この話を読む場合、下記の人は特に気をつけてください!
1 今から食事をする方。
2 今から、もしくは今日カレーを食べる予定の方。
正直、私自身どうしてこんな話を書いてしまったのかわかりません。
投稿するのを止めようと何度も思いました。
ですが投稿します!だって書いちゃったんだもの!
この話を読んで食欲が失せた等の苦情は受け付けません。べつに伏線とかもないので、読むかどうかは自己責任でお願いします!
大和をどう思っているかって?
そうねぇ……。
彼女は私の事を心友だと思ってるみたいだけど、私は精々迷惑な友人くらいにしか思ってないかな。
正直、同室じゃなくて本当に安心したわ。
だって、一緒に居るだけで訓練より疲れるのよ?主に頭が!
突拍子もなく変な事言い出すし、早朝だろうと深夜だろうと関係なくラインしてくるし。酷い時には電話かけて来るのよ!?こっちに来てからは減ったけど、そのせいで養成所時代は寝不足に悩まされたわ。
え?ハッキリ迷惑だと言えば良かったじゃないかって?
そりゃあ何度も言おうと思ったけど…何故か言えなかったのよ……。
その、なんて言うか……。そう!なんか犬みたいで!
ほら、犬って叱るとこれでもかって言うくらいわかりやすくシュンとするじゃない?迷惑だ!って言っちゃうと、犬みたいにシュンとする彼女が想像できちゃって言えなかったのよ。
は?これを記事にして良いかって?
ダメダメダメ!絶対に記事にしないでよ!?
あの子が見たら絶対に落ち込んじゃうから!落ち込んだあの子を見たら私の罪悪感がMaxになっちゃうから!
~週刊 青葉見ちゃいました~
軽巡洋艦 矢矧へのインタビューより抜粋。
ーーーーーー
「ふぅ~ん。演習する事になったんだ」
「はい…正直言って不安です。だって、ようやく砲撃が出来るようになったばかりなんですよ?」
明日、元帥閣下が鎮守府を視察するために訪れるから、今日は念入りに艤装を整備しておきたいと整備員さん達が言うので早めに訓練を切り上げたんだけど、不幸にも工廠で同じく訓練上がりの大和と出くわしてしまった。
それだけなら良かったんだけど、大和に相談があるから話を聞いてくれと懇願されたから仕方なく。本っ当ぉぉぉぉぉに!仕方なく、神風ちゃんや大和の嚮導をしていた満潮ちゃんと別れて相談に乗ってあげることにしたわ。
「相手は誰なの?長門さん?」
「え~と、たしか…ムラムラさんだったかしら」
「んん!?」
今何て?
ムラムラさん?そんな艦名聞いた事がないけど……。いや、大和の事だ。まともに聞かずに間違って覚えちゃった可能性が高いわ。
冷静に考えればそうよね。そんな常日頃から発情してそうな名前の艦娘が居る訳ないわ。
「聞き間違いじゃないの?」
「やっぱり、やはぎんもそう思います?」
「そりゃそうでしょ。そんな名前の艦娘が居たらビックリよ」
大和の話では、元帥閣下が訪れた翌日。要は明後日の昼から演習を披露するらしい。
いくら大和が戦艦とは言え、砲撃訓練を始めたばかりなのに演習ってのは無理があり過ぎるとは思うけど、まあ私がやるわけじゃないから良いか。相手をしなきゃいけないムラムラさんとやらには同情するけど。
「艦種は?戦艦の貴女の相手をするんだから、やっぱり同じ戦艦か空母?」
「いえ、駆逐艦だと伺っています」
「駆逐艦!?え?もしかして駆逐隊と?まさか一対一じゃないわよね?」
「一対一だとお聞きしました。満潮教官の話では、今の私では逆立ちしたって勝てないらしいです」
新米とは言え戦艦。しかも大和型である大和が逆立ちしても勝てない?
