なんか思ったより筆が進んだので素直に投稿します。
会議の結果、エリちゃんの居場所が特定できるまで、出久、切島、麗日、蛙吹は待機となっている。
俺は念のために死穢八斎會本拠地周辺のパトロールと張り込みに可能な限り同行し、鏡の騎士に備えることとなった。だが...
「...不気味なくらい打って出てこないですね。センチピーダーさん。」
「ええ、先日の一件の目的を八斎會を探るヒーローの暗殺と捉えるのならばすぐにでも襲ってきてもおかしくない筈。奇妙です。」
「考えたくない事なんですけど、もしかして...」
「...何ですか?」
「敵の未来予知で、もう俺たちの襲撃が失敗すると確定されちゃったから動く必要がなくなってる...何てことありますかね。」
「...念のためサーに報告をあげておきます。未来予知を知り尽くしてるサーなら何か別の視点からこの状況が見えるかもしれませんから。」
「お願いします、センチピーダーさん。」
いやな空気がする。高校入学から無駄に
警戒は怠れない。
「人の出入りはあまりないですね。ヤクザの本拠地ってもっとワイワイしてるイメージだったんですけど。財前組みたく。」
「今、八斎會も組織の拡大を図っている最中。おそらく警戒しているのでしょう。我々のようなヒーローを。ところで財前組とは?」
「俺が違法労働していたヤクザ屋さんです。組長さんが面白い人で死穢八斎會とも昔は交流があったっぽいですね。」
「財前組...思い出しました、集団自首の組ですね。」
「はい。俺を引き取ってくれた親父の組です。そんな過去があったから、最初死穢八斎會に話を聞きに行くってのも素直に受け入れられたんですよね。ヤクザだったとしてもきっと話せば分かるって。...甘かったですけど。」
殺されかけたあの騎士の一閃を思い出す。あの一閃には迷いの無い、芸術的とまで言えそうな殺意が籠っていた。人を殺す為に修練をした恐ろしき暗殺者、それが敵にいる。
エリちゃんの件を思い出す。話を聞くだけでもおぞましいあの鬼畜の所業をする連中が、今の八斎會の頭を張っている。
どちらも、Plus Ultraで片付けるには少し重いハードルだ。
「あの騎士は、一体何を思って死穢八斎會なんて外道に与してるんですかねぇ。」
その声は虚空に消えていった。
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結局何も起こらずに2日後、サー・ナイトアイが予知の個性を構成員に使い非認可地下施設の存在を見つけ、エリちゃんの監禁場所を突き止めた事でガサ入れの日取りは決まった。
プリユアという日曜朝を支えていたアニメの系譜のおもちゃを買ったことから、その答えを導き出したらしい。恐ろしい推理力だ。流石オールマイトの元サイドキック。あのオールマイトを支えただけはある。
ちなみに、プリキュアと名乗れない理由は超常黎明期に発生した権利問題が原因だとか。世知辛いなー。
AM8時、警察署前にて集合。警察から八斎會の個性リストをもらい確認する。案の定鏡の騎士も直感の占い師もリストの中にはなかった。やはり連合絡みで流れてきたのか?謎は深まるばかりだ。
それ以外に特に脅威となりそうな個性は見当たらなかった。せいぜい入中が何に擬態しているか程度だろう。この分なら俺は鏡の騎士に集中しても問題はない筈だ。
「サンドウィッチさん、俺たちの行動方針は?」
「とりあえず鏡の騎士の撃破よ。そこから先は臨機応変に。」
「了解です。影分身の配置は?」
「念のため温存して。影分身って、エネルギーを半分くらい使うんでしょ?ならいざってときの為に備えておきましょう。」
「わかりました。」
