【デッドマンズA:==『取り戻す』者の物語==】   作:enigma

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第二十話

 

 

 

 

 

 

 

 

「ま、まだだ…まだ…終われるか・・・・・」

 

ただいま現在十四階。食料は既に底を突き、あてもなくただ歩くのみだ。

メーデー・・・だれか・・・

 

「ルンルン♪今日はいい獲物が見つかったなぁ~♪」

 

く、クソ!またか…こんなところで、俺は…

 

「や、やめろ。く、くるんじゃない。こ、こないでくれ!」

 

俺は…俺は……

 

「俺のそばに近寄るなぁアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」

 

 

 

 

 

本日の死因

ドゥービーにルンルンされて死亡

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれからも幾度となく試練に挑戦し続けた。とにもかくにも冒険なくしては成り立たないし。

 

ゑ?何回チャレンジしたって?・・・ソンナコトキキタイノ?

 

・・・・・・・・ハッ!ゴホンゴホン、いかん、また今何かやばいものが・・・

 

・・・というわけで、その、あんまり聞かないでください。はい。

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・大丈夫かい。最近どんどんやつれていってる気がするが…」

 

「・・・ええ、たぶん大丈夫です。前の試練でもダメなときはとことん駄目だったし。大丈夫ですよきっと、いつか、いつの日かすごいディスクが目の前に現れるはず…」

 

「そ、そうか、まあ無理しない程度にがんばれよ。君にあれを手に入れてもらわないと僕も困るからね。」

 

「・・・はい。」

 

とはいえどうしたものか。あの試練とかいうダンジョンは、まず持ち込みができないのが最大の特徴だ。

 

今までのダンジョンは持ち込みができたが、今回ばかりはそうもいかない。文字通り今までのすべての経験と、運が頼りの試練だ。

 

(どうする、持ち込めるのはピッツァと俺の実力。何か・・・何か・・・待てよ?)

 

ここで俺はあることに気づく。

 

「露伴さん、あなたはダンジョンに入った事ってありますか?」

 

「?なんだい急に。まああのヤギを追い回している間に一、二度くらい入ったことはあるよ。」

 

よし、ここまではいい。

 

「あの、その時あなたのスタンド・・・『ヘブンズドアー』を持ち込むことはできましたか?」

 

「何を言い出すんだ?持ち込むも何もヘブンズドアーは僕の半身、いわば僕自身だ。

無論一緒に入ったさ。まあこいつをもってしても今回のダンジョンの攻略は極めて難しいだろうがね。」

 

・・・なるほど、あくまでもアイテムの持ち込みとしてではなく、自分自身の実力として持ち込めばいいということか。

 

「ありがとうございます。少し希望が見えてきました。」

 

「?どういたしまして。まあがんばりなよ。」

 

受け身の態勢はできる限りなくす。俺は、今俺にできることをしてから挑ませてもらう。

 

さて、さしあたり俺が覚えなくちゃならないのは…鉄球はまだ保留だな。あれはちゃんとした球体を使わないと効果がないし自然のものを用意するのは手間がかかる。

 

それに俺には回し方を教わるような人がいない。となると、やはり独学で覚えなくてはならないだろう。

 

となるとあとは・・・波紋法とスタンドの訓練、それも自力で能力を引き出せるようにすることだな。

 

俺は早急に亀の中で装備を整える。メインは無論、前の冒険で散々お世話になったホワイトアルバム、クレイジーダイヤモンド、アヌビス神、マジシャンズレッドだ。

 

そしてあるアイテムをそろえる、もしくはある人物に会うため、再度レクイエムの大迷宮に足を運んだ。

 

ああ、ちなみに露伴さんが落ちている単行本で自分の活躍や行動を見たのかとか、そんなことは聞かなかったよ。どうせ「だからどうしたというのかね。確かに興味深いことだ。多少ゾッとしない話ではある。だがそれ以上に僕にとってはすごい漫画のネタでしかないよ。」

とか言って特に気にしないだろう。最悪軽く見られたと思ってブチ切れられるだろうし。

 

 

 

 

 

===レクイエムの大迷宮===

2階

 

