艦隊これくしょん ~ナデシコの咲く丘で~   作:哀餓え男

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 三章ラストです。
 最後の方で英文が出て来るのですが、グーグル翻訳に入力して出て来たもになので合っているかどうかはわかりません!
 あと、名前だけですが、桜ちゃん以外で人名が設定してある人が登場します。

 次章の投稿開始は今月中頃を予定しています。
 予定は未定。ここ大事です(´・ω・`)


第三十一話 幕間 円満と元帥

 

 

 私は満潮に頼りっぱなしだ。

 私生活はもちろん、仕事に関してもそう。あの子が傍にいてくれなきゃ、私は平静を保てない。冷酷になれない。きっと、死んでこいと艦娘に命じる事が出来ない。

 たぶん、私は満潮に依存してるのね。

 あの子が居ない部屋に帰りたくない。

 だから、怪我をしてるあの子に起きて待っててなんて我が儘を言った。

 あの子に甘えたい。

 だから、あの子が怪我をしてるのを承知で抱きついた。あの子に叱られたくて、私生活ではズボラを演じている。けっして根っからのズボラじゃない。本当よ?

 

 「仲直り……。しなきゃダメかなぁ」

 

 今日、私は大淀を拒絶した。

 私の言う事を聞かなかったからじゃない。

 それは満潮を傷つけたから。一時とは言え、私から満潮を奪ったから拒絶した。わざと他人のように接した。

 大淀が罵倒されるなり殴られるなりを期待してたのは、あの子が執務室に入って来てすぐにわかった。

 だって「気まずいなぁ。でも、殴られてでも謝らなきゃ」って考えてるのが丸わかりだったんだもの。

 だから、そうしなかった。

 桜子さんにはバレてたみたいだけど、ああした方が、単純思考の大淀には堪えると思ったから。

 

 「ホント、最低ね。私……」

 

 私に大淀を責める権利なんてない。

 満潮が怪我をさせられるのなんて想定内だったんだもの。むしろ、負傷の度合いは想定以下だったわ。

 だから、満潮に痛い思いをさせたのは私。大淀を責めるのは筋違いなのに、私は大淀に八つ当たりした。

 他を切り捨ててでも自分の目的を優先するクセに、同じようにする大淀を責めた。

 妹に、嫌な思いをさせた。

 

 「あれ?この匂い……」

 

 寮側から庁舎に入ろうとしたら、風に乗って運ばれて来た懐かしい匂いが鼻腔をくすぐった。

 これ、先生の煙草の匂いだ。慰霊碑の方からかしら。でも、なんでこんな時間に?

 

 「あ、やっぱり。こんな所で酒盛り?」

 「ん?円満か」

 

 来てみたら案の定だった。

 着流し姿の先生は、慰霊碑が眺められるように据えられた石造りのベンチに座って、傍に置いてある一升瓶から注いだと思われる日本酒が入ったグラス片手に煙草を吹かしていた。

 

 「墓も兼ねてるんだ。こんな所、はないんじゃないか?」

 「それは失礼。ってそれ、誰かに同じ事言われたでしょ」

 「お見通しか。昨日、満潮に言われた」

  

 ふぅん。昨日、ここで満潮と会ってたのか。

 聞いた感じだと、先に満潮がここに来てて、後から来た先生が「こんな所で何してるんだ?」みたいな事を言ったんでしょうね。

 

 「丑三つ時にお墓で酒盛りってどういう神経してるのよ。肝試しでもしてるの?」

 「そげぇなつもりはない。その、お前の部屋に行ったら居らんかったけぇ……」

 「人気のないここに来たって感じ?鳳翔さんの所にでも行けば良かったのに」

 「あそこに行ったら、お前と呑むために買ったこの酒まで呑まれそうでなぁ」

 

 そう言って、先生が左手で掲げて見せてくれたのは新潟県の純米大吟醸、久保田/萬寿だった。

 かなり有名な日本酒だから、お酒に興味がない人でも聞いた事くらいはあるかも知れないわね。

 凄く高価なお酒だけど、この味ならむしろ安いとさえ思ってしまうほど美味しいお酒よ。

 綺麗な甘い香りにふっくらと優しい口当たりで、食べ物との相性も抜群よ。

 

