【デッドマンズA:==『取り戻す』者の物語==】   作:enigma

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第四十一話

20階

持ちきれなかったり、明らかにいらないアイテムを爆弾に変えて敵に投擲し、時に完全消滅、時に複数を同時に巻き込んで爆殺しながら、俺はここまで来ることができた。

 

つくづく素晴らしいスタンドだな、キラークイーン。まあ億泰に空間ごと爆弾を{ガオンッ!}されたときは少し驚いたが。

 

さて・・・ここで俺は、自分の運命の岐路に立たされる。いつも通り、ダンジョンを攻略するうえで恒例となるものだ。

 

「ふう、まずは一段落といったところか。」

 

二十階以上あるダンジョンならば、この階層まで来ると確実に落ちているアイテム、ディアボロのディスクを拾う。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

このディスクは・・・いわば分かれ道だ。

 

---冒険を中止し、あのホテルの一室で静かに暮らしていく道か・・・

 

---それとも冒険を再開して、なお苦しみながらも自らの求める『真実』に向かっていく道か・・・

 

そのどちらかの道を選ぶチャンスである・・・とも言える。

 

「まあ、やることなんてとっくに決まっている。今更引くつもりなんて・・・それこそありえないことだ。」

 

無論、俺が選ぶのは『向かう』道だ。

 

これだけは絶対に違えたりはしない。俺の求める、『真実』を掴むまで・・・もしくは、俺の中で『未知』がすべて『既知』になるまで・・・

 

ならばなぜ拾ったのか・・・答えは簡単だ。これも爆弾の素材にするには実に都合がいいものだからである。

 

こういう、特に使い道の見出せないアイテムは、使い方次第で実にいいものになる。

 

「さて、次はどっちの道に行こうか・・・そんな場合じゃないか。」

 

合成したエアロスミスの能力によってできたレーダーが、こちらに向かってくるものを探知する。数は一人分だな。

 

一応、先ほど仕掛けた爆弾を解除してから、敵の向かってくる方向、俺から十メートルほど先の小石を爆弾に変えて仕掛ける。

 

(・・・来たか。)

 

通路から姿を見せたのは、仗助一人のみであった。

 

何だ、こいつだけならなんてことはないな。せいぜいシアーハートアタックの効果が薄い程度だ。コイツの治す能力はシアーハートアタックを戻すからな。

 

「テメー、今のスタンド・・・とうとう見つけたぞ。テメェが吉良吉影か!」

 

そう言いながら、仗助は真っ直ぐこちらに走り寄ってきた。

 

・・・マヌケが・・・

 

「クレイジーダイヤモン{シュンッ シュンッ}ッ!?」

 

そしてスタンドを出そうとした瞬間、複数の何かが高速で自分の前を横切ったことに驚き、思わず足を止めてしまう。

 

「な、何だ?今のは・・・オイコラ、テメー今何しやがったッ!?」

 

「さあ?そんなこといちいち教える奴はいないんじゃないのか?(もうあと何回かってところだな・・・)」

 

「・・・・・・・・・(ただのハッタリか?それとも吉良の新しい能力か?今のところは何もねえけどよぉ、何かヤバそうだぜぇ~~~コイツはぁ~~~)」

 

いまいち判断がつかないのか、こちらに対して攻めあぐねている様子だ。

 

まあこちらとしてはその方が好都合だ。・・・そろそろ出来上がるんだからな。

 

「どうした?この私を倒すんじゃあなかったのかね?ほら。ここ、ここ。ここに向けて殴るんだよ。やってみなよ。ホラ。」

 

相手の平静を乱すために、簡単な挑発でも混ぜてみせる。乗っても乗らなくても、俺が勝つのには変わりないがね。

 

「・・・・・・くっ、テメェ・・・調子こいてんじゃあねえぜ~~~(ケッ、マヌケな奴だぜぇ~~~、明らかに誘ってんのがもろばれなんだよこのヤロー)」

 

この分だと挑発は成功のようだな。こいつ、場合によっちゃあ結構単純な奴だからな。

 

