【デッドマンズA:==『取り戻す』者の物語==】 作:enigma
後半に出てきた敵に関しては・・・・・まあほぼ悪ふざけですwww(正月版の一つにはこいつが実際に出てきております。)
それでは、どうぞ!
秋葉原・・・江戸時代は下級武士の居住地域であったこの地域は、「火事とケンカは江戸の華」と言われたように、当時は火事が多く、この秋葉原界隈も江戸時代を通じて火災に悩まされていた。
1869(明治2年)の相生(あいおい)町の大火を機会に、当時の明治政府下の東京府は9000坪(約3万)の火除地(ひよけち)を当地に設置し、翌1870(明治3年)年に、遠州(現在の静岡県)から火除けの秋葉大権現(あきばだいごんげん)を勧請(かんじょう)し、鎮火神社として祀った。
当初は鎮火原と呼ばれたが、鎮火神社が秋葉神社(あきばじんじゃ:現在は台東区松が谷に移転)と改められると、「秋葉原(あきばはら・あきばっぱら)」と呼ばれるようになった。
現在、「あきば」と略されるのは、このあたりが語源となっているらしい。
1890年(明治23年)に上野から鉄道が延長されて、新しく当地に駅が開設されることになり、駅名は「秋葉原(あきはばら)」と名付けられ、その名前が一般化し、全国的には「あきはばら」という読み方が定着していく。
そして太平洋戦争以降、駿河台/小川町界隈の闇市が徐々にラジオ部品などの電子製品を専門に扱うようになり、1951年(昭和26年)の露店整理令によって、ガード下に収容されつつもその流通を現代まで反映させてきたそうだ。
これが後に日本橋と並んで有名となる、秋葉原電気街の由来とされている。
ある日この街で・・・一つの事件が起こり、そして終わった・・・
一歩間違えれば何十もの悲劇を生みかねなかった事件が・・・実に不可解な形で・・・
---2014年1月2日 12:13
===秋葉原===
???Side
「ハア・・・まさか親戚に挨拶するために東京まで来るとは思わなかった。けどまあ、ここに来れたのはうれしいよなぁ~~。」
現在冬真っ只中の東京・・・俺は昼食を終えた後、滅多にこれないこのオタクの聖地の一つ、秋葉原の電気街に暇潰しをしに来ていた。
ん?俺はだれかって?そうだな・・・まあ強いて言うならジョジョ好きな少年Aってところカナ?
まあ覚えてもらう必要があるとも思えないし、こんなもんで・・・いいよね?
・・・・・・・・・・・・なんだろうな、昔どこかで同じようなことを言った気がする・・・何時だったっけ・・・?
「まあいいや。それにしても・・・」
---ヒュォオ――――――
「さ、寒い・・・」
ダウンの隙間から入り込んでくる風で体が思わず震えてしまう。
最初は初めて秋葉原に来れたことに内心はしゃいでいたものの、例年よりも更に冷え込むと言われたこの冬の寒気はただ歩いているだけの身には少々つらいものがある。
俺は首にかけているチェーンで繋いだ鍵と矢尻を手先でいじりつつ、街の散策を続けて行く。
「早いとこどっかの店に入るか、そしてまあ適当に冷やかしでも・・・・・・・ん?こ、これは・・・!?」
道を歩いている途中、ふと視界の端に映った『あきばお~』の値札の表示価格にギョッとしてしまい・・・
「{ダッ}・・・や、やっぱりだ。」
全速力で駆けつけて再度確認する。
(32GBでハイスピードタイプのSDが消費税込で一つ1300円弱、このTranscendのポータブルハードディスクなんか1TBで7000円だ!しかも耐衝撃仕様!マジで安いな!)
思わず小踊りだしたくなるテンションで早速窓口の店員に話をつけることにする。
「す、すみません!この16GBのSDなんですけど・・・」
「え?ああ、それですか?今回は正月セールということで安くしてるんですよ。」
「在庫は後どれほどですか?」
「えっとそうですね、このタイプは{カタカタカタ}・・・あと4つしか残っていませんね。」
「あるだけください・・・あとこの1TBのハードディスクもお願いします!」
店員に欲しい物を指さして頼む。
「あ、はい、これもですね・・・合計で13175円になります。」
「はい、これどうぞ!あ、それと領収書をお願いします、名前の欄を開けて。」
「畏まりました・・・はい、丁度頂きました。どうぞ。」
(いよっしゃぁああああああああッ!!ははは、すげー!さすがは秋葉原!これでまたハードディスクの容量の心配をしなくて済む!)
