バカと遊戯王と召喚獣   作:はまなつ

14 / 25
13話です。今回は長くなりました。中々キリがいい所がなくてですね。次回で一日目が終了すると思います。予定ですが。


13話 清涼祭一日目中編

「さて、次の対戦相手は誰だ?」

 

常夏コンビをぶっ飛ばした後俺と明久は召喚大会の二回戦目にやってきた。明久がギリギリまで鉄人に追いかけ回されていたため、駆け込む形にで会場に入ったけどな。

 

「えーと、対戦表では……」

 

明久が雄二に渡された対戦表を広げる。こうやって見ると中々参加者がいるんだな。

 

「ここで勝った方だから、根本君と小山さんペアだよ」

 

「何だ、代表カップルだったか」

 

「え!ね、根本君と小山さんが付き合ってるだと?!」

 

「何だ、知らなかったのか。割と有名だぞ」

 

「げっ、吉井に虹村」

 

俺らの顔を見た途端青い顔をする根本。

 

「どうしたの恭二。たかがFクラスのバカ二人じゃない」

 

「俺はバカじゃないんだけど」

 

「似たようなもんよ」

 

「コイツ……」

 

やっぱり性格悪いな。根本といい嫌なカップルだ。

 

「でもどうする光輝。普通にあの二人は強敵だよ」

 

そう、あの二人は腐ってもB.Cクラスの代表。俺の実力がAクラスと言っても流石に戦力差が大きい。操作能力が高い明久でも勝てるかどうかは怪しい。

 

「ふっ、心配するな明久。俺達には雄二から預かったある秘策がある」

 

「秘策?」

 

「これだ!」

 

「なっ!そ、それは!?」

 

雄二から預かったもの。それは根本が墓まで持っていきたい、門外不出の根本恭二個人写真集『生まれ変わったワタシを見て!』だ。正直中身は気持ち悪すぎて見れるもんじゃないがな。

 

とにかくこれを出した瞬間根本の顔が凍りつく。

 

「よーし、これがあれば……。さて、根本君。この写真集をばらまかれたくなかったら__」

 

「待て待て明久。交渉相手が違う」

 

「え?そうなの?」

 

「ああ。これはこう使うんだ!おい、根本の彼女!」

 

「なにかしら」

 

「これを見ろ!」

 

言いながら写真集の1ページ目をめくる。そこには根本が恥ずかしそうにポーズを取っている写真が見える。

 

「に、虹村。わかった、降参する。だからその写真集だけは……!」

 

「明久、根本を押さえてろ」

 

「りょーかい」

 

「よしよし、さぁCクラス代表。この写真集が見たかったら負けを認めな」

 

「お前は鬼か虹村?!」

 

根本が泣きそうになってるが知ったこっちゃない。こっちは何がなんでも勝たなきゃいけないんだ。

 

「……いいわ、私たちの負けよ」

 

「交渉成立だ。ほらよ」

 

「ゆ、友香!?頼む、見ないでくれ!」

 

「明久、勝負は着いたから帰るぞ。喫茶店の手伝いもしなくちゃだし」

 

「そうだね。それじゃあ先生。僕らの勝ちということで」

 

「あ、はい。虹村君と吉井君の勝利です!」

 

 

 

『別れましょう』

 

『待ってくれ!これには事情が……』

 

帰り際に聞こえたものは、聞こえないようにした。

 

♢

 

「ただいまぁー、ってあんまりお客さんいないね」

 

「お、戻ってきたようじゃの」

 

「おかえりだぜ二人とも」

 

「無事勝ってきたよ」

 

「それは何よりじゃ」

 

「それより秀吉、全然客が居ないようなんだが」

 

「むぅ。妙な客は来ておらんのじゃが」

 

「客がいなくて暇なんだよ」

 

「ってことは教室の外で何か起きてるのかな」

 

「かもしれないな」

 

そうやって考えていると、外で雄二が小さい女の子と話している声が聞こえてきた。

 

『んで、探しているのはどんなやつだ?』

 

雄二が教室に入ってきた。女の子の方は雄二の陰となって見えない。

 

