【完結】倍率300倍を超えられなかった少年の話   作:気力♪

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iPhone新しくしていざデータ移行だーと思ったらパソコンがぶっ壊れたという悪夢。本体下取りとかなくて本当に良かった。
家族用のパソコンで無事データの移行は終わったのでメモ帳にあるプロットはなんとか無事です。小説に影響はありません。


インターン編、インサート
ビッグ3、通形ミリオ


「謹慎トリオ第2号、お勤めから戻ってまいりました!」

 

3日間の謹慎が明け、久しぶりに思える教室にやってきた。勝己はあと一日謹慎なので「死ねやクソ目!」と捨て台詞を吐いていた。お前は完全に自業自得なのであと1日ゆっくりしておくといいさ。

 

「おかえりー」と朝早い連中の声が響く。

 

「団扇くん、謹慎明けおめでとう!というわけで頼まれていた授業のノートだ!」

「ありがとう、飯田。助かる。」

 

朝の時間を使ってノートの写真をパシャパシャと撮る。3日分のノートとなると分量が多くて大変だ。

ノートの写真を撮り終わる頃には授業2分前になっていた。割とギリギリだ。

 

「飯田、ありがとな。」

「ウム、役に立てたなら光栄だ。」

 

さて、幸いにも授業の範囲は予習していた範囲を超える事はなかった。焦らずとも授業についていく事はできそうだ。写真に撮ったノートを実際に写すのは今日の夜で大丈夫だろう。

 

さぁ、少し遅くなったが今日から新学期の始まりだ!

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「じゃあ団扇も戻ったところで、本格的にインターンの話をしていこう。入っておいで。」

 

教室のドアが開く。誰かが外で待っていたようだ。

 

「職場体験とどういう違いがあるのか、実際に体験している人間から話してもらう。多忙の中都合を合わせてくれたんだ、心して聞くように。現雄英生の中でもトップに君臨する3年生3名ーー...通称ビッグ3の皆だ。」

 

「雄英生のトップ...ビッグ3...!!」

 

戦慄する皆。元気に入ってくる金髪リーゼントの少年、青髪ロングで美人な少女、黒髪で猫背の少年の順に教室へと入ってきた。パッと見だが、あの金髪の人が相当に鍛えているのがわかる。ビッグ3、侮るつもりはないが強者だ。

 

「じゃあ手短に自己紹介よろしいか?天喰から。」

 

ギンっと黒髪の少年の目力が強くなる。これが強者の風格かッ...⁉︎

 

すると天喰と呼ばれた先輩は体をカタカタと震わせながらこう言った。

 

「駄目だ、ミリオ、波動さん。ジャガイモだと思って臨んでも、頭部以外が人間のままで依然人間にしか見えない。どうしたらいい、言葉が...出てこない。頭が真っ白だ...辛い...帰りたい...!」

 

その言葉とともに自分たちから背を向け、頭を黒板に頭を預けた。雄英のトップ3だよな⁉︎

 

たまらず尾白が尋ねる。

 

「雄英...ヒーロー科のトップ...ですよね...」

 

すると、その言葉には青髪の少女が答えた。答えたのか?

 

「あ、聞いて天喰くん、そういうのノミの心臓って言うんだって!ね!人間なのにね!不思議!彼はノミの天喰環、それで私が波動ねじれ。今日は校外活動(インターン)について皆にお話ししてほしいと頼まれて来ました。けどしかしねぇところで、君は何でマスクを?風邪?オシャレ?あらあとあなた轟くんだよね⁉︎ね⁉︎何でそんなところを火傷したの⁉︎」

 

波動先輩の言葉が止まらない。天喰先輩とは違うタイプだがもうすでにわかった。この人たち、濃いぞ!大トリを飾る金髪マッスルのミリオという先輩はどんなキャラなんだ⁉︎

 

その後も波動先輩の興味に従った言葉が紡がれ続け、相澤先生がボソッと「合理性に欠くね?」と呟いた。

 

その言葉に笑顔で返すミリオという先輩。「安心して下さい、大トリは俺なんだよね!」と。

 

「前途ーー⁉︎」

 

「多難?」とぼそりと呟く。返答はこれであっているだろうか。皆が黙っているあたりもしかしたら前途洋洋な気がしてきた。

 

