艦隊これくしょん ~ナデシコの咲く丘で~   作:哀餓え男

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第百五十七話 何度でも、沈めてあげる

 

 

 

 

 

 大和が大淀と決闘させてくれって言ってきたのは、大淀が出産した一週間後だったかしら。

 ええ、もうすぐ退院って頃に、自身の体を鎖でグルグル巻きにして執務室に来てそう言ったわ。

 

 いや、さすがに呆れたわよ。

 その時はちょうど、先生と辰見さんを交えて欧州遠征の打ち合わせをしてたんだけど、そんなクソ真面目な話し合いの場にそんな格好をした大和が飛び込んで来るなり「大淀と決闘させてください!」なんて言えば呆れるでしょ?

 

 え?どうして大和が鎖でグルグル巻きになってたのか?

 そりゃあ、大淀に直接決闘を申し込むためよ。

 アンタだって、奇兵隊の怖面に囲まれた状態で出産後の大淀を取材してたんだから知ってるでしょ?

 そう、入院中の大淀とその子供は、横須賀鎮守府に詰める奇兵隊が総力を挙げて護衛してたからよ。

 特に大和は要注意人物だったわ。

 だから大和は「自分には害がない。だから面会させてくれ」という意思表示も兼ねて、自分の体を鎖でグルグル巻きにしてたのよ。

 

 決闘の申し込みは受理されたのか?

 いや、アンタ司会してたじゃない。

 私は反対したけど、先生が「大淀のリハビリ相手にちょうど良い」とか言いだして、後は大淀が承諾するかどうかって流れになったわ。

 

 ええ、私が連れて行ったわ。

 先生的にも、辰見さんと内緒の話をしたかったらちょうど良かったみたいだったから。

 

 

 ~戦後回想録~

 横須賀鎮守府司令長官。紫印 円満中将へのインタビューより。

 

 

ーーーーーーーーーーー

 

 

 もう何年も前になりますが、私は朝潮だった頃に長門さんを鎖で簀巻きにして天井クレーンで吊した事があります。

 大淀になってからは見向きもしなくなりましたが、当時の彼女は私の姿を見るなり飛び付いてきてましたから当然の処置です。

 でもまさか、私と面会するために自分で自分を鎖で簀巻きにする人が存在するとは、今の大和さんを見るまで考えもしませんでした。

 

 「まあ、ここまでしてアンタと話がしたいって言うんだから聞いてやってくれない?」

 

 とは言いましてもですね円満さん。

 この状態の大和さんとは何を話してもギャグにしかなりませんよ?だって鎖で簀巻きになった上に……「それ、売ってるんですか?」って聞きたくなるようなポール付きの台車に吊されてるんですから。しかも真剣な顔のままで。

 そりゃあ、ここまでその状態の大和さんを連れて来たのは円満さんですから同情の一つもしたのでしょうが、私と桜子さんは呆れすぎて開いた口が塞がりませんよ。

 私の腕の中で寝息を立てているこの子の目がまだ開いていないのがせめてもの救いですね。

 

 「その子が貴女の子供ですか?」

 「え、ええ……」

 

 私を見つめていた大和さんが視線を息子に落としながらそう言ったので、失礼かとは思いましたが思わず大和さんから隠すように背中を向けてしまいました。

 大和さんの表情に変化はありませんが……。

 いえ、徐々にですが口角が上がってきてるような気が……。

 

 「かぁわいいなぁ♪ペロペロしたい♪」

 「桜子さん!叩っ切ってください!今すぐ!」

 

 やはり警戒して正解でした。

 私は完全に背中を向けて我が子をガードし、護衛の桜子さんに撃退をお願いしました。

 だってながもん以上に気持ち悪いんですもの。

 器用にも大和さんは、怖気が走るほどニヤけた顔をしたまま、吊された状態で体を前後に揺らしているのです。

 

 「こら。そんな話をしに来たわけじゃないんでしょう?」

 「だって可愛いじゃない!円満だって可愛いと思うでしょう?」

 「そりゃあ思うけど……」

 「じゃあ止めないで!見るだけで我慢するから止めないでちょうだい!」

 「しょ、しょうがないわね……」

 

 いやいや、私と主人の子が可愛いのは当たり前なんですから、そこで言い負かされずになんとかしてくださいよ。

 今の私には彼女を撃退する術がないのですよ?

