【デッドマンズA:==『取り戻す』者の物語==】 作:enigma
その名も【デッドマンズA:==『取り戻す』者の物語==】ッ!!
これからもなにとぞよろしくお願いします。
ちなみに近いうちに、主人公の顔の挿絵を設定集に入れたいと思っております。
あまり絵はうまくないですし自惚れかもしれませんが、自分なりによく書けたのではないかと思っております。
===ヴェネツィアホテル===
「よし、それじゃあ今回は思い切ってメイド・イン・ヘブンを渡すか。」
辻 彩のエステから帰ってきた俺は、大分前に合成して作ったメイド・イン・ヘブンを取り出すために亀の倉庫に入ろうとした。
「さてと、あのディスクはどこに置いたかな~~・・・・・・あれ?なんだあれ?」
そう、入ろうとしたのだ。だが、亀の背中の鍵に手で触れようとした時、鍵についている紅い宝石の中、俺は倉庫の中のソファーに見慣れない影を見つけた。
「あれは・・・・・・動いてる?誰かが入ってるのか?」
おいおい勘弁してくれよ。ただでさえベッドの方は占領されてるってのにこっからさらにソファーまで占拠されたらもうあとは床か机か椅子くらいしか寝床がなくなるぞ。
さすがにそれは勘弁してほしい。
「とりあえず誰が入ってるか確認するか。・・・ひょっとしたらエステの効果が出たのかもしれないし・・・」
かすかな希望と期待を抱きつつ、俺は亀の倉庫の中にはいっていった。
するとそこには・・・
「あの~すみません。ここで何をしてるんですか・・・え?!」
「ん?誰だね君は。・・・ひょっとして君は、この亀の飼い主か?」
・・・以外、というよりもむしろ、ある意味ここにいることが納得できる人物がいたのだ。
そう・・・あの男が・・・
「ふむ、その感じからしてこの亀の飼い主ということは間違いなさそうだな。」
「え、ええ・・・・・・あ、あの一応聞かせて頂きたいのですけれど・・・どちら様でしょうか?」
試練や鉄獄などのダンジョンで、散々俺の前に現れては俺の行く道を阻んできた者の一人・・・
「おっと、こいつは失礼。名乗らせて頂こう。私の名はポルナレフ・・・」
鋭いレイピアの様な剣を振るい、変幻自在にして高速の剣戟を繰り出す剣士のスタンド、『シルバーチャリオッツ』を操るスタンド使い・・・
「ジャン・P(ピエール)・ポルナレフ!」
ジャン・P(ピエール)・ポルナレフその人が、俺の目の前に、まるで幽霊のような感じで亀の中に潜んでいたのだった。
「・・・どうも、ポルナレフさん。僕はこのヴェネツィアホテルに住んでいる梶原泰寛と申します。」
とりあえず差しさわりない挨拶をしながらも、俺はそんなこととは別のことを考えていた。
(どういうことだ?この男が俺の希望になりえる存在だとでもいうつもりか?しかもこの見た目、確かディアボロに確実に止めを刺されて再起不能になった状態のポルナレフだろ?いったい何の役に立つっていうんだ。というかすでに半透明で幽霊になっとるし。)
「ああ。それと・・・まずはここを勝手に使わせてもらっていることへの非礼を詫びよう。勝手に使わせてもらって済まない。」
「い、いえ。・・・差支えなければお聞きしたいのですが、いったい何があったんですか?」
俺がそういうと、ポルナレフ、声の調子を落として事情を説明し始めた。
「・・・・・・・・・・・実は最近、あまり他言するようなことではないのだが、とある事情でこの通り死んでしまってね。死に物狂いで何かにしがみついたと思った時には、気が付いたらこの亀のスタンドにしがみついていたのだよ。」
「・・・・・・・・そうだったんですか。」
・・・事情を知っているとはいえ・・・やっぱり物悲しいな、こういうのは・・・
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なあ、君はひょっとして、『奇妙なダンジョン』を冒険しているのか?」
「?ええまあ・・・そうですね。僕も少し事情があって、それでやってますね。」
「・・・・・・・・・・すまない、私の勝手な事情に巻き込むようだが、実は君に頼みたいことがある。まずは聞いてもらえないだろうか?無論嫌だというのなら断ってくれて構わない。」
!!これは・・・・・・まさか!