「フム、どうやら元気にやれとるようだね?泰寛君。」

 

「ええ、と言っても今も結構行き詰ってますけどね。お久しぶりです。ツェペリ男爵。」

 

ようやく探していた人に会えた。そう、あのジョナサン・ジョースターに波紋を伝授した人、ウィル・A・ツェペリさんだ。ぶっちゃけこの人に会うためだけにダンジョンを50往復はしてきてしまった。

 

そのおかげもあってか、ホワイトアルバムは範囲こそ狭いうえに時間も短いものの、何とかジェントリー・ウィープスを、アヌビス神は敵の攻撃を覚えて強化していく能力を、他にも、デス・13、エコーズ、グレイトフル・デッドなど、もともと手に入れていたスタンドは発動をそれぞれ100回以上は繰り返している中で徐々に感覚を掴んでいき、精神力の消耗は激しいが何とか自力で使えるまでにはなれた。

 

まあそれ以外にもいろいろ嬉しいことはあったが、ここでは割愛しておく。

 

割と休憩をはさまないとならないという点はまだ否めないが、自分としてはかなりの進歩だろう。

 

「して、今日は何の用かな?その様子だともう私の協力はいらないほど強くなったのではないのかね?」

 

「・・・その強さは、力は、あくまでアイテムあってのものです。ここに来る前のダンジョンで、それを嫌というほど思い知らされたんですよ。だからツェペリさん…俺に波紋を教えてください!」

 

俺は全力で頼み込む。これは試練だ。俺が未来をつかみ取るための試練。決してチャンスを逃すことはできない。

 

「・・・私ができるのはあくまでも君にきっかけを与える程度だ。階をまたげばその分の効果は失われる。そこを分かっていってるのだね?」

 

「ええ、あなたの補助分の効果は失われる。だから今度は、俺自身の力として波紋を習得して見せます。あなたの補助分が無くても使えるように。食料の貯蓄は十分。時間も神砂嵐が来るまではできます。だから…お願いします!俺に波紋を教えてください!」

 

今までも何度か波紋を使う機会はあったが、いずれも大した練習などはする暇がなかったためか、階段を下るころには効果がなくなり、使えなくなってしまった。

 

だが今度は違う。アイテムは無理でも技術などの経験は持ち込むことができる。アイテムや仲間の効果としてではなく、俺自身の力として波紋を習得するのだ。そうすれば、あの試練にも波紋の力を持ち込めるはず。

 

というかなんで今まで気づかなかったんだよ俺…けどまあそんなことしてる暇なんぞなかったけどな。

 

「…頭をあげなさい。君の意志は十分見せてもらった。よかろう!時間の許す限りの範囲で君に波紋の呼吸を伝授してあげよう!」

 

「ありがとうございます!」

 

ようやく始まるのか。俺の修業が。

 

 

「それではまず切っ掛け作りとさせてもらうよ。…パウッ{ドスッ}」

 

「!ウグエエッ!」

 

・・・・・あれ?なんかちがうような・・・

 

「・・・・・・・いや、ごめん!指がスベッちゃった!いやほんとごめんね!」

 

「カ…ハ…アンタ…って人…は…」

 

どうやら先は長そうだ。

 

 

「さて、気を取り直していくとしよう。まずは波紋の呼吸を整えなさい。そして、いかなる時も呼吸を乱してはならない。」

 

しばらく休憩した後で横隔膜を突かれ、今度こそ呼吸を波紋のリズムに合わせられた後は、ツェペリさんの言うとおりいかなる時も呼吸を乱さないよう努める。

 

ちなみにゾンビや吸血鬼と戦う際には、スタンドを使ってはいけないとのお達しがあった。

 

当然だろう、これは波紋の修業だ。そんな楽をしてたんじゃ意味がない。

 

呼吸を乱すとあっという間に波紋のエネルギーが揺らぐため、常に落ち着いた状態を維持しなくてはならない。

 

………正直そんなに難しくはない。呼吸方法を正しく知り、しっかりと覚えるまではかなり時間がかかったものの、今までの戦いの日々で得た経験があってか、少なくとも今までの旅路に比べればかなり楽な方だ。

 

何としてでもこの呼吸法を覚えて帰らなくては…

 

 

5階

「泰寛君、こいつを倒しなさい。やり方は教えたとおりだ。」

 

「了解です。」

 

「ウェッヘッヘッヘ、うまそうなやつ来たね。ここでくたばるヨロシ!」ザンッ

 

「…コオオオオオオオオオ(バチバチバチバチ)ズームパンチ!」ゴキゴキンッ!

