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第百五十九話 アンタ自身が考えて
欧州遠征艦隊。
総司令官 紫印 円満少将
副司令官 呉提督
第一特務戦隊。
旗艦 大和
次席旗艦 矢矧
随伴艦 初霜 霞 雪風 磯風 浜風 朝霜 涼月
第二特務戦隊。
旗艦 Warspite
随伴艦 Nelson Ark Royal Jervis (さらに5名、ロンドン入港後に合流予定)
第三特務戦隊。
旗艦 Iowa
次席旗艦 Colorado(グアム寄港時合流予定)
随伴艦 Saratoga Intrepid Gambier Bay Samuel B.RobertsSamuel Fletcher(グアム寄港時合流予定) Johnston
攻略艦隊指揮官 辰見 天奈大佐
第一攻略艦隊
主力艦隊
旗艦 長門
随伴艦 武蔵 瑞鳳 祥鳳 鳥海 摩耶
前衛艦隊
旗艦 阿武隈
随伴艦 暁 Верный 雷 電 木曾
第二攻略艦隊。
主力艦隊
旗艦 金剛
随伴艦 比叡 榛名 霧島 利根 筑摩
前衛艦隊
旗艦 神通
随伴艦 陽炎 不知火 黒潮 北上 大井
第三攻略艦隊
主力艦隊。
旗艦 扶桑
随伴艦 山城 伊勢 日向 千歳 千代田
前衛艦隊
旗艦 川内
随伴艦 白露 時雨 海風 江風 山風
機動部隊指揮官 鳳翔
第一機動部隊
主力艦隊
旗艦 赤城
随伴艦 加賀 蒼龍 飛龍 朧 秋月
前衛艦隊
旗艦 那珂
随伴艦 野分 嵐 萩風 舞風
第二機動部隊
主力艦隊
旗艦 瑞鶴
随伴艦 翔鶴 鈴谷 熊野 照月 初月
前衛艦隊
旗艦 球磨
随伴艦 曙 漣 潮 村雨 夕立
第三機動部隊
主力艦隊
旗艦 大鳳
随伴艦 雲龍 天城 葛城 古鷹 加古
前衛艦隊
旗艦 長良
随伴艦 名取 夕雲 巻雲 風雲 長波
対潜艦隊及び海外艦隊指揮官
長倉良子中将、佐世保提督
対潜艦隊
第一対潜艦隊
旗艦 五十鈴
随伴艦 大鷹 占守 国後 八丈 石垣
第二対潜艦隊
旗艦 天龍
随伴艦 龍田 択捉 松輪 佐渡 対馬
第三対潜艦隊
旗艦 鬼怒
随伴艦 神鷹 福江 日振 大東
独国艦隊
旗艦 Bismarck
随伴艦 Graf Zeppelin Prinz Eugen Z1 Z3
伊国艦隊
旗艦 Italia
随伴艦 Roma Aquila Zara Pola G.Garibaldi(スエズ突破後、伊仏合同軍との合流時に編成予定) Maestrale Libeccio
潜水艦隊指揮官 大湊提督
潜水艦隊
第一潜水艦隊
旗艦 伊168
随伴艦 伊8 伊19 伊26 Luigi Torelli
第二潜水艦隊
旗艦 伊58
随伴艦 呂500 伊13 伊14 伊400 伊401
工廠班並びに直衛艦隊指揮官
大城戸 澪中佐、荒木恵中佐
工廠班
明石 夕張
ワダツミ直衛艦隊
旗艦 阿賀野
随伴艦 親潮 初風 天津風 時津風 浦風
他、各艦種交代要員多数。
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「まあ、毎度恒例よね」
「何が?満潮」
「何でもないわ円満さん。ただ、こんな人数をワダツミに収容できるのかなって思っただけ」
嘘だけどね。
本当は、これから交代要員の名前を書き出さなきゃならないと考えたら少し嫌気がさしたの。
だって、今書き出したのは欠員が全く出ていない状態であって、これから欠員が出た場合に補充するための人員を書き出さなきゃならないだから。
「心配しなくても、ワダツミには海軍が保有する艦娘全てを収容できるだけのキャパがあるんだから全員乗艦できるわよ」
「だからって、ほとんど全員を連れていくことないんじゃない?」
そう、今回の作戦は文字通り日本の総力を上げて挑む大作戦。
まだ書き出してないだけで、本土を防衛するために必要な艦娘を最低限残し、他全員がワダツミに乗艦するわ。
その中には当然私も含まれているし、朝潮たち第八駆逐隊や神風たちカミレンジャーも含まれている。