「オーケーありがとう問題児二号の団扇くん!まぁ掴みとしては大失敗だけどね!」

 

ハッハッハッとミリオ先輩の笑い声が響く、この空気でも笑い出せるとは凄い先輩だ。

 

「まぁ何が何やらって顔をしてるよね。必修て訳でもない校外活動(インターン)の説明に、突如現れた3年生だそりゃわけもないよね。...一年から仮免取得だよね、フム...今年の一年生は凄く...元気があるよね...そうだねェ、何やら滑り倒してしまったようだし...君たち纏めて、俺と戦ってみようよ!!」

 

「ええー⁉︎」と驚く皆。

 

「俺たちの経験をその身で経験した方が合理的でしょう⁉︎どうでしょうね、イレイザーヘッド!」とミリオ先輩が言い、「好きにしろ」と相澤先生は言い捨てた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

体育館γ、出久の特訓に使ったり必殺技習得のために使ったりとなにかと縁のある体育館だ。今回はそこで勝己と焦凍を除いた19人対ミリオ先輩1人という超ハンディキャップマッチが行われようとしていた。

 

「ミリオ、やめた方がいい。形式的にこういう具合でとても有意義です。と語るだけで充分だ。皆が皆上昇志向に満ち満ちている訳じゃない。立ち直れなくなる子が出てはいけない。」

「あ、聞いて知ってる。昔挫折しちゃってヒーロー諦めちゃって問題起こしちゃった子がいたんだよ、知ってた⁉︎大変だよねぇ通形、ちゃんと考えないと辛いよ、これは辛いよー。」

 

その、先輩が負ける事を微塵も考えていない言葉に、A組の皆の火がついた。

 

「待ってください、我々はハンデありとはいえプロとも戦っている。」

「そして、(ヴィラン)との戦いも経験しています!そんな心配されるほど、俺らザコに見えますか...?」

 

常闇と切島のその言葉をスルーして、ミリオ先輩は言った。

 

「うん、いつどっから来ても良いよね。一番手は誰だ⁉︎」

「オレ「僕...行きます!」意外な緑谷!!」

 

切島の声を遮って出久が前に出る。

 

「問題児一号!!いいね君やっぱり元気あるなぁ!」

 

写輪眼を発動し、先輩を見る。個性はまだ発動していないようだ。

 

「近接隊は一斉に囲んだろうぜ!!よっしゃ先輩、そいじゃあご指導ぉー、よろしくお願いしまーっす!」

 

開幕の音頭とともに先輩の体じゅうに身体エネルギーが満たされたッ!

 

「個性を使った!気をつけ...⁉︎」

 

体操服が、通形先輩を通り抜けて落ちていった。

 

「何だ、服が落ちた⁉︎」と騒ぐ皆。写輪眼により動体視力が良くなっている自分にはしっかりと立派な一物が見えてしまった。おのれ、精神攻撃か⁉︎

 

「ああ失礼、調整が難しくてね!」

 

そう言って落ちた下のジャージを履くミリオ先輩。その顔面を出久が蹴り抜くが身体エネルギーが通っていたためその蹴りは顔面を通り抜けていった。

 

出久の攻撃により個性がほぼ確定できた!

 

「先輩の個性は透過!エネルギーが通ったとこが通り抜けてる!」

 

「おお、看破が速い!流石エネルギーを見る目だね!」

 

そう言った通形先輩は射撃組の弾が速い青山と瀬呂の個性を出久を見ながら()()()()()()()()()()を透過させることにより回避した。なんだあの絶技は⁉︎

 

「酸の噴射角変更!透過なら体全体に当てればどっかには当たる!」

 

そう言った芦戸の酸の雨はミリオ先輩の体を全て包み込んだ。芦戸の酸のエネルギーに隠れて見え辛かったが、通形先輩は体全体をエネルギーで覆った。そして、その一瞬後目の端から、少し先の地面から高速で飛び出してくるミリオ先輩が見えた。この角度、俺狙い!