駆逐艦を侮る訳じゃないけど、大和の砲撃ならまぐれ当たり。いや、至近弾でも駆逐艦なら倒せそうね……。
ああでも、演習だからペイント弾か、それとも養成所で使ってるのと同じ模擬弾かしら。
どちらにしても、演習と言うルール内なら『装甲』の厚さなんて考慮されずに撃沈判定を取れるかもしれないわね。そういう意味で勝てないって言われたのかもしれないわ。
「その時ふと思ったのですが、逆立ちしたら余計勝てませんよね?」
「いやいや、それは……」
え?これ本気で言ってる?本気で言ってるっぽいわね。
大和って教養はありそうなのに変な所で無知なのよねぇ……。
ちなみに、『逆立ちしても勝てない』は比喩表現で、普通にう言うと『どんな事をしても勝てない』になるのかな?要は『どんな事をしても』の具体例が『逆立ちしても』なの。
まあ、体操競技とかなら『ここで逆立ちをすれば勝てる!』とかありそうだけど、演習で逆立ちなんてしたらいい的だわ。って言うか、海上で逆立ちって出来るのかしら?手の平から『脚』を発生させれればワンチャン……無いわね。
「満潮ちゃんからは、どんな人なのか聞いてないの?」
「強い人。とだけ伺ってます。なんでも、横須賀で一番強い駆逐艦だとか」
はて?一番強いのって満潮ちゃんじゃないの?少なくとも神風ちゃんはそう言ってたわよ?
ああでも、ほとんどの人は彼女の実力を知らないし、目立った戦果も上げてないと言ってたわね。もしかして、満潮ちゃんは一番強いと思われたくなくてそう言ったのかしら。
「とりあえずさ、
「そうですね。お風呂でのんびりと手足を伸ばしながらお話ししましょう♪」
いや、そんなに長く貴女の話に付き合う気はない。確実に疲れるから。
って言うか、貴女まだ手足を伸ばしたいの?十分長いじゃない。貴女の体形を目の当りにしたら下手なモデルは裸足で逃げ出すわよ。
ああでも、天は二物を与えずって言葉があったわね。大和の場合は容姿にステータスを全振りで中身が……。
「あれ?なんだかカレーの匂いが……」
「え?カレー?ああ、この近くにカレー屋さんがあるのよ。行った事無いの?」
「ありません。美味しいんですか?」
「神風ちゃんに一度連れて行ってもらったけど美味しいわよ?って言うか、昨日はカレーだったじゃない。しばらくカレーは食べなくていいでしょ」
「いえいえ、カレーは飲み物ですので毎日だってOKです。晩御飯まで時間がありますし食べに行きませんか?」
飲み物と言いながら食べに行こうとは如何なものか。まあそれは兎も角。
お腹は空いてるから少し食べるくらいなら良いんだけど、流石に一人前は無理だなぁ……。量を半分とかにしてもらえるかしら。それに……。
「行くのは良いんだけど…先にお風呂に入りたいなぁ」
「何を仰います!カレーを食べたら汗掻いちゃうじゃないですか!先にお風呂に入ったら二度手間になります!」
「そう言われてみれば確かに……」
大汗を掻くほど辛いのを食べる気はないけど、大和が言う通りカレーを食べると少なからず汗を掻くわね。
意外とまともな事を言ってくれて少し安心したわ。「だったらお風呂に入りながら食べましょう!」とか言い出したらぶん殴ってやろうと思ってたわよ。
「そう言えば、着任早々にフードファイトしたんだって?」
「はい。やはぎんはあの場に居なかったんですか?」
「居なかったけど噂で聞いたのよ。空母盛りを平らげたそうね」
「はい♪とっても美味しかったです♪昨日も食べました♪」
そんなにカレーばっかり食べてよく飽きないわね。
しかも空母盛りって、完食させる気ゼロとしか思えない程の量が盛ってあるアレでしょ?私なんか思い浮かべるだけでお腹いっぱいになるわよ。
「あら?やはぎん、あれは何ですか?」
「あれってどれ…って、あの看板みたいなの?」
