もしもFGOがゲームではなく大人気実写特撮映画シリーズ『Fate/Grand Order』だったら   作:ルシエド
<< 前の話 次の話 >>

2 / 14
 国民的大人気実写映画『Fate/Grand Order』。
 最初期からこの映画を肯定的に、かつ誠実に記事にしてきた映画情報誌『シネマトゥモロー』編集部。
 今日はFGO第二部公開に先駆け、一年前に公開され大人気を博した『伝承地底世界 アガルタ』特集!
 不夜城のキャスター役、櫛灘柘榴氏にインタビューだ!


伝承地底世界アガルタ/不夜城のキャスター役/櫛灘柘榴 インタビュー

―――今日は取材に応じてくれてありがとうございます、櫛灘さん

 

「いえ、お仕事ですから。お互いにとって良いインタビューにしましょう」

 

―――最初に言っておきますが、うちの取材は独特です

 

「存じております。どうぞ、シネマトゥモローさんのお好きなように」

 

―――では、好きに話しましょうか。お互いに。最終的に編集しますので

 

「シネマトゥモローさんの記事、棘が無いのにユーモアがあって私も好きなのですよ」

 

―――ありがとうございます。天下の櫛灘さんにそう言ってもらえると、うちのは皆喜びます

 

「ふふっ……踏み込んだ質問でも、どうぞご自由に」

 

―――では早速。櫛灘さんは元AV女優の大抜擢ということでとても話題になりましたね

 

「あら、本当に踏み込んで……シネマトゥモローさんのこのノリ、好きなのですよね」

 

―――劇場公開前は、控えめに言っても好意的とは言い難い評判でした

―――ですが圧倒的な演技力と美貌で、公開後に評価は逆転。悪評をねじ伏せる奇跡の名演

―――間違いなく名演でした。怯える演技など比肩できる役者も見つかりませんでしたよ

 

「実は最初、不夜城のキャスターはああいうキャラじゃなかったのです」

 

―――そうなんですか?

 

「はい、もう少し強気なキャラで……

 でも私の演技を見た白澤監督(※1)が、キャラ付けの方向を変えたのです」

 

 欄外注釈

 ※1 白澤章監督。『ゴジラVSガメラ』等大ヒットシリーズをいくつも手がける。

 

―――白澤監督の現場判断は大体正しいですからね

 

「はい。お蔭で私も前評判を覆し、演技力を認めていただきました」

 

―――不躾な質問ですが、何故、元AV女優から今の場所を志したのでしょうか?

 

「私、やってみたいと思ったことは全部やって見るタチなんです。

 なのでまずはニュースキャスターになりました。

 次にAV女優になってみました。

 稼いだお金で大学に行き、博士号も取って研究者にもなってみました。

 薬剤分野で一定の結果を出せたので、一度研究者はお休みして、芸能の道に」

 

―――多芸すぎません?

 

「そうでしょうか?」

 

―――そうですよ。料理番組やクイズ番組でも活躍してるじゃないですか、櫛灘さん

 

「私、昔いじめられっ子だったんです」

 

―――え? そうなんですか?

 

「私の母は、フィリピンからの移民でした。

 水商売で出会った父と結ばれ、それで私が生まれたのだと聞きます。

 ハーフだから随分といじめられたものです。

 中学生の頃からは発育も良くなってしまったので、あだ名は"おっぱいおばけ"でした」

 

―――それはまた……お気の毒に

 

「それで思ったんです。

 彼ら彼女らを見返してやる、立派な大人になってやる、と。

 そうしてなりたい大人をいくつも考えていたら……

 大人になってからやりたいこと、つまり将来の夢が、たくさん出来たんです。

 夢を見ることが、楽しくて楽しくて。

 高校に入った頃には、彼らを見返したいという気持ちは、綺麗さっぱり消えていました」

 

―――……なんと

 

「中学で陸上部、高校では文芸部でした。

 大人になったら喋り、AV、勉学も身に着けました。

 やりたいことはまだまだたくさんありますが、まずは芸能を極めてみようかと」

 

―――資格もたくさん取っていると噂を耳にしたこともあります

 

「ひよこ鑑定士になるための資格と技能はもう備えました」

 

―――(笑)

 

「一度大河ドラマのセットを作ってみたいと思っているので、役者の次はそこに行くかと」

 

―――櫛灘さんの今後の活躍に期待が止まりませんね

 

「ただ、映画公開後も元AV女優が……という声は止んでいないようなので。

 子供に悪影響がある、とも言われているので、もしかしたら自粛はするかもです」

 

―――しなくていいですよ(笑)

 

「あら……言い切るんですね」

 

