【デッドマンズA:==『取り戻す』者の物語==】   作:enigma

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第八話

現在の持ち物

 

エコーズact3のDISC+2(装備中)

 

グレイトフル・デッドのDISC+1(装備中)

 

ザ・フールのDISC+3(装備中)

 

ハーミット・パープルのDISC

 

フー・ファイターズのDISC(7)

 

タワー・オブ・グレイのDISC(9) (装備中)

 

マンハッタントランスファーのDISC

 

ンドゥールのDISC

 

イエローテンパランスのDISC+1

 

携帯電話

 

Android

 

音楽プレイヤー

 

お金 861G

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現在11階

 

どうも。最近ボスが仕事しているんじゃないか(キンクリ的な意味で)と思っている、梶原 泰寛です。

 

あの後も、危機的状況は何度か続いたものの、たいていは通路に誘い込めばさほど勝つのは難しいことではなかった。

 

やはりあのときは単に運がなかっただけか。

 

そうこうしているうちに、次の階への階段が見つかる。体力、気力、ともに万全の状態で、いつでも降りられそうだ。

 

(欲を言えばもう少しディスクの強化もしておきたかったけど、今それを言っても仕方ないか。次の階にでも期待しておくかな。)

 

そんなことを考えながら、次の階への階段を下りていく。

 

 

 

 

====12階 エンヤホテル====

 

「気をつけろ!このフロアはエンヤ婆によって支配されている!」

 

階段を下りて次の階につくと同時に、奇妙な声が頭の奥底から響いてくる。

 

「なんだいまの・・・それに、エンヤ婆?そういえばこの様相、どこかのホテルと言えなくもないよな。」

 

となると、ここでは絶対に怪我を負うことは避けなければならない。

 

相手はあの霧のスタンド『正義(ジャスティス)』、まず、スタンドのビジョンが霧だから物理攻撃ではまず倒せないし、少しでも傷を負ってしまえばそこからスタンドの霧が侵食し、穴を開けられて操られてしまう。

 

さらに町ひとつ分の領域を、自らのスタンドが作った『実体のある幻覚』で包み込んでしまうという、ケニー・G(DIOの館で幻覚見せてたあいつ)のお株を根こそぎ奪いかねない芸当をするのだ。

 

そして最も恐ろしいのは、あの婆さんのとてつもない執念深さと、そこから湧き上がる圧倒的なスタンドパワーだ。

 

用心してかからねばなるまい。

 

改めて気を引き締め、ふと、周りを見渡す。

 

「・・・うげぇ、寄りにもよってここ便所かよ(--;)早いとこ離れないとなにされるかわかったもんじゃねえなこれ…」

 

原作のポルナレフみたいな悲惨なことにならないよう、急いで便所を出る。

 

その後、慎重に、物音ひとつ聞き逃さないよう注意を払いながら廊下を進んでいく。

 

「・・・ぬ、ここは広場か・・・」

 

すると今度は、大きなロビーのような場所に出た。

 

ロビーの奥は一本道の通路があり、ソファーが部屋の左右に二つずつ並んでおかれている。

 

「・・・みた感じ何かあるってわけじゃいないな・・・ん?あれは・・・」

 

よく見ると、こっちから見て左のソファーの下から誰かの足が見える。

 

「おい!だれだあんた!そこからでて・・こ・・い・・・」

 

ソファーの下を見ると、カウボーイ姿の、ガタイのいい男が気絶している。

 

(こいつ、もしかしてホル・ホー・・)カツン、カツン、カツン「ッ!だれだ!」

 

男の正体に見当がつきそうな時、奥の通路から足音が聞こえてくる。

 

俺はそれに反応し、さっき来た通路まで戻って体勢を整える。

 

(・・・うあちゃあ~。ここででてくるのかよ・・・)

 

廊下から出てきたのは、背の低い、荒削りな杖を持ったエンヤ婆だった。

 

「オヤオヤ、こんなホテルにお客様とはめずらしい。どうぞ、ゆっくりしていきなしゃれ。たっぷりおもてなしをさせて頂きますゆえ。」

 

