バカと遊戯王と召喚獣   作:はまなつ

17 / 25
16話です。まずはあけましておめでとうございます!そして遅れました。正月という環境がいい具合にサボらせてしまいましたすいません!


16話 清涼祭二日目中編

「……さて、どうしたもんか」

 

お祭り騒ぎとなっている廊下を一人静かに歩いている男子__坂本雄二は今祭りに相応しくないテンションでいた。

 

「特に行きたい場所なんてないしな」

 

理由は少し前に遡る。それは光輝達が召喚大会に向かってすぐ後のこと。

 

 

 

 

「勝てるじゃろうかあの二人」

 

明久と光輝を見送ったあとに秀吉が心配そうに呟く。相手はAクラスのあの二人となると確かに心配もする。

 

「大丈夫だろ。それよりも俺達は一人でも多く客を入れることを考えることが仕事だ」

 

「……そうじゃな」

 

「…………でも今はお昼前」

 

「ぶっちゃけ人が余ってるぜ」

 

「あ、それなら坂本休憩しなさいよ」

 

「俺がか?」

 

島田が何故かそんなことを言ってきた。

 

「そうじゃな。雄二は昨日から休み無しだしのう」

 

「…………明久の勉強もみていた」

 

「いや、あれくらい__」

 

どうってことない。そう言い終わる前に姫路が手をパンと合わせて笑顔で

 

「そらなら決定ですね!」

 

なんてことを言い出した。いやいや、まて。本人の意見をだな。

 

「ほら、早く行きたい場所行ってきなさい!」

 

「おい、待t……」

 

女子陣に押され教室から出された雄二。

 

「一時間は帰ってくるなよー」

 

「…………俺らは仕事」

 

「じゃな」

 

「おい………」

 

そのまま扉を閉められた。一人廊下に強制的に出された雄二。

 

「俺一人か?!」

 

悲しい嘆きだけが廊下に響いた。

 

 

 

そんなことがあり、廊下をブラブラしていた。だが、先程も言っていた通り行きたい場所なんてものは特にないし今は一人。時間を潰そうと思っても一人だと難しいところ。

 

「こんなことなら明久達の観戦でもするか」

 

そうしよう。どうせならあの二人の試合を一度くらい観戦に行っても__

 

『馬鹿野郎ーー!!』

 

そう思った瞬間光輝の叫び声が聞こえてきた。何があったかは分からないが恐らく明久がやらかしたのだろう。

 

「……やっぱりやめるか」

 

あの大衆の面前で恥をかいているとなると見てるこっちまで恥ずかしくなる。そんなものは却下だ。

 

遂に最後の策までが無くなってしまった。まさに途方に暮れた。

 

「はぁー……。うん?」

 

そんなところにある一枚のチラシが目に入ってきた。

 

「なになに?清涼祭限定デュエルマシーン?」

 

デュエルマシーンとはデュエルしたものの力量を図ることの出来るもの。デッキの完成度、プレイング等からデータを数値化して今の大体の実力が見ることが出来る海馬コーポレーションの機械。本来は数ヶ月に一度申し込みをしたものだけが受けることができる代物だが、今日に限ってはここ文月学園で受けることができるみたいだ。

 

「……点数によって豪華景品を贈呈か。………暇だし行ってみるか」

 

雄二の行先がようやく決まった。

 

 

♢

 

「……意外と並んだな」

 

会場となっている体育館に行ってみたところ結構の人が並んでいた。しかし、列の長さの割には並ぶ時間は短かった。その理由はデュエルマシーンにある。清涼祭限定と言うだけあって中々難易度が高いらしく、すぐ負ける人が結構いたのだ。

 

「さて、俺の相手はどんなデッキだ?」

 

戦うデッキは完全ランダムで選ばれる。そのため相性の悪いデッキと当たった場合は諦めるしかない。

 

『……さぁ、デュエルディスクをセットするドン』

 

「……はぁ?」

 

気のせいか、今デュエルマシーンの語尾が変なことになっていたような……。

 

『準備は出来たか?では……』

 

「『デュエル(ザウルス)!』」

 

ザウルス?!なんだその語尾は?マシーンなのにこっちを馬鹿にしているのか?

