WAミリメモシナリオ良いぞヒャッホイ!
ギル祭り高難度さっぱりクリアできないぜヒャッホイ!
と、投稿サボってるうちに色々な事がありましたが投稿遅れた原因はちょっとこの展開で良いのか迷っていた訳だからでした。
でも冷静に考えたらこの作品って自分の作品な訳ですから好きにやればいいじゃない!というわけで個人的に地雷だと思っているタグを追加させていただく事になりました。
「おはよう団扇くん。...なんか凄い眠そうやね。」
「というか補習始まるまで寝る、すまんが起こしてくれ。」
「ええよー。でも何でそんなに疲れとるん?」
「昨日の発目の実験の疲れがドッと来てな。...まさかあれがああなってあんな事になるなんて...俺は発目明って女を侮っていたかも知れない...」
「何が何やらわからんけど大丈夫なん?今日リカバリーガールの課外授業なんやろ?」
「大丈夫、MAXコーヒーキメるから。」
「出た、団扇くんの根拠のないMAXコーヒー信仰。」
「というわけでお休みー。」
麗日に目覚ましを頼んで睡眠に入る。今日くらいは朝のロードワークサボっても良かったのではないかと俺の中の甘えが囁くが、ただでさえ体力勝負の個性医療なのだ、スタミナ強化はサボれない。
そんな事を考えつつ少しの間眠りにつく。5分程度でも眠らないよりはマシだろう。
「団扇くん団扇くん、授業始まるで。」
「んぁ?...あぁもう始まるのか、あと5分寝たかった。」
「あと5分はあかん、ずっと起きれなくなるで。」
「確かにそうだわ。起こしてくれてありがとな麗日。」
「ええよこの程度。てか団扇くん、バックから取り出したそのペットボトルは...」
「本日一本目のMAXコーヒーペットボトルだ。今日は三本体制で行くぜ。」
「...糖尿ならんように気をつけてな。」
「糖尿が怖くて甘いもん食えるかよ。」
とりあえず寝起きの眠気を覚ますために一口MAXコーヒーを飲む。口の中に広がる練乳の甘みが心地よい。
「さ、今日も一日頑張るか!」
「せやねー。」
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無事に4限も終わり保健室へと急ぐ。今日はヒーローコスチュームで来いとの事なので先生に許可をもらいパパッと着替えをした。これでまたヴィラン潰しという風潮との戦いが始まるのか...ッ!
「ところで、何で今日はコスチュームなんですか?」
「ヒーローだって説明するのが面倒になるだろうからね、今回からはコスチュームで行くのさ。」
「つまり名刺代わりだと。」
「そういう事さね。」
この時点で若干嫌な予感はしていたが、俺はそれを気のせいだと見逃してしまった。
リカバリーガールの話では、今回行くのは静岡の病院だとか。
静岡といえば最近話題になった事件がある。8人もの
ちなみにその事件を解決したのはエッジショットとシンリンカムイと
「今日行く病院は、その事件の負傷者のお陰で病院のベッドが足りなくなりそうだから来て欲しいって話さ。」
「なるほど、今回は純粋な治療だと。」
「そんなわけさ、頑張んな。」
「...はい?」
「今日から私は知識以外の手助けをしない。あんたの手で患者を治すのさ。」
その時点で若干気づき始めてきた。最初の治験はあくまで俺の個性に害がないかを確かめるためのものであり、ここからがリカバリーガールのシゴキの本番なのだと。
「さ、治療経験を積みまくるよ。」
「...はい!やってやりますよ!」
気合いを入れるためにMAXコーヒー(二本目)の残りを一気飲みする。ちょっとだけ元気が出てきた気がした。
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「息子は、大丈夫なんですよね!」
「大丈夫です、すぐ治しますからね。...秘術、掌仙術。」
もう何人目だろうか覚えていない。とにかく激務だった。
治療対象はいずれも重傷者ばかり。複雑骨折をしている患者や神経を切られた患者など様々であり、それをリカバリーガールの指示の元1人ずつしっかりと治療していった。
まぁその指示は、同じ事を2度は言ってくれない心折仕様だったため、後半の治療はほとんど自分の考えで行わなくてはならなかったというオチはついたのだが。ただ、自分が間違った時には止めてくれる人が居るというのは俺の心を少し楽にしていた。
そんな最中「折寺デパート付近の交差点にて事件発生!重傷者含む4名を受け入れます!」という放送が聞こえてきた。
「行くよ、救急救命。」
「俺たちの出番ですね!」
搬送されてきたのは4人家族だった。40代の夫婦と14歳の兄に6才の妹。うわ言で皆が皆他の人を助けてと言っていたのが印象的だった。6才の娘さんでさえもだ。
