日本国をエリア11とは呼ばせない   作:チェリオ

23 / 40
第22話 「白虎、中華連邦へ」

 九州福岡基地。

 ブリタニアとの戦争以来、初の国内での大規模戦闘が行われた地。

 海上より侵攻してくる敵を想定しての九州最大の防衛拠点は、今やその機能を失い、残骸の山がいたる所に築かれていた。

 防衛を考えればすぐさま修復を行うべきなのだろうけども、軍事予算は“八八計画”にほとんどが使われており、国会で議論されている予算は未だ復興中の地域に多く回されている。つまり修復するだけの予算がすぐには確保できない状態にあるのだ。

 軍としては防衛拠点をそのままの廃墟として晒す訳にもいかず、完全といかなくとも機能する程度には直さなければならない。

 福岡基地の一時的な修繕を任された藤堂 鏡志郎は、破壊されつくされた基地を見渡して大きなため息を吐いた。

 

 戦闘は大規模な物だった。

 海軍より主力艦隊の砲撃支援。

 空軍の戦闘機による対空兵装への攻撃。

 陸軍からは自在戦闘装甲騎と白虎大隊を含む新兵器・新部隊の投入。

 対して曹将軍率いる元中華連邦軍と、合流した反ブリタニア思想の強い一部日本軍は、福岡基地に立て籠もり、防衛システムを活かしていた。

 基地を取り返すには多くの兵を失っていただろう。

 それを危惧して全権を任されていた白虎は無傷での奪還を諦め、短期間での敵の排除に全力を注いだ。

 結果大規模戦闘だというのに兵の被害は少なく済んだが、基地と敵に対する被害は甚大となった。

 外壁に至っては機械による誘導でなく、手動による試し撃ちまで行われたので崩壊寸前。

 “藤堂さんなら出来ますよね”って押し付けたかっただけじゃないのか?

 作業状況を見守りながら、二度目の大きなため息を吐き出す。

 

 「どうしたんですか?」

 「仙波か…この惨状をどうしたものかと…な」

 

 声を掛けてきた仙波 崚河に苦笑を浮かべる。

 何処からどう手を付けるべきか、良い考えが未だ浮かばない。

 仙波から手渡された書類を捲って第一次被害報告書に目を通しながら、思っていた通りの被害に頭痛までしてきた。

 これならば戦っていた時の方が楽である。

 しかしながらここの防衛案は必要であり、それを任されたからにはこなさなければならない。

 

 「そう言えば聞きましたよ。昇進おめでとうございます藤堂准将(・・)

 「耳が早いな。とはいえ喜んで良いものやら…」

 「やはり今回の件で失った軍上層部の埋め合わせですか」

 

 答えはしなかったが仙波の言っている事は半分(・・)正解だった。

 公式では自在戦闘装甲騎大隊の運用方法が極めて実戦的で、福岡基地での戦闘でその優秀さが証明されたから。

 実際には事件を起こした曹将軍と手を組んだ軍関係者を粛清した事で、軍上層部の大半が排除されてしまったがゆえに、人手が足りなくなったので補充として繰り上げられたというのが事実だろう。

 しかしながら藤堂や藤堂直属の四聖剣などが昇格したのはそれだけでなく、白虎の思惑が色濃く反映された結果だ。

 彼はあれから二年が経っても対ブリタニア構想を強く抱いており、自分で言うのもなんだが優秀な人材を軍の中核に置きたがっている。今回の粛清でも、どさくさに紛れて足を引っ張る無能をあの手この手で軍より遠ざけたようだしな。

 片瀬少将なども疑いがかけられ、排除はされなかったが、大きな役職からは外されたらしいと噂を耳にした。

 他にも多くの者が昇進したが、その中には枢木 白虎を英雄視する者らが過半数を超えている事から、実質的に陸軍を白虎が掌握した状況になっている。

 空軍にも海軍にも同様に同じ想いの連中がいる事もあって、日本の軍部をアイツが握っているんじゃないかと思えてくる。

 