 

だが、それなら写輪眼と目が合う筈!そう思って写輪眼を合わせ、催眠眼を発動したが、手ごたえはなかった。その時目にエネルギーが集中していた事から目を透過する事で光を受け取らなかったという事だろう。

写輪眼を使ったせいで一瞬体の反応が遅れた。咄嗟に小さい移動術で距離を取り腹を狙った拳を回避しようとするも、拳のスピードの方が速く腹に一撃を貰ってしまった。

移動術で後ろへのスピードを作ってもこの威力、まともに喰らっていたらやばかった⁉︎

 

「んー、反応された!凄いね写輪眼!でも、一番厄介な君が離れた!これは隙だよ!」

 

それからのミリオ先輩の行動は、まさに神速だった。また体全体にエネルギーを巡らせて落下したと思ったら後衛組の前に現れ、腹を殴り。また落ちる。それを人数の数繰り返すと、後衛組にいた皆は俺が体勢を立て直す数秒のうちに壊滅させられていた。

倒れていても個性が使える耳郎のイヤホンジャックは先輩の早技により上鳴に巻き付けられていた。

そのついでにズボンを履き直したあたり余裕があるのだろう。

 

「おまえら、いい機会だしっかり揉んでもらえ。その人、通形ミリオは俺の知る限り最もNo.1に近い男だ。プロも含めてな。」

 

相澤先生のその言葉に戦慄した。確かに高い壁だ。だがこういう時のPlus Ultraだ。頑張っていこう。

 

「すり抜けるだけで強いのにワープとか、それってもう...無敵じゃないっすか!」

「よせやい!」

 

格好つけてポーズをとる通形先輩。

 

「出久、個性は透過で間違いない!だがカラクリが分からない!とにかく落ちたら高速移動する。気をつけろ!」

「団扇くんの目でも暴ききれないのか...ッ⁉︎」

「だけど絶対に無敵じゃない!先輩の透過は目の光をも透過する!同じように考えるなら肺は酸素を透過するし鼓膜は音を透過する!消えている間は呼吸はできないし俺たちを認識できないはずなんだ!」

「ははっ、本当に凄いね団扇くん!正解だ!なら俺がどうやって皆の位置を把握していると考えているんだい?」

「それが分かれば今こんな叫んだりはしてないですよ、先輩!」

 

正直ワープじみた高速移動は個性の産物だ、どんなトンデモ理論がでてもおかしくはない。だが認識できない筈の俺たちを把握しているのは純然たる技術の筈。何故なら身体エネルギーの動きからそういう感知タイプの個性の発動は見えていないからだ。焦凍のような複合型や俺のような個性の複数持ちの線は完全にない。この異様な技術といい鍛え抜かれた身体といい、どれほどの鍛錬がこの人を作り上げたんだ...ッ⁉︎

 

「さぁ、休憩を挟んだところで再開と行こうか、近接組!」

「皆、とにかくカウンターだ!透過の個性を解かないと僕らに触れない!細かい理屈は置いておいてとにかく今は先輩を倒す事だけを考えよう!」

 

出久のその言葉に、今は頭で考えながらもフィーリングでなんとかするしかないと思った。

 

「沈んだ、来るぞ!」

 

尾白の声が響く。皆から少し離れた俺には先輩の動きが見える。

 

「出久!後ろだ!」

 

叫び声が届く前から出久は背後を振り向いて通形先輩の顔面に向けて蹴りを放っていた。出久の得意な分析と予測だろう。...その瞬間まさかと頭をよぎる可能性。先輩は俺たちを認識してないで、分析と予測だけで位置や反応を読んでいた...ッ⁉︎ありえるのかそんな化け物じみた戦術が⁉︎

 

なら、()()()()なら先輩の分析と予測を上回れる筈、次に沈んだ時がチャンスだ!

 

緑谷が先輩に反撃するもすかされ、透過を使った目潰しの後の一撃により倒れ伏した。そして次の行動に移るために地面へと沈む筈!

 

移動術で近接組皆の中心へと移動し、皆に叫ぶ。拳を握りながら。

 

「全員、対ショック姿勢!トンデモ技術に対応できるのは、力技だけだ!行くぞ、桜花衝!」

 

()()()()()()放つ久し振りの拳を使った桜花衝。その目的はコンクリートで作られた地面を破壊して先輩の予想外の動きを皆にさせるため!ついでに高速移動のカラクリが読めたら儲けもの!