これは、全員助けてみせないとヒーローの名が廃るというものだ。
「皆傷が深い!リカバリーガールの治癒は誰に使う⁉︎」
「...娘さんからだ!旦那さんは傷が深すぎる、助かる可能性の高い娘さんを優先するべきだ!」
「いいえ、リカバリーガールには旦那さんを治癒させてください。影分身の術!」
3人に増えて指揮を取って居るお医者さんに伝える。
「「「残りの3人は、俺が診ます!」」」
お医者さんは一瞬唖然とした後、すぐに冷静になり答えてくれた。
「...頼んだぞ、ヒーロー!」
「増えれるって便利だねぇ。それじゃあ任せたよ。ただし、命を繋ぐだけでいい、無茶はするんじゃあない。」
「はい、リカバリーガール。」
3人に分かれて治療を行う。一番傷が重いのは旦那さんだ、
次に傷が重いのは6才の娘さん。事故の瞬間に個性の硬質化を使ったのは同じだったが、後部座席でシートベルトをつけていなかったため爆発の衝撃で座席から飛んでしまったようだ。そのせいで硬質化の上から強く衝撃が入り頭を打って気を失っている。頭部からの出血もかなりあるため、予断を許さない状況である。
それに比べればお兄さんと奥さんは軽症である。奥さんは旦那さんに庇われたお陰で、お兄さんはきちんとシートベルトを付けていたお陰でそれぞれ傷は深くない。とはいえそれは2人と比較したらの話、爆発により吹き飛んだドアの破片が体に多く突き刺さっており、すぐに手術か必要なのは間違いがない。
顔を両手でパシンと叩いて気合いを入れる。さぁ、命を救うヒーローの時間だ。
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「MCT終わりました!肺に異物1あり!他の破片は見えている範囲の6箇所です!」
「よし、破片摘出を行う!」
「治癒の必要は⁉︎」
「無い!医者の領分で治療可能だ、娘さんに集中してくれ、ヒーロー!」
「わかりました!影分身、解!」
奥さんとお兄さんにつけた影分身からの情報フィードバックが起こる。どうやらどちらも治癒に頼らずとも命を繋ぐことができるようだ。この分なら格好つけて3人に分身する必要は無かったとわかって、少し恥ずかしくなる。
という思考は一旦外に置いておいて、娘さんの治療に集中する。
娘さんは岩石化のお陰でドアの破片を防ぐ事が出来たようだが、それはつまり頭部の出血は打撲だけで生まれたという事。傷は相当に深いと見るべきだろう。
「MCT結果出ました!出血は側頭骨が割れて皮膚を貫いた事によるものです!脳へのダメージは未知数!」
「全身麻酔入れて!開頭するよ!なんにせよ破片を取り除かないとヒーローが治癒できない!」
「はい!」とテキパキ動くお医者さん達、医術の心得を持たない自分には見ている事しか出来ないが、だからこそ被っていよう。恐れを隠す笑顔という、人を救うヒーローの仮面を。
「骨折部切除終了!ヒーロー、後は任せた!」
「任されました!」
見ている時間は十二分にあったので、印によるチャクラの調律はとっくに終わっている。
「秘術、掌仙術!」
リカバリーガールに言われた通り、焦ったりはしないで丁寧に患部にエネルギーを与えていく。まずは脳の再生をゆっくりと。
相変わらず集中力の必要な作業だが、集中は写輪眼で補強済みだ。今後の事を考えると写輪眼頼りの医療忍術は良くないかもしれないが、今は目の前にある命を救うために全力を尽くすと決めている。
「脳の治療完了!バイタルは⁉︎」
「安定してる、脳自体の治療はおそらく成功だ!」
「後は経過を見るしかないわ。脳はデリケートな部位、どんな後遺症が残るか分からない。」
「それでも、ダメージを受けてから短時間で再生できた事はきっと大きい!君の功績だ、誇ってくれヒーロー!」
冷静に状況を見る女医さんと希望を見ている助手さん。どちらの見方も正しいのだろう。心にその二つを両立できるようにしなければならないなと頭のどこかで考えていた。
そんな事を考えながらも何が起きてもすぐに動けるように構えておく。まだ術野は開いている。しっかりと最後まで集中せねば。
「まったく、命を繋ぐだけで良いって言ったのに良くやる子だよ本当に。」
「リカバリーガール...」
「見たところ、頭部の再建ってとこだね。」
「ええ、今はカッターで切り取った側頭部を3Dプリントした人工骨で置換している所です...よね?」
「正解さね。勉強の成果が出ているようで何よりだよ。」
「あー良かった。実際に見るのは初めてなんで当たってるかどうか不安だったんですよ。」
「気を抜くんじゃないよお馬鹿。」
「...ですね、すいません。」