若干ハイになりながら、受け取った品と領収書をそれぞれ鞄と財布に仕舞って意気揚々と店を出て行く。
(さ~て、お次はどこに行くかな~・・・・・・・・・・・よし!あれに決めた!)
少しの間歩きながら考えていると、ふと視界に某有名な同人ショップの看板が入った。
信号はそろそろ変わりかけていて渡れそうになっている・・・距離は2、30メートルってところか。
---ブォオオ――――――
時間ももったいないから全力で走りだし、信号機の向こう側を目指す。
---ブォオオオオオオオオオオオオオオ
(ん?なんだ?)
前方を歩く人たちを見ながら信号までたどり着き、横断歩道に足を掛けた時だった。
さっき遠くから聞こえた何かの大きなエンジン音がどんどん大きくなっていき、前を歩いていた人たちがそれに反応して俺から見て左を見た途端非常に驚いた表情をする。
俺はいったんスピードを緩め、音のする方向を見る。すると・・・
「なあッ!?」
およそ40メートルほど離れた位置から、積載量8トン位はあるであろうトラックが猛スピードでこちらに迫ってきていた。
俺は反射的に進行方向と反対の方に力を入れてバックステップし、歩道まで戻る。
(よし!ここまで戻ればどうとでもなr・・・ナニィィィ――――――!?!)
歩道に戻り、一安心しかけた辺りで道路を見ると、横断歩道のコンクリートに倒れ込んで一人で泣いている子供が目に入った。
(トラックとの距離は20メートルほど、迷っている時間は無い!!)
折角戻ったは良いものの、またすぐに横断歩道を駆ける。
「おい!しっかり掴まってろよ!」
---ガシィッ
「ふぇ?」
走りながら子供を抱え上げ、そのままスピードを落とすことなく進行方向の歩道まで全力疾走する。
(よし!あとはこのままあの曲がり角の方まで{ギャギャギャギャ}なんだとォッ?!)
するとトラックの進行方向が急に変わり、あろうことか俺の向かう方向の直線上に来るよう突っ込んできた!
まずい・・・!本当にまずくなった!
(クソ!さすがにここから子供を抱えたまま方向を変えてたら間に合わない!このまま突っ切るしか・・・!)
そう考えて力いっぱい走り続ける・・・が、
---ブォオオオオオオオオオオオオオオ
(駄目だ!向こうの方が明らかに早い!このままじゃあ間に合わない!)
あと少しで向こう側に辿りつけるといったところで、すでにトラックとの距離が6メートル前後にまで近づいていた。
こ・・・このままじゃあ・・・・・・・
(・・・・・・・・・・・・・死・・・・・・)
---距離、5メートル
(・・・・・・・・クソ・・・・・クソが!こんなとこで・・・死ねるか・・・!もっと、もっと早く足を・・・・・・・)
---距離、4メートル
(何してんだ俺・・・もっと速く走れよ!こんなところで死にたくないだろうが・・・なのになんで関係ないこと思い出してんだ!)
何時の間にか、脳裏に今までの記憶が過ぎり始める。
やめろ!今見たいのはそんなものじゃねえぞ!
---距離、3メートル
(やめろ・・・死んでたまるか・・・こんなところで・・・・・・・・・)
「うおおおおおおおおおおおおおおおおお!このクソがアアアアアアアアアアアアッ!!!」
「こんなところで・・・また死んでたまるかあああああああああッ!!」
---距離、2メートル
(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?待てよ・・・・・・・・今俺・・・・・なんて言った?『また』?)
---距離、1メートル
(『また』って・・・・・・・・・・・・・・・・・いったい『何時の事だ』?)
---ズキッ
トラックが文字通り目と鼻の先まで来た瞬間・・・一瞬で意識を持っていかれそうなほどの凄まじく強い頭痛と何かが自分の中から抜け出たような感覚に襲われ・・・
『ギィィィルァァアアアアアアアアアアッ!!』
---バグォォオオンッ!!
どこかで聞いたような怒鳴り声と至近距離で何かが爆発したかのような破砕音が鳴り響き、目の前に迫っていたはずのトラックは突如として視界の左端へと消えていく・・・
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?」
頭痛のせいで視界が揺らぎ、はっきりとしたことは分からなかったが・・・・・・・・ありえないことが起こったというのは理解できた。
---ビキッ
「ぐぐッ!?」
目の前で起こった出来事に思考が追い付かず、収まらない頭痛のせいで思わず目を閉じそうになる。
(・・・なんだ?これ・・・は・・・・・・え?!)