「あ、メグル。頼まれてたモノホームセンターにあったよ。二個入りで1500円。経費で落としといたから。」
「ありがとうございます。経費ってあたりが素敵ですね。」
「インターンで給料出てるんだからそんな哀愁漂う事言わないの高校生。」
「初任給まだなんで貧乏学生なんですよ。」
そんな会話とともに移動を開始して、八斎會本拠地前に辿り着いた。
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時刻はAM8:30
「令状読み上げたらダー!!っと行くんで!速やかによろしくお願いします。」
そう言ってインターホンを警察の人が押した瞬間、ペストマスクの巨漢、活亀力也がドアをぶち破り先制攻撃をしてきた。
ドア前にいた警官3人が吹き飛ばされるものの出久とイレイザーヘッドさんがしっかりとキャッチしたのが見えた。今すぐに治療が必要ではないだろう。
「オイオイオイ!マジで予知されていたってのかよ!」
「いいから皆で取り押さえろ!!」
「離れて!」
リューキュウさんが警官隊を庇う位置で個性を発動する。2mはくだらない活亀の巨体を上回る大きな姿。No.9、ドラグーンヒーローの頼もしい姿がそこにあった。
「とりあえず、ここに人員割くのは違うでしょう。彼はリューキュウ事務所で対処します。皆は引き続き仕事を。」
リューキュウの一声で状況が動く。
「ようわからん、もう入って行け行け!!」
「梅雨ちゃん、麗日!頑張ろうな!」
「油断だけはするなよ!二人とも!」
「また後で!」
写輪眼で上空を警戒。鏡の騎士の奇襲はなし。どこで仕掛けてくる?誰を狙う?思考が止まらない。
そんな事を頭の隅で考えているうちに、ケサギリマンたちが玄関前に陣取っていた3人を無力化する。まだ来ない。
「でけぇ奴といい...怖くねぇのかよ!」
色黒のヒーロー、ロックロックさんがヤクザ者の精神に驚嘆する。
だが、義理人情に生きる彼らならその覚悟は当然なのだろう。あの日、終わる事を選んだ財前組の皆さんと同じような覚悟を感じた。
「腐ってもヤクザですか!根性ありますね畜生!」
「敵褒めとる場合か!真っ直ぐ最短で、脇目も振らずに目的まで行くで!」
そのファットガムさんの言葉が、俺に直感をくれた。鏡の騎士が攻撃を始めるのは、
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地下施設を通るオーバーホールと
「本当にお前の言った時に来たな、
「いいえ、全ては運命が導いただけのこと。あとは貴方が運命通りの行動をとれば貴方の勝利は確定します。」
「その運命通りの行動について言うつもりはないのにか?」
「ええ、これから貴方の思う行動、それが運命の導くものですから。その勝利の流れを陰らせるような事は言えません。」
「...オーバーホール。やはり此奴らは信用できやせん。ここで始末するべきでは?」
「そう急ぐなクロノ、こいつらはあのオール・フォー・ワンの時代を隠れきった凄腕の潜伏者だ。そんな奴らが表に出るほど俺たちを評価してくれているんだ。しかも無償で手助けしてくれると来た。とりあえずは信用しておけ。」
「...はい。」
「それでは我々はこれにて。お先に脱出させて頂きます。」
「ああ、気をつけろよ。」
オーバーホール達と陰我達はそこで別れた。オーバーホールは壊理を連れていくために。陰我達はそれより早く警察の目から逃れるために。
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玄関で威嚇して来るヤクザ者をケサギリマンとMr.ブレイブたちが抑えている間に突入する。
「火急の用や!土足で失礼するで!!