 

「お、俺のターンドロー」

 

若干動揺しながらもデュエルを開始する。やるからには本気で殺る。それが雄二の信条だ。

 

「俺は手札からバーサーク·ゲイボルグを召喚」

 

バーサーク·ゲイジャルグ ☆4 地 戦士A1900D0

①このカードが戦闘ダメージを与えた時相手の魔法·罠を一枚破壊することが出来る。

 

「カードを二枚セットしてターンエンドだ」

 

雄二

LP8000

手札3

伏せ2

フィールド ゲイジャルグ

 

『俺のターンドロー。手札から魔法カード 化石調査を発動だドン!デッキからハイドロゲドンを手札に、そのまま召喚ザウルス』

 

なるほど、恐竜族デッキか。俺と同じ殴り合いが得意なデッキだ。……そして何故語尾がザウルスなのかもわかった気がする。いや、理解したくないんだが。

 

『ハイドロゲドンでバーサーク·ゲイジャルグを攻撃だドン!』

 

攻撃力の低いモンスターで殴ってくるとなると当然だがコンバットトリックカードがあるな。

 

(けど攻撃力の増減ならこっちも部があるぞ)

 

『攻撃宣言時に手札から速攻魔法 意地の戦を発動ザウルス』

 

あのカードは……!

 

意地の戦 速攻魔法

①フィールド上のモンスターをモンスターを一体選択して発動する。そのモンスターは戦闘で破壊されず、攻撃力の差に関係なく戦闘をおこなったダメージステップ終了時に相手モンスターを戦闘破壊扱いで破壊する。

 

「くそっ、あれだとチェーンしたところで意味がねぇ!」

 

確実にモンスターを破壊するカード。つまりハイドロゲドンの効果が絶対に発動してしまう。

 

「けど無いよりはマシだ、リバースオープン バーサーク·エンチャント!」

 

バーサーク·エンチャント 永続罠

①フィールド上の『バーサーク』と名のついたモンスターの攻撃力は500upする。

②フィールド上の『バーサーク』モンスターは可能な限り攻撃しなければならない

③『バーサーク·エンチャント』はフィールド上で一枚しか発動出来ない。

 

デュエルマシーンLP8000→7200

 

『ダメージは受けるがバーサーク·ゲイジャルグは戦闘破壊する!そうなるとハイドロゲドンの効果が発動するドン!デッキからさらなるハイドロゲドンを召喚ザウルス!』

 

これで何が辛いかと言うと()()()()()()()()()()される。恐竜族のエクシーズと言えば……。

 

『ハイドロゲドンでダイレクトアタック!』

 

雄二LP8000→6400

 

『メインフェイズ2でハイドロゲドン二体をオーバーレイ!エクシーズ召喚★4 エヴォルカイザーラギア!』

 

「来やがったな……!」

 

なんでも一度無効にする化け物。こちらは必ず一枚捨てる覚悟でいかなければならない。

 

『カードを一枚セットしてターンエンドだドン』

 

デュエルマシーン

LP7200

手札3

伏せ1

フィールド ラギア

 

「俺のターンドロー」

 

はてさて、どうしたもんか。……悩んでも仕方がねぇか。俺のデッキは殴ることしか出来ないからな。

 

「バーサーク·ゲイボウを召喚。そして手札からバーサーク·チェンジを発動!」

 

バーサーク·ゲイボウ ☆4 戦士 地A1900D0

①このカードが戦闘ダメージを与えた場合墓地の『バーサーク』を一枚手札に加える。

 

バーサーク·チェンジ 速攻魔法

①場の『バーサーク』モンスター一体を破壊し、そのモンスターの☆+3までの『バーサーク』をデッキから特殊召喚する。

 

『それはさせないぞ。ラギアの効果を発動、無効にするドン』

 

「流石にしてくるよな。だからバトルだ」

 

『……そっちもコンバットトリックか?』

 

「さぁ〜どうだかな。ゲイボウでラギアを攻撃!」

 

