【デッドマンズA:==『取り戻す』者の物語==】 作:enigma
思えば長いようでもあり、短い期間でもありました。
期間にして約三か月半・・・一つの気の迷いから始まり、気が付けばここまで書いてこれた・・・いやホント、どうしてこうなったのか(笑)
とにかく・・・ここまで私の作品を読んで下さったみなさん・・・本当に有り難うございます。
また気が向けばそのうち何か書いてるかもしれませんが、その時も気が向いたら見て行ってください。
それでは最終話・・・どうぞ。
エンディングテーマ:『SOUL'd OUT』より・・・『ALIVE』
エピローグ:【We are greatful Adventurers of The Wonderful World.】
===????????????===
????階
「これで最後だ!!ギィィイシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!」
『オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ・・・・』
-----ドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴッ
「ゲバガアアアアアアッ!!・・・こ、この…ちっぽけなただの、ただの・・・クソ餓鬼がああアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」
「ああそうだ。俺はただの『クソ餓鬼』さ。そして・・・お前はそれに負ける、ただの『負け犬』だ!!」
これで・・・決めてやるッ!
『オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ・・・オラァッ!!』
-----ドゴシャアアァァァァァアアアァァアァァァアアアアアアッ
「か・・・・・・・・・そ・・・な・・・・・ば・・・な・・・・・・」
-----ドシャァアアアァァッ
「・・・・・・・・ふう・・・・・・決着ゥ――――――――ッ!!」
これで・・・このダンジョンは制覇したぞ。
「さて、あいつの落としたアイテムは・・・お、あったあった。」
よしよし、回収完了。
・・・ふう、それじゃあ戻るか。俺の拠点へ・・・・・・
「階段は・・・あそこか。やれやれ、今日も疲れたネェ・・・」
===ヴェネツィアホテル===
「HAHAHAHAHA☆ ついたぞッ!愛しの我が拠点にぃ――ッ!!」
今日の俺は・・・最高にハイって奴だ――――――――ッ!!
さ~~~て、本日の戦利品は何かな~~?
「ふむふむなるほど、これがこうでこっちがこうなって・・・・・・よしよし、これであそこで手に入れるものは(多分)全部手に入れたぞ。」
俺は戦利品の数々を確認し、亀の倉庫の、それぞれの入れ物の中に整理、収納していく。
あ、どうもすみません、またまたこちらで冒険している・・・梶原泰寛です。
次のあなたのセリフはこうだ。「お前何やってんの?帰ったんじゃねえの?」
そしてそのセリフに対して、俺はこう答えるんだ。
「心残りがあったからもう少しいることにした。」・・・と・・・・
・・・いやね、実をいうと・・・あれからひと眠りし、起きた後『ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム』の力を使おうとは思ったのだ。
でもその時、俺はこう思った。
-----まだなんかやり残していないか?
そう思ったのだ。正直何をトチ狂ったことを・・・と、思うかもしれない。
確かに、ここに来てからの俺の時間は地獄のようなものだった。
でも、その冒険という点を除くと、何か充実したものがあったのも確かだったんだ。
そこで俺は次にこう考えた。
-----どうせだから、やれるだけのことをやってから帰ろう・・・と。
其れからの俺の行動は早かった。
手持ちのメイド・イン・ヘブンを掴みとり、一巡後の世界という名の無限に続くダンジョンへの扉を開いた後、あるだけの食糧と一枚のディアボロのディスク、そして完全体となった『ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム』をリュックサックに押し込んで、俺は無限に続くダンジョンへと飛び出した。
そしてそこで、自らの持っている食料と体力が底を尽きるまで、ただひたすらに無双ゲームを繰り広げアイテムをひたすらムーディーブルースで限界まで倉庫に送り続けた後、そのダンジョンに挑戦したことで現れたダンジョンにまた挑戦。
そしてそのダンジョンを制覇した後、またしても現れたダンジョンに挑戦、これを制覇・・・・・・こんな事を延々と繰り返し、ひたすら戦利品を集めまくる作業に没頭した。
その途中でディアボロと再会し、一緒に探索を行ったりもした。