『お、坂本妹か?』

 

『可愛い子だな〜。5年後にお兄さんと付き合わない?』

 

『俺はむしろ今から付き合いたいなぁ』

 

仕事が無いからってコイツらときたら……。

 

『あ、あの、葉月はお兄ちゃんを探しているんですっ』

 

『お兄ちゃん?名前はなんて言うんだ?』

 

『あぅ……。わからないです……』

 

『家族の兄じゃないのか。それなら何か特徴は?』

 

『えっと……バカなお兄ちゃんです』

 

あの歳の女の子にバカと言われるのかそいつは。

 

『そうか。……沢山居るんだが?』

 

否定出来ねぇ。

 

『あの、そうじゃなくて、すっごくバカなお兄ちゃんだったんです!』

 

『『『吉井だな』』』

 

「「「明久だな(じゃな)」」」

 

「やだな、泣いてないよ?それに僕に小さな女の子の知り合いなんて__」

 

「あっ!バカなお兄ちゃんだ!」

 

「……いたみたいだな、バカなお兄ちゃん」

 

「……いないと思ったんだけどなぁ」

 

「あれ、葉月?来てたの?」

 

「おっ、おかえり二人とも」

 

「はい、ただいま戻りました」

 

「なんじゃ島田。知り合いかの?」

 

「知り合いもなにもウチの妹よ」

 

「へ?」

 

「なんだ。島田に妹がいたのか」

 

「……あぁー!思い出した!あの時のぬいぐるみの子か!」

 

どうやら思い出したようだな明久。てか一度会っただけなのにその後バカなお兄ちゃん呼ばわりされるって何したんだ明久のやつ。すげーに気になる。

 

「ところで、この客の少なさはどういうことだ?」

 

雄二も気になったようだ。それもそうだ、さっきまでは普通に客が出入りしていたのに、急にいなくなったんだからな。

 

「そういえば葉月、ここに来る途中で色々な話を聞いたよ?」

 

どうやら島田の妹が有益な情報を持っているみたいだ。

 

「ん?どんな話だ?」

 

「えっとね、中華喫茶は汚いから行かない方がいいって」

 

なるほど、そんな噂が出回ってたのか。通りで客が少ないわけだ。

 

「ふむ……。例の連中の妨害が続いているんだろうな」

 

「接客が足りなかったみたいだな。探し出してシバキ倒すか」

 

「それでチビッ子。さっきの話はどの辺で聞いたのか教えてくれるか?」

 

「えっとですね、短いスカートを穿いた綺麗なお姉さんが一杯いるお店__」

 

「なんだって?!雄二、それはすぐに向かわないと!」

 

「そうだな明久!我がクラスのために低いアングルから綿密に調査しないとな!」

 

「アキ、最低」

 

「明久君酷いです……」

 

「お兄ちゃんのバカ!」

 

「いつも通りの明久だぜ」

 

「そこは魔理沙も怒るところだぞ?」

 

♢

 

「明久、ここはやめよう」

 

「ここまで来て何を言ってるのさ!早く中に入るよ!」

 

目的としていた場所はAクラスのメイド喫茶『ご主人様とお呼び!』だった。

 

「そっか、ここって坂本の大好きな霧島さんのいるクラスだもんね」

 

「女の子から逃げ回るなんてダメですよ?」

 

「Aクラスか、幽香もいるな」

 

「霊夢がメイド服を着てるのか。一目見てやるか」

 

「………!!(パシャパシャパシャ)」

 

「………ムッツリーニ?」

 

「何してるんだこんな所で」

 

「………人違い」

 

厨房責任者のクラスメイトはカメラを片手に否定のポーズを取っていた。

 

「どう見ても土屋だろ」

 

「アンタ何してるの?」

 

「………敵情視察」

 

「女子をローアングルから撮影してるのにか?」

 

「ムッツリーニ、ダメじゃないか、盗撮とか。そんなことしたら撮られてた女の子が可哀想だと___」

 

「………一枚百円」

 

「2ダース貰おう。__可哀想だと思わないの?」

 

「アキ、普通に注文してるわよ」

 