「本土の防衛が心配?」
「それもあるけど……」
「あるけど、何?」
「言わない。どうせ言っても無駄だもん」
そう言って、私は円満さんから目を逸らしてしまった。
本土の防衛は確かに気がかりよ。
だって、横須賀最後の砦である鳳翔さんまで作戦に参加するんだもの。それに、艦娘がほぼ0になってしまう南方も心配。
そっちは海軍の艦艇や空軍、陸軍がフォローするって事になってはいるけど、作戦期間中はシーレーンの使用が絶望的。それはつまり、日本への資源の輸入が止まると言うことだわ。
これに関してはまあ、暴動程度で済むことを願うばかりね。
でも私が本当に心配してるのはそんな小難しいことじゃない。
「満潮、髪が解けかけてるわよ」
「いいわよ別に。どうせ円満さんしか見てないんだし」
「ダメ。その髪型は満潮のトレードマークみたいなもんなんだから」
なぁんかデジャヴが……。
前にも円満さんとこんな会話をしたような記憶があるわ。あれはたしか……。
「あ、ちょ……!ちょっと円満さん!?」
コレと同じシチュエーションがいつのことだったかを思いだそうとしていた私の隙をついて、円満さんは私をヒョイと持ち上げて自分の膝の上に座らせた。
今ので完全に思い出したわ。
私の改二改装が実装された日だ。その日に、今と同じ状況になったっけ。
「アンタって相変わらず髪の毛が細いわね。絡まりやすいんだから、小まめに櫛で梳かさなきゃダメよ?」
「やってるわよ。ここ何年かは円満さんの髪の手入れもしてあげてるでしょ?」
「そうだっけ?」
「そうよ。私がセットしてあげなきゃ、円満さんの頭は寝癖だらけなんだからね」
最近は白髪も増えてきてるから染めるのも地味に大変だし、捷一号作戦が終わってからは夜もまともに眠れてないみたいで朝が前以上に弱くなったから起こすのも一苦労。
そんな状態で、こんな規模の作戦を実行したら円満さんが保たないかもしれない……。
「朝潮たちのことが心配?」
「朝潮たちのこと
私の髪を解いて櫛で梳かしながらそう言った円満さんに、私はそう返した。
私はもちろん、古参の人たちですら経験したことがない規模の作戦にあの子達が参加するんだから心配じゃないわけがない。
それに、朝潮たちよりも仲が良い四駆の子達が第一機動部隊に編成されている。
自惚れが入ってるかもしれないけど、私よりはるかに弱いあの子達が本当に生きて戻れるの?って、どうしても考えてしまう。
でも、それ以上に心配なのは……。
「私のことが心配?」
「うん……」
円満さんの心労がヤバイレベルなのは健康管理をしている私が一番わかってる。
先に言った睡眠不足や白髪なんかは可愛い部類ね。
それに加えて食欲不振や生理不順なんかも併発してるわ。
まあ食欲不振と睡眠不足などの肉体的な問題は、最悪の場合桜子さんが『ブラ汁』の問題点を解決(100倍に薄めただけ)して完成させた『黒汁』でなんとかなるとしても精神的な疲労は薬じゃ癒せない。
「ヘンケンさんと、連絡取ってるの?」
「作戦中は無理だったけど、年明け前に向こうから連絡があったわ」
「なんて?」
「カリブ海の中間棲姫は無事討伐したって。あと......I love youって」
ケッ!嬉しそうに惚気やがって!
と、以前の私なら思うどころか口に出してたでしょうね。
でも今は思うことすらしない。
ヘンケンさんの存在が、私以上に円満さんの支えになっていると気づいてからは思うことすらしなくなったわ。嫉妬はまあ......してるけどね。
「ヘンケンさんがこっちにいる間にヤることやっとけばよかったのに。円満さんのことだから、どうせキスもしてないんでしょ」
「ええ、タイミングよく邪魔が入ったり入らなかったりしたせいでね。でも......」
「でも?」
「しなくてよかったと、今は思ってる」
「どうし......」
て?と続けようとして円満さんに振り向いたら、円満さんは不自然な微笑みを私に向けていた。
この笑顔の意味はなに?
それにどうして、ヘンケンさんとの恋人同士の営みをしてなくてよかったなんて言ったの?