「ゆっくりしたいってのはやまやまなんだがな、こう殺気立つ奴が多いとおちおち寝てもいられねえよ。」

 

エンヤ婆に見つかった直後から、周りから感じる気配が急激に増えている。おそらくあいつがゾンビをどこかで大量に呼び出したのだろう。

 

「さて、めんどくせえ茶番はここまでにして・・・・とっととかかってきな!殺気がダダ漏れだぜ、アンタ!」

 

「・・・・・・・・・・・・チッ、思いのほか鋭いガキじゃ。まあいい、ここで始末すればいいだけなのじゃから!」

 

そういうとエンヤ婆は、周囲にゾンビを従えながらオリンピック選手も腰を抜かすようなスピードでこちらに迫ってくる。漫画の描写でしか見たことないけどホントどんな足腰してんだよこの婆さん・・・

 

「我がスタンドは、正義の暗示を持つ霧のスタンド!ジャスティスじゃ!貴様には万に一つも勝ち目はないのじゃあああああ!!」

 

「そのセリフはもう聞き飽きたぜ!勝ち目なんてもんは、最初から見えるもんじゃねえ!時に戦いの中で、テメェ自身で見つけなきゃならねえもんなんだよ!!」

 

そう言って、近づいてくるエンヤ婆をスタンドで攻撃する。

 

しかしこの婆さん、単純なスピードだけでなく機動力の相当なもので、なかなか攻撃を当てられない。

本当にこいつ人間なのだろうか・・・

 

「チッ!なかなか素早い婆さんだ!」

 

「年寄りをナメるなよ若造が!それよりいいのかい?わしにばかり集中していてのう!」

 

エンヤ婆がそう言うと、後ろの通路やエンヤが来た方の通路、天井や足元の床から、呻き声を上げながらジャスティスの霧に操られているゾンビが襲いかかってくる。

 

「逆に聞くがよう、この程度、気付けてねえとでも思ってんのか!?」

 

そういいながら俺は、次々と襲いかかってくるゾンビどもをスタンドをフルに活用しながら蹴散らしていく。

ゾンビたち自体はどうやら、せいぜいちょっと強い程度の身体能力の様で、スタンドのパワーに負けて呆気なくぶっ飛ばされていく。詳しく言うと、パワーはワンチェンとジャック・ザ・リッパーの間、耐久力は浮浪者並ってところか。

 

(とは言えこのままだときりがねえな。いつまでもやってられるもんでもねえし、何か手はないか・・・・・・・・・・・・・いや、あれがあったな。)

 

とりあえず全力で周りのゾンビをぶっ飛ばし、また起き上がってくる前にエンヤの足元にザ・フールを飛ばして動きを封じようとする。もちろんアレの用意も忘れない。

 

「フハハハハハ!ノロいノロい!この程度の物が当たるかマヌ「その考えが一番甘い!セエイヤァアア!!」ブゲァ!?」

 

ザ・フールを躱す為に跳んだエンヤ婆の頭目掛けて、エコーズでンドゥールのディスクをフリスビーの様に全力で投げつける。ディスクはスパァーンと良い音を出しながら、エンヤ婆の頭に思いっきり突き刺さる。

いくら素早くても空中に跳んでいれば大抵は躱せないからな。

 

「ウグ、グググ・・・!!クソ!取れない・・・・・・ナァア?!?!」

 

もがき苦しむエンヤ婆の頭の中へと、ディスクはあっという間に吸い込まれるように入っていき、その効果を発揮した。

 

「ナ、何じゃあ!?目が、目がああああ!!?」

 

 

ンドゥールのディスクの効果・・・これは、ディスクが入ったものを盲目にする代わりに音による知覚能力を極限まで引き上げる。冷静にこの効果を扱えば、音の反響によりダンジョン内の全ての敵の場所が分かるようになる。

最も効果を知らないでこんなふうに焦っていると、ただの盲目の雑魚が一人出来上がるだけということになるが・・・・・・・今回はそれがいい!