「ええ、どうして、あんなにヒッソリと立てられているんでしょう」
工廠を通り過ぎ、もう少しでカレーショップ ダルシムが見える位置まで来た時、大和が道端にヒッソリと立てられた看板を見つけた。……んだけど、ヒッソリと言うより隠されてない?前向いて歩いてたら絶対に気づかないような場所に立てられてるんだけど……。
「え~と何々?『カレーを食べに行くの?yes→このまま西へ。no←帰れ』ですって」
「いや、何よそれ」
「だってそう書かれてるんですもの。このyesの矢印の方にカレー屋さんがあるんですよね?」
「そうだけど…とりあえず行ってみる?どうせカレー屋さんには行くんだし」
「そうですね。行ってみましょう」
と、再びダルシムに向かって私と大和は歩き出したんだけど、50mも進まない内にまた看板を発見した。これも隠すように立てられてるわね。一枚目の看板に気づいてなかったらきっと見逃してたわ。
「今度は何て書いてあるんでしょう」
「さあ?見てみればわかるでしょ」
本っ当ぉぉぉ!に、突然だけど。
カレーを食べに行く、もしくは今からカレーを食べようって時に見聞きしたくない情報ってあるじゃない?例えばトイレやお手洗い、神経質な人は泥だらけになっただけでも食べる気が失せるかもしれないわね。
で、なぜ急にこんな事を言い出したかと言うと……。
さっきの看板の続きと思われる看板には先に言ったモノよりストレートな言葉が書かれていたの。
ああごめんなさい。この話をし始める前に注意を呼び掛けておくべきだったわね。
少し遅くなったけど、今から食事をする人、特にカレーを食べる人は注意して頂戴。ハッキリ言って閲覧注意よ。続きを聞いて食欲が失せたとか言った苦情は一切受け付けないから。
「や、やはぎん?」
「ちょっと待って。今すぐはダメ。もう少し待って」
「は、はぁ……」
そろそろ良いかしら。
はぁ……。正直言うと、私も看板に書かれた内容を言いたくはないの。だって、見ただけで一気に食欲が失せちゃったもの。そのせいで、誰にともなく注意を呼びかけちゃったわ。
断っておくけど、別に特別な事が書かれてたわけじゃないわ。至って普通。日常会話でも出て来る…いや?出てこないかしら。頭の中で考えはしても口には出さないわね。
口に出して言うのは精々……幼稚園児とか小学校低学年の男子位のモノかしら。
「ねえ、やはぎん。これ…どう読んでも…その……」
「ええ、『ウ〇コ』ね……」
これを書いたのは間違いなく小学生並に幼稚な思考の持ち主ね。
じゃないと、若干黄色がかった茶色で『ウ〇コ』なんて書かないもの。まともな人なら、カレー屋さんがもう見えてる位置に『ウ〇コ』なんて書いた看板なんて設置したりしないはずよ!
普通に営業妨害だから!
「ねぇ、大和。引き返さない?私、食欲が……」
「いいえ。これは是が非でもカレー屋さんに行かなくてはならなくなりました」
「いや、なんでよ」
「わかりませんか?これは明らかに営業妨害です。これは想像でしかありませんが、この看板に食欲を削がれたのは私達だけじゃないはずです」
「そりゃあそうかもしれないけど……。だからって、私達がカレー屋さんに行く理由にはならないじゃない」
それとも何?大和はあんなドストレートな嫌がらせを受けた今でもカレーが食べたいの?冗談よね?
私は無理よ。あんな真綿にもオブラートにも包んでないウ〇コって文言を読んじゃったら、もう私の目に映るカレールーはウ〇コにしか見えないもの。
ああ、ごめんなさい。別にカレーを侮辱してる訳じゃないの。決して、カレールーの事をウ〇コとイコールだなんて思ってないからそこだけは理解してちょうだい。
って言うか誰に言い訳してるのよ私は。いくら頭の中でとは言えウ〇コウ〇コ言い過ぎよ!