「流れるように買ったな」

 

「明久、金ないのにそういうのを即決で買うのはどうかと思うんだぜ」

 

「はっ、いつの間に!まったく、ムッツリーニにも困ったもんだね」

 

「さりげなくしまったな」

 

「そんなことないよ。後でちゃんと処分す__写ってるのは男の足ばっかりじゃないか畜生!」

 

「やっぱり見てるじゃないですか!」

 

「まったくアキは……。それじゃあ入るわよ。お邪魔しまーす」

 

「……おかえりなさいませ、お嬢様」

 

出迎えたのはクールで知的な美人メイド、霧島翔子だ。

 

「わぁ、綺麗……」

 

姫路がその姿に見とれる。まぁ無理もない、霧島レベルの美人がメイド服なんて着たら例え同性でも見惚れてしまう。

 

「それじゃあ俺らも」

 

「お邪魔します」

 

「お姉さん、きれ〜!」

 

「……おかえりなさいませ、ご主人様にお嬢様」

 

「……チッ」

 

「……おかえりなさいませ。今夜は帰らせませんダーリン」

 

雄二だけアレンジされていた。

 

「お席にご案内します」

 

霧島が俺たちを案内する。

 

「ぶはっははは!なんだ霊夢、その格好ー!」

 

魔理沙はというと博麗のメイド姿を見て爆笑していた。

 

「なんでいんのよ魔理沙」

 

「良いじゃないか。ぷぷっ、馬子にも衣装だな」

 

「後でぶっ飛ばすわ」

 

「来てたのね光輝」

 

幽香もこちらに顔を出しに来てくれた。

 

「ああ。似合ってるぞ幽香」

 

「当たり前でしょ。でもメイドって言うのも慣れないわね」

 

「幽香はどっちかと言うとメイドを従わせる方だよな」

 

「自分でもそう思うわ」

 

「……ではメニューをどうぞ」

 

「じゃあウチは『ふわふわシフォンケーキ』で」

 

「葉月もー!」

 

「ワタシは『チーズケーキとパンナコッタ』で」

 

「俺は『フルーツタルト』で」

 

「僕は『水』で。付け合せに塩があると嬉しい」

 

「んじゃ、俺は__」

 

「……ご注文を繰り返します」

 

雄二が言い終わる前に霧島が注文を繰り返す。

 

「……『ふわふわシフォンケーキ』を三つ、『チーズケーキとパンナコッタ』が一つ、『フルーツタルト』が一つ、『水』が一つ、『メイドとの婚姻届』が一つ。以上でよろしいですか?」

 

「全然よろしくねぇぞ?!」

 

動揺する雄二を尻目に霧島が食器を用意する。女子と俺のところにはフォークが、明久には塩が、雄二には実印と朱肉が用意された。

 

「しょ、翔子!これ本当にうちの実印だぞ!どうやって手に入れたんだ!?」

 

「落ち着けって雄二。当初の目的を忘れたのか」

 

「まったく雄二は。少しは僕を見習って優雅さを身につけなよ」

 

「それは無い」

 

「……おい、三人とも。例の二人が来たぜ」

 

魔理沙の言う通り、常夏コンビが入ってきた。そのまま中央のテーブルに通され案の定大きな声でFクラスを罵倒していた。

 

「翔子、あの二人が来たのは初めてか?」

 

「……さっき出ていってまた来た。話の内容も変わらない」

 

 

「そうか、よし。とりあえず予備のメイド服を貸してくれないか?」

 

「……わかった。貸一つ」

 

「だ、そうだ。明久」

 

「わかったよ。お礼に今度雄二を一日自由にしていいよ」

 

「……ありがとう。吉井は良い人」

 

「ちょっと待て!どうして俺が!」

 

「で、どうするんだこれ?」

 

「……着るんだ」

 

「誰が」

 

「お前だ明久」

 

「いやだぁぁー!」

 

「光輝、連行しろ」

 

「まかせろ。ほら、暴れるな明久」

 

「離して光輝!せめてアイツを殴らせて!」

 

「はいはい、後でな」

 

「大丈夫ですよ明久君。きっと似合いますから」

 

