前回のイベントは仕事が忙しくてギル祭も180箱くらいしか開けられなかった。
次のイベントは頑張りたいですね。
(*≧∀≦*)
「そこまで!」
私の木剣が折れた・・いや折った時にアインズさんが丁度止めてくれた。
「「「おおおおおおおお!!!」」」
そしてようやく状況を理解した隊員達の歓喜の声が上がる。
自分たちとの訓練では決して見れない隊長の本気を引き出したオキタを称える声も上がる。
私としてはもっと戦いたかったけど何度も念話【メッセージ】でもうやめろとアインズさんがうるさかったので模擬戦をさっさと終わらせるためにスキル腐蝕の手【フショクノテ】を使ったのだ。
腐蝕の手の効果は触れたモノや武器に酸ダメージと武器耐久度を下げるという単純なモノで接近戦を好む私がよく使っていたスキルだ。
まぁ高位の武器や防具にはこういったスキルに対する耐性をつけておくのが当たり前たのであまり効果は効かないのだが今、私が使っている木剣程度なら余裕で劣化させられる。
それを使いガゼフの木剣と私の木剣が当たる直前にスキルを使い私の木剣が折れるように仕向けただけだ。
「素晴らしい模擬戦でした。戦士長殿」
と拍手を送りながらこちらに向かってくるアインズさんとアルベド
「はぁはぁ、いやこちらも久々にいい経験をさせて貰った」
呼吸を乱し顔を紅潮させたガゼフに歓声を背にアインズさんが近づいてくる。
「オキタも見事だったぞ」
「いや〜最後のアレを防がれるとは思いませんでした〜」
といかにもな事を言っておく。
「では戦士長殿、鎧一式は村長の家に置いてありますので、どうぞお受け取り下さい」
私とガゼフの勝負が終わってからの流れは早かった。
鎧一式と何人かだけ残った村を襲っていた賊を連れてガゼフの部隊は報告のためにすぐに王都に向かって出発した。
ガゼフ達を見送った後、ある程度瓦礫の整理やら処理を終え村が全体的に落ち着いてきたのを確認してから私たちはカルネ村を後にした。
帰る時は村人総出で見送ってくれた。
おそらくは村人にアインズさんが提供した最下級のポーションによって村人を回復して回ったのが効いたのだろう。
何人か村人からはアインズさんを神聖視するような者もいた。
まぁ、偶然助けた村だがナザリック近くの村と友好関係を構築できたのはいいだろう。
さらに王国戦士長にいい印象を与えられたので結果的にはかなりの成果だろうし、それに先ほどナザリックに送ったヤツらから情報が取れれば・・・フフフ、考えるだけで自然と笑みが溢れてしまう。
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「皆の者、面を上げよ」
玉座の間に集まったナザリックの守護者達がその言葉で顔を上げる。
今日、このナザリックの玉座の間には玉座にモモンガが座り、隣に酒呑童子がいる。守護者統括であるアルベドが正面におり、その後ろに守護者がさらに後ろにはその守護者が連れてきたシモベ達が綺麗に並び、皆がこれからくるであろう偉大なる恩方の言葉を今か今かと期待の込めた輝きが宿っている。
そして本来ならこの玉座の間は神聖な領域でシモベなどは立ち入る事すら許されないが今回の発表は今後のナザリック全体において重要なモノになるのでシモベ達にも通達するためにこの場に集められた。
「まずは、今回、私たち二人が無断で先行した事を詫びよう」
開口一番、自分たちの主人からの謝罪の言葉に皆がお気になさらないでくださいと声を上げそうになるがそれを我らが主人が手を挙げたことで守護者とシモベ達は口を噤む。
「我々の当面の目的が決まった。そしていくつか伝えなくてはいけないことがある。私は名を変えた。これより私はアインズ・ウール・ゴウンと名乗る。これは我が友。酒呑童子からも快諾してもらっている」
おおっ!と守護者やシモベから驚愕と納得したような声が聞こえた。
そしてアインズ・ウール・ゴウン万歳!とシモベたちがアインズさんを讃える声がする。
適度なところで手を出すと波のような声援がピタリと止み静寂が場を支配する。
「どうやら、反対するものはいないようだな。詳しい話はアルベドから聞くように。この場においては基本となる方針のみを告げる!」
全ての守護者、シモベが息を呑む。
そしてこれからくる厳命がたとえ、どれほど困難なモノでも必ず成し遂げてみせるというような覚悟を感じさせる眼をしていた。
「全ての伝説を、全ての英雄を我らの名で塗り潰せ!数多の手段を用いて知らぬ者がおらぬように!今はまだその準備段階だが必要な時にはその力を存分に振るってもらう!そしてアインズ・ウーン・ゴウンの名を天へ地へ知らしめ、永遠不変の伝説にせよ!」
アインズさんは右手に握られたギルド武器、スタッフ・オブ・アインズ・ウール・ゴウンを高らかに上げた。
それに呼応するようにシモベ達が雄叫びを上げ、万来の喝采が玉座の間を包み込んだ。そんな歓声の中、私は一人想う。
あの言葉にはおそらく他にも此処に来ているかもしれない仲間達の事を思ってなのだとすぐに分かった。
彼は・・・まだ、諦めていないのだと。
バサァ!!
