときはチャクラは霧散してしまうのだ。総チャクラ量がそう多くない自分が気をつけないといけないことだろう。

 

そんな事をエクトプラズム先生に話すと「ナラ、コノヨウナリスクノ高イ技ハ控エル事ダナ。」と至極まっとうな意見を貰えた。

 

その日も、チャクラが切れるまで練習したものの桜花衝の威力調整は出来なかった。チャクラの一点集中まではできるのに何故だろうか。

 

との事を校内でたまたま見かけたオールマイトに聞いてみた。

 

「慣れだね。数打ってればそのうちわかるようになるよ。」

「うわぁ、流石の新米教師っぷりですねオールマイト。」

「いや実際慣れなんだよ。人を殺さない威力ってのは数値で測れるものじゃないからね、この個性社会では。沢山の個性を見て、その個性ならこのくらいの威力なら大丈夫って慣れて行くのが遠回りに見えるかもしれないけど一番の近道なのさ。」

「...ありがとうございます、オールマイト。」

 

元No.1ヒーローの珍しく有難いお言葉だ、しっかりと心に刻んでおこう。

そう思って、日々の修行を重ねていこうと決めた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ちなみにその日の夜

 

「団扇くん!水面に立つのはマナー違反ではないだろうか!」

「これも修行だ。許せ飯田。」

「修行なら仕方ないな!」

「団扇くんの個性は精神をエネルギーにするというもの、その応用で水面に立っているんだ。変化、分身、身体強化といった技に加えてこの移動範囲を向上させる技、なんて万能な個性なんだ。僕も負けていられないな。でもエネルギーを使う印なんてものをどうやって思いついたんだろうか、偶然?そうだ写輪眼だ、写輪眼はエネルギーを色で見る。その性質を使って自分のエネルギーの変化を観察したんだ。やっぱり団扇くんは凄い、新しい個性をもう使いこなしている!」

「緑谷、その辺でなー。風呂に浸かって考え事はのぼせるぞ。」

「あ、そうだね。ありがとう団扇くん。」

 

そんな一幕があったとか。




という訳で螺旋丸でも千鳥でもないメインウェポンの登場回です。
写輪眼、高速体術、チャクラコントロールの三本が今のところの巡くんの武器になります。
そして桜花衝を習得できたという事は...当然あの系統の術を習得させます。師匠などはいないので手探りですけどね。
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