―――子供向けのスーパー戦隊シリーズにも、AV女優の方は何度か出ています

 

「子供向けに? それは知りませんでした」

 

―――バイオマン、マスクマン、ターボレンジャー、オーレンジャー、カーレンジャー、メガレンジャー、ギンガマン、ゴーオンジャーとこれでもかと出てますよ! 牙狼とかでも出てますけど

 

「そうなのですか……」

 

―――男の子は色気のあるお姉さんが大好きなんです。ヒーローと同じくらい

 

「(笑)」

 

―――今の若い人って『悪の組織の女幹部はエロい』って常識が微妙に浸透してなくて

―――その理由は分かりやすいと思うんです

―――ズバリ、美人のAV女優さんが戦隊の女幹部をやってない!

―――2008年のゴーオンジャーが最後なので、もう十年経っちゃったんですよ

 

「シネマトゥモローさんの編集部は噂通り、面白い方が多いんですね、ふふっ」

 

―――つまり私が言いたいのは、AV女優さんも差別せず、子供番組に出るべきだってことです

 

「子供番組に?」

 

―――今回のアガルタはいい機会だったと思いますよ

―――そもそも肩書きだけで反射的に拒絶する人の声が大きすぎるんです

―――ジャニーズやAKBもよく反発されてましたが、内容が良ければ歓迎されてましたしね

―――ウルトラマンサーガとかまさにそうでした

―――アガルタもそうだったでしょう?

―――一部の大人はともかくとして、子供には全体的に好意的に受け入れられてましたから

 

「はい、握手会にも子供がいっぱい来てくれていました」

 

―――嫌いな人の絶対数は、好きな人の絶対数を減らしませんからね

―――好きな人が一万人、嫌いな人が千人いる俳優。好きな人が百人、嫌いな人が一人の俳優

―――これだと商業的に成り立つのは前者

―――インターネットで常に褒め言葉一色なのは後者ですからね

 

「編集者さんらしい意見ですね」

 

―――アガルタは、特撮技術と演者の演技が特に称賛されています

―――シナリオは四部作の中では最も低評価なものの、演者の演技評価はぶっちぎり一位

―――死を恐れる不夜城のキャスター

―――実年齢から見れば信じられないくらい天才的な名演だった不夜城のアサシン

―――そして今でも語り草になるレジスタンスのライダーの怪演

―――個々の演技のクオリティは四部作の中でも飛び抜けています

 

―――よって名作だった、というのが私の意見です

 

「ふふっ」

 

―――すみません、熱く語ってしまって。ファンなもので

 

「いえいえ、ファンの熱い応援の声を直に聞けて嬉しいです。

 ……ああ、映画公開後に貰って嬉しかった手紙のことを思い出しました」

 

―――ファンからの手紙ですか?

 

「はい。現役のAV女優の方からの手紙です。

 『勇気を貰った』

 『AV女優でもこれから何かになろうとしていいと言われた気がした』

 『今、大学受験のために勉強しています』……だ、そうです」

 

―――それは……また

 

「同じような手紙を、他のAV女優さんや風俗嬢の方からよく貰います。

 転職を考えていたり、人生を思い切ってやり直そうとしていたり。

 そんな方達から、『勇気を貰った』という感謝の言葉をいつも頂いています。

 ……私が特別なことを何かしたかと言えば、してないと思うのですけどね」

 

―――しましたよ。櫛灘さんは不夜城のキャスターとして、銀幕で"それ"を見せたんです

 

「ふふっ、ありがとうございます。嬉しいです。

 ……初めてだったんです。

 自分が誰かに勇気をあげられたと、そう実感できたのは……」

 

―――櫛灘さん……

 

「手紙を見て、改めて自覚したんです。

 私はもう学生の頃の、大人に夢を見せてもらっていた子供ではなく……

 他の人達に夢を見せる立場の大人になったのだ、と」

 

―――素敵ですね

 

「子供に夢を見せる格好良いヒーローの役は藤井君(※2)に任せます。

 なので私は、私が夢を見せられる女性達のことを考えたいと思います。

 私だからこそ夢を見せられる人達が、きっと世の中にはたくさんいると思いますから」

 

 欄外注釈

 ※2 藤井健。FGOシリーズの主演・藤丸立香役、デート・ア・ライブ主演・五河士道役等を務める。

 

―――とても良いと思います。っと、すみません、インタビュー中に脇道に逸れてしまって

 

「いえ、こういうところにシネマトゥモローさんの良いところが詰まっていると思いますから」

 

―――本筋に戻りましょう。撮影中、辛かったことなどはありましたか?

