【デッドマンズA:==『取り戻す』者の物語==】   作:enigma

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まさかの五千文字越えだと…


第十七話

現在の持ち物

アヌビス神のDISC+6

クレイジーダイヤモンドのDISC+7

マジシャンズレッドのDISC+14

ホワイトアルバムのDISC+16

パープルヘイズのDISC+2

デス・13のDISC+1

ザ・ハンドのDISC

グレイトフル・デッドのDISC

ジャンピンJフラッシュのDISC

C・ザ・レインボーのDISC

ヘブンズドアーのDISC(4)

エンペラーのDISC(8)

マン・イン・ザ・ミラーのDISC(6)

タワー・オブ・グレイのDISC(5)

F・FのDISC(8)

プッチ神父のDISC

鉄球

ヤドクガエル

エニグマの紙(0)

エニグマの紙(0)

 

 

お金 7892G

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

===レクイエムの大迷宮===

 

30階 『黄金の旋風(かぜ)』

 

 

---気をつけろ!この階はレクイエムジョルノによって支配されているぞ!---

 

 

 

 

もう何が出てきても驚きはしない。不思議だ…ここまで冷静になったのは…

 

「……何時かは出てくるんじゃないかとは思っていたが、まさかここで出るとは

な…いよいよクライマックスってところか…なあ…」

 

ゆっくりと、落ち着いた足取りで、俺の背後に浮かぶ男を見据える。

男の隣には、俺の知る限り最も強いスタンド、いや、もはやスタンドの次元を遥かに超えた存在が黄金の輝きを放ちながら存在している。

 

「ジョルノ・ジョバーナ…」

 

その圧倒的な存在感と溢れ出るパワーに内心気圧されそうになりながらも、俺は黄金のような髪を靡かせながら、ただただ静かに俺を見下ろす男の名前を呼ぶ。

 

「…どうしてもあきらめないんですね、貴方は・・・」

 

名前を呼んで少し間が開いた後、ジョルノはさっき倒したDIOと同じ事を、しかしあいつの様に侮りや嘲りなどといった感情は一切なく、ただただ、俺の意志を確認するためだけに言った、といった感じの口調で聞いてくる。

突然何を言い出すかと思えば・・・お前もそういうことを聞いてくるのか。まあ俺の返答に変わりはないが。

 

「・・・なんだ、藪から棒に。」

 

「この先には僕より強い敵や、ここなんかよりももっと過酷な道がありますし、あなたが求めるものが、この先にあるかもわかりません。はっきり言って無駄かもしれない。それでもあなたは向かうんですか?そんな途方もない暗闇へと…」

 

「…なるほど。今のセリフ、ようするに俺の旅はお前で終わりじゃないってか?やれやれ、先が思いやられる。」

 

肩を竦め、溜息を吐きながら本気でこれから先の歩みの辛さに辟易とし・・・それでも俺は断言する。

 

「…当たり前だ。むしろ何があるか解らないからこそ挑むんだ。俺には目的がある。それを、まだ進める道があるのに諦めて足を止めてしまったなら、俺は本当に死んじまう。肉体じゃない、俺の心が、魂が死んでしまうんだよ!」

 

「………………」

 

ジョルノはただ無言で俺の言葉を聞く。

 

「だから俺は前に進む!いつの日か、再び俺の場所に帰るまで。」

 

そう、もう立ち止まらない。

 

「いつの日か、本当に道がなくなるまで走り続けるんだ、俺は!」

 

何があっても、何が立ち塞がっても…ただひたすらに、自分の願いのために…

 

「…覚悟とは!!暗闇の荒野に!!進むべき道を切り開くことだッ!テメーの言葉だぜ…ジョルノ・ジョバーナ!待ち受ける物が何であっても、俺は行くぜ!」

 

進み続ける、何としても!

