【デッドマンズA:==『取り戻す』者の物語==】 作:enigma
11階
「待てやコラァ――――――ッ!逃がさねえぞ!」
『シシシ!』
現在、敵のハーヴェストを倒すため、ダンジョンの中で全力で鬼ごっこを行っている。
(確かこの部屋の先は袋小路だったはずだ!そこで奴をたたく!)
『シシシ!{シュタタタタタタタタタタタタタタタタタタタ}・・・・・・・!!?』
ベネッ!思った通りだ!そして・・・
「追い詰めたぞ、とどめだ!キラークイーンッ!!」
『しばばばばばばばばばばっ!!』
---ブチブチブチッ シュゥ―――z__ッ
追い詰められたハーヴェストは、なす術もなくキラークイーンのラッシュでつぶれて消えた。そのあとには、日ごろダンジョンでよく見る未鑑定のヤバいものが落ちていた。
「これは・・・入れ物の類か。それじゃあこの消し炭を入れて・・・・・・。よし、取り出せるからこれはエニグマの紙だな。」
忘れないうちにメモでもしておくか。『エニグマの紙』っと・・・・・・・これでよし。
とりあえずカバンの中身もそろそろいっぱいになりそうだったため、メモをしてからすぐに他の荷物(主に食料)を紙の中に仕舞い込む。
「しかし本当にディスクや食料ばっかだな。コミックスがここまでで一冊しか出てこないってのも改めて考えると・・・すごくきつい状況なんだよな。」
これまでのダンジョンと比較すると、大体コミックスの出現率が半分以下に感じられる。
無論これは俺の体感的な物による認識だから、正確にどうといえるものではないが、ディスクや食料に出現の割合が傾いているのは確かだ。
ディスクの強化ができないと、ここから先に出てくるスタンド使い達に対してかなりの苦戦を強いられることになる。それは今までの戦いの中ですでに確定的な認識だ。
(・・・これに関してはもう仕方がないと割り切るしかなさそうだな。今まで通り・・・一つでも修正値の大きいディスクととっかえとっかえしていくしかないか。)
幸い、今の俺にはキラークイーンがいる。こいつの『触れたものはどんなものでも爆弾に変えられる』能力の持つ火力と汎用性があれば大概の敵は切り抜けられるだろう。少なくとも吸血鬼の類(一部例外)に負けることはありえない。
「さて、まだ食料も時間も余裕はあるし、もう一狩り行くか。(・・・確かハーヴェストが出始めたのは7階くらいだったな。もうそろそろハーヴェストも出なくなるだろうし、ここでできる限り稼いでおきたいところだ。)・・・・・おっと、あれも忘れないようにしないと。」
不意打ちを仕掛けられないようにと、出口付近の小石に仕掛けたキラークイーンの爆弾を解除し、またアイテム収集のためのハーヴェスト探索に向かった・・・
14階
------気をつけろ!!ここは幽霊の小道だぞ!!
頭の中に直接響くような、そんなアナウンスとともに俺が降り立った次の階は、まさしくそのアナウンスの通りの場所だった。
「まさかこんなところまであるとはなぁ~。」
左斜め前に見える、郵便局の赤いポストとその下に落ちている、スニーカーで踏んだ跡のついた犬の糞らしきもの。
道に隣接するように立ち並ぶ、閑静な住宅群。
今俺が立っている場所は、あのジョジョ第四部の杜王町の名所。そのうちの一つ、決して振り向いてはいけないあの『幽霊の小道』だった。
「(おそらくここも原作通りの場所だろうな。){キョロキョロ}・・・・・・・どうやらここには敵はいなさそうだな。杉本鈴美とか、他に誰かが来る気配もない。・・・ちょうどいい、ここらで少し休憩でもさせてもらうか。」
フゥ、と大きく溜め息をつきながら、俺は住宅地の外壁の壁にもたれかかり、そのまま腰を地面につける。
実をいうと、ここにくるまでモンスターハウス二、三回ほど踏み込んでしまったために散々敵と格闘をすることになり、まともに休む暇がなかったのだ。
おかげでそこそこいいものも手に入ったが、おかげで体が悲鳴を上げている始末だ。
「ハァ~~~~~{コキコキッ ペキペキッ}ハァ・・・さて、ここらへんでアイテムの整理でもしてみるか。」
一先ず背中からリュックサックを下し、中にはいっているアイテムを取り出していく。
「え~~~と、今のところの戦利品は・・・エアロスミス+3が一枚、アヌビス神+2が一枚、ジャンピン・ジャック・フラッシュ+3が二枚、スカイ・ハイ+2が一枚、DIOの骨(6)が一つ・・・・・・・・・・・」
一つ一つ丁寧に数え、硬いアスファルトの上に順番においていく。
「・・・フー・ファイターズが一枚、エニグマの紙が五枚、ハイウェイ・スター+2が一枚、クレイジーダイヤモンドが二枚、あとは・・・・」
最後にエコーズact3のディスク(+3)をおいて、リュックの中に何もないことを確認する。