すると今度は、頭痛のせいで閉じそうになった瞼の裏側に身に覚えのないはずの情景がやけにはっきりと映る。
それは・・・一つの部屋だった。
書類の散らばったベッドやそれが張り付けられた壁・・・
簡素な紅いカーペット・・・
人一人分くらいの大きさはありそうな地球儀・・・
パソコンが置かれた一人用の木製の机と椅子・・・
本当におぼろげに・・・けどどんなふうになっているかがなんとなくわかるそれは、非常に奇妙な感情・・・・・・ある種の懐かしさを俺に抱かせた。
(これは・・・いったい・・・・・・・いや違う・・・・・・俺は・・・これを・・・知って・・・)
---ズキズキズキィッ
「アガァ?!?」
ただでさえ意識を刈り取りかねない頭痛がより一層強くなり、その情景はあと少しの所で中断された。
だが・・・それはまだほんの序章に過ぎないことをこの数瞬にも満たない時間で知ることになる。
(な・・・なんだこれは・・・なにか・・・が・・・・・・あ・・・ふれだ・・・シテ・・・・・・・・・)
俺の中の奥の奥・・・まるで奈落の底のような場所から突如、決定的な何かをぶち破って爆発するかのようにから湧き上がるように現れたナニカ・・・・・・数えきれないほどの膨大で濃密な敗北、苦痛、苦難、死・・・そう言った記憶が押し寄せるように現れては沈んでいった・・・
時間にすれば2、3秒にも満たないはずなのに・・・・・それは永遠に感じるほどの間、俺を押し潰さんとするかのようにひたすら、ただひたすら溢れ出してきた。
(こ・・・れは・・・・・・・・・そ・・・うか・・・・・はは・・・・は・・・・)
---ドサッ
---ゴシャァアア――――――――ンッ
しかしその時間も遂に終わりが来て・・・・・・・最後に僅かな・・・本当に数少ない希望と勝利、そしてそれに酔いしれ、歓喜する自分の姿を見届けて・・誰かが隣に立っているような感覚を覚えながら意識を手放すこととなった・・・・・・
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ん?ここは・・・・・・」
ふと目を開けると、薄暗い空間に真っ白い天井があった。
何となく体を起こして辺りを見渡すと辺りは既に真っ暗になっており、次に自分がベッドに寝かされていたことが分かる。
(・・・・・・・・・・・・そうか、俺は・・・ははは、そうだ、そうだったんだ・・・・・・・・・・・・・)
---コォオオオオオオオオ
呼吸に意識を集中させ、懐かしいあのリズムと音を作る。
そして次に、その影響で体の中で練り上げられたそれを指先に集中させるイメージを行うと・・・
---パチパチパチ
ほんのわずか・・・本当にわずかだが指先がターコイズブルーの色で放電するように輝き始める。
(・・・フッ、まさかこっちでこれが使えるとは・・・よしよし、少々予想外だったが特に問題は無いな。)
鉄球があればあれも試せるのにな、と少々残念に思いながらも、改めて辺りを観察する。
(ベッドの感触に、ほのかに香る薬品の匂い、このひたすら真っ白い内装、隣のカーテン越しに聞こえてくる誰かの鼾・・・なるほど、俺は病院に担ぎ込まれたのか・・・)
体に外傷は・・・ないな。うん、問題は・・・・・・・あった!
「くそ!お守り代わりに身に着けてた鍵と矢尻が無い!運ばれる前に誰かが持って行ったのか!?」
隣にある物置台や戸棚を焦りながら、けれど周りが起きないよう静かに探し回る。
(一年前、俺が死ぬはずだったあの場所であれが落ちていた!今まではただ無性に不安だったからつけていたが・・・今になって考えればあれにはもっと違う意味があったに違いない!何としても見つけなくては・・・)
しかし、やはりというべきか、ここにはそんなものは一つも見つからない。
「くそ!くそ!くそ!やはりどこにもない!」
目の前で拳を強く握りしめながら、どこにあるか探しに行こうと出口のスライドドアに手をかけた。
『アノォ~スミマセン、ヒョットシテコレヲ探シテイマスカ?』
「・・・え?!」バッ
---シィ――z____ン
「・・・・・・・なんだ今の?」
今後ろから頭に直接響くような声で呼びかけられた気がするが・・・やっぱり誰もいない。
「・・・気のせいか?」
頭を傾げながらも、再度扉の方に向いて手を掛ける。
『チョット、コッチデスヨコッチ。上デスヨォ~ヒヒヒ・・・』
「・・・・・・・・・!?」
(気のせいじゃない!絶対に何かいる!)