ウ〇コって言い過ぎて、私の中でウ〇コがゲシュタルト崩壊しかけてるわ。
「やはぎん…いや、矢矧!これは戦です!私達の勝利条件はこの悪辣極まるトラップを突破し、カレーを美味しくいただく事です!」
「大和…貴女……まだカレーを食べるって言うの?」
いやいや、何よこの変なテンション。
戦って何?勝利条件とか言ってるけど誰と勝負してるの?もしかして、誰が設置したかもわからない看板と勝負してるの?頭噴いてんじゃない?
「立ちなさい矢矧。目標までは約200メートル。確認できる罠は後三つです!」
立ってますけど何か?
ってそうじゃない!後三つあるですって!?二枚目で既にウ〇コって書かれてるのよ!?と言う事は、残りの三つにはもっと下品で汚らわしい文言が書かれている可能性が高いじゃない!
「やめて大和!これ以上はマズいわ!下手をすると一生カレーが食べれなくなる!」
「無論、その危険性もあります。ですが、ここで屈したら戦艦の、いや艦娘の名折れ!こんな事で大和は負けません!」
「大和……」
私は、戦艦と言う艦種を勘違いしてたみたいね。
私は戦艦の事を、火力と装甲の数字が高いだけの木偶の坊だと思っていた。初出撃の時に大城戸教官が言ったように、一撃で私の『装甲』を貫く様なバ火力だろうと当たらなければどうと言うことはないと思っていた。
けど違う。戦艦の真価はそこじゃない
そこに居るだけで仲間を奮い立たせ、どんなに過酷な戦場だろう無条件でついて行きたくなる圧倒的なカリスマ性こそが戦艦の本領!
「それとも、阿賀野型とはこの程度で戦意を喪失する程脆弱なのですか?」
「言ってくれるじゃない。それで挑発してるつもり?」
「なら、共に行ってくれるのですね?」
「ええ良いわ。行ってやろうじゃない!阿賀野型を…いえ!この矢矧を軽巡と侮らないで!」
大和のせいで私まで変なテンションになっちゃったわ。
普通なら、しばらくはカレーの事を考えるだけでウ〇コを連想しちゃうほどウ〇コって脳内で言ったけど勝機はある。
何故なら、脳内でウ〇コウ〇コって言い過ぎたせいでウ〇コが何かわからなくなってるからよ!
「行くわよ大和!軽巡 矢矧、抜錨する!」
「ええ行きましょう!戦艦 大和、出撃します!」
私達は勝利へ向けて歩み始めた。
まずは大和が新たに発見した看板の一枚目。先の二枚を合わせれば三枚目の看板まで歩を進めた。さあ、どんな下品な事が書いてあるのかしら。
「くうっ……!」
「矢矧!矢矧しっかりして!」
私は三枚目の看板の内容を読んだ途端に膝をついた。
最初にストレートにウ〇コと来たから油断してたわ。このトラップを考えた人物は相当頭が回るようね。いえ、悪知恵が働くと言った方が良いかしら。
「なんと卑劣な…『カレーが茶色いのはウコンが混ざってるから』なんて……」
「言葉に出さないで大和!クソっ!最初のウ〇コが布石だったなんて!」
ウコン。
この、別名ターメリックとも呼ばれるこのスパイスこそカレーの茶色っぽい色の元。
それは頭ではわかってる。
だけど二枚目のウ〇コのせいでウコンと聞いてもウ〇コと脳が解釈してしまう。
看板に書いてある内容はまともなのに、脳が勝手に『カレーが茶色いのはウ〇コが混ざってるから』と誤変換してしまう!