 「藤堂さん。技研の連中が残骸(鋼髏)を回収したいって言ってきてますけど」

 「なら鹵獲したうちの二機を渡してやれ」

 「破壊された奴ではなくてですか?」

 「データ取りに鹵獲したのを渡してやってくれと、白虎少将の指示だ」

 

 駆け寄ってきた朝比奈に指示を出して、基地の端へと並べられた鋼髏へと視線を向ける。

 降伏して鹵獲出来たのが十数機。

 半壊していた物がニ十機以上。

 破壊されて残骸になった物が多数。

 今回の戦いで得た戦利品の鋼髏。

 大半は藤堂指揮の無頼達が撃破した物であるが、その他は白虎とブリタニアとの戦争を駆け抜けた御所警備隊によって破壊された。

 正直無頼で破壊した機体より、歩兵が破壊した機体は見るに堪えない。

 自在戦闘装甲騎同士の戦いは倒せば終わりだが、興奮状態の歩兵たちは機体を破壊して終わりではない。ハッチを無理やりにこじ開けて、中より搭乗者を引き摺り降ろし、どんな手段を使ってでも殺すまでが勝利条件なのだ。

 あんな殺され方は自分はご免被る。

 そんな阿鼻叫喚の地獄を目の当たりにしながら降伏するなど、如何に勇気のいる事か。

 下手をすれば、無抵抗だというのに惨殺される可能性だってあっただろうに。

 特に初の実戦であった白虎大隊の面々には鬼気迫る者があり、下手をすれば捕虜も悉く殺害するのではないかと危惧したほどだ。

 その捕虜達は手錠や足枷で繋がれ、準備が終えるまで捕虜輸送用の大型バスにて待機させている。もう準備も終える頃かと思っていると、卜部と千葉がこちらに向かってやってきた。

 

 「捕虜の護送準備が整いました」

 「なら卜部と朝比奈に任せる」

 「承知しましたが、我々から二人出すというのは多すぎませんか?」

 「こっちは首相からの指示だ」

 「あぁ、政治屋の都合ですか」

 「中華連邦相手に捕虜で外交カードが切れると思ってるんですかね」

 「軽口はそこまでにしろ。仕事に戻るぞ」

 

 藤堂の一言で卜部と朝比奈は護送車両の方へ向かい、仙波と千葉は藤堂より次の指示を待つかのようにその場で待機する。

 ふと仙波が辺りを見渡し誰かを探し出した。

 

 「ところでこの元凶を生み出した白虎少将は何処ですかな?」

 「彼なら今頃中華連邦だ」

 「さすがフットワークが軽いですね。あの頃を思い出します」

 

 “だいぶ早めの新婚旅行行ってくる”などと軽口を叩いていたが、どうせ対ブリタニアを想定しての動きなのだろう。

 以前白虎の下に居た千葉が懐かしむのもそういう事なのだろう。

 ならばこちらはこちらで職務を全うしなければ。

 藤堂は壊れた残骸に目を向け、基地の修繕に使えないかと頭を働かせるのだった。

 

 

 

 

 

 

 広大な大地と世界屈指の人民を抱える大国“中華連邦”。

 世界でもブリタニアと並ぶ大国で、日本国と友好関係を築いた国であった(・・・)

 あったというのも数日前に起こった福岡基地を中華連邦の一部が占拠した事件により、関係悪化は否めない状況にあるからである。さらに中華連邦は一部勢力が独自にやった事と公表して知らぬ存ぜぬ。

 対して黙って受け入れる訳に行かないと、澤崎首相は大使館に抗議すると同時に中華連邦に直接外交官を派遣して抗議を行うと発表。すぐに政府専用機で外交官を含んだ一団が中華連邦へと渡ったのだ。