ハイウェイ・スター戦では、露伴がこっちに入るなといったのにも拘らずトンネルの部屋に入ってくるし、鉄塔の男と戦うときも普通に鉄塔内にはいっちまうし、さすがにこれはマヌケとしか言いようがない。

 

『ドラララララララララララララララァッ!』

 

ロッズを操っていると、突然仗助がロッズの通り過ぎたところを殴り始める。

 

しかし、やはりロッズが早すぎるのもあってか全く当たらない。

 

(・・・そろそろ頃合いだな。攻めるか。)

 

キラークイーンの右腕を見えないように出し、クラフトワークを前方に出して構え、仗助に近寄っていく。

 

「!ようやくそっちからきやがったかッ!」

 

「ああ、これ以上無駄に時間を使うわけにもいかないからな。それに・・・お前はすでに出来上がっている。」

 

「なに?{グググ・・・スト―ンッ}な、何だ?瞼が勝手に、お、落ちてくるッ!?」

 

よし、仗助の瞼が落ちてきたな。そろそろ次の効果も出るはず・・・

 

「ガ、ウグ・・・うげええええええええ{ボロボロ}」

 

口から出てきたのは…肺の中の組織か。後は・・・

 

「(ぐ、グレート。こいつはまじにピンチだぜ。だが・・・)倒される前にテメーを倒す!」

 

ああ、そうだな。そういうと思ったよ。だから・・・

 

 

 

「{ボソッ}キラークイーン、第一の爆弾。」

 

 

 

ここで倒させてもらう。

 

「!?まさかッ!?」

 

仗助が走るのをやめる。が、もう遅い!爆弾は・・・・

 

「点火。」

 

お前がちょうど真上になる位置まで移動しちまったんだからな。

 

-----ドグォオオオオオオオオオオオンッ

 

爆弾の爆発をもろに受けた仗助は、明らかに致命傷と呼べるレベルの怪我を負い、そのまま消え去ってしまった。

 

「これでまた・・・問題なく進むことができるな。」

 

さて、階段はどこにあるのか・・・・・あ!

 

「今更かもしれないけどいいこと思いついたぞ。ロッズを爆弾に変えてしまえばリモコンミサイルみたいに操って相手を爆破できるかもしれない。操作範囲はスカイ・ハイそのものよりは劣るけど、練習していけばその点も改善されるだろうし、着弾点火弾と接触弾をうまく使い分ければかなりいい戦略になるかもな。」

 

なにより時速280kmってのがいい。大抵は早すぎて捕えられないだろうからな。

 

おまけに今は、エアロスミスのレーダーも備わっている。

 

ウ~~ム、これはストレイキャットに次ぐ新たな『良い相性』を見つけちゃったかもな。ククククク・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

39階

-----バグオオオオオォォォォンッ!!

 

「うおああああああああああああ!!」

 

接触型の爆弾に変えたロッズを操作し、出逢うまでどっからともなく散々俺を銃撃してきていたナランチャをようやく爆破した。

 

部屋の中から、爆音とナランチャの悲鳴が響き渡る。同時に、俺の近くを飛び回っていたエアロスミスも消失した。

 

俺の飛ばしたロッズ(接触型爆弾)がどうやらうまく当たったようだ。

 

「・・・・よし目標の消失を確認した。これより次の階に進む。」

 

さすがに戦闘者としては熟練のあいつでも、このスピードで飛んで来る物体には反応するどころかかろうじで残像が少し見えたくらいだったようだ。

 

時速280kmは伊達ではない・・・これからはロッズミサイルとでも呼ぼうか・・・

 

・・・・・・・さすがに安直過ぎるか、この名前は・・・

 

 

 

40階

「敵は・・・この辺にはいないか。」

 

降りると同時にエアロスミスのレーダーで敵の居場所を確認する。ここから北に二体、西に三体、南の方角に一体といったところか。

 

「ム、北の二体が東の方に移動している。・・・まずは北の方から調べていくか。」

 

食料はまだ余裕があるが、もうそろそろ新しいのも補充しておきたい。

 

新しい食料が出てくることを祈りながら、北に向かって進んだ。

 

 

 

 

 

 

「ふう、この階はこんなもんか?」

 

敵を避けながら収集したアイテムと、いまだ徘徊している敵を確認しながらつぶやく。

 