「それはフォローになってないよ姫路さん?!」

 

♢

 

「こ、この上ない屈辱だ……!」

 

「明久、存外似合っておるぞ」

 

「サンキュー秀吉。これで明久の新たな道が見えたよ」

 

「そんな道には進まないよ!」

 

「では、ワシは喫茶店に戻るぞい。存分に悪党をのしてくるが良い」

 

「ん。りょーかい」

 

秀吉と別れ、明久が常夏コンビの元へ向かう。

 

「お客様」

 

「なんだ?__へぇ。こんな子もいたんだな」

 

「結構可愛いな」

 

「お客様、足元を掃除しますので、少々よろしいでしょうか?」

 

「掃除?さっさと済ませてくれよ」

 

「ありがとうございます。それでは__」

 

「ん?なんで俺の腰に抱きつくんだ?まさか俺に惚れて」

 

「くたばれぇぇ!」

 

「ごばぁぁっ!」

 

明久が坊主に思いっきりバックドロップを決める。

 

「き、貴様はFクラスの吉井……!まさか女装趣味が__」

 

「こ、この人今私の胸を触りました!」

 

「ちょっと待て!バックドロップを当ててきたのはそっちだし、だいたい__ぐぶぁっ!」

 

「こんな公衆の面前で痴漢行為とは、このゲス野郎が!」

 

間髪入れずに雄二がモヒカンを蹴り飛ばす。こうすれば痴漢を退治したというと大義名分が出来るため存分にボコボコにすることが出来る。

 

しかし常夏コンビも逃げる。なぜが坊主が頭にブラを付けて。

 

「変態じゃねーか」

 

ちなみに俺は追いにいけない。ここの会計が残ってるからな。

 

「……お会計は、野口英世を二枚か、坂本雄二を一名のどちらかになります」

 

「坂本雄二を一名でお願い」

 

「……ありがとうございます」

 

哀れ雄二。二千円で売り飛ばされるとは。

 

「おーい、いるか博麗」

 

そんな騒動があっにも関わらず、呑気に教室の奥から凛がタキシード姿で出てきた。

 

「よぉー、凛。お前はフロアじゃないんだな」

 

「メイド喫茶だからな。男子はもれなくキッチンだ」

 

「それでもタキシードは着るんだな」

 

「どうしても手が足りなくなる時があるからな」

 

「それでどうしたのかしら?」

 

「あぁ。休憩時間になったから伝えに来た。ついでに一緒に回ろうと思ってな」

 

「そう、なら行きましょう」

 

「あ、霧島が宣伝のためにそのままの格好でいてくれとさ」

 

「げっ、何考えてるのよ翔子」

 

「こればっかりは仕方ない。それじゃあな光輝」

 

「おう、またな〜」

 

♢

 

「どこか行きたいところはあるか?博麗」

 

「そうねぇ。あんまりお金もないしお金のかからない場所に行きましょう」

 

「また金欠か」

 

「仕方ないでしょ。お賽銭が全然入らないのよ」

 

「バイトすればいいだろ。部活もやってないんだし」

 

「バイトしたら神社に居られないじゃない」

 

「人来ないじゃん」

 

「張り倒すわよ」

 

「是非とも遠慮してくれ。ほら、気になるのがあったら言えよ。奢ってやるから」

 

「本当に?なら、お言葉に甘えるわよ」

 

「ドンと来い」

 

__この時の俺は博麗を舐めていた。まさかあれほどまでに飢えていたとは……。

 

「凛、焼きそばがあるわよ!」

 

「いい匂いだな。学園祭でもお馴染みだし」

 

「あっちには揚げ物が沢山あるわ!」

 

「唐揚げにコロッケにメンチカツに。他にも色々あるな」

 

「近くにたこ焼きもあるわね」

 

「でっかい鉄板だな。わざわざ借りたのか?結構手が込んでそうだ」

 

「あっちにはチョコバナナが!」

 

「向こうにはケーキが!」

 

「……………」

 

「うーん、次はどこに行こうかしら」

 

「あの、博麗。まだ食べるのか?」

 