「・・・話を、続けてください。」
「ああ・・・私は死んでここに来る前に、とある邪悪な存在と二度目の再会を果たし、そいつによって殺されてしまった。そして・・・実はその死ぬ直前にあるものを残してきてしまったのだ。」
ポルナレフは淡々と言葉を紡いでいく・・・
「それは・・・君も知っているものだと思うが、スタンド能力に目覚めるには大まかに分けて二つの方法がある。一つは生まれつきの素質、そしてもう一つは・・・ある特殊な矢で体、もしくは魂を傷つけることだ。」
「ええ、それは僕も知っています。でもそれが何か?」
「ああ、実はこの内の後者、『スタンド能力を目覚めさせる矢』のことなのだが・・・この矢には、誰も知らない真の『使い方』が、秘められた英知が存在する!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ほんのささいな・・・・・・・・・偶然が・・・・・・二年前にあった・・・・・・一度目の奴との邂逅で再起不能にされ、かろうじで生き残った私は、ある廃村に身を隠していた・・・・・・ささいなことというのはそこで起こった・・・・・・」
「エジプトで手に入れたあの『矢』が、ほんのちょっとしたきっかけで家具と壁の隙間に、すっぽり落ちてしまったんだ・・・・・・・・・何ていうことのないつまらない出来事だ。普通の者ならそれを難なく腕を突っ込んで拾うだけだろう・・・・・・・・・だが私の体にとっては困難な作業だ。ほっぽっておいてもよかったのだが・・・その時私は、『チャリオッツ』なら『矢』を拾えるな・・・・・・と思ったんだ。」
「その時だ・・・・・・・・・・・・『チャリオッツ』が『矢』で指を傷つけてしまったのだ。・・・・偶然だった。そして、再起不能の私は・・・・・・・・・誰も知らない・・・・・・しかし、すごく簡単なことを発見したんだ・・・・・・・・・・・・・・・・」
「『矢』は才能のあるものからスタンド能力を引き出すッ!だが!さらにその『矢』でスタンドを貫けば・・・!!」
「あの『矢』がどれくらい昔の者かは知らないが、あの『矢』を作ったものが何を考えていたのかわかりかけて来たッ!スタンド力(パワー)には「先」があったのだッ!今よりもさらに先がなッ!」
「そして、矢で傷ついたチャリオッツが起こした現象を見た時、私は気づいた。もしこの『矢』を力のあるものが使えば・・・!!そのものはこの世のすべての生き物の精神を支配する力を持つことになるっ!・・・ッと!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「私は一度、その男と戦った結果戦闘者として再起不能の身となってしまった。そのせいで、矢のもたらすパワーを完全に支配することはできなかった・・・おそらく、今まさに、私のスタンドは暴走状態に陥っているだろう。頼む・・・!彼らと協力して、あの矢をッ!あの男の手に渡る前に、何としても手にしてくれ!あの『矢』は・・・『希望』なんだ!」
「・・・・・・・・・・・・・・わかりました。いいでしょう。僕でよければ引き受けます。」
「!・・・ありがとう。感謝する。・・・ああ、それからひとつ伝えておくことがある。」
「?なんですか?」
「これから君を、おそらく私のスタンド・・・『チャリオッツ・レクイエム』とでも呼ぼうか。そいつがいるであろう大体の位置に送り届けることになる。その際注意してもらいたいことなのだが・・・まずここから先にアイテムの持ち込みはできない。次に、罠を仕掛けるタイプのスタンドディスクが出やすいということ。そして最後に、食料以外の消費アイテムが非常に出にくくなっているということだ。」
なるほどな。となると・・・記憶ディスクは普段あまり多用しないからまだいいが、鉄球やヤドクガエル、コミックスが出づらくなるのが痛い所か・・・だがこれは好都合かもな。罠を仕掛けるタイプとは言え、むしろディスクが出やすいということ、つまり装備を低層で整えやすい環境であるということでもあるんだから。あ、でもやっぱ漫画が出ないのは困るな。
「・・・頼んだぞ。あれが最後のチャンスなのだ。あれをあの男に渡してしまえば・・・間違いなく、奴に勝つことは不可能になってしまうだろう・・・」
「ええ、必ず…掴んで見せますよ。・・・・・・・あ、その前に少しだけ待ってもらえませんか?ちょっと準備しておきたいことがあるので。」
「?構わないよ。まあできるだけ早くしてくれるといいんだが・・・・・・」
「助かります。」
ポルナレフに一言言い、俺は倉庫の中の道具のうち、あるものを探す。
「え~っとこれでもない・・・これも違う・・・この中は・・・ない。これは・・・あった!後はあれを・・・よし。これで全部だ。」
どこにあったかを忘れ、いろいろと手さぐりでようやく探し当てたのは、銀色に輝くディスクと、金色に輝くスタンドディスクだ。
「まずはこっちのディスクを刺して{ズブズブッ}・・・・・・」
-----あ・・・新しい予知が・・・現れた・・・ぞ・・・
記憶ディスクを差し込むと、子供の声が聞こえてくる。
(頼む!あれ以外・・・あれ以外の奴が来てくれッ!)