 世間では日本と中華連邦との戦争もあるかと騒がれているが、それは絶対にありえないとまず断言しておこう。

 そもそも澤崎は事を大きくしようと考えておらず、出来れば触らず収束してくれている事を願っていた。

 今回のような強硬な姿勢を見せたのは国民向けのアピールで、発表された内容は大きく異なるものである。

 

 “抗議も含めてちょっと中華行ってくる。裏取引もしてくるから別に悪い事にはなんねぇと思うけど”

 

 そう枢木 白虎が詳細を口にし、表向きの理由を作る為に外交官がくっ付いてきただけ。

 つまり白虎の行動を周りが色々と利用しているに過ぎない。

 今度はどんな悪だくみをしているのか楽しみで仕方がない。

 

 「あの…どうかされました?」

 

 思い浮かべていたら表情に出てしまったらしく、不思議そうに顔を覗き込まれる。

 皇 神楽耶は白虎と共に中華連邦へと渡り、朱禁城庭園内にある亭内で、中華連邦の頂点に君臨する“天子”と向かい合っている。頂点と言っても実権は大宦官が握っているのでお飾りではあるが…。

 

 「いえ、少々考え事をしておりました」

 「考え事ですか」

 

 笑顔を向けて何でもないと言いつつも、理由は解らないが、白虎が彼女を気にしていた事を思い出す。

 何かしらに利用する気なのか、ただ単により良い関係を築こうとしているのかは分からないが、言われた通り彼女と友人になるとしよう。

 言われなくとも彼女の純粋さも含めて非常に好感を持てるので、言われなくとも友人になろうとしただろうと断言できる。

 

 「どうせアイツの事だろうに」

 「あいつというのは何方でしょう?」

 

 隣に腰かけていたC.C.が茶化すように言葉を投げかけて来た。

 その通りなので否定も出来ずに、気になった天子の視線も合わさり、言わなけれないけなさそうな雰囲気が漂う。

 

 「私の夫の事を考えておりました」

 「正確には未来の夫だろ」

 「良いのです。お互いに好き合っているのですから。なんならその話でも――」

 

 にっこりと微笑みながら言うと、飽き飽きした様子で「のろけ話なら勘弁してくれ」と話を止められてしまった。

 外の話を天子様にするのも良いけれど、あの人との話ならあと三時間は余裕で話せる自信はあるというのに…。

  

 「どのような方なのですか?」

 

 知らない天子様からすれば当然の問いであるが、神楽耶は答えに一瞬戸惑う。

 親しい一部の者にとっては当たり前の真実でも、一般的なイメージと異なる人物というのは必ず存在する。

 その最たる例である白虎の事をどう言ったら良いのか。

 己が描いた未来の為には悉くを夜叉に変える先導者?

 笑顔で相手と握手しているのに、どう相手を殺そうかと策を緩やかに実行している策謀家? 

 本人にその気は無い筈なのに、周りに美女・美少女を侍らせている人物?

 どれも駄目ですね。

 純粋無垢な天子様どころか人に言えるような説明が咄嗟に出てこない。

 その様子にC.C.はニヤリと笑んで答えた。

 

 「そうだな。自分の目的の為なら何でも利用する詐欺師か」

 「C.C.さん。悪く言うのは止めて下さいな。真っ直ぐで誠実な方ですのよ」

 「えっと、どちらが正しいんでしょう」

 「さぁ、どちらだと思う?」

 

 本当にC.C.さんは意地が悪い。

 双方向を天子様に向けたらおどおどしてしまうのは目に見えているというのに、わざと仕向けるのだから。

 案の定どうしましょうと不安気にキョロキョロして、私に視線を向けて来た。

 

 「えっと…か、神楽耶の言う事を信じよう…かな」

 「さすが天子様。正しいご判断ですわ」

 

 自分の方を選んでくれたことに手を取って喜ぶ。

 こういう風に触れられる事に慣れてないようで、どういう反応をして良いのやら困ってしまっている。

 

 「天子様には気になる殿方はいらっしゃらないのですか?」

 「え…あの…」

 