どちらにせよバーサーク·エンチャントで攻撃しなければならないからな。しかし無策で攻撃しに行くほどバカでも無い。

 

「ダメージステップ時に手札から速攻魔法 収縮を発動。ラギアの攻撃力を半分にする!」

 

『チェーンしてカウンター罠発動、シャドウライアーを発動だドン!』

 

「なんだと?!」

 

シャドウライアー カウンター罠

①自分フィールド上のエクストラデッキから特殊召喚されたモンスターを一体選択して発動する。そのモンスターをエクストラデッキに戻し別の同名モンスターをエクストラデッキから特殊召喚する。そのモンスターはこのターン攻撃出来ない。

 

『ラギアを戻しまた別のラギアを特殊召喚ザウルス!』

 

やられた。上手く収縮をかわされた。こうなると__

 

『ラギアとバーサーク·ゲイボウは相打ちザウルス』

 

ラギアは倒せるがゲイボウの効果が発動出来ない!しかも俺の場がガラ空きになってしまう。

 

「ちっ!、ターンエンドだ」

 

雄二

LP6400

手札2

伏せ1

フィールド バーサーク·エンチャント

 

『俺のターンドロー!手札からストームゲドンを召喚!』

 

ストームゲドン ☆4 恐竜 水 A1800D1200

①このカードの攻撃宣言時に手札からこのカードより攻撃力の低い恐竜族モンスターを特殊召喚する事が出来る。

 

『さらに墓地のハイドロゲドン二体を墓地に送って手札から究極伝導恐獣を特殊召喚ザウルス!』

 

好き放題やりやがって。

 

『バトル、ストームゲドンでダイレクトアタック!その時ストームゲドンの効果を発動だドン!手札からジュラック·グワイバを特殊召喚!』

 

「ここだな、リバースオープン、バーサーク·バーサーカー」

 

バーサーク·バーサーカー 通常罠

①相手モンスターの攻撃宣言時に発動出来る。墓地の『バーサーク』モンスターを一体特殊召喚し、そのモンスターと攻撃宣言したモンスターをバトルさせる。

 

「墓地からバーサーク·ゲイボウを特殊召喚。そしてストームゲドンとバトルさせる」

 

デュエルマシーンLP7200→6600

 

「戦闘ダメージを与えた時の効果を発動、墓地のバーサーク·ゲイジャルグを手札に加える」

 

『やるな。究極伝導恐獣でバーサーク·ゲイボウを攻撃!』

 

雄二LP6400→5300

 

『ジュラック·グワイバでダイレクトアタック!』

 

雄二LP5300→3600

 

『ターンエンドザウルス』

 

「ふぅ、何とかターンが帰ってきたな」

 

デュエルマシーン

LP6600

手札1

伏せ0

フィールド 究極伝導恐獣、ジュラック·グワイバ

 

……ここがターニングポイントだな。次のドローで戦況が決まる。究極伝導恐獣がいるためこっちのモンスターは裏守備にされてしまう。つまりあれを除去できるカードが必要になってくる。

 

「それならあれしかないな!ドロー!」4

 

……流石に驚くな、狙ったカードを引き当てると。

 

「速攻魔法 フルモンスターゲートを発動!コストは究極伝導恐獣!」

 

フルモンスターゲート 速攻魔法

①フィールド上のモンスター一体をリリースして発動する。リリースしたモンスターをコントロールしているプレイヤーはモンスターが出るまでデッキをめくる。出たモンスターを特殊召喚し、残りはデッキの1番下に戻す。

 

『……最初に出たモンスターはハイドロゲドン。特殊召喚するザウルス』

 

よし、ハイドロゲドンなら攻撃力も低い!