-----泰寛はダンジョンを歩いていました。すると次の階で・・・・・・・・・・・・・・・大型モンスターハウスに踏み込みました。泰寛は考えるのをやめました・・・・・・
(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・フ、フフフ、ハハハハハハハハハハハハハハハハッ!!)
「よっしゃアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!キタコレエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエッ!」
良ぉ~~~~~~~~~~~~しよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしッ!
ベネッ!(良いッ!)ディ・モールト ベネッ!(非常に良いぞッ!)
これなら間違いなくッ!出だしは順調だ!
・・・・・・これを見ている人がいるとすれば、間違いなく今の俺の振る舞いは変人のそれとしか見られないだろう・・・。
だが、そんなことはどうでもいいッ!
・・・今更ながら説明しておくと、今俺が使ったのは【ボインゴのDISC】だ。
こいつを使用した際の効果は、『次に俺が向かう階層の特徴をランダムで固定する』というもの。なお、選ばれる階層の特徴はトニオさんのレストランがある、通常、大型、バッドカンパニー、ハイウェイスター、吸血鬼、水族館、パッショーネなどのモンスターハウス、その他特殊部屋等に分けられる。
なぜそんな危なっかしいものを今回使ったのかというと、無論、少ない階層でしっかりアイテムを確保するには、モンスターハウスで稼ぐ方がなんだかんだで一番手っ取り早いからだ。
しかも今回はコミックスが通常よりもさらに出にくいときている。
となるとできる限り出だしで手持ちのものを充実させておかないと、後の方の階層で確実に死んでしまうからだ。・・・おもに食料とか、アブドゥルの消し炭とか、エシディシの消し炭とかで・・・ヤベェフルエテキヤガッタ・・・
だから、少なくとも4,5階までで修正値に頼らなくてもいいくらいには装備を整える必要がある。
以上ッ!説明終わりッ!・・・・・・あ、だめだ。あともう一つの説明が終わっていない。
それとさっき取り出したスタンドディスクについてだが・・・これは【シンデレラ】だ。こいつの発動は幸運のメイクの力で次の階に出てくるアイテムを増やすというものだから、ここで使えばさらにアイテムが増し増しになってより冒険がやりやすくなるという筋書きだ。
・・・・・・・今まで使ってなかったのかって?いや・・・実は・・・なんというか・・・その・・・ぶっちゃけボインゴのDISCって、リンゴォやジョニィ並みとまではいかないが(これらは20回挑戦して1,2枚手に入る程度。)入手頻度が低いからそんなに簡単には手に入らない。
レクイエムでならボインゴを倒せば必ず手に入るがボインゴしたいほとんど出てこないし、それ以降のダンジョンでも鑑定する過程でうっかり使ってしまうからなおさらだ。
今使ったのも、実は屋敷幽霊で手に入れたものをそのまま流用している。
・・・まあこの話はこれでいいだろう。どっちにしろ・・・・・
「よし、メイクは完了だ。これで・・・ようやく・・・・・・」
・・・これで・・・終わるかもしれないからな・・・・・・
(あのレクイエムの大迷宮の探索後…俺はエンヤの婆さんが落とした矢をゴールド・エクスペリエンス・レクイエムに使った。だがあの矢に、その本来の機能はなく、ただディスクに能力を付加するための容量が増えただけだった。。おそらくこれから行く先、その果てに・・・『真』の『答え』があるに違いないッ!何としてでも・・・掴んでみせるぞッ!)
・・・何が起ころうと・・・・・・全力でやるだけだ。そして…今度こそたどり着いてやるぞッ!
俺の求める・・・『真実』にッ!!
「ポルナレフさん・・・お願いします。」
「・・・準備は整ったようだな。それでは・・・幸運を祈る。」
ポルナレフがそう答えた直後、俺の視界が・・・・・・暗転した。
これが・・・最後かもしれないな・・・・・・・・・・・・
さあ・・・『決着』をつけてやるッ!!
この忌まわしい『運命』に、その『全て』にッ!