 

「そう……ですね。水谷笑間さん(※3)の急病による離脱でしょうか」

 

 欄外注釈

 ※3 水谷笑間。連続テレビ小説『ままちゃん』で初主演。FGOシリーズにおいてエレナ・ブラヴァツキー役で人気を博するが、アガルタ撮影中に大動脈弁狭窄症で離脱。

 

「演技力という意味では、水谷さんはトップクラスの女優でした。

 表情がころころと変わりながらも、喜怒哀楽をしっかり魅せるエレナ・ブラヴァツキー。

 私の演技もかなり彼女から指導を受けています。

 白澤監督は彼女を話の基点に使っていたので、あそこからやや話作りに苦戦したようです」

 

―――本来なら彼女が知識豊富な進行役だったとか?

 

「本来なら『未知の世界』の重要なキーパーソンでしたからね。

 未知の地下世界。

 未知に暴力をもって踏み出したコロンブス。

 未知に知性をもって踏み出したエレナ。

 二人の対立関係に、王に未知の物語を語る私が加わり……という形でした」

 

―――今のアガルタも好きなんですがそっちも見たい……

 

「完成して世に出た作品が全て。

 その作品へ下された評価が全て。

 白澤監督はそうおっしゃっていました」

 

―――流石白澤監督、リアリストだ……

 

「ああ、でも……

 エレナの水谷さんが抜けただけなので、特撮・アクションはほとんどそのままでした。

 ヘラクレス・メガロスの圧巻の戦闘シーンなどは、不満が少ないのではないでしょうか」

 

―――あそこへの不満は聞いたことないですね

―――水上都市や竜宮城を引きのカメラで映す際のミニチュアや、それの爆破破壊

―――メガロスの破壊する森のミニチュア、アマゾネス戦闘時の街や森のセット

―――未だに特撮最高峰という評価は動いてないかと

 

「完成したメガロスの戦闘シーンは、私も思わず心奪われた記憶があります」

 

―――あそこはCMにもよく使われていますね

 

「メガロスはまさに天災でした。

 あそこは数秒でも人間に災害への根源的恐怖を思い出させます。

 一分も見ていればもう勝てないだろう、と確信してしまいます。

 何に例えれば良いのでしょう……シン・ゴジラの絶望的なシーン等が近いのでしょうか」

 

―――ああ、確かにあれが近そうです。人間が立ち向かうなんて無理だ、と思わされるような

 

「もはやクロさん(※4)以外のヘラクレスは考えられないと思います」

 

 欄外注釈

 ※4 KURO。FGOシリーズ以前からヘラクレス役を名演。身長250cm超え、体重300kg超えの巨体と喋らずとも感情表現する演技力を持つ。他代表作『Helck』『北斗の拳』等。

 

―――特撮の工夫も素晴らしい技術でした

 

「デオン、アストルフォ、立香、フェルグスがメガロスに持ち上げられるシーンですが」

 

―――ああ、あの四人まとめてヘラクレスに首を掴まれたシーン

 

「あれ、四人をワイヤーで吊っていたんですよね。

 ワイヤーで吊った四人の首をクロさんがメガロスの手で掴んでいたんです。

 それで、後から特殊効果でワイヤーだけ消していたんですよ」

 

―――おお、なるほど

 

「メガロスなら四人程度軽々持ち上げられる、と視聴者は疑いもしませんでした。

 それはクロさんの演技力と、演出の皆さんの努力の賜物。

 そしてメガロスの強大さを演出したのは、合成と加工のスタッフの皆さんの尽力でした」

 

―――誰一人欠けても作れなかった『最強の巨人』の大暴れだった、と

 

「はい。そしてその強さを引き出したのが、藤井君を……藤丸立香を守る三人」

 

―――アストルフォ、デオン、フェルグスの三人ですね

 

「はい、美香さん(※5)、冬美さん(※6)、一刀さん(※7)です」

 

 欄外注釈

 ※5 田村美香。アガルタのお供が一人、アストルフォ役。キャスティング発表時に「男の娘が好きなだけで男の娘じゃなくてごめんなさい」発言で一躍人気を得る。

 ※6 紗莉冬美。アガルタのお供が一人、シュヴァリエ・デオン役。俳優業のみならず、ファッションモデルとしても活躍。

 ※7 三葉一刀。アガルタのお供が一人、フェルグス・マック・ロイ役。少年アイドルグループ・『Chiba Kids』のリーダーとしても活躍中。

 

―――それまでの戦いであの三人の強さも強調していましたからね。お蔭で敵が強く見えました

 

「エルドラドのバーサーカーとメガロスは分かりやすい暴力でしたから……

 力任せの暴力が魅せる怖さというものを、あのアクションがよく表現できていたかと。

 ……今思うといくら指導されても一切アクションできなかった私ダメダメでしたね」

 

―――不夜城のキャスターというキャラ付けとしては良かったと思います!

