私のお父さん   作:ローファイト

3 / 14
私の愛犬

昨日、学校で担任のキャサリン先生に宿題で動物の絵を書いてくるようにと言われました。

 

 

私は愛犬のアルを一生懸命、色鉛筆で描きました。

 

 

アルは私が生まれた時からずっと一緒です。

お母さんに聞くと、私が生まれる前から居るそうです。私より年上でオスなのでお兄さんです。

フサフサの毛を触るとモフモフしています。シェルティーという犬らしいです。

あまり大きくはありません。

でも、抱っこしたいけど、結構重たいのでしません。

家では何時も私の後を付いてきてくれます。

 

 

アルの絵を先生に見せたらこう聞かれました。

「アスカさん、この犬のしっぽの先に付いているものは何かな?」

 

「コンセントプラグです」

 

「……アスカさん犬にコンセントはついてないわ……じゃあ、目から出ている赤いのは?」

 

「ビームです」

 

「……アスカさん、犬は目からビームは出ないわ……じゃあ、口からいっぱい出ているのは?」

 

「PDW用の特殊装弾です」

 

「…………アスカさん、アニメか何かを見て描いたのかな?」

 

「家の愛犬アルです」

 

「………アスカさんは夢を見たのね。分かったわ。今度はコンセントもビームも弾も無いアルちゃんを描いてきてください」

 

「わかりました」

 

 

ちゃんと描いたのに先生も友達のみんなも信じてくれません。

 

私はちゃんと見たのに………

アルは私の前ではコンセントもビームもPDW用特殊装弾も隠します。

 

でも、私は見ました。

 

 

アルのしっぽからコンセントプラグが飛びでて、家のコンセントに挿しているのを…………

私が近づいたら、さっと隠します。

 

家の窓からハチが侵入した時に、目からビームが出て、撃ち落としているのを見ました。

 

家に侵入してきたネズミを口から銃口が伸びて、狙撃していたのを見ました。

 

でも、アルは私がこっそり近づいても、それを全部隠しちゃいます。

 

 

 

私が寝たフリをして、こっそり部屋の外を見ると…………

「アル、アスカは今日はどんな様子だったか?」

 

「問題ありません。マスター・サガラ」

 

「留守番ご苦労だった」

 

「あの子はいい子です。素直で心が優しい」

 

「俺の娘だからな」

 

「……誰に似たんだか」

 

「俺似だ」

 

「奥方に似ていると思いますが」

 

なんとアルはお父さんとお話をしていたのです。

 

 

次の日アルに何度話しかけても、返事はしてくれませんでした。

 

お父さんにも、その事を話したら…………

「うむ、スマホをアルの上に載せて友人と話してただけだ」

お父さんはそう言ったけど、怪しいです。

お父さんアルって言ったもん。

 

お母さんにも、その話をしたら………

「アスカがもうちょっと大人になったらアルも話してくれるかもしれないから、待ってね」

と言ってくれました。

 

今はアルが話せる事は秘密なんだと思いました。

だから、アルが話してくれるまで待とうと思います。

 

 

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。