思わず声のした方向・・・天井を向く。
そこには・・・・・
『ケケケケケ、ヒィ~ッヒッヒッヒ・・・ホラ、コレデショウ?アナタノ探シ物ハ・・・』
一言でいうならば・・・異形がいた。
身長は大体2メートルくらいだろうか・・・そいつは刑事事件とかでよく見る『KEEP OUT』のテープを白黒にしたようなものを、規則正しく並べて作った様なロングコートを身に纏い、白と黒の矢印を交互に組み合わせてできた仮面の向こう側から、四つある眼を銀色に輝かせながら俺に探していた鍵と矢尻を差し出してきた・・・
「・・・・あ、ああ・・・ありがとう・・・」
『ククク、ドウイタシマシテ・・・』
俺は混乱しながらもそれを受け取る。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
少しの間混乱が続くも、こいつのその姿、放つ気配を見ているうちにだんだんと一つの答えが思い浮かぶ。
「・・・お前は・・・まさか・・・」
そう、まったく別の姿なのにもかかわらず感じる、この鏡の中の自分を見つめているような感じ・・・
この感じは・・・
『・・・・・ククク、ソノ通リデスヨ。私ハ・・・スタンド・・・アナタ自身ノネ。』
そう、少し違う感じではあるが、あのダンジョンの世界にいた時の装備したスタンドを見ているあの感覚・・・
(まさか・・・・・・俺にスタンドが身に付き得るなんて・・・いや、ありえない話でもないか。トニオさんやケンゾー、辻彩さんなんかは自分の身に着けていた何かしらの技術、知恵なんかが極められた結果、それらがスタンド能力として開花したという説もある。おそらく俺も、今まで忘れてこそいたがあの冒険で身に着けた何かしらの異常な経験がこいつとして開花したということも考えられる。)
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
(・・・・・・・イイイイイイイイイイイイッヤホォオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!ついに!遂に俺にもスタンド能力が身についたってことかぁあああああ?!)
やった!やったぞ!発現がかなり遅すぎたという気がしなくもないが、とにかく!とにかくだ!俺もこれで正式に!スタンド使いの仲間入りをしたってことだよなぁああアアアアアアア!!!
(YES!YES!YES!やったぞ!ついに!ついにィィィィイイイイッ!!)
ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ふう。
「さて、となると今俺に必要なことはお前がどんな存在なのか、何が出来るかを知るということだな。」
そう、そこが一番の問題。
ハーヴェストとか、クレイジー・ダイヤモンドとか、日常生活に役立てられるようなものならまだしも、パープル・ヘイズとかの扱いづら過ぎる能力を持っていたらとてもじゃないが使い道に困ること請け合いだ。
まずは知ること・・・そこから始めなくてはならない、絶対に・・・
「とりあえず・・・お前、名前はあるのか?」
『【アライブ】・・・ト、呼ンデクダサイ。私ノ根幹・・・アナタノ生キル意志ソノモノヲ意味スル私ノ名ヲ・・・』
「OKだ。アライブ、俺とともにより良き明日を生きようじゃあないか。」
『エエ、当然デストモ。ソノタメニ私がイルノデスカラネ・・・』
まずは自己紹介の完了。ふふふ・・・さて、これから忙しくなるな。
『サテ御主人(マスター)、何時他ノ人ガ来ルトモ知レマセンシ、早速行キマショウカ。鍵ノ宝石ニ手ヲ・・・』
アライブはそう言うと、俺の左腕を掴んでそれを右手に持っている鍵の宝石の部分に当てる。
「行く?行くってどこにだ?」
『我々ノヨク見知ッタ所デスヨ・・・ソシテコレガ、今私ノ出来ルコト。ココカラ先ハ・・・』
---グイッ
『アナタ次第!』
「え、なんだと!?」
アライブが俺の手を宝石部分に押し込んだ途端、そこから体が吸い込まれていく。
「こ、これはいったい!?」
『足元ニオ気ヲツケテ・・・』
「あ、足元!?いったい何を・・・うわぁ?!」
完全に吸い込まれた後、ほんの少しの浮遊感の後に床のようなものが目の前に現れる。
「チッ!」
---ザンッ
いきなりのことに慌てながらも、なんとかその場に着地する。
「おい!いきなり何を『サア、周リヲヨクゴランクダサイ』は?・・・・・・・・・・・・・ハイ?」
文句を言おうとした瞬間、アライブに周囲の確認を促された俺はその通りにし・・・・・・文字通り絶句した。
詰めれば四、五人は座れそうなソファー
背の低い広めの机
一人用の椅子が一脚
初期のころに比べてだいぶ大きくなった冷蔵庫と、成長の過程でなぜか置き換わったプラズマテレビ(当然当時はキャプ翼がみられた)
一人では到底使い切れないくらいに広い室内と、そこを埋め尽くすように規則正しく置かれた数々の奇妙な物・・・
「ここは・・・・まさか・・・・・・」
『ソウ、ソノマサカ。ココハ・・・・・・アナタノカツテノ拠点!ソノ倉庫!ココ・ジャンボのスタンドの部屋でゴザイマス。』
そう、ここはかつて俺がもっとも活用していた場所・・・
間違えない。間違える訳もない。ここは・・・俺の拠点にあったココ・ジャンボの倉庫だ!