まさかとは思うけど、円満さんはもしかして......。
「アンタには隠し事をしたくないから言っておくわ」
「い、いや、言わなくていい」
聞きたくない。
円満さんがヘンケンさんとの営みを経験しなくてよかったと言ったのは、きっと未練を残さないためだ。今みたいなままごとと大差ない関係じゃなく、彼と本格的に愛し合って生への執着が生まれなくて済んだと安心したからだわ。
つまり円満さんは、今回の作戦で......。
「私の予想では、ノルウェー海での戦闘は敗北する。その後の......」
「聞きたくないって言ってるでしょ!」
やっぱりだ。
最後まで聞かなくても、ここまで聞けばたいして頭が良くない私でも想像がつく。
円満さんは生きて帰るつもりがない。
今回の作戦で、円満さんは死ぬ気なんだ。
「それでも聞いて。いえ、聞きなさい満潮」
「嫌よ!だって、円満さん死ぬつもりなんでしょ?私を置いて死んじゃう気なんでしょ!?」
私がそう捲し立てても円満さんの不自然な微笑みは崩れない。
それどころか、いっそう顔に力を入れて保とうとしているように見えるわ。
「結果としてはそうなる可能性が高いわ。でも、私は死ぬ気なんてない。そんな楽な償い方じゃ償いきれないからね」
「じゃあ何が言いたいのよ!言っとくけど、円満さんの遺言を聞く気なんてないからね!」
「安心して。遺言なんかじゃないから」
「だったら何を......」
言う気なの?
ノルウェー海で敗北したあととか言ってたけど敗北したら終わりなんじゃないの?続きがあるって言うの?
「今から、現時点で予想できている顛末をアンタに話すわ」
「顛末?そんなことを私に話して何をさせようって言うの?」
「念のためよ。あくまで念のため......」
そう断ってから、円満さんはゆっくりと話し始めたわ。
ノルウェー海での戦闘に負ける原因とそれを回避できない理由。そして、リグリア海での戦闘で起こる最悪の事態を。
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ワダツミ型艦娘運用母艦 一番艦 ワダツミ
建造所 呉海軍工廠
運用者 日本国防海軍
艦種 艦娘搭載護衛艦
級名 ワダツミ型護衛艦
建造費 1,200億円 (初度費込)
母港 呉
所属 第1攻略隊群第1攻略隊
艦歴
計画 正化24年度計画
発注 正化24年
起工 正化25年7月7日
進水 正化27年5月27日
竣工 正化28年5月5日
就役 正化29年12月14日
要目
基準排水量 19,500トン
満載排水量 26,000トン
全長 248.0m
最大幅 38.0m
深さ 23.5m
吃水 7.1m
機関 COGAG方式
主機 IHILM2500IEC型ガスタービン × 4基
出力 112,000 馬力
推進機 スクリュープロペラ × 2軸
最大速力 30ノット
乗員 520名(うち司令部要員50名)+ 艦娘300名
正化29年末に実行された日米合同作戦、通称『ハワイ島攻略戦』にて初めて実戦投入されたこの艦は、両舷及び背部に艦娘を艦隊単位で射出するための六連カタパルトを備えた(平成4年時に近代化改修を受け、艦首に大和専用のカタパルトが増設された)艦娘を運用することに特化した艦であった。
その内部は豪奢な装飾こそないものの艦と言うよりはホテルに近く、乗艦した艦娘からは鎮守府より住み心地が良いとさえ言われていたという。
後の敵南艦隊待迎撃作戦である『捷一号作戦』ならびに、日米と欧州連合の合同作戦『欧州中枢攻略作戦』と言った重要な作戦すべてに投入され、平成6年の終戦宣言と同時に除籍された。
現在は横須賀にて戦艦三笠に並ぶ観光スポットとなっているが、リグリア海戦時に失った第一艦橋は今現在(平成7年現在)も外観のみで内部は復旧されておらず、元艦娘や元軍関係者から復旧を望む声が上がっている。
~艦娘型録~
艦娘関連施設の項より抜粋。
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「どう、思う?霞さん」
「どうもこうも、円満姉さんがそうなるって言ってるんならそうなる可能性が高いんじゃない?」
「でもそれって......」
「円満姉さんが死ぬかもしれない。って、満潮は言いたいんでしょ?」
「うん......」
悲観しすぎ。
