艦隊これくしょん ~ナデシコの咲く丘で~   作:哀餓え男

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 言い訳をさせてもらうと、そういう気分だったんです(*´д`*)


第百六話 友達は神風だけでいい……

 

 

 

 神風とは仲が良かったのか?

 青木さんが言ってる神風ってどっちの神風ですか?

 紅い魔女って呼ばれてた方?それとも神凪(かんな)の方ですか?

 

 あ、神凪の方ですか。

 神凪とは今でも仲良いですよ?

 あの子一応は女優だし、私もトレーニングが忙しくて休みがなかなか合わないけど、休みがあった日は一緒に出掛けたり私の家に泊まりに来たりもします。

 

 いつ頃から仲が良いのか?

 う~ん……出会ったのはあの子が着任して少し経ったくらいかな。

 当時は私もあの子もはみ出し者で、お互いに一人で居る時間が多かったんです。

 そんなある日、暇を持て余してたのか一人でランニングしてたあの子を見つけたから声をかけたんです。

 

 はい、追い抜いて「おっそ~い!」って。

 そしたらあの子が張り合ってきて、ぶっ倒れるまでランニングという名の追いかけっこを続けました。

 

 え?今でもしてるのか?

 いやいや、この歳になってまで追いかけっこなんてしませんよ。

 って言うか、私って一応オリンピックの代表選手ですからね?長距離ならともかく短距離なら絶対に負けません。

 

 それから仲良くなったのか?

 たしかに、それからしばらくの間は時間さえ合えば一緒に居ました。艦娘になった理由を話したのもその頃だったかな。

 

 でもしばらくして、あの子の姉妹艦が次々に着任して一緒に行動するようになった頃から距離を置くようになりました。

 

 どうして?

 私もあの子もはみ出し者だったって最初に言ったでしょ?それが理由です。

 せっかく友達が出来たのに、私みたいなのと一緒に居たらまた仲間はずれにされる。そう考えたら、あの子の傍に居られなくなったんです。

 

 それから二年、大方三年かな。は、お互いに干渉せず過ごしてたんですけど、捷一号作戦が発令される数日前くらいに、今度はランニングしてた私を追い越してあの子がこう言ったんです。

 

 はい、「おっそ~い!」って言われました。

 

 

 ~戦後回想録~

 元島風型駆逐艦一番艦 島風へのインタビューより。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 「ねぇねぇ、こんな所で寝てたら風邪ひくよ?」

 「べつに寝てる訳じゃない……」

 

 動けないだけ。

 例によって朝から先輩のしごき……いや拷問……いやいや訓練で疲れ切って浜辺に艤装をほっぽり出して大の字になってたら、島風型特有の自律型機動砲塔、通称『連装砲ちゃん(×3)』を連れた島風が私のホッペをツンツンしながら声をかけて来た。

 まあそれは良いとして、相変わらず凄い格好してるわねこの子。ただでさえ、ちょっと動くだけで下着が丸見えなくらい短いスカートなのに、しゃがんだら私の位置からだと中身まで見えそうなんだけど……。って言うか若干見えてるし……。

 

 「ずぅ~っと見てたけど、あの人って凄いね。艦娘でもないのに」

 「そりゃ凄いわよ。なんたって私の先輩……って、見てたの?」

 「うん、呉から戻ってずぅ~っとやってるよね?」

 「それ、暗に戻ってからずぅ~っと見てたって言ってない?」

 「見てたよ?」

 

 いや、見てたよ?

 って心底不思議そうに言われても困る。

 捷一号作戦の前に、相も変わらず一人ぼっちだったこの子に声をかけて再び友達と呼べる関係に戻れたのは確かだけど、困った事にそれ以来、今度はストーカー一歩手前みたいな事をするようになったの。

 例えば今この子が言ったように、物陰から私の一挙手一投足を観察したりね。

 酷いのになると、朝起きたら布団に潜り込まれてたりしたわ。鍵は閉めてたはずなんだけどなぁ……。

 

 「マッサージ、してあげようか?」

 「あ~助かるかも。でも出来るの?」

 「見よう見まねだけど出来るよ。艦娘になる前はパパによくしてもらってたから」

 

 はて?