 

さあ、どうなる!

 

「...凄いね!状況を見るにやったのは団扇くんだ。個性は目だけじゃあないみたいだね!でも!」

 

()()()上空へと高速移動したミリオ先輩は天井に半身を透過で埋めた。

 

「俺は、こんな状況にも慣れている!必殺!ファントムメナス!」

 

今の動きで高速移動のタネは割れた。身体の一部、あるいは全身を埋めて個性を解除すると吐き出されるように身体に力が入るのだろう。それを高速移動に応用しているわけだ。これで通形先輩の力の分析は終わった。

 

その代償として、上空からの初撃と高速移動による追撃を回避できた俺以外の皆は皆先輩に倒されてしまった訳なのだが。

 

「ハッハッハッ!全員腹パンで終わらせようと思ったのに何人か頭殴っちゃったよ、大丈夫かな?」

「大丈夫ですよ多分、皆もヒーロー科、鍛えてますんで。」

「なら良いや!さぁタイマンだね、団扇くん!」

「タイマンですね、先輩。ならタイマンのマナーとして、目を見てくれませんかね?」

「ハッハッハッ!冗談キツイね!」

「まっ、知ってましたけど!」

 

地面に沈み消える通形先輩。出るのは前か後ろかの見えない二択。

その瞬間思いついた二段階の奇襲の手段、この策なら行ける!

 

先輩が地面に消えてから一瞬の緊張が走る。その隙に2つの術の印を結び奇襲の準備をする。

 

ミリオ先輩が現れたのは前からだった。

 

ミリオ先輩は俺の写輪眼を警戒して出現の瞬間以降目を透過させている、それはつまり目を閉じているのと同じ事だ。ならこの術は完全なる奇襲になる筈!

 

バックステップで距離を取り思いっきり息を吸い込み、燃える性質をチャクラに込めて、解き放つ!

 

「火遁、豪火球の術!」

 

人を飲み込むほどの火球を口から放ちミリオ先輩を覆う。これでミリオ先輩が攻撃のために透過を解いたら炎で大ダメージを受けることになる!

 

だが、火球を通り越している間ミリオ先輩は透過を解除しなかった。まさか、ここまで読まれていたのか⁉︎

 

火球を通り過ぎ、自分すらも通り越して背後を取り、背面から拳を放ってきた。

 

俺の、影分身に対して。

 

「消えた⁉︎」

 

桜花衝で砕いた瓦礫に変化していた俺はその一瞬の隙を突きにかかる、これが最後のチャンス!

 

「桜花衝!」

 

背後から襲いかかったその一撃は、完全に隙をついた筈なのに空を切った。桜花衝があたる直前で身体を身体エネルギーで覆い、透過を使ったのだ。そして腕を掴まれ、腕が身体を貫いた状態での変則回し蹴りにて頭を蹴り飛ばされた。

 

咄嗟に腕にチャクラを集中してガードしたが、ガードだけをすり抜けて蹴りは頭へと命中した。腕を掴まれているため吹き飛ばされることができず、威力は頭に集中してしまったため、そのダメージの大きさに俺はその場に崩れ落ちた。

 

「POWER!」

 

勝利のサムズアップポーズを決めるミリオ先輩。

 

A組19人対ミリオ先輩の変則マッチは、ただの一撃すら与えられずにA組の敗北となった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ギリギリちんちん見えないように努めたけど!!すみませんね女性陣!!とまァーこんな感じなんだよね!」

「わけもわからず全員ノされただけなんですが...」

「俺の個性、強かった?」

「強すぎっス!」

「ずるいや、私のこと考えて!」

「すり抜けるしワープだし!轟みたいなハイブリッドですか⁉︎」

「ハッハッハッ、その答えは団扇くんよろしく!見抜いてるよね?」

 

唐突に振られて少し困惑する。頭が物理的にまだ痛いのだから休ませて欲しいのだが...