ファットさんの声とともに皆が走る。地上階の間取りは資料にて把握しているので問題はない。
「妙やな!予知されてんならもっとスマートに躱す筈や!」
「今のところは普段から意思の統一を図ってると見ておかしくはない。予知の件は保留だな。」
「盃を交わせば親や兄貴分に忠義を尽くす。肩身が狭い分昔ながらの結束を重視しているんだろう。この騒ぎでも治崎や幹部が姿を見せていない。今頃地下で隠蔽や逃走の準備中だろうな。」
「忠義じゃねぇやそんなもん!!子分に責任押し付けて逃げ出そうなんて漢らしくねぇ!!」
切島に同意だ。本当に義兄弟の契りを交わした関係ならそこに親も子もない。一丸となって来る筈だ。それをしないという事は治崎にとって時間稼ぎしている連中は使い捨ての駒でしかないという事だろう。
そんなヤクザになぜ人が付いていく?そんな疑問が少し頭をよぎった。
少し走ったところでサー・ナイトアイが隠し扉を開けるためのギミックを操作する。花瓶で隠されていた板敷を決まった順番に押すと開くのだそうだ。忍者屋敷か。
足の止まったこの瞬間にサンドウィッチさんに仕掛ける罠について説明する。
速攻で同意してくれるあたりこの人は本当に頼りになる。
バブルビームさんの手に泡を溜めて臨戦態勢を取っている。これは何かを言うまでもないだろう。
始めよう、鏡の騎士瞬殺作戦を。
地下への扉が開くとともに、奇襲を仕掛けて来た3人の男を、センチピーダーさんとバブルガールさんが一瞬で拘束する。
そして、地下への扉を真っ先に潜ろうとするナイトアイを押しのけて「俺が先に行きます!」と前に出る。
その瞬間、上に取り付けられていたと思われる鏡から騎士が神速をもって俺の首を取りに来た。
サンドウィッチさんの砂で防護されている俺の影分身の首を。
「そ、こ、だぁ!」
その隙に本体の俺が投げるのは一発750円(経費)の今回の必殺アイテム、防犯用カラーボールである。
影分身を解除し体に仕込んでいたサンドウィッチさんの砂で左腕と一体化している剣を拘束され、顔面にカラーボールを当てられた事で視界を失い、隙だらけになった所を逃すこの人では無かった。
「そのペイント素敵だね!洗い流してあげるよ!必殺!バブル光線!」
狙い違わずその顔面を吹き飛ばすバブルビームさんのバブル光線。そのダメージによってのものか、鏡の騎士は身体エネルギーのもやとなって移動を始めた。
その際ペイントは下に落ちてしまった。もやの状態では実像を持たないのか、厄介な特性だ。
「ナイトアイ!私達は厄介な鏡の騎士を捕まえる!先に行っていて!」
「...わかった、行くぞ!!」
「正直オッサンついて行けてないわ!なんで団扇くん消えたのにそこにおるんや!」
「影分身の術です!」
「マジかいな!便利そう!」
「んな事言ってる場合ですか!」
地下へ進むナイトアイ達と別れ、どこかへ直進するモヤを追いかけて行く。
「メグル、この方向であってる⁉︎」
「ええ、モヤはそう動いています!」
「この先にあるのは組長の部屋と推定された所!普通なら真っ先に抑える場所だよ!なんでそんなところに本体が⁉︎」
「罠ですね!どうしましょう⁉︎」
「...影分身囮に突っ込んで!罠ならつき破ってしまえばいい!私達は、あのエンデヴァーのサイドキックよ!」
「「了解!」」
即断即決、鏡の騎士の本体がこの先にいるのは間違いないのだから突撃あるのみだ。
影分身が襖を蹴り破る。案の定そこには鏡の騎士は鎧の姿で待ち構えていた。大きな姿見が見える範囲で3つ。しかも人っ子一人いやしない。やはり罠か...
しかも、バブル光線直撃で負った跡がない。単に頑丈なだけか、それとも何かトリックがあるのか。なんにせよ厄介だ。
影分身に対してなんのアクションも取らないので、警戒して一旦影分身を引っ込める。今はまだ観察の時間だ。
鏡の騎士は三つある姿見の真ん中の鏡に映っている。他の2つの鏡には映っていないことからいま奴が取り付いているのは中央の鏡だと仮定できる。だが、あの鏡を破壊するには騎士が邪魔だ。嫌な位置どりをしている。
写輪眼による幻術は何度か試しているものの手応えはない。視線は合っている筈なのにこの手応えということは、奴は目でモノを見ていないのだろう。
騎士は今のところ自然体に構えている。武を感じられるその佇まいは、達人である事を言外に示しているのだろう。
「そんな風に構えて居られると、本当に騎士みたいだな。」
『さて、どうだかな。』
返答が返ってくるとは思わなかった。写輪眼が見抜いた幻術の声か?