「当たり前よ。言ったでしょ、お言葉に甘えるって」

 

「そこはいいんだが。よく食べるな」

 

正直男子高校生の俺より食べている。

 

「ココ最近ろくなもの食べてなかったもの。こういう時にカロリーを摂取しないと死活問題なのよ」

 

「博麗の死活問題は本当に命が関わってそうだな」

 

実際笑えないことなのかもしれない。こんな人が高校生でいるのか。※明久はもっと酷いです。

 

「まぁ1回イベント系の店も行ってみよう。箸休めという意味で」

 

「……それもそうね。せっかくの学園祭だし」

 

「そうと決まればどこに行こうか。イベント系も中々に多いからな」

 

「あ、あれとかどうかしら?」

 

「えーと、占いか?」

 

「そうよ」

 

「なんか意外だな。占いとか信じないタチの人だと思ってたよ」

 

「あんまりしんじてないわよ。けど、こういう時くらいやって良いと思っただけよ」

 

「そうか。じゃあ入ってみるか」

 

中に入ってみるとそこは薄暗く、結構雰囲気のある感じだった。

 

『どうぞ、お好きな所に座ってください』

 

「へぇー、色んな占いの仕方があるのか」

 

「一つだけじゃないのね」

 

「おっ、あれとか面白そうじゃないか?」

 

俺が気になったのがカード占い。カードと聞くとどうしても気になってしまう。

 

『……今日は何を占いますか?』

 

早速座ってみるとかなり気合が入ってるのか、一周回って胡散臭くなっている人が聞いてきた。

 

「うーん。そうだな。ここは無難にこれからのデュエルについてかな」

 

『分かりました。デュエルについてですね』

 

聞くやいなや手元にあったカードをシャッフルしだした。どうやらそれを占いに使うようだ。

 

『ではお好きなカードをお選び下さい』

 

「それじゃあこれで」

 

『ほう、ビクトリードラゴンですか。それでは次にあなたがシャフルして一番上のカードをめくってください』

 

「わかった。……これだ」

 

『……立ちはだかる強敵。では最後に1〜58の中でお好きな数字を言ってください』

 

「……31」

 

『運命の分かれ道__あなたのこれからのデュエルの道が分かりました』

 

「どんなのだ」

 

『これからもあなたはデュエルで快勝していくでしょう』

 

「おぉ、やったぜ」

 

『しかしある時とてつもない強敵と出会います。しかも勝たなくてはいけない時に。その時これからのあなたの運命を決める決断を迫られることでしょう』

 

「運命を決める……。なんかよくわからないな」

 

『今はそうでしょう。それでいいのです。占いとはそういうものですので』

 

「そうなのか?」

 

『……最後に私から助言を。愛する者を探しなさい』

 

「愛する者?彼女ってことか?」

 

『それはご自分で考えることです』

 

「そ、そうか。まぁありがとう。割と楽しめたよ」

 

『ええ。ではよい一日を』

 

光輝が席を立つ。光輝は気づいていなかったが、占い師は実は最後にもう一枚カードをめくっていた。

 

『……愛する者は案外近いところにいるものですよ』

 

その手には星杯を戴く巫女が握られていた。

 

「終わった?」

 

「あぁ、よく分からなかったが助言されたよ」

 

「へぇ。どんな?」

 

「……内緒だ」

 

この時自分でも何故秘密にしたのか今の光輝には分からなかった。

 

「何よそれ。まぁ言わなくてもいいけど」

 

「すまんな。さぁ、次は博麗の番だぜ」

 

「私ね〜。どれにしましょう」

 

博麗が教室内を見渡す。

 

「そうねぇ、無難に手相占いにしときましょう」

 

そういい手相占いの空いている席に座る。

 

「お願い出来るかしら?」

 

「はいはい、今行きます……よ……」

 

「どうかした?」

 

「い、いえ。それではやりますよ!」

 

(急にやる気になったな。わかりやすいやつ)

 

「それでは左手を出してください」

 

「はい」

 

「それでは失礼して……。ぐふふ」

 

(あれ手相見てないよな。博麗の手触ってるだけだよな)