( ゚д゚)
(つд⊂)ゴシゴシ
(;゚д゚)
(つд⊂)ゴシゴシ
(;゚ Д゚) …?!
(つд⊂)ゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシ
( д )
(; Д ) !
(; Д )カオカオカオカオ
U U
゚ ゚
(つд⊂)ゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシ
(;゚ Д゚)
(な、何度目を擦っても変わらん・・・・・・え?ホントに?マジで?ホントに戻ってきたの?ここに?)
懐かしい場所・・・確かにそうだ。ここほど(悪い意味で)思い出深い場所なんて今の俺の人生の中にはほぼないといってもいい。
・・・・・・・・・え?ホントに?マジで?マジでこれが俺のスタンド能力?
『チナミニ能力ヲ解除スレバコノ上カラ拠点ニ出ラレマスヨ。元ノ世界ニ戻リ長ケレバココカラ能力ヲ使ッテ外ニ出ラレマス。』
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・フ、フフフフフ・・・・おいおいこれよォ・・・・・・・・
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・おい。」
『?ナンデショウ?』
「今すぐホテルの外行くぞ。」
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ハイ?』
・・・・・・・・・・・・・こんなの納得いくかァアアァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!
ハアアアッ?!なんだこれ!?そりゃあ別に贅沢とかそんなことを言うつもりはなかったよ?!どんなスタンドが身についたとしてもそれを十全に使いこなせるだけの技量を身に着けるつもりだったし、コスパが悪いならそれに見合うだけの精神力を取り戻せばいいだけだし?正直どんなのが来たとしても甘んじて受け入れるつもりだったよこいつが俺の半身であって俺自身であることに変わりはないしというか今思ったけどコイツのスペックが異様に高いし全体的に俺の中でのかっこいいの基準確実に満たしてるし俺好きなスタンドのデザインはキング・クリムゾンがダントツトップだったけどコイツの不気味さ加減がツボに入って一気にトップ争いが内心で起こるくらいかっこいいなとか思ったくらいだけどでもこれ能力だけ明らかにおかしいだろうがよォオォォオオオオオオオオオオオオオオッ!!なんであれだけ苦労しまくってようやく出られたはずのダンジョンに舞い戻ってくるのが俺の能力とかどんなミラクルが起きたらこうなるんだよマジでふざけんなよオイィィィィィィィイイイイイッ!!!
こうなったらとことんやってやるぞ!自己暗示だろうとハングリー精神だろうと使えるもんなんでも使って康一君張りのとんでも進化遂げて戻ってきてやるわぁアアアアアアアアアアアアアアアアアアああッ!!
スター・プラチナ?タスクact4?何それおいしいの的な主人公足蹴にするような脇役の劇的成長的なもんやり遂げてこの納得のいかない気持ちも何もかも超えて往ってやる!とことん納得のいく明日を掴んでやるわまずはお試しホテルの外巡りじゃこん畜生がぁぁぁアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!