 パパにマッサージしてもらってたと聞いて卑猥に感じるのは何故だろう?いやいや、邪推しすぎよ神風。

 いくら最近の島風がストーカーになりかけてるって言っても確定はしてないし、島風がパパにしてもらってたと言うマッサージの後ろに(意味深)って付くとは限らないじゃない。

 だから大丈夫。

 マッサージにかこつけて、私にR-18認定食らいそうな行為をしてくることはない。絶対にね!

 

 「じゃあ……お願いしようかな」

 「おっけ~。あ、でもここじゃなんだから、私の部屋か神風の部屋行こう」

 「私……動けないんだけど。それに艤装も片付けないとだし」

 「でもここじゃあ簡単なマッサージしかできないよ?」

 「簡単なので良いからここでして」

 

 べつに、島風がマッサージを理由にして私を密室に誘い込んで手籠めにしようとしてるとかって疑ってる訳じゃないし、お願いしようかなって言った瞬間に島風がニヤリとしたからじゃないわ。

 今の私は汗だくだし、砂浜に寝転んでたせいで汚れてるから遠慮したの。

 

 「じゃあ始めるからうつ伏せになって。あ、でもその前に……」

 「何?」

 「これ、何か敷かないと汚れるからこのシートの上にうつ伏せになって」

 

 今どこから出した?

 島風の服に隠せるようなスペースはないのに、島風はどこからともかくブルーシートを取り出して、連装砲ちゃんたちと協力して私の横に敷いた。

 この子、普段からこんな物を持ち歩いてるの?何のために?

 

 「こ、こうで良い?」

 「うん、そうやって両手を枕代わりにしてくれてたら良いよ。あとは……」

 「何……ってちょっ……!」

 

 うつ伏せになろうとしてた私の両肩に手を添えた途端、島風は着物を勢いよく下にズラした。

 ええ見事に剥かれたわ。

 今の私の上半身を覆っているのは胸部のサラシだけ。しかも剥かれたと同時にブルーシートに押し付けられたからまともに抵抗出来なかったし。

 

 「ちょっと島風!こんなところで脱がすなんてどういうつもり!?」

 「だって服が邪魔なんだもん。それに神風、どっちかの部屋行こうって言ったのに嫌だって言ったじゃん」

 「それは……その、脱がされるなんて思ってなかったし……」

 

 そう聞いてたらどちらかの部屋に行ってたわ。

 まあ、この辺りをうろつくのは艦娘くらいのものだから、裸を見られたところで失うモノは少なくて済むけど……。

 

 「じゃあ始めるね。痛かったら三回回ってワン!って言うんだよ~」

 

 いやいや、アンタが腰に乗ってる状態でどうやって三回回れと?って、抗議の声を上げる間も与えてくれず、島風は肩を優しく揉み始めた。

 う~ん、気持ちいいけどちょっと弱いかな。なんて言うか、マッサージって少し痛いくらいじゃないと効いた気がしないし。

 

 「だいぶ凝ってるね。この辺とかどう?」

 「あぁ~そこそこぉ。それすっごくいい」

 

 肩甲骨から首筋にかけて揉みほぐされるのが予想外に気持ち良かったからついオッサンみたいなリアクションとっちゃった。

 でも、筋肉がほぐれていくにつれて血行も良くなってるのか眠気が出て来たわ。

 島風の鼻息が妙に荒いのが気にはなるけどこのまま寝ちゃおうかしら。

 

 「腰もだいぶ凝ってるね。あの海面をピョンピョン跳んでるヤツって腰にくるの?」

 「そうなのよ~。脚技って言うんだけど、下半身への負担がハンパなくてさぁ」

 

 ホントに寝ちゃいそう。

 なんか島風が「ここが命門って言って、体力アップにも効果があるんだよ」とか「それでここが腎兪でこっちが志室。この二つは肝臓機能の活性化にも効果があるよ」なんて説明しながら押してくれてるけど頭にまったく入ってこないもん。

 

 「そう言えばさ、作戦中は仲良くできた?」

 「誰と?」

 「誰とって……同じ艦隊になった人たちとよ。駆逐艦だと夕雲型の人だったっけ?」

 「あ~……話くらいはしたよ?最初は輪に入りにくかったけど長波が仲立ちしてくれたから」

 

 なら良かった。

 作戦中は気にする余裕がなかったけど、島風が艦隊メンバーと上手くやれてるかそれなりに気にはしてたのよ。

 

 「でも……」

 「でも?」

 「友達は神風だけでいい……」

 「気持ちは嬉しいけど、友達は多いに越したことはないんだから仲良くしときなさい」

 

 とは言ったものの、嬉しさで顔が若干ニヤけてしまった。それに少し拗ね気味に「神風がそう言うならそうする」って言った島風が可愛すぎる!