 

「ハァ、先輩の個性は透過の1つ。でも身体の一部や全身を何かに埋めて個性を解除すると弾かれる力が生まれる。それが先輩のワープじみた高速移動の正体です。」

「その通り!地面や天井をすり抜けてそこから力を貰っていた訳なんだよ!まぁ落下中に身体の向きやポーズを調整しないといけないから言葉で言うほど簡単じゃあ無いんだけどね!」

 

芦戸が「...?ゲームのバグみたい」とわからないなりに噛み砕いたところ先輩は「イイエテミョー!!」と笑いながら答えた。地面にめり込むとスピードが増すゲームって何かあっただろうか...

 

「攻撃は全てスカせて、自在に瞬時に動けるのね...やっぱりとっても強い個性。」

 

蛙吹のその声に、先輩は目を閉じて、自分の努力を振り返るように言った。

 

「いいや、強い個性に()()んだよね。団扇くんが分析した通り、発動中は肺が酸素を取り込めないし、鼓膜は振動を、網膜は光を透過する。あらゆるものがすり抜ける。それは何も感じることができず、ただただ質量を持ったまま落下の感触だけがある...ということなんだ。わかるかな⁉︎そんなだから壁1つ抜けるっていう簡単な工程にもいくつかの工程が要るんだよね。」

「急いでいる時ほどミスるな俺だったら...」

「おまけに何も感じなくなってるんじゃ動けねー。」

「そう、案の定俺は遅れた!!ビリっけつまであっという間に落っこちた。服も落ちた。」

 

服は今でも落ちてないですか?と痛む頭で突っ込む。口には出さないが。

 

そんな俺の目を無視してミリオ先輩はトトトトトと頭を人差し指で叩きながら話の続きを始めた。

 

「この個性で上を行くには遅れだけはとっちゃダメだった!!予測!!周囲よりも早く!!時に欺く!!何より『予測』が必要だった!そして、その予測を可能にするのは経験!経験則から予測を立てる!長くなったけどコレが手合わせの理由!言葉よりも経験で伝えたかった!インターンにおいて我々は『お客』ではなく一人のサイドキック!同列(プロ)として扱われるんだよね!」

 

同列(プロ)として...」と自分の口から言葉が自然と出てきた。守られる子供としてでなく一人の大人として扱ってくれるのか...ッ!

 

「それはとても恐ろしいよ、時には人の死にも立ち会う...!けれど恐い思いも辛い思いも全てが学校では手に入らない一線級の経験!俺はインターンで得た経験を力に変えてトップを掴んだ!ので!恐くてもやるべきだと思うよ1年生!!」

 

ブルりとその言葉に震える皆、自然と拍手が巻き起こる。

 

「『お客』か、確かに職場体験はそんな感じだった。」

「危ない事はさせないようにしてたよね。」

 

「そろそろ戻ろう」と相沢先生の一声により、インターンについての説明は終わりを迎えた。だが気になっている事を聞かない事には終われない。

 

「通形先輩、質問いいですか?」

「なんだい?団扇くん。」

「俺の最後の奇襲の事です。豪火球が躱されたのはわかるんです。俺が何かをすると思って背後に来るまで透過を解かなかったってだけなんですから。でも影分身と変化を使った最後の奇襲は予測できる事じゃあなかった筈です。どうして躱すことができたんですか?」

「んー、アレ?予測できた!って言えれば格好いいんだけど、ぶっちゃけ最後のは勘かな!いやー、アレは危なかった!いい奇襲だったよ、団扇くん。」

「勘ってことは経験が導いた無意識の動きって事ですか...まいった、完敗です。」

「ハッハッハッ、よせやい!」

 

通形先輩は何かがおかしかったのか、俺の肩をバシバシと叩いてきた。

 

「ところで君の個性って写輪眼っていう目だけじゃなかったの?」

「あ、はい。精神をエネルギーにする個性があるってわかりまして、さっき吐いた火も、影分身や変化の術もそのエネルギーの応用です。」

「火を吐いて分身して変化する、まるで忍者だね!」

「あ、壁や天井に張り付いたり水に浮いたりもできます。」

「本当にまるで忍者だね!」

 

その日、俺は雄英の誇るNo.1に最も近い努力の男、通形ミリオ先輩とちょっとだけ仲良くなった。




ミリオがやばいのは個性ではなくそれを扱う技術。その事を表現したいが故にちょっとミリオの強さを盛ったかもしれません。ルミリオン復活が待たれるばかりですねー。
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