『・・・ハ?ソリャマアイイデスケド。一応私スペックノ方ニモ自信ガアリマスシ・・・』
「よっしゃ!とりあえず行くぞオラァッ!!」
記憶をフルスピードで掘り返し、保険の意を込めてキング・クリムゾンと食料をいくつか引っ張り出した後最速でホテルの外へと駆け出した。
===ホテルの外 水の都===
1階
「シャアア敵どこだ敵!この際何体でもいいからかかってこいよオラァッ!!」
目をぎらつかせながら駆け足で周囲の探索をしていく。
傍から見ればどう考えても関わってはいけない人にしか見えないだろう。
『最初ノダンジョンデシカモ保険マデ掛ケテル(キンクリ引っ提げてる)割ニコノ言イ草・・・言ッテルコトトヤッテルコトトガ大分違ウンジャ?』
「物は試しという言葉があってだな・・・」
『ソレナンカ違ウ気ガスル・・・マアナンダカンダデ落チ着イテハイルヨウデスシ大丈夫ソウナンデイインデスケドネ・・・』
うん、出だしは確かにあれだったけど今はとても落ち着いている。
というか最早これは、ダンジョンに入る上での一種の習慣といってもいい気がする。
常にどこか冷めた自分を心の内に置き、冷静さを忘れないようにする。こういったメンタル面への配慮と管理はスタンド使いにとって生命線ともいえる重要な要素だからな。
しかもあのころと違って、たぶん今の俺は絶対死ぬことが許されない身だ。
何が何でもこれを守らないわけにはいかない。
・・・・・・まあそれでも『The book』を使って波紋と黄金長方形の回転を復習することを忘れたのは迂闊だったとしか言いようがないが。
・・・うん、我ながら迂闊過ぎたな、これは・・・
「さてと・・・・・・・来たか・・・」
そんなことを考えながらも必死に探索をし続けていると、進行方向の通路、その向こうの角から何者かの気配がしてきた。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
---ザッ ザッ ザッ ザッ・・・
「!?」
通路の影から何者かの体の端が出てきた。
何時でもアライブを出せるように意識を集中させ、通路の角を注視し続ける。
「・・・・・・・・・」
---ザッ
「・・・・・・は?」
( ゚д゚)
(゚д゚)
(つд⊂)ゴシゴシ
(;゚д゚)
(つд⊂)ゴシゴシ
(;;゚д゚)・・・・・・
(;゚д゚;)
---なんだ、あれ?
・・・これが、俺が通路の角から現れたものを見た感想だった・・・
「!テメーがあのヤスヒロ・カジハラって男か!」
姿は・・・なんというか、その、なんていったらいいか・・・とにかく、この存在をありのまま表現するとだ・・・
____
/;\;;/;\
/\| \ / |/\
/\|(●) (●)|/\
/\| ↓ |/\
/\ ー- /\
| |
↑これだ。こんな感じの存在が俺の目の前に通路の先・・・そこの角から出てきやがったのだ。
そりゃあ誰だって言葉に詰まる。俺だって詰まるってレベルだ。
ここを知るものならなおのこと、唖然としない訳が無い。
「テメーを始末すればよぉ、俺は組織に実力を認められて幹部に昇格できるらしいんだよ。ええ?すげぇーよなぁ?たかが一人スタンド使いを倒すだけで一気に幹部入り出来るんだぜ?こんなチャンス、早々お目にかかれるもんじゃねえよなぁー?」
「(; ゚Д゚)・・・・・・・」
駄目だ、アレのデッサンが狂い過ぎてて話の内容がほとんど頭に入ってこねぇ・・・見た目のインパクトが強すぎてかろうじで俺を始末する気があることくらいしか理解できん。
え?何あれ?新手のスタンド?本体はカニ?カニなの?
「ええ!希望とやる気がムンムンわいてくるじゃあねーかッ!おいッ!何が何でも幹部入りさせてもらうぜ!!」
「( ゚Д゚)・・・・・・・!!いやちょっと待て!お前まさかサーレーかよ!!」
聞き覚えのあるあのセリフでようやく正体が判明?し、俺は全力でツッコミを入れてしまう。
いやいや、確かに頭らしきところの横髪とか面影は多少あるけどまったくもって別物じゃねえかこの野郎!
「行くぜ!」
「チィ!強敵相手かもしれないのになんだこの締まらない空気はッ!!」
殺気をむき出しにして襲ってくるサーレー?に対し、俺は何とか精神集中をして待ちの態勢で待機する。
「クラフトワーク!」
「アライブ!」
予想通り、サーレー?はクラフトワークを使って攻撃を繰り出してきた。
俺は繰り出されたクラフトワークの拳を払いのけつつ渾身のカウンターパンチを叩き込もうとする。
・・・・・・・が・・・
「{ゾクッ}やばい?!」
---ビシィッ!