 

「手札から魔法カード ルーン魔術を発動!」

 

ルーン魔術 通常魔法

①手札の『バーサーク』を一体特殊召喚する。

 

「手札からバーサーク·ドゥリンダナを特殊召喚!」

 

バーサーク·ドゥリンダナ ☆6 戦士 地 A2400D0

①このカードが戦闘ダメージを与えた時デッキから『バーサーク』と名のついた魔法カードを一枚手札に加えることが出来る。

 

「さらに手札からバーサーク·ゲイジャルグを召喚、バトルだ!バーサーク·ゲイジャルグでハイドロゲドンを攻撃!」

 

デュエルマシーンLP6600→5800

 

「バーサーク·ドゥリンダナでジュラック·グワイバを攻撃!」

 

デュエルマシーンLP5800→4500

 

「バーサーク·ドゥリンダナの効果を発動!デッキからバーサーク·チェンジを手札に加える。そしてそのまま発動!」

 

バーサーク·チェンジ 速攻魔法

①フィールド上の『バーサーク』を一体を破壊しそのモンスターの☆+3までのモンスターを一体デッキから特殊召喚する。

 

「バーサーク·ドゥリンダナを破壊してデッキからバーサーク·ゲイアッサルを特殊召喚!」

 

バーサーク·ゲイアッサル ☆8 戦士 地 A2800D0

①このカードが戦闘ダメージを与えた時、墓地のこのカードより攻撃力の低い『バーサーク』を一体特殊召喚する。

 

「バーサーク·ゲイアッサルでダイレクトアタック!」

 

『ま、まさか……!』

 

デュエルマシーンLP4500→1200

 

「そうだ、このターンで終わらせる!バーサーク·ゲイアッサルの効果で墓地のバーサーク·ドゥリンダナを特殊召喚!そして、ダイレクトアタック!!」

 

『……見事だ挑戦者!』

 

デュエルマシーンLP1200→0

 

「何とか勝てたな」

 

正直、フルモンスターゲートを引いていなかったら勝てなかっただろう。

 

デュエルが終わった後デュエルマシーンが謎の機械音を出している。恐らく今のデュエルの点数をつけているのだろう。

 

『それでは只今のデュエルポイントは……78点!』

 

「それはどうなんだ、高いのか?」

 

『現状の挑戦者の中では四位ザウルス』

 

「おっ、思ったより高かったな」

 

『そして一定以上の点数を取ったため商品を贈呈するザウルス。この中から一枚引くドン』

 

デュエルマシーンがカードを何枚か出してきた。その中から適当に一枚引く。

 

『四番か。商品はこちらザウルス!』

 

「……嘘だろ」

 

渡された商品は………大きな可愛らしいくまさんだった。

 

「ど、どうするこれ」

 

俺みたいなやつがこんなものを持っていたら絶対に白い目で見られる。

 

「おいこれ返p……」

 

『返品はお断りしています』

 

「ちくしょうなんでそこだけ敬語なんだ!」

 

仕方ない、とりあえず持ち帰るか。……と思っていたが想像以上に視線を感じる。不愉快この上ない。早くこれを処理しないと__

 

「……ん?あれは………」

 

 

♢

 

「………ただいま」

 

Aクラスに翔子と優子が帰ってきた。

 

「あ、おかえり代表に優子。遅かったね」

 

「………写真とか握手をねだる人で帰れなかった」

 

「あそこまで目立ったらそうなるわ。それで、試合はどうなったのかしら?」

 

「負けちゃったわ。デュエルとなるとやっぱりあの二人は強かったよ」

 

「二人でそれだと勝てる人いなそうだね〜」

 

「………愛子それは?」

 

教室の端には山積みにされたプレゼントで溢れかえっていた。

 

「あぁこれ?私達への贈り物だよ」

 

「こういう格好しているから貢ぎ物を渡してくる客が多いのよ。鬱陶しい」

 

「そう言わないの幽香。いい事じゃない」

 

「……確かに結構な値で売れるかもね」

 

「貰い物を売らないの」

 

「…………」

 

一つ妙に目に入ったくまの人形を手に取る。

 

「それだけ差出人がわからないやつなんだよね」

 

「Aクラス代表へって紙と一緒に受付に置いてあったのよ」

 

「………そう」

 

「何か知ってる代表?」

 

「………うん」

 

皆には分からないだろう。けど翔子には今も尚想っている一人の男子の顔が浮かんだ。

 

「………ありがとう、雄二」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。