とマントを翻す音がする。
そしてアインズさんから今日はもう疲れたので休むとメッセージで言うとすぐに転移で玉座の間を後にした。
疲労のないアンデッドでも大勢の前で喋るのはやはり堪えるらしい。
・・・でも、最後のマントをバサァってヤツはカッコ付け過ぎとちゃうの?
あの人は自分が作った黒歴史【パンドラズ・アクター】を何や言うてるけどそれって今も対して変わってないと思ってしまうのだがそれはどうなのだろうかと考えてしまうがこれはこれでオモロいから黙っておくとしましょう。
「ほんなら、ウチも今日はお暇させてもらいましょうか」
私もアインズさんに習い転移で玉座の間を後にする。
未だ興奮冷めやらぬ者達に今後の方針を告げるべくアルベドが手を叩き、この場の者たちの目耳を集めた。
偉大なる恩方の言葉によって興奮してはいてもこのナザリックにおいて、またこの後の事を考えるならば今、守護者統括の話に耳を傾けない者はナザリックにはいないだろう。
「皆、聞いた通りよ。アインズ様の計画の為に万全の準備を整えることが忠義の証だと知りなさい。それとデミウルゴス、例の話を皆に」
「畏まりました」
デミウルゴスはスッと一歩前に出てメガネを持ち上げ直した。その一連の動作の間にこの場は静寂が支配した。
「アインズ様と酒呑童子様が共に月夜をご覧に出られた時、私はお側に控えていました。そしてアインズ様が『私達がこの地に来たのは、この誰も手にしたことのない宝石箱を手に入れるため』と仰ったのです。さらに『世界征服なんて面白いかもしれない』とね!」
デミウルゴスはその時のことを思い返すだけで心が躍るようだ。
「皆、聞いたわね。ナザリックの最終目的はこの宝石箱を、いえこの世界をアインズ様と酒呑童子様に捧げることだと知りなさい」
そして再び歓喜の熱気がこの場を包む。畏れ多くも至高の御方の御考えを一部とはいえ理解することができたことへの感激とこの世界を供物として捧げるこという新たな役割を頂いたからだ。そんな固く結ばれた結束を見越していた至高の御方に更なる敬意を抱くデミウルゴスと他階層守護者達も歓喜に身を震わせた。
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「えっ?冒険者になりたい?」
次の日、アインズさんから話があると言われてアインズさんの部屋に行って開口一番にそう言われた。
「また、急やね〜 どないしたん?」
わざわざメッセージではなく部屋で話たいというからR方面かまたはナザリックの今後の話かと思って覚悟していたのに。
というか、この人にはR方面な展開をする度胸なんてないだろうけど
「まぁ〜訳はありますよ。今後の大まかな方針は昨日のヤツで宣言しましたけど、私達はこの世界の事をあまり知らないじゃないですか」
「そらそうやけど。ウチが昨日捕まえた連中から大雑把な事は分かったやろ?」
そう、昨日の私が玉座の間から出てアイテムの整理をやっていると千代女が私に部屋に来て昨日の尋問?の結果をまとめたモノを私に届けに来たのだ。
その報告書が結構分厚くて全て読むのにかなり時間が掛かったお陰であまり昨日は眠れなかったくらいだ。
「でも、捕まえた奴らに変な魔法が掛かってたって報告書で合ったじゃないですか。だから外に出て生の情報を取るべきだと思うんですよ」
確かにそうだ。
捕まえた奴ら、確かニグンとか言う奴が隊長だった。
そのニグン達は3回質問に答えると死ぬという呪いのようなモノが掛かっていたらしい。
簡単な質問で一番情報を持つだろうニグンは死んでしまったのは惜しい事をした。
なので他の隊員には千代女が巫女のスキルでその呪いのようなモノを解除して以降は問題なく情報が取れたらしい。どうやって情報を取ったのかは聞かなかった。いや、怖くて聞けない。
「確かにそやね〜 情報は大事やからね」
「そうでしょう、なので〜」
「で?本音は?」
「えっ?!」
アインズさんはビクッと肩を震わせた。
「えっ?やあらへんよ。ホンマは外に出たいだけやろ?」
「・・・」
「まさか、ウチらだけで外に出れば気晴らしになるとでも思てはんの? いや、ウチはそれでもええけど他の守護者、とくにアルベドが許すとホンマに思てはんの?」
「デスヨネ〜」
そのことは分かっていたのかアインズさんも肩を落とす。
「まぁ、ここにおったら支配者ロールでおらなあかんから息がつまるのも分かるけどなぁ〜」
「そう!そうなんですよ!!」
その後、私とアインズさんが話し合ったが結局いいアイディアは出ず、もう守護者達を呼んでアインズさんが外に出ると発表したところでデミウルゴスに適当に投げれば何か上手くいくのではということになった。
ネーミングセンスが欲しい。
(´∀`=)