 体が動けば頭を撫でるくらいはしてあげるのになぁ。

 

 「よっと」

 「ふぁ!?ちょっ……!島風!?」

 「何?動かれたらやりにくいからジッとしててよ」

 「いや!袴!袴を脱がす必要あるの!?」

 「もちろんあるよ。今からお尻をほぐしてそのまま足に移るから」

 

 あ、お尻もほぐすのね。それならまあ仕方がない……ってなるか!こんな人目につく場所でサラシと下帯だけでいるなんて堪えられないわよ!

 

 「あーもう!連装砲ちゃん、神風の足押さえて!」

 「待って島風!そういう事なら部屋にぃぃ!?」

 

 上体を起こそうとした途端に島風が腰にドカッと乗ったせいで腰から変な音が鳴っちゃった。

 それに両足は連装砲ちゃん二……人?二基?それとも二機?が押さえてるからピクリとも動かせない。

 残りの一基はと言うと、どこから持って来たのか洗面器の中にドロっとした液体を入れてお湯で溶いてるわ。

 凄く手慣れてるけどアレって何?

 まさかとは思うけどローション的な物じゃないよね?

 

 「あん……っ!ちょっ、そこダメぇん!」

 「へぇ、神風は()()が弱いんだ」

 「イジるな……あん!やめ、ソフトタッチもダメ!本当に……んん!」

 

 連装砲ちゃんたちが私の両足をグイッと広げたと思ったら、今度は島風が私のデリケートゾーンやや後方を執拗にイジり始めた。

 ハッキリとどことまでは言わないわよ?ハッキリ言っちゃったらR-15じゃ済まなくなっちゃうし、ソコが弱いと知っちゃった私の羞恥心がMAXを通り越してゲージを振り切っちゃうから!

 って言うかこの子、やっぱりそっちの気があったの!?

 

 「あ、出来た?ありがとう」

 「で、出来たって何が……ひゃっ!」

 「ん?熱かった?」

 「いや、熱くはないけど……何を塗ってるの?」

 「え?ローションだけど?」

 

 ローションだけど?じゃない!

 そんな物塗って何する気なのよ!もしかしてローションマッサージ?それとも男の人が行くお風呂屋さんでしてもらえると噂のマットでのプレイ的なヤツ?

 後者だったら全力で逃げるよ!?

 

 「連装砲ちゃん、神風の両手を押さえといてね」

 「キュッ!」

 

 あ、連装砲ちゃんって鳴くんだ。って、それは今どうでもいい。

 島風の指示に従った連装砲ちゃんは、そのズングリムックリした体型からは想像も出来ないほど華麗な動きで私の両腕を伸ばして拘束した。

 ヤバい。本当に身動きが取れない。

 せめて両腕が自由な内に本気で抵抗しとくべきだった……。

 

 「よっと」

 「ね、ねえ島風。一応聞くんだけど……。アンタ、もしかして服脱いでない?」

 「脱いでるに決まってるじゃん。じゃないと服がローションまみれになっちゃうし」

 

 ですよね。

 いや、私の背中を柔らかいモノが前後し始めたからまさかとは思ったのよ?思ったけど、まさか自分の上半身にローションを塗って押し当ててくるとは想像してなかったからさ。

 

 「どう?気持ちいい?」

 「気持ちいいって言うか……」

 

 変な気分になってくる。

 ちなみに島風は今、私の左足に身体を密着させて前後してるわ。

 人が身体をヌメヌメと這い回るなんて初めての経験だし恥ずかしいのに、ヌメッとした島風の身体の感触が不思議と心地良くてこのままでも良いかな……って思ってる自分がいるわ。

 

 「ちょっとお尻を上げてくれる?そう、それで良いよ」

 

 何故か素直に言うことを聞いてしまった。

 ボケ~ッとした頭に何をする気なんだろうって疑問が浮かんだけど、疑問に思った時にはもう遅かった。

 島風は私の股の間に入り、お腹の下に右脚を折り畳んで滑り込ませて一気に……

 

 「ひゃんっ!」

 「気持ち良いでしょ。特にこうすると……」

 「やめ、コレ本当にヤバい……あん!」

 

 下着越しではあるけど私と島風の大事な部分が触れあってる。

 春風が持ってた不自然に薄い本で見た程度の知識しか無い私でもコレは識ってるわ。コレはたしかに、女の子同士がアレしちゃう時の……所謂貝合わ……。

 

 「やめ…て島風、女の子同士でこんなの……ふぅっ!」

 「大丈夫だよ神風。私も初めてだから……」

 

 ぜんぜん大丈夫じゃない!

