ヒロアカ-悪霊はヒーローの夢を見られるか
を推してみます。インドで悪霊と呼ばれたヴィジランテが何だかんだで雄英に入りオールマイトのようなヒーローを目指す話です。
捜索掲示板で教えて貰った作品です、完結済みなのが良いですねー。
土曜の授業が終わってすぐにコスチュームに着替えてバブルビームさんとの合流場所に行く。
「お、コート直ったんだ。」
「はい、特殊なギミックとかはないコートなんで、サポート会社さんたちがパパパっと作ってくれました。プロになったらコスチュームのこういう点も考慮しなきゃダメっぽいですね。」
「そだよ、安くて丈夫で格好いい、それがコスチュームに求められる性能だから。さ、それじゃあ行こうか、ヤクザ屋さんに話を聞きに。」
「門前払いされなきゃいいんですけど。」
「メグルと目さえ合ってくれれば楽勝なんだけどねー。」
「ですねー。つくづくそう思います。」
最近写輪眼での瞬殺ができてないなーとなんとなく思う。
「カバーストーリーはメッセージで送った通りだけど、頭に入ってる?」
「はい。あの占い師の顧客に捜索中の
「オーケー、できる後輩で世話が楽だよ。」
「はいは...バブルビームさん。」
嫌な視線を感じる。予知能力の
視線を動かさずにバブルビームさんに相談する。
「気付いてます?」
「うん、どっち狙いだと思う?」
「別れてみますか?」
「とりあえずパトロールがてら周囲を回って様子を見よう。」
「承知しました。」
予定のルートとは異なる道を行く。こういう時ヴィラン発生率の高いホットスポットを表してくれる最新の地図アプリは便利だ。慣れない土地でもパトロールが出来るのだから。
「パトロールルートはこんな感じでいいですか?」
地図アプリを見せてルートを示す。
「...メグルってこういう仕事早いよね。」
「最新アプリとか好きなんですよ。技術は進歩したんだなーって感じがして。」
「そんなもんかな。」
「そんなもんですよ。さ、行きましょ行きましょ。」
そう言って慣れない街を2人でパトロールする。個性発動の予兆を見逃さないように写輪眼を起動させながら。
本来の目的とは違うがまぁいいだろう。どうせ急いでも情報が入るという確信はないのだから。
だが、勘違いであって欲しかった視線の主は駅からしっかりついて来ているようだ。手の甲の鏡を利用して見た所、黒い安物のパーカーのフードを被っている人物であることがわかった。体格からしておそらく男性だろう。
「...来てますね。」
「パパラッチだと良いんだけどねー。正直、
「尾行に不慣れな感じなのでそう腕利きって訳じゃあなさそうなのが救いですね。」
「戦闘能力に特化した傭兵タイプの
「その時は2人でリンチしましょう。」
「そだね。」
2人で街のホットスポットを巡っていく。するとチンピラっぽい雰囲気の若者達がカツアゲしている場面に出くわした。時代が変わってもこういうのは減らないのなー。
「おうこらおっちゃんよぉ、いいから金貸してくれねぇかい?」
「ふ、ふふ、ふふふ!生憎だったな!俺はもう金なんか持ってない、会社の金を着服しての一発勝負にさっき負けたばっかりだからなぁ!さぁ、殴れ!殴っても出てくるのは俺の負債しかないぞ!」
「お、おう。」
チンピラたちがおっさんの魂の叫びに圧倒される。まさかカツアゲ相手の資金がマイナスだとは思ってもいなかったのだろう。ギャンブルは身を滅ぼすのだなー。
「はいはいそこまで、話は聞かせてもらったよ。ヒーローのバブルビームだ。」
「同じくメグルです。」
「お、おう。運が良かったな、おっちゃん。」
「運が良かった?運が良かったらあそこでトウカイテイオー三世がトップに抜けていたはずさ!そしたら借金も会社の金も全部纏めて返せたっていうのに!」
「「「競馬かぁ...」」」
思わずチンピラたちと声が揃う。どうしようもないぞこのおっさん。
「とりあえず君たちは行っていいよ。幸い手を出す前だったから罪はなし。でもカツアゲなんてする元気があるならバイトした方が身入りはいいよ?」
「チッ、わかったよ。いくぞお前ら。」