 

「ふむふむ、なるほど。……ほぉー!」

 

「な、なによ」

 

「あなたの恋愛線によると近々恋人が出来るそうです」

 

「恋人?別に欲しいと思わないけど」

 

「それのお相手はある線がある人とよく結ばれますね」

 

「そんなものまであるの?」

 

「はい。丁度僕が持っているこの線……おや、これなら僕と相性バッチリじゃないですか!」

 

「初対面なのにね」

 

「これはもう付き合うしかないですねぇ!」

 

「なんでそうなるのよ。私の相手くらい自分で決めるわよ」

 

「いえいえ、ここまで相性がいいのは中々ないですよ!さぁ、さぁ!」

 

「もういいわよ!くだらない占いだったわ!……ちょっと、手離しなさい!」

 

「付き合うと言うまで離しませんよ!」

 

「いい加減にしろ」

 

流石に俺が占い師の腕をつかみ手を離させる。

 

「何するんです!」

 

「こっちの台詞だ。明らかに普通じゃ無いだろ」

 

「お前には関係ないだろ!」

 

「関係有る無い以前にお前がおかしいだろ」

 

「うるさい!俺の恋路の邪魔をするな!」

 

向こうはデュエルディスクを装着しだす。

 

「はぁー、仕方ない。面倒だが蹴散らしてやるよ」

 

「待って凛」

 

「どうした博麗」

 

「自分のことくらい自分で処理するわ。あなたが戦う必要は無いわ」

 

博麗と目が合う。博麗には絶対に引き下がらないという強い意志が感じられた。

 

「……分かったよ。負けるなよ」

 

「あんなのに負けるわけ無いわ」

 

「だな」

 

「なんだ、君がデュエルするのか。それなら俺が勝ったら付き合ってもらうぞ!」

 

「私が勝ったら土下座して指を詰めなさい」

 

仕返しがエグい。

 

「いいだろう!君が勝ったらなんでもしてやる!」

 

いいのか。中々度胸のあるやつだ。

 

「「デュエル!」」

 

「先行は私よ。ドロー。魔法カード 闇の誘惑を発動。カードを二枚ドローして手札を一枚除外する。除外するのは呪魂の僧侶」

 

「いいぞ、呪魂は全て闇属性。しかも除外することで効果を発揮するカードも多い。初手からいいカードを引けたな」

 

「さらに魔法カード 魂強奪」

 

魂強奪 通常魔法

①デッキから☆8以下の『呪魂』を一枚手札に加える。

②『魂強奪』は一ターンに一度しか発動できない。

 

「デッキから呪魂の王を手札に加える。そのままターンエンドよ」

 

霊夢

LP8000

手札6

伏せ0

 

「俺のターンドロー」

 

さて、向こうはどんなデッキだ?

 

「手札から永続魔法 アルカナフォース potestas(ポテスタース)を発動」

 

アルカナフォースpotestas(ポテスタース)永続魔法

①『アルカナフォース』の効果でコイントスを行う時このカードにタロットカウンターを1個乗せる。

②このカードのタロットカウンター一つにつきフィールドの『アルカナフォース』の攻撃力は100upする。

 

「さらにアルカナフォースIV-THE EMPERORを通常召喚。召喚時の効果を発動。コイントスを行い出た面によって効果を決める」

 

アルカナフォースか。コイントスによって有利不利を決める運要素が強めのデッキ。早速あいつがコイントスを行う。そういえばあいつの名前知らないな。まぁいいか。

 

「出たのは表。『当然正位置!』よってTHE EMPERORの効果はアルカナフォースの攻撃力を500upさせる」

 

「なんだ?なんか変な声聞こえたんだが」

 

「またアルカナフォースpotestas(ポテスタース)にカウンターが乗りTHE EMPERORの攻撃力は2000!バトル、THE EMPERORでダイレクトアタック」

 

霊夢LP8000→6000

 

「カードを一枚伏せてターンエンド」

 

占い師

LP8000

手札3

伏せ1

フィールド THE EMPEROR potestas

 