 

「(ドゴッ ジュアアアアアアアッ)ギヤアアアアア!?か、顔が溶けていく!ワタシの顔が!」

 

肩と肘の関節を、波紋の効果で痛みを和らげながら勢いよく外し、その分リーチを伸ばしてワンチェンを殴り飛ばす。

 

「とどめだ!波紋疾走(オーバードライブ)!」ズドドド

 

「うばあああああああああ!!」ジュウウウウウ

 

ふう、何とかいったな。

 

「フム、調子はどうだね。」

 

「そうですね。だんだんわかってきた気がします。」

 

そう、段々とだ。だんだんとコツがつかめてきたぞ。もうあと少しでものにできそうだ。

 

「フム、それは何よりだ。それでは次に行こう。ここもそろそろ時間が迫っている。」

 

 

 

 

10階

「壁を伝われ!波紋疾走!」バリバリバリバリ

 

「ぎゃああああああああ!?」ドジュウウウウウ

 

壁の向こうに隠れていたジャック・ザ・リッパーを、波紋を伝導させて倒す。

 

だんだん、ツェペリさんに頼ることもなくなってきた。この調子なら、20階にたどり着くころには呼吸を実践レベルで使えるようになるだろう。

 

まあ階をまたぐたびに突かれてればそりゃ嫌でも覚えると思うが。

 

「フム、それでは私から最後に水面を歩く方法を教えておこう。見ておきなさい。…コオオオオオオオ」スタ、スタ、スタ、スタ

 

ツェペリさんが水の上を当然のごとくわたっていく。よし、俺も…

 

(焦るな。波紋のエネルギーは水鉄砲の原理と同じだ。出すところを一点に集中させて放てばそれに応じて効果も上がる。)

 

呼吸を整え、練り上げた波紋エネルギーを足先に集中させる。

 

そして、水面に足をつける。

 

「・・・・・・・・・{スタスタスタスタスタ}(よし!出来たぞ!)」

 

あらかじめイメージさえつかんでおけば、意外と簡単だった。

 

「これもクリアするとはな。よし、あとは実戦あるのみだ。」

 

「はい!」

 

もう少しだ。あともう少し。

 

 

 

 

 

29階

 

「小僧!今すぐここでミンチにしてやる!」

 

「やってみろ!グズグズに溶かしてやる!」

 

今、俺の目の前には、あの最強の騎士二人組の片割れ、タルカスがいる。

 

ちなみにブラフォードに関してだが、キリマンジャロの雪解け水に波紋を流し込んでぶつけたり、ゾンビ馬の糸で作った罠に引っかけたりして何とか倒した。

 

「待ちやがれこのガキがああ!」

 

「そう簡単に捕まるかってえのよ!(近づいて来い。その先にはきっちり罠を仕掛けてあるんだからよ。)」

 

あと五歩…あと三歩…あと一歩…今だ!

 

「くたばりやがれ!」

 

(てめえがな。)ヒュヒュン

 

「あ?は!こんな紐がいったいなんだって「オーバードライブ!」ぐ、グギャアアアアア!?」

 

たかが紐と油断したタルカスに、紐から一気に波紋を流し込む。

 

そして怯んだすきに、直接波紋を叩き込んで消滅させた。

 

「泰寛君、これで私からの指導は終わりだ。よくやった。後は君の鍛錬次第でどこまでも成長していけるはずだ。」

 

「ありがとうございます。・・・それでは、行きますね。」

 

「ああ、諦めずに進みなさい。」

 

「…お世話になりました!」

 

そういってツェペリさんに別れを告げ、階段を下りていく。

 

よし、これであとは挑戦するだけだ。

 

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