 話題を自分から天子様に変えようと言ってみただけであったというのに、予想に反して天子は真っ赤に頬を染めて、俯いて飲み物を口にして黙り込んだ。

 「あ、これは居るな」と神楽耶は喜ばしいように、C.C.は面白そうにニタリと笑みを浮かべた。

 

 「どのような方なのですか?」

 「去年…外に出たいと約束を…」

 「ほぅ、白虎と同様のロリコンらしいな」

 「もうC.C.さん」

 

 ジト目で見つめるが、いつものように笑みを浮かべたまま流される。

 小さくため息を吐いて諦めて、天子へと身を乗り出して笑みを向ける。

 

 「で、天子様の運命の方ってどんな方なんですの?」

 

 まだまだ女性陣によるトークは終わりを見せないのであった。 

 

 

 

 

 

 

 私はあの方の恩義に報いるべく、この身全てを捧げる覚悟が有る。

 囚人に薬を与えようとして捕まった私を、処罰するのでなく温情をかけられ救ってくださった。

 幼さゆえの純粋さ。

 大宦官を筆頭に跳梁跋扈する朱禁城で、何故こうも穢れに染まらず居られたのか不思議でならない。

 あの日、天子様に魅せられた私は救って頂いた恩義に報いる為に、力を付ける為に徐々に動き出している。

 表向きには腐った中華連邦を救うためと謳い、本心では天子様を政治の道具として利用するだけの大宦官から解放し、願いである“外の世界”をお見せする為に。

 完全な私の私利私欲だ。

 天子様もそんな約束は忘れているかも知れない。

 だが、私は永続調和の契りを果たそう。

 例え我が身が潰えようとも必ず…。

 

 中華連邦の武官である黎 星刻はそう想い、密かに同志を増やしつつ準備を着々と進めていた。

 彼は頭脳と身体能力で他を圧倒する性能を持っているが、如何に腐敗していようとも大国を変えるだけの力を一朝一夕で集められる訳もなく、少なくとも十年近くかかると目算している。

 しかし彼は不治の病に侵されており、どれだけ優秀でも時間だけは圧倒的に少ない。

 せめて天子様を救えるまででも持ってくれれば…。

 欲を言えば天子様を支えるシステムの構築まで持ってくれれば、何の後悔も憂いもないまま逝けるだろう。

 

 そんな彼に手を差し伸べる者が現れた。

 気配だけでもかなりの使い手だと思われる侍従を連れた日本人。

 中華連邦にまで、ブリタニアとの戦争での逸話が轟いている“日本の英雄”枢木 白虎。

 パレードで写っていたような清廉潔白そうな彼は無く、闇を纏ったような不気味さを背負い嗤っている。

 

 彼から星刻は音声データを渡され、隠れるようにその音声を聞いた。

 中身は白虎を含んだ日本国より来た外交官達と、大宦官との交渉内容が収められていた。

 内容は日本国が被害を受けた福岡基地の修繕費を払えというものだった。

 最初は大宦官達は自分達のあずかり知らぬ事として、のらりくらりと躱していたが、白虎が外交官と入れ替わり、言葉を交わし始めるとミルミル態度を軟化させ、最終的には支払う約束を口にしたのだ。

 勿論ただではない。

 中華連邦人民の職を得させ、税の収入を上げる為にも日本企業の中華連邦進出の支援。

 サクラダイト輸出量を35%から40%に引き上げ、年数を五年から七年への延長。

 独立をしたくてしょうがないインド軍区を、自らのコネを用いて数年間落ち着かせる事。

 大宦官達が福岡での事件で心を痛め、軍の一部が勝手にした事であるがすべての責任を負ったという話を流して、世間体を整える手伝いをするという確約。

 他にも捕虜の返還など多くの便宜を図った。

 