などと言いつつは目線は手術中の娘さんから離さない。リカバリーガールがいるから不要かもしれないが、万が一があるかもしれないからだ。
だが、気になる事はある。最も傷の深かった旦那さんの事だ。
「旦那さんはどうなりました?」
「どうにか間に合ったよ。あんたを連れてきていて良かったって所かね、娘さんを優先していたら多分間に合わなかったよ。」
それは、俺の存在で救えた命があると言われているようで、少し誇らしかった。
「ヒーロー、術野を閉じる。治癒を頼むよ。」
「承知しました。さぁいきますよ!秘術、掌仙術!」
掌を手袋越しに開頭した皮膚に合わせ、治癒能力を活性化させる。皮膚の修復程度なら今日のお仕事を終えた俺にとってはもはや慣れたものだ。
「終わりました。」
「ええ...大丈夫そうね。それでは、これにて側頭骨折置換手術および脳治癒個性手術を終わります。お疲れ様でした。」
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手術室から出て一息、やはり他人の命を預かる事には慣れられる気がしない。
「どうだったかい?今回の手術は。」
「医者の皆さんが頼りになる人たちで本当に良かったです。個性の使いどころも的確で、その指示に随分と助けられました。」
「増長しないんだねぇ、あんたは。」
「どこに増長できる要素があるってんですか、周りに助けられてばっかりの俺に。」
「...ま、叩き直す手間が省けたと思う事にするよ。」
リカバリーガールの言葉はイマイチ分からなかったが、まぁ今は考えないでおこう。
「さて、リカバリーガール。急患の対処も終わったので、休憩とかしたいんですが...」
「何言ってるんだい、今日だけで3件病院回らなきゃならないんだ。さっさとこの病院の患者治しきるよ。」
「あと2件も回るんですか...スタミナ持ちますかねー。」
「持たせな。」
「無茶苦茶言いやがるぞこの婆さん。」
「無茶苦茶でもやりな。」
ムカつく上に無情な一言である。まぁ助けを求めてる人に「疲れたからちょっと待って」とは言えない以上仕方ないであろう。それにしたってペース配分とかあるのだから事前に伝えて欲しくはあったが。
そんな事を伝えてみると、「あんたは、現場で何人負傷者がいるかわからない時に個性を使うのを躊躇うのかい?」と返された。ぐぅの音も出ねぇ。
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そんなこんながありつつも、ついにたどり着いた三件目の病院。時々治療に注意を挟まれつつもMAXコーヒー(三本目)のお陰でどうにか切り抜ける事に成功した。...最後の患者以外は。
「...リカバリーガール、俺帰っていいですかね。」
「馬鹿言うんじゃないよ。一応仕事なんだ、責任持ってやりな。」
「やっぱり触る気なんですね!この!天っ↑才↓子役の一億円のボディに!下心満載のその両手で!」
「いや、お前みたいなちんちくりんに下心とか抱くかよ、これでも高校生だぞ俺は。」
「ちんちくりんとはなんですか!訴えますよ!」
「やめろ、その脅迫は俺に効く。前科持ちなんだよこちとら。」
何があったかはこの会話の時点で分かると思うが、一応説明しておく。この自称天才子役の超濃いいキャラの女の子が治療を拒否しているのである。曰く「あなたのような汚れた男にお仕事以外で触られたくはありません!」との事だ。
この少女の名前は
撮影中の大道具の事故により右手を骨折してしまったので、撮影所にほど近いこの病院に搬送されてきたのだそうだ。
「はぁ、もうとりあえずもうちゃっちゃと治癒するから手を出せ。」
「いーやーでーすー!」
「終いにゃ催眠かけるぞこの野郎。」
「聞きましたかマネージャーさん!催眠なんて言い出しましたよこの下郎!しかもこのプリティキュートな数多ちゃんに向かって野郎だとか!お里が知れますね!」
下郎とか凄い言葉知ってるなこの小学生。というかマネージャーさんはずっとオロオロしてるだけで使い物にならない。新人さんかな?ちゃんとこのトンデモガールの舵取りできているのかちょっと心配になってきたぞ。
「じゃあもう折衷案だ。リカバリーガール、お願いします。」
「まぁ今回はしょうがないかねぇ...」
「それも嫌です!リカバリーガールの治癒って唇をくっつける訳なんでしょう!そんなの耐えられません!なんでお婆さんとチューしなきゃならないんですか!」
「潔癖で博識だなーこの小学生。」
「...すまんね、あたしも帰っていいんじゃないかと思えて来たよ。」
「こ、困ります!数多ちゃんは明日CMの撮影のお仕事が入っているんです、今日治してもらえなかったらせっかくのチャンスがッ!」
