私のお父さん   作:ローファイト

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私の森の妖精さん

この頃、小学校のお友達の間で噂になってることがあります。

真夜中になると森の妖精さんが森から街に出てきて、イタズラをするそうです。

なんでも、大きな目の可愛い妖精さんらしいです。

森の妖精さんは緑の帽子をかぶっているそうです。

森の妖精さんは「ふもふも」って喋るそうです。

 

私もその大きな目の可愛い森の妖精さんを見てみたいと思いました。

 

 

 

家に帰ってお父さんとお母さんに森の妖精さんのことを話して、見てみたいと言いました。

 

「うーん。森の妖精さんは真夜中にしか現れないから、探しに行けないわね。アスカはもう寝る時間だからね」

お母さんは困った顔をしていました。

 

「学校がお休みの前の日に一緒に妖精さんを見に行こうよ。お父さん」

 

「アスカ、夜は危ない。危険なテロリストが潜んでいるかも知れない。アスカのような美人は直ぐに連れ去られる」

お父さんも危ないからって言って、一緒に行ってくれません。

いつものお父さんだったら、良いって言ってくれるのに………

 

 

1人で行くのは怖いし……夜中に勝手に家を抜け出したら、お母さんがきっと怒ります。

でも、どうしても森の妖精さんを見てみたいです。

 

私は考えました。

……良いことを思いつきました。

 

 

学校がお休みの前の日。私は家に帰って直ぐに寝ました。森の妖精さんを見つけるために夜更かしするためです。

そして、何時も寝る時間の9時に何時も通りベッドに潜り込み部屋の電気を消しました。

シーツの中で明かりを付け、準備をします。

 

赤外線レーザーサイトと、1キロ先も視認できる赤外線高感度双眼鏡を用意しました。

使い方はお父さんに何時も教えて貰っているので、大丈夫です。

これでお部屋から、森の妖精さんを探すことが出来ます。

 

でも………私はそのままベッドの中で双眼鏡と一緒に寝てしまいました。

失敗です。

 

次の日、赤外線高感度カメラと自動追尾センサーを準備しました。

お父さんの作業部屋にいっぱいあるので、借りることにしました。

その日の夜。何時も寝る時間の9時に何時も通りベットに潜り込み部屋の電気を消しました。

昨日と同じで、シーツの中で組み立てます。そして窓の外に向けて自動追尾センサーを取り付けた赤外線高感度カメラを置きました。ノートパソコンとつなげて自動録画するように設定しました。プログラムはお母さんに教えてもらっているので、大丈夫です。

 

これだったら、私が寝てしまっても大丈夫です。

明日、森の妖精さんが映っていれば良いな……

そんなことを思っていたら直ぐに寝てしまいました。

 

 

次の日の朝、ノートパソコンでカメラの映像を確認すると…………森の妖精さんが写ってました!

 

 

まん丸大きな目に犬かねずみさんみたいな顔に大きな耳、短い手と足に、丸い模様が入っている樽の様な体。

とても可愛いです!

でも、何処かで見たような妖精さんです………思い出せません。

 

うーん……よく見ると学校のお友達が噂していた森の妖精さんと少し違う気がします。

緑の帽子ではなくて、緑のヘルメットをかぶってました。しかもヘルメットにはブレードアンテナのような角がついてました。

何故か、その妖精さんは最新型の防弾ベストを着てゴム弾装弾型のショットガンを持ってました。

妖精さんの右頬には十字の傷が………あっ、お父さんと一緒です。

きびきびとした動きもどこかで見た事があるような…………

 

 

その森の妖精さんは私のお家の裏にある納屋から出てきて……5時間後には納屋に戻って来ました。

何で私のお家の納屋?どういう事なんだろう?

 

 

私はノートパソコンを閉じて、アルと一緒に納屋に向かいました。

でも納屋の中には、お花の土や栄養剤とかスコップとかしかありません。

確かに、森の妖精さんは納屋から出てきて、帰ってきました。

森の妖精さん。ここで何をしていたのかな?

 

もう一回よく納屋を探しても何も見つかりませんでした。………お家に戻ろうとしたら、納屋の前に妖精さんそっくりのストラップが落ちてました。

どうしてこんな所に?

 

 

家に戻ると、お母さんが朝ごはんを用意してくれてました。

お父さんは先にいつもの席についていました。

 

「お母さん……これ、納屋の前で見つけたの。森の妖精さんも、あの納屋から出てきたのを見たの」

私はお母さんに納屋の前で見つけた森の妖精さんそっくりのストラップを見せました。

 

「へ…へー、森の妖精さんが………そのストラップ、お母さんが探してたものよ。アスカにあげるわ」

 

丁度TVではニュース番組が始まりました。

ニュースキャスターのお姉さんが大きな声で大騒ぎしながら説明してました。

なんでも、この街に潜んでいた危険なテロリストが今日の朝に交番の前で5人縄で縛られていたそうです。

『なお、テロリスト達は犬かネズミの化物にやられたなどと証言しているそうです。その鳴き声は「ふもふも」「ふもっふ」と、……相当錯乱しているようです。詳しくはこれから取り調べが始まるようです』

 

そのニュースを見ていたお父さんが一言。

「犬でもネズミでもない。ボン太くんだ」

 

 

ボン太くん?………

そういえば、お母さんが大切にしている大きなぬいぐるみ、森の妖精さんそっくりです。名前は確かボン太くんです。このストラップと一緒です。

 

私はお母さんが寝る前によく話してくれたお話を思い出しました。物を大切にすると、物に魂が宿って、助けてくれたり、恩返しをしてくれるって………きっとお母さんがボン太くんのぬいぐるみとストラップを大切にしていたから、森の妖精さんになって武器を持って悪いテロリストから街を守ってくれたんだと思いました。

 

私もこのボン太くんストラップを大切にしようと思いました。

きっとまた、森の妖精さんになって街や私たちを守ってくれます。

 

 

 

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