 「一杯どうだ?仕事が終わってから、満潮の所にずっとおったんじゃろ?」

 「でも、満潮を待たせてるし……」

 

 正直に言うと呑みたい。

 先生と二人っきりで呑めるし、萬寿って呑んだことないから呑んでみたい。

 高価な事や、出来るなら取り寄せじゃなく現地で買いたい(ただし、私は未成年だから現地で買えないし行く暇もない)ってのもあるけど、有名過ぎてミーハーになった気分になるから敬遠してたのよ。

 

 「意識が戻ったのか。そりゃあ良かった。じゃがええんか?摘まみはこれぞ?」

 「なっ!?それはまさか!」

 「そう、伊豆諸島、神津島の『赤イカ入り塩辛』だ!」

 

 やはり『赤イカ入り塩辛』だったか。

 塩辛は、通常はスルメイカを使って作るんだけど、この塩辛はデリケートなため輸送が難しい赤イカも使って作ってある。

 そのため、スルメイカと赤イカの肝の旨味の相乗効果で、他にはない激ウマな塩辛に仕上がってるの。

 トビウオの卵であるとびっこが混ぜてあるのも特徴としてあげられるわね。

 語ったら切りが無くなくなるからこれ以上の説明は省くけど、この塩辛と萬寿が並んでる光景を見ただけで涎が口に中に噴き出してくる。

 だって、絶対に美味しいもの。

 不味いはずがないもの。この組み合わせはもう凶器だもん!

 

 「い、一杯だけ……」

 「そう来ると思った。ほれ、酌をしちゃろう」

 「元帥閣下にお注ぎ頂けるなんて光栄の至りです」

 

 と、もっともらしい事を言ってみたけど、私の視線は手渡されたグラスに注がれる萬寿に釘付け。

 なんで、グラスを二つも持ち歩いてるの?なんて疑問もどこかへ吹っ飛んだわ。

 

 「ま、先ずはこっちから……」

 

 私は萬寿を一口含み、しっかりと味を堪能してから、気を利かせた先生が手渡してくれた箸を塩辛に伸ばした。

 

 「はぁ……。美味しい……」

 

 美味しすぎて、胃袋と目頭が熱くなる。

 お酒、塩辛、またお酒。このローテーションでひたすら飲み続けられるわ。ついつい盃が進んじゃう。

 

 「相変わらず、お前は上品な吞み方をするのぉ。桜子とは大違いじゃ」

 「桜子さんは、吞み方まで先生ソックリだもんね」 

 「ああ、見た目は美人なのに吞み方はオッサンそのもんじゃけぇの」

 「でも、先生的にはそっちの方が落ち着くんじゃない?」

 「逆いや逆。呆れ果てて呑む気が失せるわい」

 「じゃあ、私は?」

 「お前は……。そうじゃのぉ。微笑ましい……とは違うな。癒される……とも違う気がする」

 「何よそれ。餌を頬張るペットを見てる感じ?」

 

 べ、べつに、先生が望むなら愛玩動物になっても良いのよ?相手してくれなきゃ死んじゃうかもしれないけど。

 

 「いや、こんな事を言うと誤解されるかもしれんが、お前が酒を美味そうに呑む姿を見るとドキッとする」

 「ちょ、やめてよ……。そんな事言われたら」

 

 気持ちが抑えられなくなる。

 気持ちだけじゃない。体もだ。深夜のテンションと酔いが手伝って爆発寸前だわ。

 お風呂に入ってないのが少々気がかりではあるけど、正直今すぐ服を脱いで先生に抱きつきたい。

 

 「今日はすまなかった。もっと早く大淀を止めるべきだった」

 「それは良いわよ。大淀が窮奇より先に暴走するのは想定内だったし」

 「だが、そのせいで満潮は……」

 「怪我をしたって?それは大淀も同じでしょ?」

 「それはそうだが……」

 