 

 「桜子さん……」

 「気持ちはわかるけど、害はないみたいだから我慢しときなさい。本当に危なくなったら何とかするから」

 

 害なら十分過ぎるほどありますが?

 桜子さんが止めないのって、今の大和さんと私の反応が面白いからですよね?

 でも私は、彼女の舐め回すような視線を体に感じて気持ち悪いんです。吐いちゃいそうなんです。

 こんなに気持ちが悪いのはタウイタウイで窮奇と戦った時以来……。

 

 「も、もしかして窮奇が出て来てるんですか?」

 「いえ、今引っ込めました」

 「あ、そうですか」

 

 大和さんが豹変した理由に察しがついたので聞いた途端に、彼女は元の真剣な顔に戻ってしまいました。

 その表情の変化がツボに入ったのか、桜子さんは爆笑し始めました。

 

 「貴女にお願いがあるんです」

 「お願い……ですか?」

 

 大和さんが私にお願いとは意外ですね。

 でも、私にお願いがあると言いつつ視線は私の背中、その先にいる我が子を見つめているように思えます。

 ま、まさか、この子をくれと言うつもりなのでしょうか。

 確かにこの子は今時点でも目鼻立ちが整い、将来は女性なら誰もが振り向くような美男子になるのは確定的に明らかです。

 それに加え、海軍最強と謳われる私の才能と、その私を上回るほどの武術の才を持ち、海軍元帥まで上り詰めるほどの謀略と人脈に長けた主人の才能を受け継いでいる可能性もあるのです。

 さらに聞いた話によると大和さんは独り身。

 そんな彼女が、将来有望なこの子を私から奪い、逆光源氏計画を練っていたとしても不思議ではありません。

 

 「最近はこんな事ばっかり考えてるのよ?すっごい変わり様でしょ」

 「ええ、実際に見てビックリしたわ。出産前は先生の事ばっかり考えてたのに」

 「私は逆光源氏計画など練っていません」

 

 ちなみに今の発言は桜子さん、円満さん、大和さんの順でされています。

 ええ、ええ、今更ですよ。

 私は考えている事がこれでもかと顔に出ますからね。

 円満さんや桜子さんクラスの人なら私の考えを正確に予想するなど造作もないでしょう。

 大和さんがそのクラスの人だったのは意外ですが。

 

 「怒らないで聞いて欲しいんだけど、私と大和、正確には窮奇か。は、捷一号作戦の会議前にある約束をしたの」

 「約束……ですか?」

 

 このままでは話が進まないと判断したのか、円満さんは大和さんが言いたいことを代弁するかのようにそう切り出しました。

 窮奇と円満さんが約束?

 しかも、私に怒らないでくれとはいったいどういう……。

 

 「ええ、深海棲艦に関する情報と引き換えに、アンタとの再会と共闘、そしてもう一つ約束したわ」

 「当事者の私に断りもなくですか!?」

 「悪いとは思ってるわ。でも、アンタに言ったら全力で拒否ったでしょ?」

 「そりゃあ……まあ」

 

 当然です。

 先の二つは事情もあって達成される事になってしまいましたが、できることなら再会も共闘もしたくありませんでした。

 いや、待ってください?

 今もう一つってう言いませんでした?言いましたよね!?

 もう一つの約束っていったい……。

 

 「じゃあ今日はもう一つの約束を果たしに来たってこと?」

 

 何ですか?

 と、私が口にするよりも早く桜子さんが円満さんに訪ねました。

 しかも、瞳を爛々と輝かせて。

 これは非常にマズいです。桜子さんがこんな目をしてると言う事は面白い事になると判断した証拠です。

 いえ、もっと簡単に言いましょう。

 私と大和さんで遊ぶ気満々ですよこの人!