 

「ありがとうございます(笑)。

 そういえば、アストルフォとデオンの差異は演技力だと、白澤監督はおっしゃっていましたね」

 

―――演技力?

 

「美香さんは表情をコロコロ変えて感情を表現できる。

 だからこそアストルフォが相応しいと。

 冬美さんは美香さんのようにはできない。

 だからこそ同じように中性的で可愛い美形だが、デオンなのだと。

 そうおっしゃっていましたね。

 FGO初期段階のオーディションで、この二人の違いがそう見えたのだとか」

 

―――なるほど。美香ちゃんだと表情が大仰に変わりすぎるからデオンには合わない、と

 

「冬美さんは逆に真面目さが出すぎてアストルフォには合わない役者さんなのでしょうね」

 

―――ただ、デオン役の冬美ちゃんの演技力って、そんなに低かった印象無いんですよね

 

「撮影中にぐんぐん成長してましたから」

 

―――ほほう

 

「特に剣の扱いは剣道部だったらしく、魅せる剣技の伸び方が尋常ではありませんでした。

 FGO一部のオルレアンでは脇役であまり目立っていませんでしたが……

 今回は味方の中心人物というのもあり、積極的な指導でメキメキ腕を伸ばしていましたよ」

 

―――オルレアンが2015年の夏で、アガルタが2017年の夏前でしたからね

―――ファンは「この二年で冬美ちゃんめっちゃ女性として魅力的になってる」って言ってます

―――演技力も容姿も高評価の成長したってことですよ!

 

「(笑) そのせいか、見せ場のバランスも若干見直されたようです」

 

―――フェルグスの出番がやや削られ、デオンの出番がやや増量されたという話ですね

 

「はい、そうです。

 増やされた出番で冬美さん達も可愛く描写されていたので、結果的には良かったと思います」

 

―――そうですね。そういえば、エルドラドのバーサーカーはどう思ってましたか?

 

「これ、内緒話でお願いしますね?

 私、中本さん(※8)に……

 お笑いのハリセンボンやブルゾンちえみ的なイメージしか持ってなかったんです」

 

―――(笑)

 

 欄外注釈

 ※8 中本マリー。女子プロレス世界王者決定戦三年連続王者。2014年に吉本興業から中本マリー名義でお笑い芸人としてデビュー。FGOシリーズにおいては『エルドラドのバーサーカー』役を好演する。

 

「それがあんなに凄まじい憤怒の女を演じられるだなんて、当時はとても驚きました」

 

―――あの人は職業変えるたびに皆を驚かせてますよ

 

「私、あの人を"エンタの神様"でしか知らなかったので……」

 

―――アマゾネスCEOとかやってる時のあの人がデフォルトの芸風ですよ

 

「チェイテピラミッド姫路城の時の演技で安心しました。ああ、いつものあの人だ……と」

 

―――(笑)

 

「こう、打撃とタックルと派手な動きで敵を倒すあの人はなんというか……

 野獣的なプロレススタイルというか……迫力有りすぎて怖かったですね」

 

―――あの人もそうですが武内P(※9)の人材収集能力が謎に有能すぎて恐ろしいです

 

「経歴のAV女優とか気にせず私を引っ張って来たくらいですから」

 

―――た、確かに!

 

 欄外注釈

 ※9 武内崇プロデューサー。FGOシリーズとその前史で大ヒットを記録し、現在は『アイドルマスターシンデレラガールズ』シリーズを赤羽根P等と共に進めている敏腕P。

 

「脚本チーム筆頭の奈須先生もあの人が引っ張って来たくらいですし……

 ……ああ、そういえば。

 レジスタンスのライダーの志賀崎さん(※10)も有名な方だったそうですね」

 

 欄外注釈

 ※10 志賀崎龍三郎。舞台俳優。世界的に高く評価される本格派。日本でのオファーの多くは断られるが、何故か子供向け番組を中心とした子供の見る映像作品のみ、比較的多くオファーを受けている。子供に夢と現実と怖い顔を見せるのが大事なんだ……と、過去の取材では答えている。『レジスタンスのライダー』役で怪演を見せる。

 

―――畑違いだとピンとこないかも知れませんが、凄い人ですよ。本格派舞台俳優です

 

「白澤監督があの人にだけは撮影やり直しを命じなかったんです。

 贔屓をしているからではありません。演技が完璧だったからです。

 アガルタの撮影においては、あの人の演技だけ飛び抜けてハイクオリティでした」

 