入室の際の「よろしくお願いします」以外での、マネージャーさん初の発声であった。綺麗な声の人だ。ちょっと好みのタイプかもしれない。
「じゃあマネージャーさん、すいませんが神郷さんの説得をお願いします。邪魔なようなら俺とリカバリーガールは外に出てるんで。」
「こんな数多ちゃんを見捨てないでくれてありがとうございます!5分で説得してみせますから!」
「頑張って下さいねー。」
そう言って一旦病室を出て行く俺とリカバリーガール。「いけると思います?」「さぁねぇ。」と会話し始めたすぐ後に、その大声は響いた。
「説得なんか聞かない、私は自由への逃走をする!シロ!」
「数多ちゃん⁉︎」
なにやら嫌な予感がしたのですぐ後ろのドアを開ける。するとそこには青い光を纏い、どこか神秘的な白猫を背にした神郷が見えた。
瞬間頭をよぎった可能性、
まぁとりあえず敵ではないと安心した所で「おさらばです!」との声と共に神郷は青い光と共に消えていった。
だが、写輪眼には見えている。青い光のエネルギーが辿った道筋が。光は窓を通り抜けて真っ直ぐに病院の中庭へと向かっていき、そこで白猫と神郷は再び姿を現していた。やけにぜーぜー息切れしながら。
「あの子の個性、転移系ですか?」
「ええ、そうです!でもまさかたかが治療から逃げるために個性まで使うなんて!」
「...とりあえず聞くんだが、どうするんだい?あの娘。ああも逃げられちゃあ私たちには何もできないよ?」
「あ、なんとかは出来ます、多分。」
「本当ですか⁉︎」
「ええ、あの娘の転移は予備動作でかいですし方向も俺の目なら見えます。それに...」
窓の外で未だ息を整えている少女を指差す。
「かなりの体力を使うみたいですしあと2、3回追い詰めればダウンするでしょう。そしたらゆっくり追い詰めて治療してしまえばいい。」
「...すいません、数多ちゃんが何から何まで。」
「それもあの子の味なんでしょう。ま、迷惑被る側としては少しムカつきますけどね。」
「ありがとうございます。...数多ちゃんをよろしくお願いしますね、ヒーロー。」
その声からは、確かに神郷の事を心配する優しさが伝わってきた。
ならばヒーローとして答える言葉は一つだろう。
「任されました!」
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「なんで追って来れるんですか変態さん⁉︎ストーカーですか⁉︎」
「人聞き悪い事言いながら逃げてんじゃねぇよこのバ患者。てか院内を走るな。」
「そんな事言ってる場合ですか⁉︎こうなったらまたシロの力で!」
病衣のまま病院内を駆け抜ける神郷。それを早歩きで追いかける俺。
神郷は止まって青い光と白猫を発現させて転移を開始しようとした。
当然ながら立ち止まった上に隙だらけだ。
だが、無理矢理捕まえて本気で裁判を起こされても困るので今は放置だ。
転移の際のエネルギーの向きから言って上に逃げたのは見えた。そしてここの上は屋上のみ。追い詰めたと言えるだろう。
屋上への階段をゆっくり上がりドアを開ける。そこには案の定ぜーぜー息を切らしている神郷と
その神郷を無理矢理掴んで離さない小太りの中年の姿があった。
「あー、すいません。またその娘が妙な事を言ったんですか?」
「真っ先に私を疑うんですか⁉︎変態です、助けてください変態さん!」
「いや俺変態じゃないし、その人が変態かどうかなんて知らないし。」
「小学生の腕を掴んで離さないおじさんとかその時点で事案でしょうがぁ!」
そんな緊張感のかけらもない会話をしつつ中年男性と目が合わないか試してみるが、その目は神郷のことを見つめて離さない。
そして、ついに中年男性が口を開く。
「...今わかった。この胸を熱くするこの感情、これこそが愛なんだ!」
「「何故そこで愛ッ⁉︎」」
まさかの暴走特急2人目である。
「落ち着いてください!とりあえず掴んだその手を離して!」
「そうですよおじさま、ちょっと掴んでる手が痛いです!私の事を好きだと言うのなら、まずはその手を離してください!」
「この手は...離さない!離せば君はこの手から逃げてしまう気がするから!」
そりゃそうである。逃げる気満々なのは見て取れるのだから。
「助けて下さい変態さん!変態でもヒーローなんでしょう⁉︎こっちのガチ変態の魔の手にかかったら私の守り続けてきた初めてがぁ!」
「わかったよ畜生、始末書覚悟だ!仮免許ヒーローの権限において実力を行使する!」
「ヒーローなんかに僕の愛を邪魔されてたまるか!ドラゴナイズ!」
その言葉とともに中年男性は巨大な姿、胴の長い中華風の竜の姿へと変身した。変態には勿体ない格好いい個性だなオイ!