「私のターンドロー。いくわよ、手札から儀式魔法 呪魂の儀式鏡を発動」

 

呪魂の儀式鏡 儀式魔法

①『呪魂』と名のついた儀式モンスターの降臨に必要。自分の手札·フィールドから儀式召喚するモンスターのレベル分リリースしなければならない。

②墓地の『呪魂』と名のついたモンスターをゲームから除外することで墓地のこのカードを手札に戻す。

 

「手札の呪魂の女王をリリースして呪魂の覚眼者(かくがんしゃ)を儀式召喚!」

 

呪魂の覚眼者(かくがんしゃ)☆7 戦士 闇A2700D2100

①一ターンに一度墓地の『呪魂』と名のついたモンスターを一枚手札に加えることが出来る。このターン手札に加えたカードはプレイ出来ない。

 

「さらに魔法カード 不毛な取引を発動」

 

不毛な取引 通常魔法

①デッキの上から5枚を墓地に送る。

②このターン自分は墓地のモンスターを特殊召喚出来ない。

 

墓地に落ちたカード おろかな埋葬、呪魂の狂戦士、呪魂侵略、魂強奪、呪魂の闇

 

「フィールドの覚眼者の効果で墓地の呪魂の女王を手札に戻す。バトルよ覚眼者でTHE EMPERORを攻撃!」

 

「リバースオープン、アルカナフォースmagic」

 

アルカナフォースmagic 通常罠

①コイントスを1回行い以下の効果を得る

表 このターンフィールドのアルカナフォースは戦闘、及びカードの効果で破壊されない。

裏 フィールドのアルカナフォースの攻撃力を500ダウンする。

 

「さぁ運命のコイントス!……出た面は表。よって戦闘破壊は免れる!さらにpotestasの効果で攻撃力をさらに100upさせる!」

 

占い師LP8000→7400

 

「カードを一枚セットしてターンエンドよ」

 

霊夢

LP6000

手札2

伏せ1

フィールド 覚眼者

 

「俺のターンドロー。俺は手札から魔法カード 同胞の絆を発動。デッキからモンスターを二体特殊召喚する」

 

占い師LP7400→5400

 

「現れろ、アルカナフォースⅥーTHE LOVERS、アルカナフォースVIIーTHE CHARIOT」

 

また新たなアルカナフォース達が。こうなるとpotestasが厄介になってくるな。

 

「アルカナフォースが特殊召喚された時の効果をそれぞ発動、二回コイントスを行う。……出た面はどちらとも表、よってTHE LOVERSは二体分の生贄になり、THE CHARIOTは戦闘破壊したモンスターを奪う効果を得る」

 

まだ通常召喚をしていない。そこに二体分の生贄か。これはアドバンス召喚が来るな。

 

「THE LOVERSをリリースしアルカナフォースXVⅢーTHE MOONをアドバンス召喚。効果を発動、またもやコイントスを行う。……出た面は表。よってトークンを産む効果になる!」

 

あいつさっきからコイントスを成功させまくるな。イカサマでもしてるんじゃないかと疑うほどだ。

 

「同胞の絆の効果でこのターンは攻撃が出来ない。ターンエンドだ」

 

占い師

LP5400

手札2

伏せ0

フィールド THE CHARIOT、THE MOON、THE EMPEROR、potestas5

 

「私のターンドロー。まずは覚眼者の効果を発動。墓地の呪魂の狂戦士を手札に加える」

 

呪魂モンスターは回収できる。しかし相手のアルカナフォースは今攻撃力が1000upしている状態だ。生半可なモンスターじゃ突破は厳しいぞ。

 

「私は儀式魔法()()()()()を発動!」

 

あのカードは……

 

呪われた魂 通常魔法

①相手のモンスター一体を選択して発動。そのモンスターをリリースしそのモンスターと同じ☆の呪魂モンスターを手札から儀式召喚扱いで特殊召喚する。そのモンスターはこのターンに攻撃出来ない。

 

「なに?!」

 

「対象はアルカナフォースXVⅢーTHE MOON。手札から☆7の呪魂を特殊召喚するわ。出なさい、呪魂の女王」

 

これは決まったかな?