「...聞こえましたか?先輩方。」
「うん、聞こえた。」
「喋るのね、自立起動型の個性?」
『いいや、俺はこの騎士の姿に意識を飛ばしている。いわば遠隔操縦型個性という奴だな。』
そんなタイプの個性があるのか...初めて知った。本当に世界は広い。
「んで、わざわざ会話なんて始めるのは何のためだ?傷の回復を待ってるって訳でもないんだろ?」
『単純な興味だ。貴様、どうやってあの奇襲を見抜いた?』
「...見えてる所からの斬撃なら俺は躱せる。だから次の奇襲は見えないところから来ると踏んだ。それだけだよ。」
『シンプルな理由だな。だが、良き勘をしている。ここで殺すには惜しい。』
「なら投降してくれ。こっちはあんたみたいなプロの殺し屋とやり合いたいわけじゃあ無いんだよ。」
『いいや、それはできない。貴様は陰我の天啓通りに放った斬撃を二度防いだ。それはつまり運命を変えたという事だ。...貴様は、危険すぎる。』
なんか勝手な理由で危険人物認定されたような気がしないでもない。運命を変えた?一体何を言っているんだコイツは。そんな大層な事した覚えは全くないぞ。
「それ、お前の教えられた運命とやらが間違っていただけってオチじゃないのか?」
『そうなら良いのだがな...さて、言葉を交わしすぎて情が湧くのもなんだ。始めようか。』
そう言って鏡の騎士は盾を構え腰を落とした。臨戦態勢だろう。
だが、喋っていたのは騎士から情報を引き出すためでは無い!
「「サンドウィッチさん!」」
「ご期待通りよ!必殺、サンドバインド!」
俺が話し始めてからサンドウィッチさんがこっそりと地面にまいていた砂を使った捕縛技。流石にこれは躱せまい。
まぁ、そんな一筋縄でいくなら3体1の状況で待ち構えるなどという愚行はしないだろうからこれが抜けられるとは予想していた。
「砂で掴んでた部分が消えた。メグル、何された?」
「掴まれた部分だけがモヤに一瞬変わりました。思った以上に器用ですよこの騎士。...来ます!」
盾を前にした
「盾ごと殴り返す!桜花衝!」
移動術で小さく強く踏み込み、掌で盾を思いっきり押し出す。
突撃の初速は速かったため警戒したが、大した重さではない。違う、軽すぎる⁉︎
「その盾取り外せるのかよ⁉︎」
「でも、鏡越しに見えている!バブル光線!」
盾を切り離して上空を取った騎士の腹にバブル光線が命中する。今度こそ間違いなく直撃だ。鎧に傷も付いている。
だが、一瞬もやと化した騎士はそんなダメージなどなかったかのごとく全快の状態で立ちはだかった。
取り外した筈の盾さえ手に持って。
「...メグル、一応聞くんだけど。当たった?」
「当たって、すぐ元通りです。一瞬もやになっただけでした。」
「...今の、対物用の光線だから最悪殺すかなとか思ってたのにノーダメージとか、ちょっと泣きそう。」
「泣き言言わない!...必ずどこかに隙はあるわ!探して!目を凝らして、メグル!」
「...戦いながら弱点探そうにも俺以外に見えないとかやってられねぇ...ま、やるしかないんですけどね!」
鏡の騎士。もとい不死身の騎士との戦いは始まったばかりだった。
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チャクラを全身に張り巡らせて全ての動作の速度を速めないと一瞬で首が持っていかれかねない高速戦闘。写輪眼とチャクラ、どちらがなくても俺の命はなかっただろう。本当にこういう点だけは運がいい。
騎士の袈裟斬りに対して小さい移動術で踏み込み、左手で剣そらして空いたボディに必殺の一撃を叩き込む!
「桜花衝!」
掌底により騎士を吹き飛ばす。渾身の一撃だったが、耐えられた。一瞬のモヤのあと傷は修復される。だが、この攻撃は1段目!