そしてその手には当然のように神郷を掴んでいる。
「僕は彼女と共に逃げる!愛のために!」
「愛を免罪符にしたって何でも許されるわけじゃないぞこの野郎!」
「え、ちょっと待ってください。この感じまさか!」
竜は神郷を掴んだその手のまま、空を飛んで逃げ出した。
「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「女子がぎゃあって子役としてどうなんだバ患者!」
その竜を追いかけて、自分もまた宙に向かう。移動術での大ジャンプだ。
そして竜の尾を掴もうとするもつかみ損ねてしまった。
「まだ、だ!」
空中で一回転し、竜の胴体に向けてワイヤーアロウを二本放つ。
一発は外したが右のアロウはしっかりと竜の胴体に突き刺さり、返しをしっかり作動した。
「痛い!がこんなもので愛を諦めてなるものか!」
「諦めた方がいいだろそんなの!相手の心を受け入れてこその愛だよ!」
「うるさい!彼女に拒絶されたお前が何かを言うな!」
「その拒絶してる彼女お前の手の中でグロッキーだよ!青い顔してんぞていうか吐くぞ!」
「鬱陶しい!こうなったらお前なんか地面に叩きつけてやる!」
そう言った竜は、体をくるんと一回転させてきた。このワイヤーの長さで叩きつけられたら結構なダメージになりそうなのでそこは避けさせて貰おう。ワイヤーを巻き取る事で距離を調整、回転途中で横にあるビルに壁走りの要領で着地する。そしてそこからワイヤーを伸ばす事で回転のエネルギーを逃す。
ついでに、ワイヤーを竜の体に絡ませることに成功した。
「何⁉︎」
「つ、い、で、に!即興必殺、怪力乱心!」
ワイヤーを両手で握り、足、腰、腕とチャクラを流動させる事で擬似的な怪力を作り出す。
その力で全力でワイヤーアロウを引っぱるとどうなるかって?さっきと逆回転に回る。ついでにアロウの返しが体を傷つけるおまけ付きだ。
「痛ぇ⁉︎」
「あ、駄目ですこれ吐きます。」
「かえってクールになってるよあのバ患者。てかこれでも手を離さないのか...厄介だな。」
正直そろそろ神郷を離して貰わないと困る。神郷を取り戻さない事には何も始まらないのだ。
それから数分間ワイヤーを使った攻防はあったものの、神郷を掴んだその手はしっかりと握られていた。あれをどう崩すか悩みどころだ。こっちと目を合わせてくれれば催眠で一瞬なんだが、竜の瞳は俺を見ることはなかった。前と手に握る神郷しか見やしない。
すると、空を飛ぶ竜の存在を聞きつけたのか、近隣のヒーローが集まってき始めた。そしてその1人が体を紙のように伸ばし、竜とワイヤーで繋がっている自分に情報を聞きにやってきた。No.5ヒーローであり、神野事件でも突入部隊にいたヒーロー、エッジショットが。
「状況は?」
「突発的な誘拐事件です。
「少女誘拐か...動機は?」
「愛だそうです。」
エッジショットが固まるのが見えた。そりゃ意味分からんよなぁ。
「まぁその辺は置いておきましょう。人質を傷つけないであの竜をなんとかする策はあります?」
「ああ、そういったのはアイツの得意とする所だ。
「ラジャー!行くわよ!」
無線で連絡をつけていた竜の前方に待ち構えていた女性ヒーロー、
だが、まだ終わってはいない。
「
「ミスじゃありません!先輩、よろしく!」
「釈然としないが任された!」
シンリンカムイはその手を伸ばし、網を作り上げて神郷をキャッチしようと試みた。だが、落ちてきているのはただの少女ではなくあの神郷数多である。
「化け物が私を触りにやってくる!助けてシロぉ!」
「この状況でまだそんな事考えるとか馬鹿じゃねぇのアイツ⁉︎」
神郷はシンリンカムイのような紳士に触れられるのすら拒み、白猫の力で転移を発動させた。
まぁ自力で助かるならいいかと思い写輪眼で転移先を見たところ、全くそんな事を考えた個性使用ではなかった。