 

「……そうですか、ならばもういうことはありません。」

 

ジョルノから放たれる威圧感が増す。いよいよか…

 

「真実から出た行動は決して滅びはしない。あなたの行動が真実から出たものか、それとも、ただの薄っぺらなものなのか。それはこれからわかることだ。」

 

スタンドを出して構える。

 

「あんたは果たして、滅びずにいられるかな?」

 

「滅びないさ、絶対に…テメーを超えて俺は行く。」

 

「………」

 

「!?」

 

ジョルノが手を挙げて俺の方に向けるのを見て、俺は咄嗟にホワイトアルバムの装甲を身に纏う。

 

---ドゴァッ

 

「ぐおおお!?」

 

次の瞬間、向けられた手から何かが装備しているスタンドの反応速度を超えた速度で射出され、幸運にも装甲化が間に合った胸部の氷に弾かれて後ろ側の少し離れたところにある岩の柱にすっ飛んでいった。

 

「ゲッホゲホッ!クソッ!」

(な、なんだ今のは!?・・・もしかしてボスにやった時のようにサソリを飛ばしたのか?み、見えなかった・・・)

 

俺は余りの衝撃に体勢を崩し、ジョルノから目を離さないようにしながら攻撃が当たった部分のダメージを急いで確認する。

・・・攻撃を弾いた胸部装甲は、今ので完全に砕けていたが体自体には大したダメージはなさそうだ。無意識に体の向きを変えていたおかげで、威力を僅かに流せた事も恐らく今のを凌げた一因だろう。

 

(ほんと、ホワイトアルバムじゃなかったら危なかったな・・・しっかし、改めてどう攻略すればいいんだこんなやつ・・・)

 

改めて、自分が今向き合っている敵の強大さに体が震えそうになる。

だがそんなことに意味はない。出来る限りのことをここに来るまでにしてきたはずなんだ。ならその全てをぶつけて、何が何でも打ち勝つしかない。

そう己を奮い立たせて、今度はこっちから反撃に打って出る。

 

「今度はこっちからだ!食らえ!」

 

目の前に出現したホルス神のビジョンが、体から生えた3対の手にそれぞれ氷柱のミサイルを作り上げ、それらを高速で射出してジョルノに襲いかかる。

この氷柱は相手にあたると同時に相手を凍らせて動きを封じるというものだ。様子見のつもりで撃ったが、さてどうなる!?

 

「クッ!これは…」

(・・・・え、当たった!?)

 

本来なら届くという真実に到達するはずのない6本のミサイルは、前に出たゴールド・エクスペリエンス・レクイエムが目にも止まらないラッシュを繰り出して打ち砕かれてしまった。しかし氷柱の真価はしっかり発揮され、内包していた強力な冷気がレクイエムの体を凍り付かせて今までの敵同様動きを封じる事に成功する。

よし!やはりこいつも本物ってわけじゃないようだな!!

 

「そういうことならチマチマやる意味もねえなあ!!アヌビス神!発動だ!」

 

(了解だ!)

 

アヌビス神のディスクが発動によりエネルギーを消費し、代わりにその本領を発揮する。今まで不完全だった学習能力が、この階層に限り完全な形で発揮される!

 

「一気に倒す!ウオオオオシャアアアアアアアアアア!!」

『ドララララララララララララララララララララララララ!!』

 

全身を氷の装甲で纏い直し、三体の人型スタンドの脚力を同時に行使して瞬時に間合いを詰め、アヌビス神の上段からの振り下ろしとクレイジーダイヤモンドのラッシュ、マジシャンズ・レッドの火焔をまとった手刀で一気に勝負を決めにかかった。

 

「ぐ、ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム!」

 

しかし、ジョルノが叫ぶと同時に、奴を凍らせていた氷や冷気がまるで最初からなかったかのように消え・・・いや違う、さっき砕かれたはずの氷柱のミサイルがビデオの逆再生の様に戻っている!よく見れば、俺の体も徐々に元の位置に戻され始めている!