―――あと十年も経てば、舞台の世界では三船敏郎や高倉健と並び評価になると思いますね

 

「そこまでの方だったのですか? 確かにあの怪演は、尋常ではありませんでしたが……」

 

―――広い知名度はないですが、知られてる場所では小松原澪羅さん級の評価はされてます

 

「小松原さん(※11)と……それはまた、凄い」

 

 欄外注釈

 ※11 小松原澪羅。アルトリア・オルタ役を務める。2017年度アカデミー主演女優賞受賞。

 

―――もちろん、知名度の高さと評価の高さを両立してる彼女と同格なわけではないですが

 

「いや、確かに……演技力はそのレベルのものがありました。

 アクションは全然ありませんでしたが、演技力がとにかく凄かったです」

 

―――志賀崎さんあれでもう四十代半ばですからね

 

「ああ、確かに腰に色々貼ってたような……」

 

―――おじさんは激しいアクションできないものなのです。若者と違って

 

「もうアラサーの私としては、若者というのは藤井君みたいな子のことですよ」

 

―――櫛灘さんは私より若いじゃないですか! まだ27歳でしょうあなた!

 

「(笑)」

 

―――不夜城のアサシンを演じてる子がまだ10歳とか怖くなりますよ

 

「あの子も凄いですけど、長房の三姉妹の方が演技力は高い気がしませんか?」

 

―――おお、櫛灘さんもセイレムが好きなんですか

 

「FGO1.5部四部作の中ではセイレムの主題歌を一番よく聞いています」

 

―――私もです(笑)

 

「月湖さん(※11)と星仔さん(※12)は11歳と12歳でしたね。

 個人的に、四部作の子役で最も演技力が高かったのはあの二人だと思います。

 藤丸立香を演じる藤井君とは、舞台裏でとても微笑ましく絡んでいましたよ」

 

―――藤井君本当に誰とでも仲良いな

 

 欄外注釈

 ※12 長房月湖。昭和の名俳優・長房源十郎の孫娘。長房三姉妹の次女。『魔法少女じぇのさいだぁ』で主演デビュー。FGOシリーズでは『アビゲイル・ウィリアムズ』役を務める。

 ※13 長房星仔。昭和の名俳優・長房源十郎の孫娘。長房三姉妹の三女。『魔女っ子おーるきりんぐ』で子役デビュー。FGOシリーズでは『ラヴィニア・ウェイトリー』役を務める。

 

「セイレムと剣豪がとても好きなんです、私。

 もちろん自分が出たアガルタも好きなんですが、やはりこの二つが好きでしょうがなくて」

 

―――好みが分かれますからね、四部作

 

「やはり皆が自分の好きだと思ったものを好きなように見てくだされば、と思います」

 

―――では最後に、何か一言お願いします

―――ちなみに山城くんはチェイテピラミッド姫路城が最後のメイン登場なのが嫌だと叫びました

 

「(笑) そうですね……実はですね、私、FGOで一番好きなキャラがロマ二なんです」

 

―――そうなんですか!?

 

「あのなよっとした優しげなイケメンが、薄幸のイケメンになって、自己犠牲するんですよ?」

 

―――私も結構好きなキャラですが、まさか櫛灘さんの一押しとは……

 

「推しメンです」

 

―――推しメン

 

「関連グッズは全部集めてます」

 

―――ガチですね

 

「ガチです。一度くらい共演したいのですが……望み薄なんですよね。

 どんな形でも一回くらいは共演してみたいです。

 ロマニに変に喧嘩売って殺される役でもいいです。

 ロマニさんに殺されるならそれはそれで萌える気がするというか、喜べる気がするので」

 

―――ガチですね

 

「キャラを好きになるってそういうことじゃないでしょうか」

 

―――まあ、ロマニは女性人気高いですしね……

 

「ちなみにDr.ロマンの次に推してるのは現状、カドック×アナスタシアです」

 

―――本当に推されてますねあの二人! 先行上映組は何を見たっていうんですか!

 

「推してるカプがその時々で変わっても、その一瞬一瞬に全力で推すのが女子というものです」

 

―――……ガチですね

 

「と、いうわけで。

 皆さん、4月4日公開の『永久凍土帝国 アナスタシア』の応援をお願いします。

 ……この応援、インタビューの編集後もちゃんと残りますよね?」

 

―――ちゃんと残しておきますよ。残しておいた方が絶対楽しいやつですもん、これ

 

 

 




 本文と脚注は一部編集された上でインタビューページとして出版されました







※この小説はログインせずに感想を書き込むことが可能です。ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に
感想を投稿する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。