 

呪魂の女王 ☆7魔法使い 闇A2600D2100

①このカードの儀式召喚時に墓地の☆8以下の『呪魂』一体を儀式召喚扱いで特殊召喚できる。

②『呪魂の女王』の効果は一ターンに一度しか発動出来ない。

 

「女王の効果で墓地から呪魂の闇を特殊召喚する」

 

呪魂の闇 ☆6 悪魔 闇A2300D2000

①このカードを破壊することでこのカードの☆より高い☆の『呪魂』を手札又は墓地から儀式召喚扱いで特殊召喚する。

 

「呪魂の闇を破壊して手札から呪魂の王を特殊召喚」

 

呪魂の王 ☆8 魔法使い 闇A2800D1500

①このカードの儀式召喚時にデッキの上から三枚をめくる。その中の『呪魂』モンスター一体を儀式召喚扱いで特殊召喚する。残りはデッキの一番下に置く。

②『呪魂の王』の効果は一ターンに一度しか発動出来ない。

 

「さらにいいモンスターが出ないことを祈る事ね!」

 

博麗がカードを三枚めくる。そのカードは__

 

儀式の準備、闇の誘惑、呪魂の巫女

 

これは終わったな。

 

「呪魂の巫女を特殊召喚!」

 

呪魂の巫女 ☆8 魔法使い 闇A2700D2500

①このカードがフィールド上に存在する限りフィールドの『呪魂』モンスターは戦闘で破壊されず、効果の対象にならない。

 

「さぁいくわよ、バトル!呪魂の巫女でアルカナフォースIV-THE EMPERORを攻撃!」

 

占い師LP5400→5100

 

「呪魂の王でアルカナフォースVIIーTHE CHARIOTを攻撃!」

 

占い師LP5100→4500

 

「呪魂の覚眼者でダイレクトアタック!」

 

占い師LP4500→1800

 

「ターンエンドよ」

 

霊夢

LP6000

手札1

伏せ1

フィールド 呪魂の王、女王、巫女、覚眼者

 

「あらどうしたの?最初はあれだけ威勢が良かったのに」

 

「う、うるさい!ドロー」

 

「サレンダーはしないのね」

 

「黙れ!俺はまだ終わってない!手札から魔法カード アルカナフォースmiracleを発動!」

 

アルカナフォースmiracle 通常魔法

①コイントスを行い以下の効果を得る。

表 手札から『アルカナフォースEX』と名のついたモンスターを召喚条件を無視して特殊召喚する。

裏 このターンモンスターを召喚·特殊召喚出来ない。

 

「これでコイツらを出せば逆転出来る!」

 

「それはどうかしら?」

 

「なに?」

 

「コイントスで表が出るとは限らないじゃない」

 

「はっ!強運の俺がここで外すわけないだろ!」

 

占い師がコインを弾く。

 

「……馬鹿ね。勝利の女神はもうあなたを見てはないのよ」

 

「なっ……!う、裏だと?!」

 

「やっぱり。見放されたみたいね」

 

「……くそっ!!ターンエンドだ!」

 

「私のターンドロー。そのままバトル、呪魂の巫女でダイレクトアタック!」

 

占い師LP1800→0

 

「私の勝ちね。ほら、指を詰めなさい」

 

「えっ?本当にやるのか?謝るだけじゃないのか?」

 

「当たり前じゃない。謝ったくらいで私の気が済むわけないわ。それだけ不快な思いをさせられたんだから」

 

「ひ、ひぃ」

 

これはもう見てられないな。

 

「まぁまぁ博麗、その辺にしとけ」

 

「嫌よ。気が済まないのよ」

 

「そこを何とかしてくれ。また奢るから。それにこいつに時間を割くのも無駄だろ?」

 

「……まだまだ食べるわよ私」

 

「好きなだけ付き合うさ」

 

「……そう。なら早く行きましょう。休憩が終わる前に」

 

「そうだな」

 

その後は休憩時間が終わるまで博麗に奢り回った。結構な出費になったけど__

 

「うん、美味しい!」

 

その分良いものも見れたし良しとするか。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。