 

「さぁせるかあああああああ!!」

「くっ!」

 

先の展開を予想して、それでもなお攻撃を続行する。

すると、実は若干諦めが入っていたはずの俺の攻撃を、ジョルノはとてつもない速さで叩き落しながら後ろへと下がっていった。

・・・・どうやら今のこいつのレクイエムの能力、俺の予想を遥かに超えて中途半端にしか発現出来ないようだ。

 

 

「笑止だなぁッ!本物と同レベルならまだしも、そんな劣化版もいいとこな能力で今の俺を止めようなんざ、テメーのその行いこそ無駄なことだろうがよお!!そらもういっちょ!!」

 

半ば絶望的かとも思われた状況が思っていた以上に活路の存在するものだったことに気を良くし、俺はジョルノを強く睨みつけながら奴に接近していく。

 

「クッ、無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!」

 

クレイジーダイヤモンドとマジシャンズレッドの炎で、多方向から同時攻撃を繰り出しジョルノを翻弄する。ジョルノがその対処に追われ、他に手を出す余裕がなくなったところで・・・

 

---ビキビキビキッ!

 

「グッ!」

「マジシャンズ・レッドォオオーーーッ!!」

 

ホワイトアルバムで再び凍りつかせた後、マジシャンズ・レッドの生み出した炎の竜巻がジョルノを包み込む。炎は瞬時に消されてしまったが、焼かれていたジョルノ自身は所々に火傷の跡が見られ、随分と荒い呼吸を繰り返していた。

 

(ダメージはちゃんと通っている!これならいけるぞ!)

 

ジョルノのゴールド・エクスペリエンス・レクイエム(以下G・E・Rとする)

も、パワーとスピードはDIOのザ・ワールド、下手したらそれ以上のものだろうが、その点に関してはアヌビス神の発動で徐々に克服していける。なによりその最大の特徴である本来の能力『自分にはむかうありとあらゆる意志、パワーをゼロにする能力』が絶望的なまでにダウングレードしてしまっているおかげで、勝機はこちらにも十分にあった。

 

「さて…覚悟はいいか?ジョルノジョバーナ。俺は出来ている。」

 

決意を更に強く持ち、俺は一瞬の脱力から踵を地面に打ち付けて再びジョルノに接近戦を挑んだ。

 

 

 

 

「どうしました?もうここまでですか?」

「は!冗談!まだまだこれからだ!」

 

とはいえ、決して余力があるかと言われるとそうでは無かった。最初こそ調子は良かったものの、地力自体がもともと向こうの方が上なのか、こちらも徐々に消耗していっていた。レクイエムとしての能力は言わずもがな、元々持っている生命を生み出す能力もホワイト・アルバムが生み出す超低温のおかげで真面に機能してはいないが、それを補って余りあるG・E・Rそのもののスペックとジョルノ・ジョバーナの判断力、精神力がアヌビス神の発動により強化、最適化されていっているはずの俺の攻撃を確実に防ぎ、時に反撃すら可能にしていた。

攻防の途中、何度か他のディスクも試してみたが、どれも到達はするものの瞬時に解除されてしまい、あまり有効だと言えるものではない。

万一に備えて体勢を立て直す準備もしとかないとな。

 

「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!」

「ドララララララララララララララララララララララララァ!」

 

互いのラッシュの応酬が続く。あまりのパワーに、スタンドだけでなくジョルノも俺も体が宙に浮かんでいく。

 

「無駄ァ!」「ドラァ!」ズドド ビシビシッ

 

そして膠着状態がある程度続いた後、お互い同時にクロスカウンターをしようとして、かろうじでお互いの拳が顔を掠める。

 

「無駄ァ!」ドガッ

「ぐう!?」

 

隙を突かれて足払いをされる。ま、まずい!この体勢だと!

 

「無駄無駄無駄無駄無駄無駄!」

「くそおおおおおおおおおお!・・・なんていうかよ。」シュバッ

「な!?{ドゴォッ}ぐふああ!!」

「ドラァ」 

 

隙ができたと見せかけ、ラッシュを打ち込んできたジョルノをスタンドの顎ごと蹴り飛ばす。

一瞬仰け反って威力を逃がしたようだが、今の入り具合なら十分隙が出来るはず!