 

 「そうよ。もっとも、大和まで同じ事を望んだのは予想外だったけどね」

 「ほうほう、大和と窮奇共通の願いって訳ね」

 

 瞳を爛々とさせるだけに留まらず、口を猫みたいにして楽しそうにしている桜子さんは放っておくとして、もう一つの約束とやらからは嫌な予感しかしません。

 私を弟さんの仇として憎んでいる大和さんと、私を愛してるとか言いながら散々殺そうとした窮奇。

 そんな二人が望みそうなことと言ったら…………。

 

 「もう一つの約束、それは……」

 「大淀を抱きたい!抱かれるのも可!」

 「斬ってください桜子さん!遠慮なくスパッと!」

 

 円満さんが約束の内容を口にしようとした途端にまた窮奇が出てきました。

 しかも、さっき以上に気持ち悪く顔を歪ませて。

 朝潮だった頃は私も似たような……いえ、ここまで気持ち悪くはなかったはずですが同じ症状を抱えていました。あの時の満潮ちゃんも、こんな複雑な気分で私を見ていたのでしょうか……。

 

 「まあ落ち着きなさいよ。けっこう面白いわよ?」

 「そりゃあ桜子さんは面白いかもしれませんが、あの変態に狙われてる私は面白くもなんともありません!」

 「だから落ち着きなさいったら。赤ちゃん起きちゃうわよ?」

 

 おっと、よくよく考えたら結構な声量で騒いでました。

 そう思い至って我が子に視線を向けてみたら、今も変わらずスヤスヤと眠っていました。

 こんな状況でここまで熟睡できるなんて図太い神経していますねこの子。これは将来、かなりの大物になるかもしれません。

 

 「その子が将来大物になるかどうかは取り合えず置いときなさい。窮奇も一回引っ込んで。アンタが出て来たら話がまったく進まないんだから」

 「だ、だが円満、大淀を前にして理性を保つのはとても大変で……」

 「じゃあこのまま連れて帰る。最後の約束も無しよ」

 「そんな殺生な!」

 「殺生じゃない。嫌なら大和と交代しなさい。さもないと本当に連れて帰るわよ?」

 

 なんだか仲が良いですね。

 いつの間に円満さんは窮奇とそこまで仲良くなったんでしょう。まあ、仲が良いとは言っても円満さんが主導権を握っているようですけど。

 あ、ちなみにですが、円満さんが当然のように私の思考を読んだのは今さらなので無視します。

 

 「提督。ここからは私に話させてください」

 「あ、引っ込んだ?」

 「はい。まだブツブツいっていますが、話が終わるまでは大人しくしているつもりみたいです」

 

 窮奇が引っ込んだのは悦ばしですが、コロッと表情を変えるのやめてくれません?

 ギャップが凄いんですよギャップが!

 だって、さっきまで変態も裸足で逃げ出しそうなほど蕩けきった顔をしてたのが一瞬でキリッ!って擬音が聞こえてきそうなくらい凛々しい顔に変わるんですよ?

 ついに爆笑どころか腹筋を崩壊させた桜子さん程ではありませんが、大和さんの表情の変化が面白くて私まで笑ってしまいそうになります。

 でも、笑う訳にはいきません。

 頭の悪い私でも、大和さんが何かを決意しているのは十分わかりますから。

 

 

 

ーーーーーーーーーーー

 

 

 大淀と大和の決闘を反対した理由?

 そんなの決まってるじゃない。

 

 あの二人の場合は、使用するのが模擬弾だろうがペイント弾だろうが殺し合いになるからよ。

 ええそう。

 大淀の場合は大淀式砲撃術の4~6や、装甲の厚さなんか関係なしに対象を沈める衝角戦術を使った格闘戦。

 大和の場合は二つのハドウ砲ね。

 

 アンタだってあの決闘を見て絶句してたでしょ?

