「そんなの無理だ」
「勝てるわけがない」
「姫路さんが居れば何も要らない」
雄二の提案に動揺するクラスメイト達(若干1名バカがいるが)。それもそのはず、デュエルがそこそこ強いものはいるだろう。しかしFクラスに来るものは壊滅的に勉強ができないのだ。デュエルの腕だけで勝てるほど試験召喚戦争は甘くない。
「大丈夫だ、このクラスにはAクラスに勝てる要員がいる」
『そんなやついるのか?』
「あぁ、今から紹介する。…おい康太、姫路のスカートの中を見てないでこっちに来い」
「きゃ!」
「……(ブンブン)」
雄二に指名され全力で否定する康太。…けどその顔面にはしっかりと畳の跡が残っている。
「みんなは知らないだろうから言っておく。こいつがかの有名な
『なんだと!?』
『あいつがあのムッツリーニなのか!?』
ムッツリーニと言う単語に過剰に反応する男子達。それもそのはず、ムッツリーニとはこの学校での性の王の名前だ。その紳士的かつ大胆な性への態度に男子からは尊敬と畏怖、女子からは軽蔑の眼差しでその名が呼ばれる。
「こいつがいれば百人力だろう」
『『ムッツリーニ!ムッツリーニ!』』
男子達からおこるムッツリーニコール。…なんだろう、すごいシュールだ。
「………そんな名前は知らない」
まだしらばっくれるか、康太よ。
「姫路については言わなくても分かるだろう。うちの主戦力だ」
姫路はこの学校でも3本の指に入るほどの秀才。まさに火力不足なFクラスの主砲となるだろう。
「次は光輝。流石に皆も知っているだろう」
「ああ。なんてったって1年の時の最優秀デュエリストだったからな」
「まず2年で知らない奴はいないだろ」
「でもFクラスなんかにいる」
「「「ただのバカ」」」
「よし殺す。今度こそ絶対に殺す!」
「落ち着いて光輝!今出しちゃいけない力出てるから!謝って!皆早く謝るんだ!」
明久が全力で止めに入る。
「止めるな明久…俺には殺らなきゃいけない事があるんだ」
「字が違ーう!!」
…いずれ必ずシバキ散らす。その制約と誓約を誓い身を引く俺であった。
「それに木下秀吉もいる」
「ワシか」
秀吉は演劇に関しては超一流だからな。いずれその力を使う時が来るのだろう。
「そして最後に1番のジョーカー、吉井明久がいる」
……しーーんと静まり返る教室。
「ちょっと雄二!僕を話のオチに使ったな!」
『誰だ?吉井明久って』
「知らないなら教えてやろう。こいつは観察処分者だ」
『観察処分者?それって確か…』
『バカの代名詞だよな』
『なんでそんなカスがジョーカーなんだよ』
「落ち着け明久!気持ちは痛いほどわかるが今は耐えるんだ!」
そう、いずれ奴らを殺れる日まで。
「まぁ実際は話のオチに使っただけだ。特に気にしなくていい」
「雄二貴様!」
「落ち着くのじゃ明久。みっともないぞ」
「うぅ、皆がいじめるよ秀吉ー」
全く、雄二はともかくFクラスの連中は明久がデュエルの腕なら現2年で五本の指に入るって覚えてないのか。
「さぁ皆、勝ちたいのならペンを握れ!俺らが目指すはシステムデスクだ!」
『『うぉぉーー!!』』
「そうなったら明久、早速Dクラスに宣戦布告してこい」
「やだよ、下位クラスからの宣戦布告は大抵酷い目に会うって知ってるんだ」
下位クラスの宣戦布告はされた側にとってなんのメリットもない。最悪教室がグレードダウンすると言う事も考えられるため腹いせのために宣戦布告したやつをボコボコにするのが性だ。
「安心しろ、そんな事実は絶対にない。俺を信じろ」
「雄二……うん、雄二を信じるよ!」
意気揚々と教室を出ていった明久。
「雄二も悪いな」
「なぁに、明久がちょろいんだよ」
「否定できないのが悲しいな」
「騙されたーーーー!!!」
息をあげながらボロボロになって帰ってきた明久。
「雄二を信じたらこれだよちくしょう!」
「明久がちょろいのが悪い」
「そんなことない!僕はぜんぜn」
「ちょろいな」
「ちょろいの」
「………ちょろすぎ」
「皆酷くない!?」
「大丈夫か?明久」
「大丈夫だよ魔理沙。ちょっと痛むだけ」
「そうか、ならいいけど」
「それで明久、何時に開始だ」
「一応1時からって伝えたよ」
「そうなると昼飯の後か。丁度いい、作戦も伝えたいし屋上に行って食べようぜ」
「お、いいね雄二。魔理沙も行くよね?」
「もちろんだぜ」
「あの、私たちも行って大丈夫でしょうか?」
「もちろん、姫路さん達が嫌じゃなければ」
「それじゃあお邪魔します」
「アキ、ジュース奢ってよ」
「嫌だよ!ただえさえ金欠なのに」
そんな会話をしているとFクラスのドアがガラガラっと開けられる。
「なにこれ、想像以上に酷いわね」
『お、おい、巨乳の美人がうちのクラスに入ってきたぞ』
『もちろん俺目当てだろ』
『寝言は寝て言え、俺に決まってるだろ』
『お前鏡見たことあるか?この俺に用があるんだよ』
「あなた達に用なんて無いわよ」
『『『くそぉぉーー!!』』』
「あれ?幽香?どうしたんだ」
「お昼を一緒に食べようと思ってね」
弁当箱を持ってFクラスに現れたのは緑色の髪に女子にしては高めの身長をした、10人とすれ違えば10人が振り返るほどの美人ー風見幽香だ。