「まだよ…この程度の被弾で私が沈むわけないじゃない!」
「その意気です矢矧!さあ!次に行きましょう!」
流石ね大和。意気込んだものの、私はすでにカレーを目にしたくないと思っているのに、貴女にはまだ余裕があるみたいね。
戦艦と軽巡の『装甲』の差が数字だけでなく、心の装甲の厚さにまであったとは思ってもみなかったわ。
「がはぁっ!」
「矢矧ぃぃぃぃ!気をしっかり保って!たかが絵じゃない!」
四枚目の看板を見た私は、嫌悪感をこれでもかと掻き立てられて壁にもたれ掛かってしまった。
ええそうね。確かにただの絵よ。
だけどコレは無い。
ただでさえ頭の中がウ〇コに支配されてる時に、和式便所にカレーライスが盛られてるとしか思えない絵を見せられたら正気じゃいられない。って言うか、もうカレーなんて食べれない!
「はぁ…はぁ…はっ……。うぷっ……」
「大丈夫ですか?一回吐いとく?」
「平気よ……。これで吐いたら負けたのと同じだわ」
正直に言うと吐きたい。気持ち悪い……。
あの絵を見た途端、頭の裏から背中にかけてゾクゾクッ!としたわ。
もし先の三枚。もっと言うと二枚目を目にしてなければ、私はここまでのダメージを負う事はなかったのだろうけど、今の私は体調にまで影響が出ている。
この一連の看板を設置した奴はカレーに恨みでもあるの?
「あと一枚、お店の目の前です。行けますね?」
「当然よ。私を沈めたいなら、もう5~6枚くらい看板がないと…駄目よ!」
嘘です。私のメンタルは轟沈寸前です。
ハッキリ言って、限界なんてとっくに超えてるわ。最後の一枚を突破できても、私はきっとカレーを食べられない。最後の一枚の内容次第じゃ一生食べれないかもしれない。
ええ、迂闊だったわ。二枚目で引き返すべきだったと後悔してるもの。
ウ〇コが頭の中でゲシュタルト崩壊した事に慢心し、勝機があると思い込んだ私は三枚目で全てのカレーにウ〇コが混ざっていると脳に刷り込まれ、あまつさえ四枚目で映像として見せられた。
ああ…私は今日、何回ウ〇コと頭の中で言ったんだろう。
今まで艦娘になった人で、私ほどウ〇コウ〇コと言った艦娘は居ないはずよ。って言うか、今だけで五回も言ってるし……。
「な…なんて事を……。これはお店の店長さんに訴えられても文句言えない程酷いです!」
「あ…ああ……あああああ!」
「矢矧!?頭が痛いの!?ねえ矢矧!返事をして!」
無理だ。これは耐えられない。
私は看板の内容を理解すると同時に頭を抱えてうずくまってしまった。
この店のカレーを食べた事がある私にとっては致命的な一撃だわ。4枚目の看板。それに書いてあったのは……。
「『このお店のカレーはカレー味のウ〇コです』…ですって……?じゃあ、私が以前食べたカレーは…カレーじゃなく…ああ……あああぁ……!」
私が以前神風ちゃんと食べたのはカレーじゃなかった。カレーの味がするウ〇コだった!
いやいやいやいや!落ち着きなさい矢矧。
常識で考えればそんなカレーを、いえ、ウ〇コを出す店なんてある訳が無い!だけど、そんな事頭ではわかっているのに心が理解しようとしない。カレーに対して心が拒絶反応を起こしている!
いや、待って?そう…か。これか。これこそが看板を設置した奴の真の狙いか。
これを設置した奴はカレーに恨みがあってこんな事をしたんじゃない。
恨みがあるのはカレーを食べようとする人。もっと言えば艦娘!
だって、一連の看板は工廠側から来なければ見えない角度で設置してあったもの。つまりこれは、カレーを食べようとここまで来た艦娘に対するトラップなのよ!
「ごめん…大和。私はここまでみたい……」
「そんな……!一緒に行くって言ったじゃないですか!」
犯人の目的がわかったところでもうどうしようもない……。
私は見事に犯人の術中にハマり、少なくとも今は絶対にカレーを食べたくない。今日が金曜日じゃない事に感謝しなきゃね……。
でも大和。貴女ならまだ行ける。
このトラップを目の当たりにしても食欲が失せた様子がない貴女なら!