このまま一気に畳み掛けて・・・

 

「まだだ!」

 

---ドシュッ

 

「!うぐおお!?」

 

ジョルノがぶっ飛ばされながら、スタンドの手からまたサソリを飛ばしてくる。

今度もそれをかろうじで防ぎきるが、その反動で俺も後ろに吹っ飛ばされる。

結果、お互いに背後の壁に叩きつけられることとなった。

 

「・・・さすがにやるな。あそこから反撃してくるとは。」

「それはあなたも同じでしょう。まったく、油断ならない。」

 

お互い壁に寄りかかりながら立ち上がり、即座に構え直す・・・・嫌な予感がして周囲を見渡すと、他の敵も騒ぎを聞きつけてか徐々に今いる部屋に集まりつつあった。

まずいな、一対一でもこの様なのにこの上他の奴らが加勢しに来たら・・・目も当てられないことになるのは確かだ。

 

「ここはいったん仕切り直させてもらうぞ。さすがにこれだけの数を一気に相手にはできない。」ズブズブ

「!待て!」

「いいや待たない!」ドシュンッ

 

ペットショップのディスクを使い、猛スピードで違う部屋に飛んでいく。行先はランダムだが、今よりは良くなることを祈るしかないな。

 

着地する少し前、ケンゾーの姿が見えた。あいつはドラゴンズ・ドリームに腕を突っ込んだ時、その部屋内におっかないくらいの罠を仕掛けてくるから、見つけた時は気が気でない。

 

(せめてあいつの近くに…{スタッ}よし!少し離れたけど十分だ!)

 

「ホルス神!」

---ドンドンッ ビキビキビキビキ・・・

「な、なんじゃああ!?か、体が!これでは」

「だろうな。くたばれ。」

 

---ズドドドドドッ!

 

身動きが取れなくなったケンゾーを即座に倒し、一時の安全を確保する。

 

(よし、これで罠を増やされることはない。あとは通路に鏡を仕掛けて待ち伏せしよう。他の奴がかかったとしても足止めにはなる。)

 

通路に入り、前後に鏡を仕掛けてから休憩する。

 

「おい!そこにいるのは誰{ガシッ ズギュンッ}な!?か、体が!?」

 

さっそく来たか。ジョルノじゃないのは残念だがまあいい…何としてでも決着をつけてやるぞ…

 

 

 

「・・・・・・フゥ。」

 

どれほど時間がたっただろうか…

 

時々どこからか来る敵を倒しながら、俺が凍らせる→ボコボコにする→ジョルノが反撃したり、劣化版の能力で状態異常を打ち消すという行動を繰り返していくうち、あと少しで倒せそうなところまで来ることができた。…もっとも俺もそろそろばてそうになってきたが…

 

 

「くらえ!」ドンッ

 

(足を狙ったつもりか!さすがに目が慣れてきたぞ!)

 

---サッ ズドンッ

 

俺の足を狙った遠距離攻撃を避け、ジョルノに近づいていく。

 

「よし!これで射程圏内だ!くらえ{シュルシュル ガシッ}な!?足が!」

 

CFHの射程範囲に入った途端、足元からものすごい勢いで植物が育ち、俺の動きを止める。

くそ!そこはまだ冷気が十分に届いていなかったか!!

 

「サソリを飛ばすだけが能力じゃないことくらいあなたも知ってるでしょう。無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!」ズドドドドドドドドド

 

「チィッ!だがこんなもん!{バシバシバシバシバシッ}(そういえばそうだった!だがこれくらいなら今からでもホワイトアルバムで…)」

 

{バキンッ}よし、やっと外れた!

 

「ウオラァッ!」ドゴッ

「くっ!」ズザザッ

 

一端ジョルノを殴り飛ばし、距離を取る。

 

「ゼェ・・・ゼェ・・・」

「ハア・・・ハア・・・」

 

俺もそろそろ限界だ。もっとも相手も多分似たような感じだろうが、

 

 

「…やれやれ、貴方も私を超えて行くんですね…あの男のように…」

 

発動の準備をしようとした途端、ジョルノがおれに話しかけてくる。

 

「あの男?…ディアボロのことか。」

 

「そうですよ。まああの男は貴方とは大分違っていますし、正直ここで足止めしておきたかったところですが…」

「・・・・・・まあ気持ちは分からんでもない・・・」

 

心底心残りだと言わんばかりの様子のジョルノに、一応同意する。あいつも俺も、ひょっとしたら元に戻りたいってところは一緒だったかもしれないが…まあやってきたことがやってきたことなだけに、野郎は決して許されるものではないだろう。少なくとも性根が変わっていなければ、ここで永遠に彷徨っているほうがお似合いだとは思う。

 

「さて、もうそろそろ終わりにさせてもらうぞ。確実に倒させてもらう。」

 

マジシャンズレッドと俺の周囲に、何十というアンク型の炎が旋回し始める。マジシャンズレッドの発動技、クロスファイヤー・ハリケーン・スペシャルだ。手加減はしない。全身全霊をもって、これで必ず決着をつける!