 あんな艦娘の常識を無視した戦いなんてあの二人にしか出来ないわよ。

 

 正直、あの二人には弾薬を補給しなくてもいいじゃない?って考えちゃったくらいだからね。

 

 

 

 ~戦後回想録~

 横須賀鎮守府司令長官。柴印円満中将へのインタビューより。

 

 

 

ーーーーーーーーーーー

 

 

 

 「以前、貴女に言いましたよね。私は貴女が嫌いです。って」

 「ええ、言われました。その気持ちは今も変わってないのでしょう?」

 「はい。変わっていません。ですが……」

 

 好感も抱いています。

 貴女が戦う姿は美しい。

 砲撃も、雷撃も、舞うように海面を駆け抜ける姿も全てが美しい。そして、愛する人のために自分にできる事を全て駆使して尽すその生き方も。

 あの時、弟の亡骸を抱いて泣いていた私を魅了した時よりも今の貴女は美しい。

 

 「『大和』として覚醒する前は、貴女への恨みだけが生きる糧でした。貴女に復讐する事だけが目的でした」

 「今は、違うと?」

 「ええ、今は違います」

 

 『大和』として覚醒してしばらくは迷走しました。 

 何のために人としての生を得たのかわからず、それを知るために死ぬことばかり考えるようになりました。

 でも、あの子が変えてくれました。

 あの子は私に生きる目的を与えてくれました。人として生き続けたいと思えるようにしてくれました。

 今の私は以前の私とは違う。

 今の私は生きる目的を得、自分なりの戦い方を確立し、仲間を得て大規模改装も果たし、妖精の信頼も取り戻しました。

 でも一つだけ心残りがあります。

 それは……。

 

 「貴女が戦えるようになるまで待ちます。だから……」

 

 勝つにせよ負けるにせよ、貴女と決着を着けないと私はこれ以上前に進めません。

 『穴』を塞ぎ、あの子と私が生き続ける世界を勝ち取る戦いに挑むためには未練を残した状態ではダメです。窮奇に反対されるんじゃないかと心配になりましたが、彼女も同じ事を望んでいました。

 故に全力、いえ全力以上で私は戦えます。

 二対一で卑怯な気もしますが、私と窮奇は同一人物なので問題はないでしょう。

 捷一号作戦時よりも強くなっている貴女に、戦艦大和は戦いを挑みます。

 

 「私と決闘してください」

 

 私が大淀の目を真っすぐ見ながらそう言い放つと、大淀は視線を腕に抱く子供に落としました。

 まさか、子供が生まれたから危ない事はしたくないとでも考えているのでしょうか。

 先ほどまでは顔に文字が浮かんでいると錯覚するほど考えていることが分かりやすかったのに、今の大淀の表情からは何を考えているのか読み取れません。

 

 「円満さん。この話、主人は知っているのですか?」

 「ええ、知ってるわ。なんて言ったか聞きたい?」

 「いいえ、結構です」

 

 大淀はそう言って視線を私に戻しました。

 断る気?それとも受けてくれるのですか?

 提督と桜子さんも大淀の考えが読めないらしく、大淀が口を開くのを静かに待っています。

 

 「桜子さん。私が戦えるようになるまでどれくらいかかりますか?」

 「高速修復材を使えば明日には可能よ。でもお父さんが使わせないでしょうし、衰えた筋肉や戦闘の感を取り戻さなきゃダメだから2~3か月ってところかしら」

 「そうですか。円満さん、欧州への遠征はいつを予定していますか?」

 「正確な日時はまだ調整中だけど、来年の三月に出発できるよう準備を進めてるわ」

 

 ならば時間は問題ないですね。

 それに、そんな事を聞くという事は決闘を受けてくれるという事。私と戦ってくれる気になったと判断していいでしょう。

 

 「ねえ大淀、お父さんが何て言ったかわかんないのに決闘を受けるの?」

 「はい、お受けします。桜子さんにはあの時に言ったじゃないですか。勝負ならいつでも受けて立つ覚悟ですって」

 「そりゃそうだけど……」

 「だから、主人が反対してたら一緒に説得してくださいね?」

 「え?やだ。だって反対してるんなら絶対にマジモードになってるもん。マジモードのお父さんは怖いから絶対に嫌」

 「まあそう言わずに」

  