「おう。」
チンピラ達は去って行った。
「さて」
バブルビームさんがおじさんの右腕を掴む。
「ですね。」
すかさず俺がおじさんの左腕を掴む。
「「警察、行きましょっか。」」
「...自首するんで勘弁してください。」
「信じますか?」「信じよう」との会話の後、両腕を離す。するとそのおじさんはフラフラとした足取りで警察署へと向かっていった。
「自首するくらい気に病んでいたのに何故横領してまでギャンブルに走ったんですかねー。」
「さぁ、依存症じゃない?」
「怖いですね。」
「だね、メグルも気をつけなよ?」
「はーい。」
視線は自分たちから離れる事はなかったが、とりあえず一件落着だ。
パトロールを続ける。ホットスポットにはガラの悪い連中が集まっていた。死穢八斎會は自警活動もしているタイプの歴史あるヤクザだったと昔聞いたが、代替わりでもしたのだろうか。
「この街、淀んでますね。」
「うん。パトロールしてるヒーローが少ないのかな...」
「真っ当なヒーローが根付いてくれる事を願いましょうか。」
パトロールを続ける。視線の主も付いてくる。だが、バレバレだ。
視線から悪意や敵意に似た感情を感じるが何もしてこない。奇妙だ。
「どうします?」
「うーん...メグル、影分身で脅かしてみる?」
「そうですね。やってみます。次の角を曲がった所でいいですか?」
「オーケーだよ。」
偽装パトロールも後半に差し掛かり、死穢八斎會の本拠地に近づいてきた頃だった。こちらから仕掛けようとしたのに気付いたのか、ついに男が動き出した。
こちらに、鏡を向けるだけという意味深な行動のみだったが、その鏡を通して身体エネルギーだけの何かがこちらに飛んできた。
咄嗟に、バブルビームさんを蹴り飛ばす。
「バブルビームさん!無事ですか!」
「腕を掠っただけ!何が来た⁉︎」
「エネルギーだけの何かです!出現地点は、あの鏡!」
自分たちの目線が向いた所であたふたとして鏡を落とす男。
よくわからないが今がチャンスだろう。
移動術で一気に距離を詰め、地面に鏡の面を裏に向けて落ちた鏡を払いつつ男と目を合わせる。
写輪眼、発動だ。
「さぁ、話して貰いましょうか。何が目的で俺たちを狙ったのか。」
「知らない!俺はヒーローに鏡を向けたら金を貰えるってバイトを受けただけだ!ムカつくヒーローに嫌がらせ出来ればいいと思ってあんたらをつけていた、でも鏡を向けただけの俺になんの罪があるんだよぉ!」
男の叫び声に何事かと騒ぐ周囲の人々。正直今それどころじゃないから黙っていて欲しい。だが、こいつはただ雇われただけ?なら何者が俺たちを狙った?つい先日この街に来ると決めた筈の俺たちを?
疑問が止まらない。だがとりあえず鏡だろう。
「あの鏡は支給された物ですか?」
「ああ、そうだよ。」
「鏡に何かの個性が仕込まれているのか、それとも鏡の反射を利用した個性か、なんにせよあのスピードは厄介ですね。」
「それに見えないって特性もね。この切れ味と角度、メグルがいなかったら首が飛んでたね。」
「おっかない個性ですね。まぁ鏡に依存する性質上、知ってさえいればどうにでもなりそうですけど。」
そんな会話をしていると、鏡がひとりでにひっくり返った。
「...ッ⁉︎」
まさしく閃光だった。鏡がひっくり返って俺の姿が映る瞬間に突如現れた騎士のような身体エネルギー。鏡の騎士の一閃が俺の首を跳ね飛ばしに来た。
だが、写輪眼には見えている。その一瞬の剣線が。
真剣白刃取り成功だ。
「正体見えたり、鏡の騎士!」
そこには、右手を盾に、左手を剣にした鎧の騎士がいた。
身体エネルギーのみであるため写輪眼でしか見えないが確かにそこに存在する。
見えないが、触れる。つまり切られてしまう。
なんと恐ろしい特性の個性だろうか。暗殺という一点に関して言えば俺が見てきた中で最強の個性だろう。
「うお⁉︎」
俺は鏡の騎士に持ち上げられて宙に浮く。いや違う、
その証拠に、鏡の中にのみ銀色の鎧の騎士の姿が見える。鏡の騎士は鏡の中に住む個性に間違いない!
