桜咲きほこる花道。まるで新しい門出を祝うかのように並んいる。そんな道を歩いている少年が2人。
「まったく、先生にデュエルで喧嘩売るなんて何考えてんの。最悪停学ものだよ」
「あれは仕方ないだろ。お前だって俺の立場ならそうしてたさ。それに勝ったんだから文句言うなよ」
「そういう問題じゃ無いでしょ。バカなのか光輝は」
「明久にバカと言われた…だと…。死のうかな」
「どれだけ僕をバカだと思ってるのさ!」
「世界一だ」
「きっぱり言わないで!」
そんな振り分け試験の時の話をしていると見覚えのある…というか忘れたくても忘れられない人が立っていた。
「遅刻だぞ吉井、虹村」
鉄人別名西村教諭。おっと逆だったか。まぁいい。とにかく俺らがよく厄介になっている化け物だ。
「すいません。明久が寝坊しまして」
「サラッと僕のせいにしないでよ!」
「はぁーまったく、ほれ受け取れ」
西村先生が2人に封筒を渡してきた。おそらくクラスが書いてある紙だろう。
「俺らはいらんでしょう西村先生。2人とも仲良くFクラスだし」
「そうだよ西村先生。僕らは途中退出したんだから」
「それは知っているが一応な。それより虹村、テスト中に教師とデュエルするとはいい度胸じゃないか」
「待ってくれ鉄j…西村先生。あれには深い理由が!」
「冗談だ。そうなった経緯は現場にいた生徒達から聞いている。デュエルをした事は関心せんがな」
「先生が言うと全然冗談に聞こえねーよ…」
「吉井も結果的には0点扱いになってしまったが、行い自体は誇っていいものだ」
「あ、ありがとうございます」
(鉄人に褒められるとなんかこそばゆいな…)
「では2人とも、いい学園生活を過ごしてこいよ」
「「はーい」」
『吉井明久 虹村光輝 Fクラス』
「なんだろう…この馬鹿でかい教室は…」
「確かにでけーな。こんなにいらんだろ」
通常の教室の5倍の広さはあるだろう教室。そこはAクラスの教室、つまり最上位の人達が集まったクラスである。
「あーあ。本当なら今頃俺もあそこにいるんだろうな」
「光輝勉強も出来るもんね」
「
「なんでそうなるの?!」
「半分は明久のせいだしな」
「そうかもしれないけど!それはひどいよ!」
「知ってるか明久……人間の骨は案外簡単に折れるんだよ…」
「普通簡単に折れないよ!」
「まぁ冗談だ。折れかけただけで」
「…冗談になってないよ…」
「てかそろそろ行くぞ。本格的に遅刻するだろ」
「そうだね」
「……ねぇ光輝…」
「………なんだ?」
「これは……教室かな?」
「…恐らくな……」
「さっきとの落差が酷いね」
「仕方ないっちゃ仕方ないが、あまりにも極端だな」
そこには先程とは打って変わって今にも崩れそうなボロ教室があった。
「だけどクラスメイトはいい人かもしれないぞ?」
「そうだね。よし」
明久が息を整えて教室に入る。
「すいません、ちょっと遅れちゃいました♪」
「早く座れ、このうじ虫野郎」
「台無しだーー!」
いきなり明久を罵倒したのは俺らの悪友坂本雄二だ。
「おっす雄二」
「よう光輝。聞いたぞ、振り分け試験のこと。とんだ災難だったな」
「あれ?無視?」
「しょうがないさ。もう過去のことだ。それより雄二は教壇に立って何してんだ?」
「先生が遅れてるようでな。一応クラス代表だからな、代わりに上がってみた」
「ちょっと2人とも!無視しないで!」
「なんだうじ虫もとい明久。うるさいぞ」
「おらぁー!」
明久がアッパーを雄二に繰り出す。間違っても友達に出す威力じゃないものを。
「あぶねえ!何しやがる明久!」
「うるさい!いいから屍となれ!」
「落ち着け明久。目がマジだぞ」
怒り爆発の明久を眺めながら教室に入る。どうやら座席も決まっていないらしい。なんてこった。
「そういえば信二はやるのか?