「うグゥッ?!?!」
---ドゴッ
「ウゲッ!?」
繰り出されたクラフトワークの拳は、本体のふざけた容姿とは裏腹に予想をはるかに超えて重く、上手く流したはずなのに俺は斜め後ろに数メートルは吹っ飛ばされることとなった。
「うぐぇ・・・へへへ、良い読みだぜぇ、アンタよぉー。」
「う、うう・・・なんて威力だ(馬鹿な・・・今の一撃だけで前腕の骨が折れただと?!?おまけに上腕骨にもいくつかひびが入っている!こいつ、ふざけたなりの割になんてパワーしてやがるんだ!)」
向こうにも一応攻撃を加えることはできたが、吹っ飛ばされながらの物だからか致命傷には至っていない。
まさかこんな序盤からボス級の敵と当るだなんて・・・まったく、今日はついていないな・・・
(・・・・・・いや、むしろ今回はこれでいい。辛く険しい道の先にこそ真の勝利の道がある。)
日和った思考を焼き尽くすようなこの痛み・・・これでいい!勉強代は若干高くついたものの、今度こそ完全にエンジンがかかってきたぞ!!
やれる・・・いや!やるんだ!そのために俺はここに来たんだ!
「コォォオオオオオオ・・・・・」
即座に立ち上がり、呼吸を整えて波紋を練り上げる。
戻ってきたばかりでまだまだ未熟なそれだが、痛み止め程度には十分だ。
(作戦はさっきと変わらない。クラフトワークのスタンドとしての性質上基本は待ちの一手が望ましい。そして・・・)
再び精神集中をし、体を極限までリラックスした状態に持っていく。
(少なくとも、今の俺ではパワー負けは必至!となれば勝負処はスピード!相手ともっと速く、もっと鋭く、的確に急所を狙い打たなくてはだめだ。今は静かに・・・ただ静かに・・・)
俺はリラックスした状態を維持しながら、すり足でにじり寄る居合の使い手のように、少しずつ、少しずつサーレーに近寄っていく・・・
「今のやり取りを知った上でなお向かってくるのか・・・・・・いいぜ、今度はこっちの奥の手を見せてやる!」
サーレー?はクラフトワークをすぐそばに呼び出し、再度俺の方に走ってくる。
俺はその姿を、唯々視る・・・
(・・・来る!)
「クラフトワーク!」
お互いが自分の射程範囲に入った瞬間、殺気が一段と強くなった瞬間、また殴り合いが始まった!
「(右ストレート胴体狙いと膝狙いの左ローキック!)よっと!食らえ!」
『ギルァララララララララララララララァッ!!』ボギャァッドゴドゴドゴドゴドゴ
「ゲ?!」
俺は相手の呼び動作から狙ってくる位置を予測し、ストレートを最低限の動きで避けた後、次に繰り出されたローキックに乗って回避する。
そして相手が足を引っ込める寸前に渾身の力でクラフトワークの膝を蹴り砕き、更に追加攻撃を加えながらその反動で後方にジャンプ、再度距離を取った。
「フゥ―――――――・・・シッ!」
「クソ!このガキ・・・!」
サーレー?は左の髪だか足だかわからない部分を何本かから血を流しながら毒づく。
(其処って足だったのか・・・おっといけないいけない。)
くだらない思考を他所の払い、地面に降りる前に呼吸を整えて、着地と同時にもう一度近づいていく。
「クラフトワーク!何が何でもそいつに触るんだ!」
「チッ!」
---ドンドンドン
とにかくこちらに触ろうとしてくるクラフトワークの腕を直感でよけ続けながら再度距離を取った。
向こうは足を怪我しているせいか、少し離れればすぐに攻撃は来なくなっていた。
(さあココからが問題だ。今まではこいつの舐めプでどうにかなっていたがここから先は少しでも触れられたらそれでお終い!最悪でも後二、三回の攻撃で確実に仕留める必要がある!)
自分の両手に意識を集中してタイミングを窺う。
チャンスはおそらく一度。捕まれば・・・もう後は無い!
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!」
(今だ!)
意を決し、サーレー?に走り寄っていく。
「馬鹿め!いくらテメーが強くても俺には意味がねえよ!クラフトワーク!」
サーレー?はクラフトワークを前に出し、拳を構えさせる。
「行け!」
『ギルァラァッ!』
アライブのパワーを溜めた左腕がクラフトワークの腹を捉えんと鋭く振り抜かれる。
「へっ!こんなもん「まだだ!」な?!」
クラフトワークがこれを防ごうとしている間に、俺はクラフトワークの脳天に右手の指二本を向けて・・・
『刺シ穿ツ!』
---ドギュン!!