「バブルビームさん、鏡を!」
「よくわからないけどわかった!必殺、バブル光線!」
バブル光線により貫かれる鏡。だがその着弾の一瞬前に鏡の騎士はもやのような姿へと形を変えた。
鏡の騎士の身体エネルギーが空を飛んでどこかへ帰って行く。つまりその先にいるのが本体に違いない!
「バブルビームさん!俺はエネルギーを追います!バブルビームさんはその人の確保を!」
「深追いはしないようにね!」
「了解!」
普通に走って追いかける。もやのスピードは大した事ないため見失う事は無さそうだ。
だから、犯人特定も容易だろうと思っていたのだが...
携帯でバブルビームさんに連絡を取る。
「バブルビームさん、犯人見失いました。というか追えない所に逃げ込まれました。」
「となると、犯人が逃げ込んだ場所は...」
「「死穢八斎會本拠地」」
「ヤクザって、バイトの斡旋もしてたんですね。初耳です。」
「バイトってか使い捨ての鉄砲玉っぽいよ。はした金で雇われてるだけで大した情報は与えられてないし。」
「鏡を与えられた場所はどこだったんですか?」
「多分八斎會系列の事務所。警察にこれから問い合わせる所だけどね。」
「...一旦合流しましょう。思った以上に厄介なヤマになってますよこれ。」
「だね。合流場所はとりあえず駅前の喫茶店で。」
「承知しました。」
死穢八斎會の本拠地を見る。自分もバブルビームさんも八斎會に対して敵対行為を取っている訳ではない。なのに凄腕の個性を使って襲いに来た。何かある。そう感じざるを得なかった。
そんな事を考えていると、ある事に気がついた
あの車の配置、張り込みされてる?
「さらに厄ネタドンとかやめてくれよ、占い師について聞きに来ただけなんだぞ俺らは。」
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「てな事があったんですよ。」
パンケーキを食べながらバブルビームさんに報告する。
「張り込みねぇ...HNでも特に情報は無し。これ、もう決行寸前で情報統制入ってるね。」
「これ、ヤバくないですか?下手したらその実行部隊さっきの鏡の騎士に全滅させられかねませんよ?」
「だよねぇ、スピード型の見えない騎士とか初見殺しにも程がある。どうにかコンタクトを取らないと。...張り込みしてる人達に直接話しかけてみる?」
「でも鏡の騎士を見たのが俺だけってのが証拠能力に欠けると取られかねませんよね。」
「だよねー。どうしたものか。」
「よし、張り込んでる人を洗脳しましょう。」
「最後の手段ねそれは。」
そんな馬鹿な会話をしていると、来訪者がやってきた。
「失礼、よろしいでしょうか。バブルビーム、メグル。」
「どうぞ、お待ちしていました。」
「HNって凄いですね、まさか30分と待たずに釣れるとは思いませんでしたよ。」
「サー・ナイトアイ事務所のセンチピーダーと申します。お二方に質問があって参りました。」
「どうぞ。座ってください。」
ムカデの上半身を持つ紳士的な男性が自分の隣に座る。信頼できそうな人だと何となく思う。
この喫茶店で休憩始める前に、バブルビームさんにHNに死穢八斎會関係の情報を流してもらったのだ。張り込みしているヒーローが食い付きそうな餌として。そして釣れたのがセンチピーダーさんという訳だ。ネット社会って凄い。改めてそう思った。
「お二方にお尋ねしたいのは、なぜ死穢八斎會について追いかける事になったかです。」
「...エンデヴァーヒーロー事務所はインサート、護送中に自爆テロで殺された少女について調べていたんですが、その捜査線上にとある占い師が上がって来たんです。情報収集系の個性を使った殺人教唆の容疑で。」
「占い師?」
「この画像を見て下さい。その占い師と思わしき人物が八斎會のマスクを付けている人に連れていかれたらしくて。その占い師について情報出たらなぁとダメ元でやってきただけだったんですよ。さっきまでは。」
「それで先程の騒ぎですか。」
話が早い。流石熟練のプロヒーローだといった所だろうか。異形型なのでパッと見で年齢わからないから勘だが。