「サンドピラーズ!」
2段目の攻撃。砂の槍が何本も騎士に突き刺さる。胴体、両腕、両足、頭といった急所と思われる場所全てを狙った攻撃だったが、一瞬のモヤのあと傷は修復され、騎士は砂の後ろに再出現した。
だが、再出現の瞬間は隙だらけ、三段目の攻撃は躱せまい!
「バブル光線!」
だが、まるで見えていたかのように
今の行動に違和感を覚える。思えば、この騎士が常に気をつけていたのは姿を見れる俺でなく。砂で多彩な動きをするサンドウィッチさんでもなく、
不死身の耐久力があるなら、盾など捨てて剣一本で戦った方が強い筈だ。なのに盾を持ち続けている理由。それはつまり盾が必要になるからではないだろうか。
そして何より、コイツは
「バブルビームさん!サンドウィッチさん!」
目を合わせ、催眠の応用で作戦を伝達。二人は何も言わずに頷いてくれた。
『よそ見とは余裕だな。』
「信じてるんですよ、先輩方を。」
騎士から目をそらした一瞬の隙に距離を詰められたが、サンドウィッチさんの砂が剣を絡めとりその斬撃を受け止めた。
だが、騎士は当然のようにモヤとして剣を消す事で拘束から逃れる。それは読めていた。
バックステップで距離をとり印を結んで発動する!
「影分身の術!」
限界人数である3人に分身し、3人で騎士を無視して鏡に突撃する。
当然ながら騎士は俺の背中を切ろうとするがその攻撃はサンドウィッチさんの砂によって阻まれた。本当に頼りになる人だ。
そして騎士の横を抜けた瞬間に、ようやく隠されていたものが見えた。
騎士の背中にむけて伸びている一本のエネルギーの線が。
「つまるところ、ラジコン操作って事だよな!写輪眼が効かなかったのも!不意打ちを見ていたように防ぐのも!お前が見ていた目は騎士の頭じゃなく、そこにあったって事だ!」
そう言って、騎士の姿の映っていた姿見を桜花衝で破壊する。
騎士は、鏡が破られる前にモヤとなって消え、別の鏡に入る事で再び姿を形作ろうと足掻いていた。
だが、写輪眼には見えている。そのエネルギーの動きが。
「出てくる鏡がなくなるまで鏡を割り続ければ、お前は無力化できる!」
騎士の個性は見えた。鏡に取り付くことでそこからイメージの騎士を投影する個性だ。イメージだから殴られようが貫かれようが何度でも蘇る。そんな個性だろう。
分身と手分けして、騎士が取り付いた鏡を叩き壊す。姿見、襖の裏に付けられた鏡、天井に付けられていた鏡。どこまで鏡だらけなんだこの部屋は。DIYとか得意そうだな騎士の本体は。
そうして鏡が全て破壊された後に、エネルギーのモヤは一瞬人の形を取ったあと、地下へと逃げていった。
「地下です!今度こそ本体の元に逃げたはず!」
「なら、突き破って行くよ!サンドウィッチさん、メグル!バブルカッター!」
泡の斬撃により床に十字の切れ込みが入る。その中心に向けて全力で桜花衝を放ち地面を殴り砕く。そして、サンドウィッチさんの砂で安全に着地して前を向く。
入り組んだ地下施設の一室のようだ。パソコンやら何やらがあるため裏の事務室かなにかだろうか。
人型のモヤはドアの方に向けて動いていた。その速度はただのモヤの状態よりも遅い。
「今度の動きはやけに遅いです。罠の可能性も考えましょう。」
「...バテてると信じたいね。」
人型のモヤはゆっくりと地下施設を進んで行く。それを道しるべにして、自分たちは地下施設を進んでいった。
その先に待つであろう占い師を追いかけて。
なんか書けば書くほどやばい奴になってくる鏡の騎士。これワンチャン鏡の騎士だけで突入隊全滅まであったレベルです。なんだコイツ。