 だいたい、初めてなのになんでそんなに上手いの?

 いや、性技の善し悪しなんてわかんないけど、そのわかんない私が頭の片隅で「もうこのままでも良いかな……」なんて考えちゃうくらいには上手いんだもの。

 って言うかもう、頭の天辺辺りがビリビリしてて何も考えられない。

 

 「アンタら……こんな所で何やってんのよ……」

 「せ、先輩!?いつからそこに!?」

 

 私と島風が初めて経験する快感に心まで堕ちそうになったとき、ジャリッと砂を踏み締める音と共に先輩が声をかけてきた。

 しかも心底呆れた顔で。

 

 「アンタが島風にマッサージされ始めたくらいかな」

 「ほぼ初めからじゃないですか!どうして止めてくれなかったんです!?」

 「それより服着たら?もうすぐ午前の哨戒に出てた子達が帰ってくる頃よ」

 

 それは本当にマズい。

 噂話が三度の飯より大好きな駆逐艦にこんな事後風景を見られたら、瞬く間に私と島風がそういう関係だって鎮守府中に知れ渡っちゃうわ。

 でも困った事に……。

 

 「島風、そういう事だから連装砲ちゃんたちを……」

 「え~!もうちょっとなのに~?」

 「何がもうちょっとなのかまではツッコまないから早く退けて。お願いだから!」

 

 少しだけ強めの口調で言ったら、島風は「突っ込めるモノなんてないじゃん……」って言いながらも、連装砲ちゃんに退くよう命じて自身も私の股の間からヌルリと抜け出て服を着始めた。

 だいたい突っ込めるモノって何よ。って、ツッコんだら負けな気がするから絶対にツッコまないけど。

 なんて心に誓いながら、ヌルヌルと滑るブルーシートに苦戦しつつも服を着て、「とりあえずお風呂にでも入って来なさい」という先輩の助言に従って島風と一緒にお風呂へと向かった。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

 お風呂で二回戦?

 んな訳ないでしょ!

 たしかに、全身についたローションをちゃんと落とすために島風とお互いに洗いっこはしたけどそれ以上はしなかったんだから!

 

 それから付き合いだしたのか?

 ち、違っ……!付き合ってない!あの一件以来そういう噂が立っちゃったけど私と島風はただの友達だから!そう!アレは島風の行き過ぎたスキンシップってだけよ!

 

 って言うか、その噂が立ったのって青木さんのせいですよね!?

 そうよ!思い出した!その週の『週刊 青葉見ちゃいました!』の記事が原因だわ!

  

 何よあの『風紀の乱れもここまで来たか!駆逐艦同士の真昼の情事!』って見出し!

 顔にモザイクはかけられてたけど、私の髪色と連装砲ちゃんたちがバッチリ写ったままだったから私と島風だって丸わかりだったじゃない!

 

 アレのせいで私はレズのレッテルを貼られたし、それを真に受けた春風が毎晩毎晩布団に潜り込んでくるようになって大変だった……って何?

 春風も加わって3Pしてたのかって?んな訳ないでしょ!私ノーマルだからね!?

 

 え?そういうのはいい?よかないわよ!

 まあ、あの記事が原因で私がヤケになって、大会で磯風にあんな事をしたんじゃないかって同情してもらえたのが救いと言えば救いだったけど、それでもレズのレッテルは剥がれなかったんだからね!?

 

 って、ちょっとどこ行くのよ。

 まだ話は終わってないから逃げるな。あの時の恨みを今晴らしてやるからそこに直れ!

 青木ワレェェェェェェェ!

 

 

 ~戦後回想録~

 元駆逐艦 神風へのインタビューより。

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  • 神風(二部主役である初代。桜子さん含む)
  • 大和(影が薄い三部主役)
  • 紫印 円満(実質三部の主役?)
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