あのバ患者は、シンリンカムイから離れて、さらに離れた上空に飛んだのである。
「あーもう世話がやけるなぁ!」
竜に刺さっているアロウを操作して返しを閉じ巻き取る。そして移動術で壁を思いっきり蹴り落下点へと回り込む。
「変態さん⁉︎」
「変態じゃねぇよバ患者。舌噛むから声出すなよ!」
ワイヤーアロウを近くのビルに刺して巻き取る事で鉛直方向への力を弱め、ビルへと着地する。
「ま、とりあえずなんとかなったな。大丈夫か?神郷。」
「え、ええ...」
神郷がしおらしい。てっきり「触らないで下さい変態!」とか来ると思っていたのだが。
まぁとりあえず下ろそう。アロウを操作して返しを外し、チャクラの吸着でビルから降りる。壁走りの術は本当に便利だ。
「あ、無理ですこの奇妙な浮遊感。」
「あー、ちょっと待ってろ。今すぐ下ろしてやるから。」
その後しっかりと抱え直して急いで降りた結果、この自称天才子役が大衆の面前でリバースするという大惨事に陥ることにはならなかった。
それはとどのつまり、人目につかない所で戻したという事なのだが。
「ありがとうございます、変態さん。」
「変態じゃねぇよヒーローだよ...メグルでいいさ。」
「じゃあメグルさん。本当にありがとうございました。」
「ま、人助けがお仕事だからな。気にするな。」
「でも...」
「とりあえず、エッジショットさんたちと合流して警察に話通そうぜ。じゃないと病院に戻って治療ができん。」
「そうですね、まずはご挨拶...」
「俺もお世話になった人たちだから一言言っておきたいんだよなー。さっきはドタバタしてて挨拶できなかったし。」
「...まさかそうやって外堀から埋める気ですか⁉︎やっぱり男は狼ですね!」
「あ、平常運転に戻った。」
「なんですかその認識は!」
「いや、そういうキャラなんだなーと。」
「私が...キャラクターで括られたッ⁉︎」
「どこに驚いてんだバ患者、ほら行くぞ。」
「待ってください、バ患者とはなんですか!私には神郷数多って名前があるんですー!」
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事件の際、警察から「君の使ったサポートアイテムでビルに幾つか傷がついていたよ。」と嫌味を言われたものの特になんの問題もなく俺と神郷は解放され、病院へと送られて戻る事になった。
その際、リカバリーガールから「切った張ったをするならあたしに連絡くらい入れな」とお小言を貰った訳だが、実際その通りだったので甘んじて受け入れる。
その後、病室に戻った神郷から「ま、まぁ助けて貰った訳ですし!私の体に触るくらいなら許してあげなくはないですよ!」と物凄く遠回しにオーケーを貰ったので遠慮なく治療をさせて貰った。今日一日のデスマーチを終えた俺にとって単純骨折など物の数ではなく、問題なく治療する事に成功した。
その際に「んんッ!」とか妙な声を出すバ患者がいてマネージャーさんからの目が痛かったけどさ!
「終わりましたよ、神郷さん。」
「え、もう終わりなんですか?もっと触っても良いんですよ?」
「なんで治療の終わった患者にまだ触らないといけないんだよ。終わり終わり!」
自分とリカバリーガールは去っていこうとする。その際、「あ!」と神郷が何かに気付いた。
「どうした?まさか『この私に触ったんだからお金を払うべきですよね!』とか言い出すんじゃあないだろうな。」
「そうじゃありません!その背中のマーク!」
「おう、ウチの家紋。格好いいだろ。」
「うちはの家紋...」
「よく知ってるな。もう滅んだの大分前なのに。」
そして、神郷は言った。俺と神郷の関係性をただの患者と治療者から決定的にズラすその言葉を。
「NARUTO...?」
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