が、円満姉さんから欧州中枢攻略戦の顛末を聞かされた満潮が、私と朝霜にあてがわれた部屋に来るなり話したのを聞いた私の感想かな。
だいたい、今時点の予想じゃワダツミが被弾して航行不能になるって程度でしょ?艦橋に砲弾なり爆弾なりが直撃しない限り、円満姉さんが命を失う事態にはならないわよ。
「でもよぉ霞。満潮が言うような可能性もあんだろ?」
「そりゃあ当然あるわ。でもそうなった場合は、第二艦橋に詰める呉提督に指揮権が即座に移譲されるはずよ」
だから、円満姉さんや澪姉さんがいる第一艦橋にもしもの事があっても命令系統がすぐに滅茶苦茶になるわけじゃない。
「んで?司令は満潮に何を頼んだんだ?」
「わかんない......」
「はぁ!?わかんないってお前......なぁ?」
なぁ?って同意を求められても困る。
そもそも私や朝霜、満潮も含めた大多数の艦娘。いえ、あえて駒と言いましょうか。と、それを使うプレイヤーである円満姉さんとはステージが違う。
その円満姉さんが、駒である満潮に何かを求めるとしたら……。
「そもそもわっかんないのがさ、どうしてノルウェー海での戦いで負けるんだ?」
「それはさっき満潮が話してくれたでしょ?」
「欧州棲姫から生まれた深海棲艦の核を使って建造された艤装を背負う艦娘じゃあ、欧州棲姫を前にした途端にビビって鋤くんじまうから。だろ?それがわかんないんだよ。アイオワさんやジャービスがそうなるってんなら、あたいたち一特戦の配置を二特戦や三特戦より前にすりゃいいだけじゃねぇか」
「ええ、アンタの言う通りよ。でもそうは問屋が卸さない」
何故なら、今回の作戦の主導権が欧州連合、次点で米国にあるから。要は、日本は補佐する立場なの。
だから、出撃こそワダツミから行うものの二特戦と三特戦が一特戦より前の配置になるのに口が挟めない。
例え、失敗するとわかっていても。
「米国や欧州連合のお偉いさんは馬鹿ばっかりなのか?欧州棲姫が元の艦娘が使えない可能性があるって情報は共有してんだろ?」
「共有してるはずよ。でもサンプルが少なすぎる」
「サンプルが少ない?いやいや、欧州連合は何度か欧州棲姫の首元まで迫ったって聞いた覚えがあるぞ?」
「ええ、プロパガンダとして多少は誇張されてるでしょうけどそれに間違いはないはずよ。それでも……」
今まで中枢と直接対峙した艦娘は
実を言うと、欧州連合が欧州棲姫を傷付けた手段はアウトレンジからの航空爆撃と砲撃によるものなの。
故に、欧州棲姫と直接対峙した艦娘は皆無。
さらに言うと、中枢の前で艤装の核となった深海棲艦が恐れおののき、艦娘にまで影響が出た事象は桜子さんの証言でしか確認できていない。
だから米国も欧州連合も、アイオワやジャービスがビビって動けなくなる事態が起こるなんて信じてないのよ。
それに、南方中枢戦でヘンケン提督が取った戦法が有効だったのも一因になっている。
「んだよそりゃあ。じゃあ何か?南方中枢をあっさり撃破できたのが、逆にこっちの首を絞める結果になっちまったってのかい!?」
「ええそうよ。結果論ではあるけど、円満姉さんとヘンケン提督は人類側が敗北する切っ掛けを作ったのよ」
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そんな感じで、霞さんと朝霜さんは私から聞いたあの海戦の顛末を吟味していたわ。
ええ、だいたい円満さんの予想通りの結果になったわね。
二特戦は『穴』の目前まで迫ったけど、欧州棲姫を目にするなり艦隊員全員が影響を受けて戦闘不能になり、大和たち一特戦はその救助でてんてこ舞いになった。
その隙を突いてアイオワさんが『穴』に飛び込んだけど……結果は青木さんも知っての通りよ。
え?結局円満さんは私に何をさせたかったのか?
さあ?それは今でもわからない。
私がやったことと言ったら、第一艦橋が被弾したワダツミに駆け付けて、脇腹から血を流す円満さんを抱き抱えてただけだから。
ええ、本当に具体的なことは何も言われてないの。
円満さんは私に「アンタ自身が考えて」としか言わなかったんだから。
今でも、アレで合ってたのかどうかはわからないままよ。
~戦後回想録~
元駆逐艦 満潮へのインタビューより。
主要キャラ人気投票
-
朝潮(一部主役である二代目。大淀含む)
-
神風(二部主役である初代。桜子さん含む)
-
大和(影が薄い三部主役)
-
紫印 円満(実質三部の主役?)