 大淀が承諾してくれたのは良かったですが、元帥さんが賛成している事を知らない二人が「おねがいします」とか「だから嫌だって」などと問答を始めてしまいました。

 提督と元帥さんの許可が取れていることも一緒に伝えるべきでしたね……。失敗しました。

 

 「二人ともストップ。先生の許可は下りてるからそれは心配しなくても良いわ」

 「あ、そうなのですか?」

 「ええ、私と同じで反対するかと思ってたのに意外と乗り気だったわ」

 

 確かに意外でしたね。

 私と提督はもちろん、一緒に話を聞いていた辰見さんもビックリしていましたし。まああの人って腹黒そうですから、きっと何か企んでるんでしょうけど。

 

 「では改めて。大和さん、決闘をお受けします。それで、一つお願いがあるのですが……」

 「なんですか?」

 「窮奇と、話をさせてもらえませんか?」

 「窮奇とですか?」

 「ええ、どうしても話しておかなければならない事がありますので」

 

 窮奇にいったい何の話が?

 まあ私としては、決闘を受諾してもらえたので彼女にこれ以上用がないですから構いませんよ。

 それに、窮奇も「大淀が呼んでる!早く代われ!」と五月蠅いですし。

 

 「あ、あの……。何か用?」

 

 あんれぇ~?

 さっきまで早く代われと急かしていたの変わった途端にしおらしくなっちゃいました。それだけに留まらず大淀とまともに目を合わせようとしません。

 大淀をチラッと見ては視線を逸らすというのを繰り返しています。

 

 「貴女が私と戦いたいのは4年前の復讐ですか?」

 「復讐?どうして?」

 「だって私は貴女を沈めたんですよ?復讐を考えるには十分な理由のはずです」

 

 ふむふむ、大淀は窮奇が戦いたがっている理由を知りたかったんですね。

 そして以前、深海棲艦だった頃の窮奇を自らの手で沈めた経験から、その理由を復讐と予想した。

 でも私は違うと思います。

 窮奇は復讐なんて望んでいない。

 もし復讐が目的で艤装に意識を残し続けたのなら、捷一号作戦時に共闘などせず背中から撃つくらいはしたでしょう。

 

 「私は貴女と愛し合いたいだけ」

 「それなのに決闘ですか?」

 「ええ、貴女と撃ち合っている時が一番繋がってると思える。生きていると実感できる。撃ち合っている時が一番貴女と溶け合っている」

 

 例えそれが、命の奪い合いだとしても。ですか?

 どうやら窮奇にとって、愛情と殺意はイコールのようですね。

 だから、彼女との決闘を望んだ。最も愛した彼女と、数年の時を経て再び殺し合う(愛し合う)ために。

 

 「理解してくれなくてもいい。でも、貴女ともう一度愛し合わないと私は……私は……」

 

 私の顔が歪んでいるのを感じます。

 視界も歪んで来ています。

 恐らく窮奇は、今にも泣きそうな顔で大淀を見ているのではないでしょうか。

 

 「わかりました。貴女の望みを叶えましょう」

 「じゃあ……」

 「ええ、本気でやり合いましょう。ですが覚悟しておいてください。私は以前の私とは比べ物にならないほど強いですから」

 「それは私も同じよ。今度こそ貴女を沈めてあげる。貴女が何度生き返ろうと何度も、何度も何度も何度も、何度でも……」

 

 鼓動が早くなってきました。

 それに呼応するように、窮奇の愛情と表裏一体の殺意が私の内側に広がっていきます。

 そして大淀はそんな窮奇に応えるように瞳を鋭くし、「それは私のセリフです」と割り込んだ後、窮奇と同じタイミングでこう言いました。

 

 「「何度でも、沈めてあげる」」と。

 

 

主要キャラ人気投票

  • 朝潮(一部主役である二代目。大淀含む)
  • 神風(二部主役である初代。桜子さん含む)
  • 大和(影が薄い三部主役)
  • 紫印 円満(実質三部の主役?)
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