【デッドマンズA:==『取り戻す』者の物語==】   作:enigma

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第三十六話

===屋敷幽霊===

26階

 

「掴んだぞ!くらえ!ザ・グレイトフル・デッドォォォッ!」

 

「グ・・・・・・・・・・・・・・・掴んで・・・しまったな?」

 

「なに?これは・・・冷気だと!?」

 

「(今だッ!)デス・13!」

 

-----『ラリホ――z_ッ』

 

「なにっ!?ぐ、これ・・・は・・・・・・きさ・・・ま・・・・・・スゥ――・・・スゥ――・・・」

 

「・・・ふ~~、あっぶなかった・・・。さて・・・これで・・・お前も終わりだ。{ドゴドゴドゴドゴドゴッ}」

 

自分の能力が効かなかったことに戸惑い、一瞬だけ隙のできたプロシュート兄貴にデス・13の能力を使い、そして熟睡したその直後にきっちり始末した。

 

(ふう、これでこの階も終了だな。・・・・・・とは・・・いえ・・・・・・)

 

「ハァ―・・・ハァ―・・・さ、さすがに直ざわりは・・・完全には抑えきれないか・・・何か・・・ちょっとだけだけど皺ができてる気がする・・・」

 

マン・イン・ザ・ミラーの鏡で顔を確認すると、ちょっと、少しばかり顔が老けている気がする。

 

体表温度のみとは言え真冬時くらいの体温にしておいたはずなのに。やはり恐ろしいな、ザ・グレイトフル・デッド。

 

「(まあこれくらいならまだ問題はないかな?トニオさん特製のトマトとモッツァレラチーズのサラダもあるし。)吉良さん、終わりましたよ。」

 

「ああ、ご苦労様。それじゃあ次の階に!?うぐぐ・・・」

 

「?どうかしたんです・・・!?ガ、ギギギ・・・」

 

こ、この何か鋭いものがせり上がってくる感じ!まさか!?

 

「「うごえええええええええええええええ!がは!げぼぼ!」」

 

こ、これは!俺の喉から・・・カミソリが出てッ!?

 

吉良の口から出ているのは・・・あれは縫い針か!

 

「ゲボゲボ・・・ゴ、ごれば、まざがリゾッドが!?は、はや"ぐがいだんを!」

 

リゾットの透明化能力は、簡単に見破ることはできない。俺の持ち物にもメタリカがあれば、奴のスタンドの使う磁力エネルギーを乱すことで透明化を乱れさせ、奴の姿を見えやすくすることができる。

 

・・・が生憎今は間が悪いことに持ち合わせていない!

 

(クッ!・・・いや、今は無理して相手をする必要はない!ここはむしろ・・・これ以上下手にダメージを食らう前に、急いで階段に駆け下り、この非常にやばい状況から一刻も早く抜け出すことが先決だッ!!)

 

すでに階段が見つかっている今、いちいち相手にしている方が余計に体力を削ってしまう。

 

そう判断した結果、デッドマンズ吉良をスタンドで抱えて階段に走りこみ、全力で駆け下りていく。

 

途中で何度も体からハサミやら縫い針やらが体から飛び出すが、それでも何とか、下にたどり着くことはできた。

(あ、危なかった・・・・・・とりあえず次の階で傷を治さなくては・・・)

 

 

 

 

 

27階

「ぐ・・・ざっぎのは・・・げぼ、いっだい・・・」

「がふッ・・・あれは・・・リゾッド、鉄を・・・操る能力、スタンド使い・・・げほ・・・でず・・・とりあえず、治療を・・・」

「ああ・・・だのむ・・・」

リュックサックの中からクリームスターターのディスクを取り出し、俺とデッドマンズ吉良の怪我をした部分をクリーム状にしてから再構築する。

 

「スゥ――・・・ハァ――・・・・・・ア、アア~~~アア~♪よし、これで問題は無し!そちらはどうですか?どこかおかしな所とかは・・・」

「ああ、私の方も問題はない。それでは行くとしよう。」

「了解です。」

ほぼ完全に治療を終え、俺達はこの階の探索を開始する。

 

 

 

 

 

「これで残すところはあの通路の先だけか。」

最後の行っていない通路に向かって、俺達は歩みを進める。

さすがにこのダンジョンまで、あの試練みたいに長ったらしいものではないと信じたい・・・信じたい・・・

というかさすがにそろそろ回復アイテムの残量が尽きてきそうだから割と本気で終わりにしてほしい。

「さて、この部屋は・・・よし、階段があったぞ。」

行った先の部屋では、俺達が探し求めていた階段がついに見つかった。

・・・ついでに生前の吉良吉影も見つかってしまった。

「君…見てしまったようだね?」

「やれやれ、やるしかないか。・・・吉良さん?」

「「なんだ?(!貴様、私の正体まで・・・)・・・・・・は?」」

二人ともお互いの顔を凝視する。まいったなぁ~、こうなるかもしれないからできれば会いたくなかったんだけどな~

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「「貴様、何者だ。なぜ私と同じ顔をしている!」」

ヤバイww今にも吹き出しそうww(俺が)

「・・・まあいい、君たちが何者であろうと・・・ここで始末してしまえば何も問題はないのだからね。」

吉良(敵)の背後から、キラークイーンが出てくる。

「うう・・・なんだこの感覚は。私は・・・あの男をどこかで見たことが・・・あるような・・・な、なぜあいつは…私と同じ、顔を・・・しているんだ?」

 

「言ってる場合ですか?とりあえずいつも通り避難しておいてください。」

 

「あ、ああ。」

 

よし、何とか通路側に避難してくれたようだ。あとは・・・

 

「君、今私の背後を見たね?ちらりとだがはっきりと。私の・・・キラークイーンが見えているようだね?」

 

「だったらどうした?お前を倒さなければこの先に進めないというのなら、とっととその通りにして進んでいく。ただそれだけだ。」

 

こいつを・・・倒すのみ!!