「そうか、わりぃ雄二。俺は幽香と食べるから後で軽く作戦を教えてくれ」
「分かった、それじゃあ後でな」
「あら、先約がいたの?」
「何気にするな。そこまで重要な事でもないよ」
『お、おい、なんで虹村が風見さんと昼ごはんを一緒に食べるんだよ』
「ん?当たり前だろ、幽香は俺の彼女なんだから」
彼女なんだから……その言葉を聞き固まるFクラス男子達。
「んじゃ行こうk」
『まて』
「うん?どうし…た…」
振り返るとそこには黒覆面と黒マントを来たFクラス男子が手にカッターやらシャーペンやらを持って憎悪を灯していた。
「諸君、ここはどこだ?」
「「「最後の審判を下す法廷だ!」」」
「異端者には?」
「「「死の鉄槌を!」」」
「男とは?」
「「「愛を捨て、哀に生きる者!」」」
「宜しい。これより……2-F異端審問会を始める」
FFF団ここに爆☆誕。
「何してんの?お前rぁぶね!?」
光輝にカッターが投げつけられる。勿論刃は出ている。
「何しやがる!あぶねえだろ!」
『黙れ異端者!貴様には死の鉄槌がくだされるのだ!』
「ほう、上等じゃねーか。後悔すんなよ!」
第一次異端戦争勃発。
『なん……だと?!』
数分後そこには積み上げられた大量の
「弱い男が幽香と付き合えるわけないだろ。それなりに鍛えてんだよ」
「終わったかしら?」
「ああ、すまないな時間をとらせて」
「光輝が悪いわけじゃないわ」
何事も無かったかのように教室を出ていく光輝と幽香。
『おの…れ。呪い殺してやる…!虹村光輝ぃー!!』
倒されたラスボスの様なセリフを吐いて気絶するFFF団団長須川亮。まこと哀れなり。
「さっき作戦とか言ってたけどもしかして試験召喚戦争をするつもり?」
「その通りだ。2年の初日にやるなんて前代未聞なんじゃないか」
「そうでしょうね。狙いはやっぱりAクラスなんでしょ」
「だな、俺としては複雑だな。もし勝った時幽香がFクラスになると思うとな」
「もう勝った気でいるのかしら。随分と強気じゃない」
「雄二は勝算がない勝負はしないからな、それなりの作戦があるんだろ」
「それは楽しみね。私達のクラスとやる時手加減なんてしたら承知しないわよ」
「する訳ないだろ。それこそ失礼だ、やる時は全力でだ」
午後の授業開始を合図するチャイムがなる。それは同時にFクラスVSDクラスの戦争開始も意味する。
「よしテメーら、準備はいいか!」
『『うぉーーー!!』』
「進め!勝利のために!」
『『いくぞーー!』』
さて、大事な戦争一回目。俺の仕事はと言うと…。
『光輝。お前は今回の戦争は参加しなくていい』
『あ?なんでまた』
『お前も途中退出したんだ、点数が無いだろう。明久なんかは元が元だけに補充テストをそこまでしなくていいし、姫路の場合はそもそも知っているやつが少ない。がお前は別だ』
『それなら数教科だけ受けて俺も参加した方が良くないか?』
『お前は教諭とテスト中にデュエルとか派手なことしたからな。全クラスに存在を知られているだろう』
『つまり警戒されてると』
『そういう事だ。そんな状態で中途半端な点数で出たら最悪やられるからな。それならばゆっくりと補給テストを受けて万全な状態でBクラス戦に備えてもらいたい』
『なるほどね』
『それに今回はお前がいなくても勝てる試合だ』
『そうか。ならゆっくり受けされてもらうよ』
という事で絶賛テスト中だ。まぁ次の日にクラス全体で補給テストをするだろうが少しでも点数をあげて欲しいとの事だからな、今もやっている訳だが…
『アキぃぃーーー!!裏切ったわね!』
『船越先生吉井明久が体育館裏で大事なお話があると…』
『須川ぁぁーー!!!』
…正直戦況が気になりすぎて集中しずれぇ。隣でやっている姫路は黙々とやっているというのに。いや、姫路の集中力が凄すぎるんだよ、きっとそうだ。
「……終わりました、採点お願いします」
早いな、まぁやっていたのは数学だけのようだが。姫路の補給が分かったって事はそろそろこの戦争も終盤に差し掛かっているな。
『あれ?姫路さん?なんでこんなところに…』
『あの、ごめんなさい!』
Dクラス戦は姫路の半ば不意打ちと言う形で終戦した。
「クラス交換はしなくていい、その代わりある条件がある」
「無事Dクラスには勝ったな」
「光輝は何もしてないけどね」
「いいんだよ、そういう作戦なんだから」
「して雄二よ、次はBクラスになるのかの」
「ああ、補給テストをし終わったらすぐに行うつもりだ」
「すぐにAクラスを狙わないの?」
「次にBクラスを狙う理由はAクラス戦を有利に進めるためだ」
「ふーん」
「いきなり本丸は落とせないって事だろ」
「それもそうだね。……あ、教室に忘れ物しちゃった」
「うっかりモノじゃの」
「………慌ただしい」
「僕取ってくるから先帰ってて」
「そうか、また明日な」
「寝坊すんなよ、明日は補給テストだからな」
「明久はやんなくても変わんないと思うけどな」
「うるさいぞ雄二!」
「またなのじゃ」
「………また明日」
「うん、また明日」
『あ、明久君?!』
『あれ?どうしたの姫路さん。……その手紙は?』
『あわわわわぁ!』