基本一人しかいない探索だが、誰かと組んで冒険を行うと心の余裕が生まれるからすごく気持ちが楽になるのを再会するたびに実感したこともある。
無論、持ち込み可能なダンジョンには欠かさず『ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム』を持ち込んで無双ゲーを慣行。こんなふうに、いろいろと満喫した冒険ライフを味わっていたのだ。
もちろん、元の世界に帰るという目的は見失っていない。というかそれだけはありえない。
「さて・・・もうほかにやれそうなことは・・・・・・なかったな。そういえば・・・・」
・・・・・・失礼な話かもしれないが・・・この世では何時だって、『始まる』ものがあれば『終わる』ものがある。
それは・・・どんな相手だろうと・・・例外なく存在するものだ。
・・・俺はあのディスクを手に入れてからも、ずっとここを歩き続けてきた。そしてついに・・・最後のダンジョン、さっき挑んだあのダンジョンも、遂に制覇してしまったのだ。
・・・手に入れられるもの全てを手に入れ・・・挑むべきダンジョンがなくなる。冒険の終わりが来たということは・・・・・・・要するにそういうことなのだろう・・・・・・別におかしい話ではない。
・・・そう・・・おかしい話ではないのだ・・・・・・
そして・・・それにまつわるものも・・・今回挑んだダンジョンで、今回の挑戦で・・・手に入るものはすべて手に入れてしまった・・・・やれることも・・・試せることもて・・・・・・・
・・・最早、俺が手に入れられるものは・・・挑むべき道は、もうないのかもしれない。
「・・・・・・・・・・・・・・一応・・・他のとこも見て回るか。」
もう・・・本当に何も残されてはいないのか・・・それを確かめるため、俺はカフェやそのほかの場所に向かうことにした。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
結論は・・・・・『なかった』
今までお世話になった様々な人たち全員にもしっかりあいさつ回りを終わらせてあり、本当に目ぼしいことはすべて終わってしまった。
俺はもう・・・・・・本当に全て・・・行きつくしてしまったようだ。
もう・・・これ以上俺の挑戦するようなものはなくなった。
もう・・・ここには・・・・・・
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・フッ、これでようやく、俺も帰る決心がついたかな。」
フフフ、そう、後は戻るだけだ。俺はただ・・・そうあるべき、戻るべきところにただ戻り、そしてこれからも・・・俺だけの物語を紡いでいく。
ただそれだけなんだ。そう・・・ただ戻るだけ・・・フフフ、別におかしい話じゃない。
これでようやく、踏ん切りがついたということだ。
「さて・・・そろそろ帰るか。愛しの我が家へ。懐かしのあの人生へ。」
最早何も迷うことはない。ここに来たばかりの頃の、俺の持ち物を机の上から手にとって、久々に空っぽになったリュックサックの中に詰め込む。
そして次に、ディスクケースから完全なる『ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム』を取り出し、頭に差し込む。
目の前に現れたレクイエムは、ただ静かに・・・俺の前に浮かんでいた。
(思い出を振り返るのはすでに終わらせている。あとは・・・決着だけだ。たった一度の死から始まったこの試練は・・・最後の最後に、俺の死で終わる。)
そう・・・すべてはただ、この時のためにあった・・・・・・・・・・そしてそれは・・・ここで終わる・・・
「さあ・・・・・・やってくれ。」
ただ一言・・・そう言った・・・・・・
『無駄ァッ!!』
次の瞬間、俺の胸部にレクイエムの拳が叩き込まれる。
「がッ!・・・ア・・・ギァ・・・」
その拳は肋骨を破壊し、途中の筋繊維、血管をぶち抜いて言ってすぐに心臓にまで達する。
拳の勢いはまだまだ止まらず・・・・・遂には背中まで完全に突き抜けた。
「・・・ゴフ・・・ガフ・・・・・・・・・・・・・・」
終わったんだ・・・すべ・・・・・・て・・・・・・・・・・・・
---ドシャアアアアア―――z___ンッ
(・・・これ・・・・・・・か・・・・・・いの・・・・・n念・・・・・・た・・・・・・な・・・・・・t・・・・n・・・k・・・)
戻れるのは・・・理解できた。だが・・・地面に倒れ伏し、半ば薄れゆく意識の中・・・・・最後に・・・一体何を思ったのか・・・・・・それだけは・・・自分でもよくはわからなかった・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ん?」
(あれ?俺っていつの間に寝てたんだ?)