スターフィンガーの様に伸ばして突き刺す!
---ドゴォッ ボキボキッ
「グエェッ!」
結果、サーレーが怯んだおかげで防御が中途半端になり、左のパンチはクラフトワークの腕を跳ね飛ばして見事に胴体に突き刺さる・・・
---ザシュウッ!
伸びた指は見事に脳天を突き刺した・・・・・・頭蓋骨のあたりで止まってはいるがな・・・まあ関係ない事だ・・・・・
「う・・・ゲフ・・・ヘへへ、い、今のはよう、結構あせ『ギルァッ!!』がは!?」
何か言おうとしていたサーレーを無視し、俺は指を伸ばした状態でアライブに右手の甲に思いっきり頭突きさせる。
刺さっている指は、さっきよりもほんのちょっぴりとだけ前進した。
「アガ、ギギギ・・・・ま、待て・・・まさか・・・まさかこのために・・・」
「そういうこと。ま、止めようと止めまいと結果は変わりなかったってことだよ君・・・さあ、ピンチだなぁ~これは・・・」
「こ、こんな馬鹿な・・・く、クラフトワーク!能力を『ギルァッ!!』がああ?!」
「もう遅い!さあ、ここからさらに倍プッシュ!
倍数は100?200?・・・・いいや違うね!1000倍プッシュだッ!!」
「ヒ、ヒィィィィィィィ!!」
『ギルァララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララァッ!!』
---ガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガン・・・
手の甲にこれでもかというくらい頭突きし、固定されている指を力尽くで押し進めていく。
そして数秒と経たないうちに・・・
---ドシュンッ!!
指先が頭蓋骨を突破し、そのまま後頭部まで突き抜けて行った。
「が・・・・ふああ・・・・・・・・・・」
---ドサッ
クラフトワークは頭部を破壊されて消滅し、サーレー?もそこに値する部分を破壊されてぶっ倒れ・・・・
---シュォオ――z_____ッ
良く見知った感じで、その場から完全に消滅していった。
「・・・・・・・プハァ――――――――――ッ!!」
緊張の糸を少しだけ緩め、息を大きく吐き出す。
---ズキンッ!
「くうう!?やっぱり痛い・・・でも生きてる!」
そのせいで骨折と手の甲を連打し過ぎたことによる痛みがぶり返すも、生き残った実感の方が遥かに強いためたいして気にならない。
『オ疲レ様デス。マダマダ先ハアルデショウガ頑張リマショウネ。』
「うん、そういやそうだね・・・」
これで終わりならこのまま喜んでいても良かった・・・が、見立てなんてものが無くてもあれが雑魚敵として徘徊しているのはほぼ確定していると言って良い。
じゃなきゃ初っ端から出合う訳が無い。まったく、冗談じゃねえぞ・・・・・・・・・・・・というかあの存在がまず冗談であってほしかった。
あんなふざけたなりでトニオさんに連なる戦闘力持ちとか・・・どんな事態よこれ・・・マジでありえん。
「・・・・・・・・・ふう、もうそろそろ出発するか。」
怪我の治療を一通り終え、俺は次の階段を探し始める。
もうあれとはしばらく会いたくねえ・・・
『アノ、ソンナコト言ッテルト大抵・・・ホラ来チャッタ・・・』
「・・・・・・うん、そうだね・・・言わなきゃよかったよチクショウ・・・」
次の部屋に入ると、部屋の隅っこと左前の通路からまたあれが出てきた。
『ドウシマス?ト言ッテモアレヲサラニ二体相手ニスルトカ今ノ段階ジャ無理ニモホドガアルト思ウンデスケド・・・』
「・・・・・・・・・・・うん、なんかね・・・もういい、面倒だから会うたびキンクリでスルーする。」
あんな脱力系を何度も何度も相手にしてられるか、馬鹿馬鹿しい。
という訳で、キング・クリムゾンを頭に差し込んでとっととその場を離れる。
「やれやれ、色んな意味で前途多難だな・・・」
こうして俺の二度目の旅は・・・己を高めるための道のりは始まった・・・
『やらなくてはならない』のではなく、俺が『やりたいから』。
ただそのためだけに・・・
ちなみにカニサーレーは、正月の時期のみ時給900円で(深夜労働は3百円+して)ダンジョンに出勤してくるそうです()
やったね泰寛!今度のトラウマは正月だ!
うん、ごめん。さすがにちょっとやり過ぎたかも。
今度お菓子折りもって土下座しに行くよ。