「何情けない顔してんのよ…貴女はカレーを食べるんでしょ?そのためにここまで来たんでしょ?」
「そうですけど…矢矧をこんな所に置いて行くなんて私にはできない!」
私は大和の胸元を掴んでそう言い聞かせた。
店は目の前。夕飯時が近いからか、チラホラと酒保に向かう人や、私達と同じくカレー屋さんに入って行こうとしてる人も居る。その人たちから「何してるんだ?」とか「痴話喧嘩かしら」という声も聞こえて来る。
だけど、そんなの関係ない。
今の私の使命は、戦闘不能になった私を気遣って前に進めずにいる大和に再び歩を進ませる事。そのためなら、ギャラリーからどれだけ奇異の目を向けられようと構わない!
「甘ったれないで!貴女は戦だって言ったじゃない!だったら、動けない私など置いて行きなさい!先に進みなさい!ここで私が倒れても、貴女が店に辿り着いてカレーを食べれば私達の勝利なんだから!」
「矢矧……」
まだ踏ん切りがつかないみたいね。私と店を交互に見て迷ってるわ。
だけど、行ってくれないと私の犠牲が無駄になる。私は一生カレーが食べれないかもしれないほどの精神的ダメージを負ったけど、大和はまだ食べれる。
だって「早く食べたいな~」って考えてるのが丸わかり。と言うか、お店から漂って来る匂いを嗅いでお腹鳴らして涎まで垂らしてるもの。
私が、背中を押してあげないと!
「行きなさい大和!私の屍を超えていけ!」
「……わかりました!貴女の分まで食べてきます!」
そう言って、大和は店の中へと入って行った。
うん、それで良い。私の分とは言わずお店の炊飯器と寸胴鍋を空にしてやりなさい。貴女の胃袋には、それだけのキャパがあるんだから。たぶん。
「なあ、いい気分に浸ってるとこ悪ぃんだが……。何してんだ?」
「何って…わからない?」
「わかんねぇよ。今生の別れみてぇな寸劇をやってたのはわかったけどよ」
へたり込んで大和を見送った私に、よく『猫の目』の厨房でコックさんみたいな事をやってる……。え~と…名前なんだっかしら。
まあ、神風ちゃんとかが金髪さんって呼んでるから金髪さんで良いか。が、私の事を心底不思議そうに見下ろしてそう訊ねて来た。
ああ……。何やってるかなんて聞かれたくなかったなぁ……。
「ホント…何やってたんだろ……」
ヤバい……。テンションがどんどん素に戻って行く。
今思うと、私って大和に乗せられてかなり痛い事口走ってなかった?うん、痛いわね。最後とか、何であんな事言ったんだろ。恥ずかしすぎて顔から火が出そうだわ。
「ううぅ……」
「まあ、なんだ……。飯でも食うか?奢ってやるぞ?」
「カレー以外でお願い……」
羞恥心で俯いてしまった私は金髪さんに手を引かれて、ギャラリーの視線から逃げる様にその場を立ち去った。
行先の見当は歩く方向で察しはついたんだけど、私は『猫の目』に着くまですっかり忘れていた。そこには、万全の状態でも私のメンタルを崩壊させる恐怖の三人組が居る事を。
ええ、見事に気絶したわ。ピチピチのレオタードを着込んだ三人組に出迎えられて。
ちなみに、その時のポーズはアブドミラル・アンド・サイだった。
かつて、私ほど艦娘にウ○コと言わせた人がいるだろうか。(居たらごめんなさい。調子乗ってました)
主要キャラ人気投票
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朝潮(一部主役である二代目。大淀含む)
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神風(二部主役である初代。桜子さん含む)
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大和(影が薄い三部主役)
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紫印 円満(実質三部の主役?)