「フフフ、どんな能力かは知らないが、この私に勝てるとでも{シュパッ}ムッ!?」

 

 

吉良(敵)が御託を並べている間に、リュックサックから取り出した記憶ディスクを吉良に投げつけ、吉良の意識がディスクに向いている間に泥化した地表を派手に巻き上げながら高速で滑っていく。

 

「{バシィッ}フンッ、こんなものが何になると・・・!?奴はどこに「ここだよ間抜け。」いつの間に!」

 

本物みてぇに決められるかは知らねえけどよぉ~~~~~・・・いっちょ、決めてやるぜッ!!

 

「オォォアァシィィィィィスッ!!」

 

------ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ

 

腕を柔らかくなった地面に打ち付け、コーナーのリングロープの反動を生かすボクサーのように下から、吉良に全力のラッシュを放つ。

 

「くっ、こいつ!?キラークイーンッ!!」

 

『しばばばばばばばばばばばばばばばばっ!』

 

キラークイーンは俺のラッシュに対応しようと上から拳を繰り出してくる。

 

------バシバシッ ガンガンッ ガッ ドンッ ガンッ ガンッ ガンッ ガンッ

 

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

 

『しばばばばばばばばばばばばばばばばっ!』

 

------ガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガン

ガンガンガンッ

 

 

ほんの数瞬の打ち合い。にも拘らず、両者にとっては、気の遠くなるような時間がたっていく。そしてそのなかで、どちらも互角にお互いの攻撃を紙一重で捌いている。

 

触れただけでものを泥状にしてしまう拳。

 

触れただけでものを爆弾にしてしまう拳。

 

それらが互いに互いを反らし、押しのけ、弾き飛ばし、一歩たりとも譲らない拮抗状態を作り出していた。

 

だがそれも・・・すぐに終わりが来た。

 

「{バシィッ}なに!?」

 

俺の拳がキラークイーンの拳によって大きく弾かれてしまい、俺は致命的な隙を創ってしまった。

 

(チッ、やはりこうなっちまうか。まあオアシスでの格闘訓練自体はそこまで積んでなかったし、むしろここまで持ったのが不思議なくらいか。しかし・・・)

 

「勝った!やはり勝つのはこの私{ドズンッ}・・・え?」

 

(やはり・・・俺が勝つのには変わりない。)

 

別に、奴に近づくのに派手な動きはしなくていいんだ。ならなぜ・・・泥を巻き上げるような真似をしたのか。

 

ここで一つ、俺の使っているスタンド、【オアシス】の説明をしておこう。

 

こいつは能力を発動する際、それこそ触れているものとそれに隣接するものはやたらめったら、とにかく固体のものはなんだろうと泥化させてしまう。

 

ある程度範囲を絞ったりすることはできるが、それでも範囲だけだ。いちいち細かい制御ができる訳ではない。

 

さて・・・ここで注目してほしいのは、この能力の効果は『触れているものとそれに隣接しているもの』だけである・・・ということだ。

 

そこでだ、もし泥化しているものが能力の効果から外れた場合、その物質は当然元の硬さに戻ってしまう。

 

そして俺が吉良(敵)に近づく際、巻き上げてしまった泥が効果から外れて元の状態に戻った場合その泥はどうなるか。

 

「{ドズンドズンドズンッ}があああああああああ!?こ・・・これは、いったいなにが!?」

 

「{バシバシバシッ}ま、こんなふうに・・・巻き上げた土が固まって落下するわけだ。それも空気抵抗が少なくなるような、槍みたいな形になりながらな。」

 

しかも泥状から固まったため、完全に岩みたく固くなっているからさらに殺傷力が増している。

 

俺も下から見てなかったら完全に巻き添えくらってたな。

 

「こ、こんな・・・馬鹿な・・・これは、夢だ。平穏を望む、この・・・吉良吉影に、こんなひどいことが・・・・・・あるはずが・・・ないんだッ!・・・・・・・・・うぐあっ!?{ガクンッ}」

 

「(体勢が崩れたッ!チャンスは今しかないッ!!)ギシャアアアア!!」ズババッ

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

そして、落下してくる石槍に気を取られた吉良の腕を切り飛ばし、最後に貫手で心臓を貫いて、止めを刺した。

 

「はあしんどい!吉良さ~ん、終わりましたよ~」

 

「ああ、ごくろう。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

・・・やはりさっきの吉良(敵)のことを考えているのか。

 

「・・・どういう思惑があるにせよ、先に進まないと仕事は終わりませんよ?」

 

「・・・ああ、解っている。」

 

デッドマンズ吉良は渋々とだがその意見に賛成し、ともに階段に歩いていく。

 

はあ、せめて吉良吉影としての性癖と記憶を思い出さなければいいけどな。道中で吉良吉影の記憶ディスクを見つけた時も一瞬その光景を思い浮かべて焦ってしまったし・・・

 

 

 

 

 

 

 

その後、28階に降りた際、降りた部屋にたまたま階段があったのと、持ち物はすでに十分そろっていたため、無理して探索する意味が特にこれと言って思い浮かばなかった。

 

よってこの階はすぐさま降りることになった・・・

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