「駅前から俺たちが来るのを知っていて、しかも個性で暗殺されかけました。身体エネルギーだけで普通じゃあ見えない鏡の騎士の個性です。」
「実際メグルの対処がなければ僕は今頃首が繋がってなかったと思いますよ。」
「鏡の騎士の個性、死穢八斎會にはそんな個性の者は居なかった筈。」
「外部から雇われたんでしょうね。邪魔なヒーローを始末する為に。」
「...死穢八斎會、やはり侮れませんね。」
「でもいくつかわかった事があります。まず、鏡の騎士の出現可能位置は鏡に依存するという事。鏡には騎士の姿が映るという事。騎士は見えないだけでしっかり触る事が出来るという事。依り代にしている鏡を壊されると困るようでもやみたいになって逃げたという事、こんな所です。まぁ鏡がないと動けないみたいなので注意さえできれば即全滅はないでしょう、」
「...メグルはインターンに来たばかりだと聞いていましたが、良いヒーローを取りましたねエンデヴァー事務所は。」
「同感です。」
照れるからそういうのやめて欲しいのだが。
「さて、お二方はこれから死穢八斎會に関わることをやめるという選択肢もありますが、どうしますか?」
「俺はバブルビームさんに従います。」
「...行こう。僕らの命が狙われた理由を知らないとこれから先どうなるかわからない。」
「決まりですね。」
「ま、エンデヴァーさんに許可貰わないといけないけどね。」
相変わらずのバブルビームさんである。他の事務所の人いるのだから締めるとこ締めましょうよ...
「では、サーには私から伝えておきます。明日チームアップ要請のための会議があるので参加してください。」
「滑り込みセーフですね、バブルビームさん。」
「だねー、まぁチームアップで数で攻められるなら楽だよ。あ、連絡はHNからでいいですか?」
「ええ、構いません。では、張り込みの途中だったのでこれにて。」
そう言ってセンチピーダーさんは去っていった。
「それじゃあ俺たちはどうします?」
「帰ろうか。下手に動いて張り込みしてるセンチピーダーさんたちに迷惑がかかるのもアレだしね。」
「はーい。」
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そして翌日。バブルビームさんからエンデヴァーさんの許可とサンドウィッチさんの増援を貰えたという連絡が来た。サー・ナイトアイ事務所に現地集合、コスチュームは必要なしとの事だ。
「お、出久もインターンか?」
「うん。団扇くんも?」
「緑谷ァ!!団扇ァ!!おはよ!!お前らも今日行くんだ、キグーだな!」
「あれー⁉︎おはよー!!3人とも今日⁉︎」
あれよあれよと言う間に揃ってしまった五人組。ちょっと珍しい光景だ。
「あれ、皆こっち⁉︎切島くん関西じゃ...」
「ん、ああ!なんか集合場所がいつもと違くてさァ」
「皆同じ駅に⁉︎奇遇だね...!」
「先輩と現地集合なのよ。」
「もしかして、全員同じ場所に向かってたりして。」
「いやいやそりゃないだろ。」
「方向も同じ...⁉︎」
「曲がる角も同じ......」
「ビッグ3もお揃いで...」
「お久しぶりです、お三方。」
「久しぶりだね!問題児クン!ニュース見たよ、大変だったね!」
「ええ、まあ。
そうしてサー・ナイトアイ事務所の中の大会議室に皆と入って行く。そこには、名うてのヒーローが数多く揃っていた。相澤先生にいつぞやのお爺さんヒーローグラントリノ、センチピーダーさんにファットガムさんにリューキュウさん。ヒーローにさほど詳しくない俺でも名前を挙げられる有名どころが大勢やって来ていた。知らないヒーローもそれなりに多いが、そこはヒーロー博士の緑谷に後で聞くとしよう。
そんな事を考えていると、スーツ姿で眼鏡の男性の一声で会議が始まることとなった。
死穢八斎會というヤクザが外道に手を染めているという事実に対して、自分たちヒーローがどうするべきかを決める会議が。
ちょっと短いけどここで区切り。
会議シーンは文章が膨らみそうなので後に回します。