「よし、大体こんなところか。」
一応、戦利品を分かりやすいようにまとめると・・・・・
キラークイーンのDISC+1
エアロスミスのDISC+3
スカイ・ハイのDISC+2
スティッキー・フィンガーズのDISC+1
アヌビス神のDISC+2
ジャンピン・ジャック・フラッシュのDISC+3
ジャンピン・ジャック・フラッシュのDISC+3
エコーズact3のDISC+3
クラフトワークのDISC+1
ハイウェイ・スターのDISC+2
クレイジーダイヤモンドのDISC+1
クレイジーダイヤモンドのDISC
フー・ファイターズのDISC(21)
マン・イン・ザ・ミラーのDISC(25)
ラバーズのDISC(16)
エニグマの紙
エニグマの紙
エニグマの紙
エニグマの紙
エニグマの紙
DIOの骨(5)
エニグマの紙の中身
ネアポリスのピッツァ×3
ドネルケバブ
ハーブティー
イタリアンコーヒー
鮑のリゾット
ハイエロファントグリーンのDISC(22)
グレイトフル・デッドのDISC+2
デス・13のDISC+2
デス・13のDISC+1
チリペッパーのDISC+2
ハーミットパープルのDISC+2
タスクact3のDISC(9)
ホルス神のDISC(10)
タワー・オブ・グレーのDISC(20)
ザ・フールのDISC+2
大きいカエル×2
とまあざっとこんな感じだ。
・・・本当にコミックス来ねえ・・・・・合成以外で期待できる修正値上げの方法が全くねえ・・・・・・・・・・・
「い、いや。これに関しては今に始まった事じゃないんだし・・・とりあえず何か合成するか。」
とりあえず、どのディスクをベースにしてDIOの骨に放り込もうか考える。
(キラークイーンは『爆弾』の能力があるから破壊力に関しては問題ないし・・・となるとこれから取り続けるべき戦術は『できるだけ最低限の損傷でキラークイーンの爆弾を確実に仕掛け、敵を直接爆破していく。』ってのがいいだろうな。・・・あれ?これ今までと変わって無くね?むしろ一緒じゃね?)
・・・・・・まあいいや。となると・・・
(一番適任っぽいのは敵の動きを確実に止められるクラフトワークだな。一回でも触れて能力さえ使うことができれば、固定して、動きを封じてから間違いなく安全に爆弾を仕掛けることができる。)
ベースとなるディスクを決めたら、今度はそれに合成するディスクの選択だ。
(クラフトワークの能力の空き容量は・・・三つか。何を先に合成しようかなぁ~。)
ここで一つ豆知識。射撃用以外のスタンドディスク、つまり+1などの修正値が付くタイプの装備ディスクには、クレイジーダイヤモンドやDIOの骨などで合成した時に、ベースとなるスタンドディスクに空き容量の分だけ合成したもう一方のスタンドディスクの能力を付け加えることができる。
ちなみに、これらのスタンドディスクの中には『BASE ONLY』という表記の入ったディスクもあり、そのタイプのディスクは文字通りベースにしか使うことができない。
俺が今まで手に入れたスタンドディスクの中だと、クラッシュやスター・プラチナ、スティッキー・フィンガーズ、ダイバー・ダウン、クリーム、ボールブレイカー&スキャンなどがその例である。
普段は合成できる機会が滅多というほどではないがあまりないため、あまりこれらの知恵が生かされることはないが、今のような合成用の素材も手段もばっちりそろった状況では間違いなく活かすことのできる要素である。
(ザ・フールは間違いなく入れないとな。こいつで作る砂人形による防御にはかなり助けられてきた。ハイウェイ・スターは・・・攻撃した時にエネルギーを吸い取って自分の体力に変えられるから、これも入れる。グレイトフル・デッドは・・・ホルス神があるし、別にいいか。)
う~~む、後一つは何にするか。チリペッパーもジャンピン・ジャック・フラッシュも今のところモンスターハウス攻略ではかなり重宝するし、デス・13は・・・ちょっと微妙なような・・・
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・エアロスミスにするか。確か亀の倉庫にスペアが一枚あったから合成を躊躇する必要もないし。」
エアロスミスの『レーダー』は、ハーヴェストのアイテム探知能力、ドラゴンズドリームの罠を探知する能力と並んで、ダンジョン攻略においてとてつもない効果を発揮する。
少なくとも、敵と出逢うまでに遠距離攻撃で絶対に先手を取ることができるのだ。
・・・ただ、相当出にくいディスクであるため、合成するときに感じる抵抗感が半端じゃない。
まあ今回はスペアがあるため、問題なく合成するのだが。
「残りの一枠は・・・・・・合成値稼ぎにしかならないし、適当に詰め込むか。」