「もちろんやるつもりだ。俺はその為にこの学校に入ったくらいだからな」
「えーとちょっとそこを通してくれますか?」
雄二と話していると後から先生がやってきた。そこからHRが始まったがそれも酷かった。チョークが無かったり備品が殆ど壊れていたり、勉強させる気あるのか?
「では端から自己紹介をお願いします」
「木下秀吉じゃ。演劇部に所属しておる」
お、秀吉か。演技がとてつもなく上手くて双子の姉がいるんだよな。デュエルの腕もそこそこ。…あと本人は頑なに認めないけどものすごく男の娘です。見てみろ明久の秀吉を見る目を。完全に可愛い女の子を見る目だ。まぁバカだから仕方ないか。
「あれ?今バカにされたような気が…」
「いつもの事だろ、気にするな」
「雄二貴様!」
「………土屋康太」
次は康太か。物静かな男だけど情熱に溢れているやつだな。康太に関しては
「趣味は吉井明久を殴ることです☆」
「誰だ?!恐ろしくピンポイントかつ危険な趣味を持つ奴は!」
「ハロハローアキ」
「なんて挨拶をするんだ美波!」
「だって本当のことで…しょ!」
「いたー!いきなりぶたないでー!」
またじゃれあってるなあの二人。島田とは1年からの仲だ。よく俺たちと遊んでたな。そうそう、1年の最後の方に島田は明久に告白してたんだよな。俺はてっきりOKを出すかと思ったら明久の奴断ったんだよな。他に好きな人がいるって言ってな。まぁその好きな人は大体予想できるが…。ともあれあの二人の仲がぎくしゃくして無くて何よりだ。
「霧雨魔理沙だぜ!よろしく頼むぜ!」
「「魔理沙?!」」
「いよ!明久に光輝。久しぶりだな」
「なんで魔理沙がFクラスにいるんだよ!」
「魔理沙ならBクラスは固いでしょ」
この元気な女子は俺と明久の中学からの友達ー霧雨魔理沙。得意科目は理系だが文系科目が全くできない訳でも無い普通に頭のいいやつだ。だからなんで最底辺のFクラスなんかに…。
「実は…テスト中に居眠りを…」
「もぉー、魔理沙もうっかりしてるなー」
「あははー」
「………」
俺は悟ってしまった。魔理沙は居眠りした訳では無い。自らの意思でここに来たんだろう。何故かって?明久目当てだろう。あの二人お互いが意識してるのにいまいち1歩を踏み出せない感じでいる。(明久に関しては島田をふった時に確信に変わったがな)いつになったらくっつくのか…。
「次明久だぞ」
「ん、了解」
「えーと、吉井明久です。気軽に『ダーリン』って呼んでくださいね♪」
『ダァァーーリィーーン!!』
「ー失礼。忘れてください」
「何自分で言っといて吐きそうになってんだよ」
「ごめん、想像以上に野太い声が沢山……」
「ったく。……次は俺か」
明久が作った空気のせいで若干やりずらいがその場に立つ。
「虹村光輝だ。好きに呼んでくれ。あとデュエルの申し込みなら誰でも歓迎するぜ」
俺の自己紹介の時に少しクラス内がざわつく。
「おい、あいつ去年の1年デュエルの部で1位じゃ無かったっけ?」
「確かにそうだ。現状この2年の中で1番デュエルが強いってことだな」
「でもFクラスにいるんだな」
「「「所詮はバカか」」」
「よし今俺のことバカと言ったやつ、表にでろ」
「まぁまぁ落ち着いて光輝」
よし、あいつらはいずれしばくとしよう。絶対にだ。
そんな事をやっていると不意に教室のドアが開く。そこには息を切らした女子が立っていた。
「あの、遅れて、すいま、せん…」
『え?』
「丁度良かったです。今自己紹介をしているところなので姫路もどうぞ」
「は、はい。あの、姫路瑞希です。よろしくお願いします…」
「では最後。坂本君お願いします」
「了解。坂本雄二だ。俺のことは(ry」
「不満は無いか?」
『大ありじゃあ!!』
「そうだろう。そこで俺たちFクラスはAクラスに『試験召喚戦争』を仕掛けようと思う」
そこから俺たちの打倒Aクラスの戦争が始まった。