えっと・・・俺は確か漫画喫茶で漫画を読んでいて・・・・そうだ。友達との待ち合わせ時間まで漫画を読もうと考えて・・・あれ?
「ちょっと待て?今何時だ・・・・・・ゲェエエッ!!?さ、三時半!?ヤバイ!!これ以上はのんびりしてられないぞ!?」
マズイマズイマズイッ!急げば間に合うかもしれんけどのんびりしている暇は絶対にねえよこれ!
急いで借りた漫画をあった場所に戻し、レジの人を呼んで会計を済ませた。
「うわやっべえこれマジで時間がねえよ!!ええっと自転車自転車・・・あった!」
時間を確認した後、漫喫のあるビルの前にあらかじめ止めておいた自転車を見つけ出す。
そして見つけた自転車にまたがろうとし、ハンドルに手を乗せた。
-----カランッ チャリ――ンッ リ――ン・・・・・・
「・・・?なんだ?」
そしてサドルに乗ろうとした時、突如として聞こえてきた謎の音に思わず自転車から離れてしまう。
「何だ?今の何か落としたような音は・・・一つは何か金属のような・・・」
音の聞こえた方向を見ると、俺の自転車から右斜め前二メートルほど先の位置に何かが落ちていた。
「・・・なんだこれ?壁が影になっててよく見えな{ズドォオオンッ}ギャアアアアアアアアッス?!?」
それをよく見ようと近づいた瞬間、すぐ近くで何か硬いもの同士が激突する音が鳴り響いた。
その音に思わずギョッとし、音の聞こえた方向に全力で体ごと向けた。
するとそこには・・・・・・
「・・・・・・・・ブゥ――――――――ッ!!な、なななななな、な、なんじゃこりゃアアアアアアアアアアアアアアッ!??ど、どどどどどど、ど、どうしてこんなものが!!?」
そこには・・・驚くべきものがあった。
俺の自転車・・・その前輪と後輪を繋ぐ支柱。その支柱の5cmほど左隣の位置で、大きな鉄筋がコンクリートに突き刺さっていた。
コンクリートの突き刺さっている部分は大きくひび割れている。鉄筋の突き刺さっている場所は、仮に俺がサドルに座って動かそうとしていたとしたら、ほぼ間違いなく心臓が突き刺さる位置にある。
時間的に、俺があのまま座っていた場合、間違いなくあの鉄筋が突き刺さって即死していただろう。
(・・・・・・・なんだ?目の前でこんなおっそろしいことが起きて・・・一歩間違えたら確実に死んでいたようなものなのに・・・なぜ俺は・・・こんなにも冷静なんだ?)
音が聞こえた時と、鉄筋を確認した時は確かに驚いた。
しかし、その驚愕も次の瞬間には一気に薄れ、冷静に最悪の状況を考察していた。
というか寧ろ、自分がここまで冷静になれていることそのものが、今の俺の驚くべき点になっているくらいだ・・・・・・
(何だろうか、この感覚・・・こんな状況を・・・俺はどこかで見たことが、いや、体験したことがあるような・・・これとは少し違うような・・・・・・なぜだ?いったいなんなんだ?このどこか懐かしいような・・・感覚は・・・)
分からない・・・どういうことなんだ?既視感(デジャブ)ってのは何度か味わったことはあるから別に珍しいとは思わないが・・・これはどこか違う。何というか・・・デジャブというには妙にリアリティがある気がする。
分からない・・・本当に分からない・・・・・・
「・・・・・・・・・・・・・・そういえば、さっきの音の正体ってなんだ?多分あれのおかげで九死に一生を得た気がするんだが・・・」
一先ずその疑問を置いておき、さっき壁のそばに見た何かを再び視界に入れ、目を凝らしながら近づいてよく見る。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なんじゃこれ?」
落ちていたのは、どことなく作り手のセンスを感じる古風の矢尻と、現代では使われないような大きさの、赤い宝石のついた金色の鍵だった。
「・・・本当になんなんだ?というかこんなもん・・・いったい誰が落としたっつうんだよ・・・」
目の前の壁の上を見ても、窓らしい窓はないし、この建物は確か屋上に行くことはできないはずだ。
まあそんな高さから落ちてきたらこの二つとも何かしらの破損があってもおかしくはないはずなんだが・・・あれ?この二つ、よく見たら全く破損らしい破損がない?
