私の名前はアスカ・チドリ。
9歳
ロンドンからバスで5時間程離れたイギリス、ウェールズの海が近い片田舎の街の小学校に通ってる小学3年生です。
生まれも育ちもウェールズの生粋のウェールズ人のつもりなんだけど……
日本人のお母さんと、たぶん日本人のお父さん、それと愛犬アルと街外れのちょっと古いお家に住んでます。
学校は大好きです。
勉強は楽しいし、友達もたくさん居て、先生も優しいからです。
今日は先生から、作文の宿題が出されました。
好きな人の事を作文にしなさいって………
私は大好きなお父さんの事を作文にすることにしました。
題名:大好きなお父さん
私のお父さんの名前はソウスケ・S・チドリです。
今年29歳になります。
誕生日はお母さんと同じの12月24日です。
お仕事はよくわかりません。
毎日、家に居ます。
家の掃除や洗濯、買い物や庭の手入れも毎日やってくれます。
だから、家に帰ったら何時も居てくれて嬉しいです。
毎日遊んでくれます。
勉強も見てくれます。
とても優しいお父さんです。
怒ったところを見たことありません。
私が失敗してお母さんに怒られると何時も代わりに怒られてくれます。
「あんたが、甘やかすからでしょ!」
「問題ない。アスカは俺の言いつけを守って行動したまでだ」
「また、アスカに余計な事を吹き込んだんじゃないでしょうね」
「いや、俺はアスカに郵便ポストの安全な開け方を教えたまでだ」
「………それが何でこんな事になるのよ!」
「アスカには家族以外がポストを開けた形跡があった場合の対処方法として……一つ目にポストの取っ手に紐を括り、10メートル離れ頑丈な障害物に隠れながら引張り、開けることを教えた。これでポストに爆発物が仕掛けられていたとしてもアスカが被害を受けることはない。C4で爆破させる方法が確実だが、君がC4はダメだと言うからこの方法を教えた」
「……うんで、他に何を吹き込んだ」
「ニつ目に、爆発物が見られなかった場合。細菌兵器や化学兵器の可能性を考慮し、予めガスマスクをするように教え、飛散しないように泡タイプの消火器を使いポストに…………」
「おのれの仕業か!!!」
バスーーーン!
「痛いぞ、かなめ」
「あんたのせいで、ポストの中の手紙が泡だらけじゃない。アスカに妙なことを吹き込むな!!」
「いや、この頃、世間ではテロ事件が勃発している。もしやという事もある。ポストに催涙ガスが仕掛けられ、アスカがさらわれる可能性もある。アスカは美人だからな」
「うんなわけ有るかーーーー!!ああーーーもう!!あんたほんとっ親バカね!!」
お母さんも一通り怒ると許してくれます。
お父さんは私にポストの安全な開け方と、対処方法以外にも色々教えてくれます。
お父さんはすごく物知りです。
地雷を踏んでしまった時の対処の仕方とか……
有刺鉄線の張り方とか……
仇敵を見つけた時の尾行の仕方とか……
お父さんは遊びも得意です。
お父さんは隠れんぼをすると絶対見つかりません。
友達と一緒に探しても、絶対見つからないです。
でも、一度だけ見つけた事があります。
友達と一緒に隠れんぼしてたのですが、お父さんは見つかりませんでした。
お母さんとお花を植える約束をしていて、夕方、お仕事から帰ってきたお母さんとお花を植えるために花壇の土を掘り返したら、お父さんが出てきました。
お父さんは、全身土色で、いっぱい葉っぱがついていました。
お父さんはスクッと立ち上がり、私の頭をなでて褒めてくれました。
「アスカよく見つけた。うむ、なかなかの擬態だと自負していたが、アスカには偵察の才能が有るようだ」
一緒にいたお母さんは最初は驚いて、尻もちをついてましたが、手品のようにハリセンをだして、お父さんを吹き飛ばしてしまいました。
いっつも、お母さんに怒られて、ハリセンで叩かれてるお父さんです。
本当はすごく強くて格好いいのに、お母さんには頭があがりません。
でも、お父さんはお母さんが大好きで、私のことも大好きでいてくれます。
そんなお父さんが大好きです。
終わり。
作文を先生に提出したら……先生は目を潤ませて、アスカさんも家では大変ねと言われてしまいました。
なんでだろう?