 これに関しては私も謝らなければならない。

 窮奇に乗っ取らた状態なら兎も角、素の状態の大和が大淀を追い詰めるなんて夢にも思わなかった。

 両手を壊されて、砲撃で吹き飛んだ大淀を見た時は正直「ざまぁみろ」って思ったけど、今にも飛び出して行きそうなほど狼狽した先生を見て「先生を傷つけちゃった……」って。一瞬でも、妹が傷ついた姿を見て喜んだ自分をぶん殴りたくなったわ。

 

 「ごめんなさい先生。私は大淀に……」

 

 酷い事をした。

 あの子を利用した上に怪我までさせた。体だけに留まらず、あの子の心まで傷つけた。

 私の事を今でも姉として慕ってくれている大淀を、私は自分がした事を棚上げにして非難した。

 

 「ごめん…ごめんなさい。ごめ……」

 「円満、それ以上自分を責めるな。お前は酷い事などしていない」

 

 みっともなく泣き出した私の頭を、先生は胸に抱いて優しく撫でてくれた。

 艦娘だった頃は、任務から帰る度に撫でてくれたな。

 先生への恋心を自覚してなかった頃だから「気安く触らないで!」とか「子供扱いするな!」とか言って突っかかちゃったけど、あの頃から先生に頭を撫でて貰うのが好きだった。

 しかも今は、先生の胸の鼓動を直に聴きながらというおまけ付き。涙と一緒に感情も溢れそうになってるわ。

 

 「懐かしいのぉ。昔ぁお前が帰ってくる度にこうやって撫でた」

 「記憶を捏造しないでよ。昔はこんな風に胸を貸してくれなかったじゃない」

 「そりゃ噛みつかれそうじゃったけぇの。今も噛まれるんじゃないか思うてビクビクしちょる」

 「私、そんなに酷かった?」

 「酷いと言うか、意地張っちょるのが見え見えじゃった。こう、本当は撫でて欲しいのにそっぽ向いて、チラチラと俺の手ぇ見ながら「撫でるなら早くしてよ」って感じでの」

 

 言われてみればそうだったかも。

 あの頃は今より素直じゃなかったしなぁ。

 先生が私の頭を撫でてくれるようになったのは初代朝潮、私が姉さんと呼び慕っていた人が戦死した後からだったっけ。

 あれ?でも……。

 

 「澪と恵の頭は撫でてなかったよね?」

 「そうじゃったか?」

 「そうよ。そのせいで、澪と恵に「相変わらずラブラブね~」ってからかわれたりしてたんだから」

 「ラ、ラブラブ?俺とお前がか?」

 

 そうよ?先生の胸に寄り添ってる今だってそうだけど、あの頃は先生の晩酌に付き合って愚痴を言い合ってたじゃない。

 当然、その事は同室だった澪と恵にはバレバレ。澪なんて、事あるごとにコンドームを渡してきたのよ?「要らない」って言って突き返したけど。

 でも、なんで澪はあんな物を常備してたんだろ?改二になったくらいから隠し持つようになってたわね。彼氏でもいたのかしら。

 

 「あの二人は、お前と違って支えがあったけぇな。じゃけぇ、お前ほど気にかけんかったんかもしれん」

 「支え?変な宗教にハマってた恵は兎も角、澪にも?」

 「なんや、知らんかったんか?澪はあの頃……。いや、やっぱり言わん方がええか」

 「そこまで言われると気になるんだけど……」

 

 この様子だと、澪に彼氏がいたかもしれないって予想は当たってそうね。

 思い返してみれば、改二になったくらいから際どい下着を好むようになったし、化粧も憶えてファッションにも気を使い始めた。あれは男ができたからだったのか。

 

 「ん?って事はよ?先生は私の事を常に気にしてくれてたのよね?ね?ね!」

 「『ね』を連呼するな。由良を思い出すじゃろうが」

 「思い出しても良いから答えて!」

 

 私は先生の胸ぐらを掴んで、吐息がかかる距離まで引き寄せた。このままキスしちゃおうかと考えたけど、今はそれよりも先生が当時の私をどう思ってたのか気になる。

 あ、余談だけど、朝潮姉さんが戦死してから、朝潮だった頃の大淀と代わるまで先生の秘書艦を務めていた由良さんは、先生の腹心であり、今は陸軍の参謀本部で少将をしている人と結婚して子供をポンポン産みまくってるらしいわ。