ちなみにこの階での収穫は、ピッツァ一枚と大きなカエル二匹、それとお金が少々といったところだ。

 

(そろそろ来るんじゃないかとは思っていたが・・・まさか本当に、ハーヴェストが再び出てくるとはな・・・・・)

 

試練の時を考えると、ここから後5,6階くらいまでは出てくるはずだ。

 

あくまで試練を参考にしたうえでの話ではあるが。

 

何にしたってツイている。暫くの間は、アイテム稼ぎを軸にして探索していこうか。

 

「まあその前にやるべきことはありそうだけどな。」

 

そう言いながら左側の通路に向く。

 

「反応は・・・二体分か。通路を通ってまっすぐこちらに向かってくるな。」

 

またロッズにミサイル特攻をさせてもいいのだが、生憎爆弾の射程距離からは離れている上に、まだまだ正確に当てられるかは怪しいところだ。それに、接触弾は着弾点火弾に比べていささか威力が低い。DIOが相手だとこれ一発だけでは仕留めきれないかもしれない。

 

(少し疲れはするが、どうせだ。これも同時に運用できるかどうか試してみよう。)

 

そう考えた後、キラークイーンの左腕を出し、自分の前に向けた。

 

 

 

出ろ・・・・・・・

 

 

 

「キラークイーン『第二の爆弾』、シアーハートアタックッ!」

 

そう叫ぶと、キラークイーンの左手の甲にある髑髏と猫を足して二で割ったかのようなエンブレムが、徐々にその形を変えていく。

 

そしてそれは、最終的にキラークイーンの拳より少し大きいくらいの、戦車のようなものになった。

 

「シアーハートアタック。この先から来る二つの熱源を残らず爆破して来い。」

 

俺の命令を受けたシアーハートアタックは、「コッチヲミロ~~」といういつものあの言葉とともに、通路の奥に消えて行った。

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

 

 

-----ドグォォオオオオオオオオオオオオオンッ バグォオォオ――――z___ンッ

 

少しすると、さっきシアーハートアタックの向かった通路から二回爆音が聞こえてくる。

 

同時に、こちらに向かってきていた二つの呼吸の反応は、爆音が聞こえてきたときに大きく反応した後すぐに消えた。

 

「始末は完了した。この分ならこいつらだけでも制覇はできそうだな。」

 

爆音が聞こえたあたりまで歩き、シアーハートアタックを回収、ついでにハーヴェストが落としたであろう未識別のディスクを拾う。

 

他にもいくつか未識別のものを拾っているが、この段階で下手に呪いディスクを引くと恐ろしい事態になるから、今は装備はしないことにしている。

 

ホテルに戻ればわかる。今は安全に鑑定ができる時まで、俺の道を歩いていけばそれでいいんだ。

 

「さて・・・次は北東にいる四体か。」

 

いっぺんに全てを相手どるのは骨が折れるが、一体ずつ始末していけば問題はない。

 

いざとなれば奥の手(シアーハートアタック)を使えばいいだけだし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから、40~46階までをアイテム稼ぎの場所として限界まで暴れ回り、その後は食料に支障が出ないよう最低限の動きのみで、階段を見つけたらすぐに次に降りるようにしていった。

 

さすがに75~79階の、ミスタやホル・ホースなどの遠距離攻撃と得意とする敵や、リゾットやスポーツ・マックスなどの透明な敵が大半を占める階層ではかなり苦労させられたが、そのほかは基本、ロッズやシアーハートアタックを有効活用することで、特にこれといった問題なく進んでこれた。

やはり、キラー・クイーンとスカイ・ハイの組み合わせはストレイ・キャットと同じくらいに最高の相性だ。後者は空気弾という目に見えない存在で、前者は代わりに遠隔操縦で目にもとまらぬ速さで相手を爆殺できる。

もはや疑いの余地もなかった。間違いなく今回の探索は、人生のピークとも言えるレベルでツキが俺に回っている。これでこのダンジョンをクリアできなければ、ここから先ずっと俺の人生、下り坂なんじゃないかと思えるほどにだ。

やってやる・・・絶対にたどり着いてやるぞッ!

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