・・・・・・・・・・・・だとしたらこれはどこから落ちてきたんだ?俺が自転車に乗る前には誰も前にはいなかったんだぞ?それが・・・何でこんなものが・・・・・・
それになんだ?さっきの鉄筋もそうだが、この二つにもなんだか奇妙な既視感が・・・
マズイ・・・疑問を置いたらさらに不可解な疑問が発生してきやがった。これなんてホラー?
「・・・だめだ。頭は冷えていても状況が不可解過ぎてまったく理解が追い付かない。どうすんだよ、こんないちいち頭抱えてたら待ち合わせに間に合わない・・・待ち・・・合わせ・・・・・・?」
・・・・・・・・ええっと・・・今の時間は・・・・・・・・・・・・現在三時五十分・・・
(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)←冷や汗で非常に見苦しい状態
・・・・・・・・・・・・・・えとこれ・・・・・要するに・・・あれだよな?まさかの・・・・・・・・
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ち・・・・・・・遅刻するゥゥゥ――――――――――――――――ッ!!!」
(や、ヤバい!!急いでいかないと!!あ、でもこの落し物は・・・あああああああああもうこの際だから持って行っちまえッ!!)
遅刻しそうなのに今更気付き、背負っているリュックサックに目の前の矢尻と鍵を突っ込んで自転車に乗る。
-----・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「?誰か呼んだ?・・・てうわわ!?ホントに時間がねええええええええええええええ!!!」
何か呼ばれた気がしたがそんなことは関係ねえッ!!ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオマ間ニ合エエエエエエエエエエエエエエエエエ!!
結局いつもよりもさらに力を入れ、何とか集合時間までには間に合うことができた。
いや~~良かったよかった~~(^^;)
・・・・・・・・・・この時の俺は、全くと言っていいほど知らなかった。
この一見些細で恐ろしい体験が、いったい何を示していたのか・・・・・・・・この時の俺には・・・・・・まったくと言っていいほど知る由がなかったのだ・・・・・・
そして・・・・・・この体験の真相を、その真実を、後の俺は知るべくして知ることとなるのだ。
この恐るべき・・・・・・『真実』を・・・・・・・・・・・・・・
-----この世界において・・・事象や物はただそこに『在る』だけである。それそのものに、おそらく価値や意味などはないのだろう。当たり前だ。価値や意味なんてものは・・・誰かが決めた時に初めて生まれるのだから。
そして・・・誰かがその何かに、意味を見出すことはできる。この世に起こるすべてのこと・・・そこに、仮に意味があるとすれば・・・それは『意味を見出した者たちの心』、この世において・・・己の切り開いてきた道程に、意味や価値を見出だし、歩み続けてきた者たちの『確かな心』こそが、まごうことなき本当の『意味』であり、真の『価値』なのだろう。
未来とは・・・途方もない『暗闇の荒野』であり、先の見えない『深き樹海』であり、そして・・・時に進むものを無慈悲に飲み込む『巨大な大海原』でもある。
それは時に、進みゆく者たちを深い絶望に引き摺り込もうとするかもしれない。
ある時は何者をも拒む断崖絶壁となって・・・またあるときは、人の眼を惑わす深き霧や、見えざる恐怖となって・・・進み往く者達を雁字搦めにするかもしれない。
だがそれでも・・・その先に『意味』のある何かを・・・『価値ある未来』を見いだせたなら、人はどこまでも歩き、自分だけの道を切り開いていけるはずだ。
この途方もない世界を・・・他の誰でもない己の中に秘められた、光り輝くその黄金のような『夢』や『希望』、そして・・・気高き『覚悟』を持って・・・
世界とは、かくも美しく、かくも醜く、時に残酷で、時に優しい・・・
嗚呼・・・何と素晴らしきこの世界よ・・・・・・・・・