 

 「まあその……。なんだ。お前は俺の支え…じゃったけぇな」

 「私が、先生の支え?」

 「ああ、朝潮が死んで、桜子も南方に行っちょったじゃろ?そんな、俺が一番辛かった時に支えてくれたんがお前じゃった。俺ぁお前に支えられた」

 「そ、そんなの……」

 

 私だって一緒よ。

 先生に愚痴や悩みを聞いて貰って、お返しに先生の愚痴や悩みを聞いてあげて。

 あの頃は先生の事を面倒なおっさんくらいにしか思ってなかったけど、その日々は私の支えにもなっていた。

 もし、それがなかったら、私は澪や恵を不満の捌け口にして当たり散らしてたかもしれないわ。

 

 「い、今じゃけぇ正直に言うんじゃが、俺ぁ嫌な顔しつつも話を聞いてくれるお前に惹かれちょった。大淀と出会うのがもう少し遅かったら、俺ぁお前にプロポーズしちょったかもしれん」

 「今さら……」

 

 そんな事言わないでよ。

 大淀とくっついた後になって言わないでよ。

 そりゃあ、二人の仲を応援したしお節介も焼いたわ。その事を後悔した日もあったけど、二人が結婚した時は心から祝福したし、これで良かったんだって自分に言い聞かせもした。

 桜子さんが変なお節介をしてくれるせいで、今でも未練たらしく諦めきれずにいるけど、一線を越えずにいられたのは先生が私の事を部下以上に想ってないって思えてたからなのよ?

 それなのに……。

 

 「遅いよ……。もっと早く言ってくれてたらよかったのに……」

 「すまん……。俺ぁお前に迷惑がられちょると思い込んじょった」

 

 ああ、結局は私の態度が悪かったのがダメだったんだ。もっと素直だったら、澪や恵みたいに素直だったら先生は私を選んでくれてたかもしれないんだ……。

 

 「円満?」

 「バカみたい。自業自得とはこの事ね。意地を張ったせいで、幸せの青い鳥を逃しちゃった」

 

 心配そうに見てくる先生に、今できる精一杯の笑顔を浮かべてそう言った。

 それと同時に、私の中で何かが吹っ切れた気がした。

 今なら、私は全てを曝け出せる気がする。

 

 「でもね?先生。今からでも遅くないんだよ?」

 「いや……。お前の気持ちは嬉しいが……」

 「大淀に気兼ねしてる?それなら大丈夫よ。何も問題はないわ」

 「そ、それはどういう……」

 

 言っちゃおうかな。

 私と先生の不倫が妻子公認だって事。う~ん、やっぱり内緒にしよう。

 その方が先生の反応を楽しめそうだし。

 

 「キスしてくれたら、教えてあげる……」

 

 私は衝動に耐えきれず、先生の首に腕を回して唇を近づけた。

 このままキスしちゃおう。先生とキスするのは初めてじゃないし、先生だって満更じゃないはず。

 ない……よね?なんか「マズい」っ言いたそうな顔してるけど……。

 

 「おおそうじゃ!お前に伝えにゃならんことがあったんじゃった!」

 「う~。誤魔化さないでよぉ」

 「そういう訳じゃない。いや、そうか?いやいや、兎に角だ。大淀の付き添いで病院に行っていた時に返事が来たんだが。単刀直入に言うと、米国海軍への協力要請が通った」

 「それ、本当?」

 「ああ。『ワダツミ』の設計図の提供と引き換えにな」

 

 米国海軍への協力要請は、南方中枢攻略作戦、通称『捷号作戦』の概要を先生に提出した時にお願いしていたことよ。

 ハワイ島攻略の時に指揮を執っていた……先生は米提って呼んでたかな?と、個人的に連絡を取り合う仲だと言うからお願いしたの。

 

 「じゃあ、あの時の艦隊が来てくれるって事。で、良いのよね?」

 「そう考えて問題はない。早ければ来月に艦隊を率いて来日する。だが、指揮官が代わっている」

 「あの時の人じゃないの?」

 「そうだ。彼は今や米国の国防長官だ。前線には出たくても出れんよ」

 

