あと最近、和サバに魅力を感じて書いて見ました。
ユグドラシル。
北欧神話を題材にしたファンタジーの仮想現実世界でモンスターを討伐したり冒険したりと幅広い自由度を誇り、一世を風靡した大人気オンラインゲームだった。
今日はそのユグドラシルの配信、サービス最終日なのだから。
巨大な円卓をそれぞれを囲む41の豪華な椅子。
かつてはその全てが埋まっていたが、今は2つだけだ。
そしてその内の一つが今去ろうとしていた。
白骨死体に瞳がある場所が真っ赤に光を灯し胸には大きな宝石のようなモノがあり漆黒のローブを纏ったモンスター。
アンデッドの最高位種である死の支配者【オーバーロード】。
常に形を変え続ける真っ黒なコールタールのようなモンスター。
スライムの中で最高位種である古き漆黒の粘体【エルダーブラックウーズ】。
どちらもダンジョンで稀に見かけるモンスターだ。
だがこの二体はシステムで動くモンスターではなくプレイヤーである。
人間種や亜人種という種族もあるが、異形種の方がステータスにおいては優れている。その分、種族によってデメリットもあるのだが。
この二人がいる場所はナザリック地下大墳墓、かつて数千にも及ぶ大攻勢、総数1500人の大討伐を全滅させた伝説を誇る最強最悪のギルド「アインズ・ウール・ゴウン」の本拠地第9階層の円卓の間である。
ギルド長であるモモンガがせっかくユグドラシルの最終日なのだから最後は一緒にいませんかとメールを出して、それに応じた者、その最後の一人、ヘロヘロがモモンガにここを残してくれたお礼を言ってログアウト、いや去って行った。
モモンガは頭の中で恨み言を言うが、すぐに頭を切り替える。
いいや、これが当たり前なんだと。
現実とゲーム、どちらを取るかなど普通は現実を取るただそれだけのことなんだ。
かつての黄金時代に思いを馳せながらモモンガはかつての仲間たちと苦労して作り上げたギルド武器に手をかける。
これを作るために有給取ったり家族と揉めたりして参加してくれたメンバーもいたほどの思い出のギルド武器【スタッフ・オブ・アインズ・ウール・ゴウン】
「行こうか、我がギルドの証よ」
それを持って部屋を後にしようとしたその時
『酒呑童子さんがログインされました』
モモンガが視線を向けると円卓の席の一つが埋まっていた。
そこには頭にツノが生え、体の最低限の部分、隠すべきところのみ隠した黒塗りの刺繍らしきもの、前は少しはだけた着物を着て盃と瓢箪、腰に剣を提げた痴女一歩手前の少女がいた。
どうしてバンされないんだと疑問を持つ者が多かったギルドメンバー
「おや、モモンガはん。お久しぶりやね〜」
彼女の種族は鬼、その最上位種の鬼神だ。
ユグドラシルを始めた理由は昔に流行っていたゲームキャラを再現したくてこのゲームを始めたらしい。
「酒呑さん!!来てくれたんですか!」
「うち、そないいけずやあらへんよ。モモンガはん、それにうちは月一、二回は顔だしてたやろ?」
彼女は変らずモモンガのよく知らない独特の言葉使いをしながら首を傾げながら答える。
その姿の彼女は何とも絵になっていた。
「うん?モモンガはん、それ持ってどこに行くん?」
モモンガは来てくれた嬉しさでつい忘れていた自分がギルド武器を持って玉座の間に行こうとしているのを
「あ、いや、これは・・」
バチが悪そうに俺が思わずビックと肩を震わすと
「フフ、何や、これやとうちが怒っとるみたいやね。違う違うモモンガはんがそれを持つのはいいけどな。最後やしうち的にはモモンガはんにそれを持ってもらって玉座の間で閉めようと思ってただけやねん」
まさか、自分と同じことを彼女も思っていたとは驚き、そして互いが同じことを考えていたのだと知って互いに笑いあった後、二人はその場を後にする。
神々が住まう神殿のような豪華な通路を通り、途中控えていた執事とメイド達を引き連れてナザリックの最奥部、玉座の間の扉を押して入っていた。
そこにはかつての仲間たちのサインが描かれたサインの旗がかけられ、奥の階段の上には水晶で出来た見事な玉座があった。その上には我らがギルドサインの入った巨大な旗がある。
そんな見事な玉座に二人は向かい、玉座の横にいる純白の悪魔が目に入った。
「確か・・・アルベドでしたなぁ、この子、タブラはんが作った」
と酒呑さんが何かを思い出すよう言う。
「ああ、設定魔のタブラさんのなら面白い設定してるんでしょうね。
見て見ますか」
モモンガがコンソールを開き、酒呑も設定欄を覗き見る。
「「なが!」」
あまりの設定の長さに二人してツッコミを入れる。
「全部読んでいる暇はなさそうですね」
「残念やけど、そうやね。ザーッと見たらええんとちゃう」
そう言いながらスクロールしていき最後の一文を見る。
『モモンガを愛している』
モモンガの目が点になった。
「フフ、ああ〜思い出したわ。うちとタブラはんでこうしようて話たんやったわ、懐かしいね〜」
と笑いながら言う酒呑さんに俺は睨みながら言う。
「何してんですか!あんたは!!」
「フフ、その方がおもろいと思うてな。それにタブラはんもこれでええとか言うてはったしな」
ああ、これだ。この人はこういう人だったるし☆ふぁーさんとは別のベクトルで問題を起こして騒ぐ人だった。
「でも、だったら『酒呑を愛してる』でも『タブラを愛している』でもいいじゃないですか』
「そんな、モモンガはん、自分を愛してるなんてこっぱつかしいことするわけないやろ」
と答える酒呑さんの表情は動かないが確実に笑っていることは分かる。
もう返す気力もないと肩を落とすモモンガ、そしてふと時計を見るともうユグドラシルのサービス終了まで5分切っていることに気がついた。
モモンガは、NPC達に跪くように指示を出す。
「モモンガはん、今までありがとな。ここは・・・いや、ここは素でいきますね。改めて今まで本当にありがとうございました」
初めて素の喋りで話して来たことに若干驚いたが
「いいえ、こちらこそ今までありがとうございました」
その後は言葉が続かなかった。
これで終わってしまう。
49.50.51.52.53・・・
「本当にありがとうございました酒呑さん」
呟くように言った為、彼女には気付かないだろうけど
57.58.59・・・
ーーー0.1.2・・・
そして彼ら二人は異世界へと旅立つ。
更新は遅いですがどうか見てやって下さい。
文章力はありませんが
できれば意見お待ちしております。