 

「焦っちまったな?エンヤ。一手・・・俺の方が上だったようだ。」

 

「・・・・・・・・ハ!!」

 

視界が真っ暗になり、某ラピュタ王の様に取り乱したエンヤにすぐさま近寄る。

 

むこうは俺の声で俺の接近に気付いたようだが・・・・・・もう遅い!すでに射程距離内だ!今度は逃がさない!

 

「お前の運命は・・」

 

「や、やめろォオオオオオオオオオオオ!!」

 

「これにて終了だ!!」

 

ズドドドドドドドドドドドドドドドドドッ

 

「うぽわあ――――――っ!!」

 

装備しているすべてのスタンドでエンヤ婆にとどめを刺す。

 

「ハァ・・・ハァ・・・面倒掛けさせやがって・・・あん?」

 

血まみれになりながら吹っ飛んで行ったエンヤ婆に、息を切らしながら毒づいていると、ふと、自分の周りに濃い霧が発生し始めた・・・

 

「なんだ?・・・・・おおお~~~・・・・」

 

息を止めて周囲に気を配っていると、霧が濃くなっていくにつれて、周りにいたゾンビやホテルの内装はみるみる崩れていくのが見えた。まるで、元々霧でできていた物がすべて、もとの霧に還っていくかのように・・・

 

 

 

「・・・・・・・スゴイ光景だったな・・・」

 

すべてが消えるころには、荒れ果てた土地と、さびれた墓地だけが、もの悲しく広がっていただけだった。

何というか・・・すごく幻想的な光景だった。仮にその光景が、さっきまで侵入者である俺を殺しにかかっていた物だとしても・・・なんとなく、心に響く光景だと、その時は柄にもなくそう思ってしまった・・・

 

 

 

「う・・・嘘じゃ、このわしが、こんなこと・・・・・・」

 

「ッ?!」

 

 

かろうじで絞り出したかのような声に慌てて振り返ると、とっくに力尽きていてもおかしい状態のはずのエンヤ婆は、今までの敵とは違ってまだそこから消えていなかった。

血だらけになり、地面を這いながら、死に体にも拘らず尋常じゃないほどの殺意を視線から放ち、俺を睨めつけながら奴は口を開いていく。

 

「しかし・・・お前の求めるものなどこんなところにはない!!せいぜいほかの場所を探すんじゃなああああああ!!」

 

「なに!?オイ待て、キサマ!!それはどういう意味だ!!」

 

エンヤ婆の発言に聞き捨てならない言葉が入っていたのを聞き、俺は慌ててエンヤ婆に駆け寄る。しかしその叫びが最後の断末魔だったのか、エンヤ婆は地面に倒れ伏してその答えを言う間もなく、言いたいことだけ言って消えやがった。

 

よく見ると、消えたところにはあのスタンド使いを量産する弓矢が置かれている。

 

(クソ、さっきのはどういうことだ?ここに俺の求めるものはない?じゃあここに俺が来た意味は、いったいなんだったんだ!?)

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・一先ずここにいても始まらないので、周囲に何かないか調べる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「一先ずあったのはこれだけか。」

 

見つかったのは、ネアポリスのピッツァ、水を熱湯にするDISC、500G、カエル、そして、今までとは違うあがり用の階段だ。そういえば(気絶した)ホル・ホースもいねえな・・・逃げたか?まあ今はどうでもいい。

 

「アイテムはともかく、今まで階段は下り用のものしかなかったのに、今回の階段は上がるためのものだ。他に道はない。これはある種の一区切りってことなのか?」

 

(・・・結局一番欲しい情報は、掴むどころかまだまだ影すら見えなかった。あの婆さんはほかの場所を探せと言ったが、ここに来るまではほぼ一本道といっていいものだった。もしかしたら奴の言っていた他の場所ってのがこの先にあるのか?)

 

「・・・・・・・・・・・・・・・」

 

(とりあえず、まだ進むべき道はある。なら、まだ進むことはできる!今更足を止めてはいられねえ!!)

 

かすかではあるが、未だ確かにある希望を胸に、おれは階段を上がっていった。

 

今までの道のりが、まだほんの序の口だったとも知らずに・・・・・・・

 

 

 

 

 

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