 先生と同じか。

 先生だって、本当なら元帥なんて位に就きたくなんてなかったはずよ。もっと言うなら提督も嫌だったはず。

 前線に出て、深海棲艦をその手で直接葬りたかったはずだもの。

 

 「派遣を約束してくれた艦隊。米国海軍第七艦隊の司令長官は米提殿の肝いりでな。歳は25と若いが、東海岸側での戦闘では負け無しだったらしい」

 「ふぅん。叩き上げなんだ?」

 「そうらしい。その彼は提督補佐時代に駆逐隊……確か、リトルビーバーズと言ったか?を指揮し、敵水上打撃部隊を撃退した事があるそうだ」

 

 駆逐隊だけで水上打撃部隊を撃退、か。

 運や天候とかも絡んだんでしょうけど、それだけで優秀な指揮官だとわかる話ね。

 どんな人なんだろ?

 

 「その人の名前は?」

 「彼の名はHenry Kendrick (ヘンリー・ケンドリック)。俺は戦争を終わらせる男だ。と豪語しているそうだ」

 「またご大層な理想を掲げてるわね」

 「お前がそれを言うか?」

 

 はい。言えません。

 私も同じ事を先生に言ったんだもの。それなのに、面白くないって思っちゃった。

 私と理想が同じだから?それとも、名前に妙な親近感を感じているからかしら。

 

 「それでな?以前、お前を自慢したくて、お前の写真のデータを米提殿に送ったんだが……」

 「人の写真を勝手に?」

 

 と、一応は非難するようなニュアンスを込めて言ってみたけど、内心は私を自慢してくれたことが嬉しくてしょうがない。

 嬉しすぎて顔がニヤけるのを抑えるのが大変よ。

 

 「あ、ああ。やはりマズかったか?」

 「べつに?ま、まあ、良いんじゃない?それで、米提さんはなんて言ってたの?」

 「キュートだと言っていた。あと、とても知的だと」

 

 そこはcuteじゃなくてBeautifulでしょうが。

 あっちの人からしたら実年齢より幼く見えるのかもしれないけど、可愛いって言われて喜ぶような歳じゃないのよ?不愉快でもないけど。

 

 「米提殿は、ケンドリック君にもお前の写真を見せたそうでな?その時に妙な事を言っていたらしいんだ」

 「妙な事?」

 「ああ、ケンドリック君はお前の写真を見るなり……」

 

 その先のセリフが、それまでの甘い雰囲気を粉々に打ち砕いた。

 先生は英語が苦手だから、米提さんと話す時は通訳を通すらしいんだけど、通訳さんはケンドリック氏のセリフを訳してくれなかったそうよ。

 だから先生は、聞いた通りの英語をそのまま言ってくれたわ。

 少しイントネーションが変だったけど、ケンドリック氏はこう言ったんだと思う。

 

 『Already, I'm OK with a lolicon(もう、ロリコンでいいや)』って。

 

 確かに私は同年代の人と比べて発育は良くない。見る人によっては幼いと思うかもしれないわ。

 けど、ロリと言われるほど幼くはないし、ロリ呼ばわりされて喜ぶ趣味もない。

 だから決めた。

 そいつに、ヘンリー・ケンドリックに会ったら取り敢えず殴ろうって。

 私をロリ扱いし、先生と結ばれるチャンスを台無しにしたロリコン野郎をぶっ飛ばしてやろうって。




次章予告。

 大淀です。

 地道な調査と言う名の破壊活動の果てに、かつて寝食を共にした野風さんと再会した桜子さん。
 彼女は信者達から『マザー』と呼ばれているそうです。
 お子さんでもいらっしゃるのでしょうか?
 桜子さんは彼女をどうするつもりなのでしょうか?

 次章、艦隊これくしょん『狂気と祝福の鎮魂歌(レクイエム)

お楽しみに。

主要キャラ人気投票

  • 朝潮(一部主役である二代目。大淀含む)
  • 神風(二部主役である初代。桜子さん含む)
  • 大和(影が薄い三部主役)
  • 紫印 円満(実質三部の主役?)
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