 大宦官達は自分達の利益になると判断し、自らの懐ではなく国の予算から捻出する(・・・・・・・・・・)から別に良いかという思いを口々に馳せ、人民から搾取した血税を何の躊躇いもなく自分達の為に他国へと流したのだ。

 深い憤りを感じ、拳に力が籠る。

 さらに奴らは冗談のように天子様との婚約話をチラつかせながら、白虎との関係を持とうと画策した…。

 

 「一応データにあるように、思わせぶりな態度で引き延ばしておいたけど良かったかな?」

 「………感謝する」

 「で、どうかな?俺と手を組まない?」

 

 即答はしない。

 正直白虎の事を警戒している。

 まるで大宦官がそう言うであろうと知っていたかのような言い回しに録音した音声。初対面でありながら私と天子様の事、そして私が何を成そうかを理解している振る舞いは奇妙過ぎる。

 他国どころか大宦官にバレないように、ひっそりとしか動いていないというのに…。

 

 手を結ぶにあたって、白虎は多少ながら資金の援助、物資の横流し、さらには試験的に作るであろう鋼髏を贈る事を提案している。

 資金も戦力も大宦官を排除するうえで必要不可欠であり、話が真実であれば跳び付きたいところである。だが、目の前の男が何を考え、何のために手を貸すのかが全く理解できない。

 

 「私が得るメリットは理解したが、そちらのメリットはなんだ?まさか慈善行為という訳ではないだろう」

 「簡単だよ。腐りきった大宦官が支配する中華連邦に未来はない。ユーロピアはいずれ崩壊するだろうし、そうなればブリタニア一強になってしまう」

 「ならブリタニアに睨みを利かすためにも生かす道を選ぶか。ブリタニアと関係を持っておきながら」

 「喧しいわ。大事な者を護る為ならそっちだってするだろうが」

 

 思いもよらぬ子供っぽい反応に面食らう。

 これは何かの含みか、反応を伺う為の策か…。

 脳裏に色々と浮かび上がり、やがて思考が落ち着いて一つの予想が残った。

 

 「卑劣な謀略家と思ったが存外――」

 「その先を口にするなよ。こっちも分ってて言っているんだからな」

 

 気に入らないと言わんばかりに顔を歪め、そっぽを向いた様子に笑みが零れてしまった。

 どうやらこれが日本の英雄殿の素のようだ。

 同じ策謀を巡らす人物でも、大宦官とはまた別の意志を感じる。

 アイツらよりこちらの方が好感を持てる。

 敵でないなら尚更な。

 

 「大宦官よりも信頼できるようだ」

 「比較対象が最底辺なんだが」

 「信用も信頼も築いてない初対面で、多少信頼を勝ち取れたのなら上々だと思うが」

 「まぁ、チート級の実力者から得られた点では確かにそうだな」

 

 満足そうに笑みを浮かべた白虎は、一息つくとスッと表情を変化させ、先と同じく不気味な笑みを浮かべる。 

 

 「大宦官の排除にクーデターの支援、さらにはナイトメアの供与まで視野に入れている。君の専用機だって用意しよう。諸々を用意して、こちらは五年後には動く予定だ」

 「それまでにこちらの準備を済ませておけと」

 「別に済ませなければ他の手を考えるだけだが、出来れば君と組みたいのが希望だがな」

 

 素を曝け出してこっちに接してくれたおかげで、何と無しに彼の事は察せられる。

 協力体制を取るのも存外と悪くない。

 寧ろ彼を味方に付けれるなら好都合だ。

 だが、私は天子様の為にこの身を捧げる所存。

 

 「私は部下になる気はないぞ」

 「無論だ。君は天子様のお気に入りだ。手出しして機嫌を損ねたら、あやすのが大変そうだしね―――で、どうする?」

 「良いだろう。貴様の申し出を受けるとしよう」

 「契約成立かな。精々気張ると良い。自分の我儘を叶える為にもな」

 

 互いに己が望みを叶える為に、己が大事な者を守る為に、二人は固い握手を交す。 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。