 

「…それでは最後に僕からも一つ。確かにあなたの言うとおり、僕のG・E・Rの力は完全なものではない。」

 

「……………………………」

 

まるでここから先の行く末が見えているかのような口調で話すジョルノの言葉を、俺は攻撃態勢を崩さないようにしながら慎重に聞く。

 

「しかし、貴方がもし諦めずに進み続けることが出来たなら、いつの日か、ひょっとしたらこのスタンドを完全なものにできるかもしれない…その時、貴方の旅は終わりを迎えることになるでしょう。もしかしたら、貴方の望む形で…」

 

「…………なぜそれを俺に?」

 

「…さあ、何故でしょうね?元々来るべきでないものが来てしまった…ただそれだけなのかもしれません。」

 

「……そうか…」

 

ジョルノの話をしているときの目は、決して嘘を言っているものの其れではない。

…そうか…俺の旅は、俺の意思は、行動は…無駄じゃないんだな…

 

「…有難うな…」

 

ジョルノに礼を言う。今の話で、俺の心は少しだけ救われた。後は、俺がそこまで行くだけだ。

 

「どういたしまして。」

 

ジョルノはそれに対し、ただ返事をした。

それは何も邪気も感じさせない、ただ心に爽やかな風が吹き込んでくるかのような、そんな感情を俺に抱かせるものだった。

 

「…じゃあ…今度こそさよならだ。」

 

旋回する炎がだんだん加速していく。これで…とどめだ。

 

「ええ、どうぞ。」

 

対するジョルノも、ここの番人としての務めに準ずるのか、攻撃の態勢になる。

 

「……クロスファイヤー……ハリケーン・スペシャル!!」

「無駄無駄無駄む無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ!!」

 

相手の能力で消されてしまうことを考慮し、全てを同時に放つのではなく、数個ずつアンク型の炎を、連続で放っていく。

その降り注ぐ炎の雨を、G・E・Rは主の前に立って次々と大気を突き破る轟音と共にその両の拳で弾き飛ばしていた・・・さすがにここのボスなだけあるか。

 

「ぐっ、ああああああああああああ!!」

 

しかしそれも最初の内だけで、やがて対処しきれなくなった炎が徐々にジョルノの体を焼き焦がしていく。能力が発動して燃え移った炎は瞬時に消えてしまうが、すぐにまた次の炎が降り注ぎジョルノを焼く。

少し時間が経つと、声を上げる余力もなくなり、スタンドのビジョンすらも殆ど俺の目には見えなくなっていた。

 

 

「…Arrivederci.(さよならだ)ジョルノ・ジョバーナ」

 

やがて燃え尽きたのか、炎とともに、ジョルノは消えていた。その足元には、ただ一枚のディスクが落ちているのみだった。俺は疲れ切った体に鞭を打ってそれに近づいていき、膝をついてそれを拾い上げ、表面に映るスタンドの姿を確かめた。

 

「……………ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム、餞別代りと言っちゃあなんだが、もらっていくぜ…」

 

鞄にディスクを仕舞い、ふと後ろを振り返る。

只の荒れた地面しかなかったはずのそこには、いつの間にか、エンヤ婆を倒した時の様に一つの階段が出現していた。この階を制覇した証拠なんだろう。

 

「…行くか。」

 

希望は、より強い光となって俺の中に残った。

夜の闇を照らす夜明けの朝日よりも、明るく、そして力強く、俺の道を脅かす暗闇を照らし出す輝きとなって。

…もう不安はない。後は…進めばいいんだからな。

 

 

 

 

レクイエムの大迷宮、完全制覇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回で、レクイエムの大迷宮は攻略されました。
しかし、場合によっては過去に行ったダンジョンにもう一度はいることもあります。
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