入れるディスクは決まった。
と、いう訳で、クラフトワークを先に入れ、その次にザ・フール、ハイウェイ・スター、エアロスミス、エコーズact3の順番にディスクを入れていく。
「ギィッシャァアアアッ!」
-----ブゥンッ バキャア――ンッ カラカラカラ・・・
そして、ディスクの合成が終わると、骨を壁にたたきつけてぶっ壊し、中に入れていたディスクを取り出して装備した。
「あとは何にするかなぁ?・・・この際だからキラークイーンにスカイ・ハイを合成しておくか。」
そして、ついでにクレイジーダイヤモンドでスカイ・ハイとキラークイーンも合成し、キラークイーンに『ロッズ(UMAの一種、別名:スカイフィッシュ)』を操る能力も付加した。
これでさらに冒険がしやすくなることだろう。
「さよなら・・・クレイジーダイヤモンド。君のことは忘れない。・・・まあスペアがあと一枚あるからいいんだけどな。」
さて、荷物を全部リュックに入れて・・・これで良し。
確かさっきの階でピッツァ食ったから腹もいっぱいだし、休憩以外は本当にやることがなくなった。
「・・・・・・・・・・・・・ちょっと寝るか。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ん?ン~~~~~~~~~~~~、{ゴシゴシ グググググッ}ファアアア~~~~~~~~~~~・・・・・・アアアッ!!・・・・・・・・・」
・・・・・・・・・ふう、あれからどれだけ寝たかな・・・・とりあえず・・・・・腹の具合からしてそろそろ降りないと・・・・・・・・・・・
「よっと。・・・・・・・・・[準備体操中]・・・・・・・・・・・・・・・・ハァ、これで良しッ!」
体をほぐし、適度な緊張状態を取り戻す。
さて、どうせこのポストの先以外はループするだけだし、となると・・・・・・・
「まあたぶん、出口はこの先だな。」
リュックサックを肩にかけ、郵便ポスとその先にある曲がり角を見据える。
「さて・・・・・・『どんなことがあっても決して振り向いてはいけない』んだったな。
ま、どうにかするしかないっしょ。」
郵便ポストの隣辺りまで、落ち着いて歩み寄る。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
-----・・・・・・・ザッ
-----ドギュゥ―――z___ンッ
「ッ!!い、今・・・何かが通り抜けた・・・・」
思わず後ろに視線を送りそうになるが、その気持ちをぐっとこらえながら、通路の曲がり角まで歩きだす。
-----バキバキバキッ メギャッ ガシャアンッ
(う、うるさい!けど、振り返ってはいけない・・・!)
-----ダラダラダラダラ ハァ~~~~~ チョロチョロチョロチョロ コチョコチョコチョコチョ カンカンカンカンッ
(う、うぜえええええええええええええええっ!!本当にうざったらしいぞこの妨害ッ!!)
一歩一歩進むごとに、肩を叩いてきたり、耳元で大きな音を立てたり、生暖かい息や涎を垂らしてきたりと、後ろから何かしらの妨害を受ける。
どれも決して直接的なものではないが、不安感や苛立ちを増長させ、後ろを振り向かせようとするものばかりだ。
俺もこの道のことを知らなかったら、間違いなく振り向いてしまっていただろう。
(チッ!・・・だがあともう少しだ。そろそろ曲がり角に入れるぞ!)
あと三歩・・・二歩・・・一歩・・・・・・
「良し!ここまでは来たぞ!」
通路を曲がった先は行き止まりとなっており、その手前あたりに『下り階段』がある。
ここまでくればあと少しだ。
(焦るなよ~俺。大丈夫、ここまで来れればあと少し・・・・ん?なんじゃあれ。)
妨害をスルーしながら進んでいると、階段のある方向の、階段より何歩か先にキラキラと光るものを見つける。
(あれは・・・ディスク?色からして装備ディスクの一種だろうが・・・ここからじゃ遠いな。)
スタンドで取ろうとも考えたが、生憎ここからじゃ遠い。
ザ・ハンドがあれば空間を削り取って引き寄せることもできるが、今はそれもない。
ディスクを拾った後でバック移動で階段まで戻ればいいのでは?とも考えたが、『振り向く以外のやってはならないことがひょっとしたらあるかも』、そう思うと何がルール違反として判断されるか分からないため、ここまでいい装備を整えている状態でそこまでの冒険をしようとは思わない。それにたかがディスク一枚程度なら、他のスタンドディスクでも十分替えが効く。
「・・・・・やめておくか。そこまで冒険しなくても今のところどうにかなるし。」
そう結論付けた俺は、妨害を受けながらも階段にたどり着き、なんとか一度も振り向くことなく階段を下りていった・・・・・