酒呑みロード   作:六導

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年内に書きたかったけど無理でした。
あと、今回は短いです。





第11話 馬車の旅

城塞都市エランテルを出た近くの森を一台の馬車が走る。

その馬車は非常に精密な細工が施された美しい馬車だ。

それにただ美しいだけではない馬車のスプリングに相当する部分が非常に優れているのか車内はもちろん乗り手にも僅かな振動しか与えないほどだ。

そんな馬車は驚くほどスムーズに彼等を目的地へと運ぶのだった。

馬車を操る男はその先を思い笑みを浮かべていたがその先が彼らの思い通りにいかないとはこの時の男、ザックは思いもしていなかった。

 

 

「それで〜ウチらの罠に獲物は引っかかったんやね〜ホンマ、良かったわ」

「はい。全てはアインズ様と酒呑童子様の計画通りかと」

今、私は馬車に揺られながら森の中を移動している。

メンバーは私とシャルティアとセバスと茨木とソリュシャンと馬車の屋根の上に気配遮断した千代女だ。

正直、警戒くらいなら馬車の中で警戒用のアイテムを使えばと思ったが千代女のやる気を削ぐのも悪いし使用していない。

また本来ならシャルティアの侍女たるヴァンパイアブライドを連れて行く予定だったが馬車に乗り切れないし不意のユグドラシルプレイヤーとの戦闘では盾にもならないので連れてはいない。

ちなみに一人留守番になった巴は涙目で私達を見送ってくれた。

これには理由があるのだ。

バカな貴族のお嬢様演技でソリュシャン、執事にセバスは必須だし、忍としての能力と感知役に千代女。

万が一の逃走用にヒャッキヤコウのスキルによって妖怪系モンスターの大量召喚によっての盾役に茨木という編成になったのだ。

それに第七階層の守護者、デミウルゴスは今、ナザリックの外に出ていて巴以外に第七階層をまとめられる人員がいなかったというのもある。

まぁ帰ったら巴に優しくしてあげようと心に誓いつつ私たちは出発して今に至る。

 

「当然であろう。セバスよ、酒呑童子様が立てた計画だ。うまくいくに決まっておろう」

とさも自分のことのように威張る茨木。

いや、私だけの策じゃないだけどと内心ため息をつきつつ。

「フフフ。茨木そんな言い方したらあかんよ。これはアインズはんの策でもあるし、それにさっきナーベラルからアインズはんの方は森の賢王とかいう魔獣を捕まえて冒険者として名を早速高めたらしいわ」

おお!と皆が早速、成果を上げたアインズさんに驚きと賞賛の声が上がる。

「おお!さすがアインズ様、早速成果を上げられるとは」

 

 

その後は、シャルティアとセバスの会話に私は耳を傾けていると昔のペロロンチーノさんの話になると私は頭を抱えそうになったり、ぶくぶく茶釜さんの職業が生命創造系だとかの話を聞いていると千代女からメッセージが入った。

『酒呑童子様、そろそろ餌が我々の罠に食い付くかと思われます』

『分かったわ。そんじゃあ千代女も引き続きあたりの警戒よろしゅうな』

『はっ!了解でありまする』

と千代女との短いやり取りを終える。

「ほな、シャルティア、セバス。そろそろ餌が食いつくみたいやわ。手筈通りよろしゅうな」

すると先程まで楽しそうに話していたシャルティアの「了解でありんす」と優雅に返事をしてセバスは真剣な顔つきで頷いた。

 

 

近くの森から出てきた野盗達、総勢10名が馬車を半円状に囲むように包囲していた。

装備はどれも統一感がないが一応武器には手入れをしてはいるようだ。

馬車の反対側はザックが開かないように細工をしている。

「おい!!さっさと出てこい!!」

と野盗達が騒いでいる。

皆が皆、手に武器を高らかに上げ馬車の中にも見えるようにしている。

その顔はこの後のことで頭の中が邪な欲望を浮かべていることは明らかな下卑た笑みを浮かべていた。

すると馬車の扉が開いた。

馬車から出てきたのはこの辺りでは見かけない格好をしたとても美しい少女がいた。

この場にいた野盗の皆が少女の美しさに目を巻かれた。

そして艶やかな少女の声が響いた。

「へぇ〜以外にようさん集まったんやね〜 うち、嬉しいわ〜でもさっさと仕事終わらそうか」

と最後に一言言い終わり少女の目が一瞬紅く光ったと思った次の瞬間、小汚い男一人を残して全員が糸が切れた人形のように倒れた。

哀れなことにただ一人倒れなかった男、ザックはソリュシャンに誘われて森の奥へと連れて行かれた。

 

 

「どないやったソリュシャン」

森の奥からソリュシャンが満面の笑みを浮かべて戻ってきた。

そしてすぐに跪こうとしたのでそれを手で制した。

ソリュシャンは一瞬悩んだが私を待たせるのはマズイと判断したのかそのまま、私に報告してくれた。

「はい。私のわがままを叶えてくださってありがとうございます酒呑童子様」

「ええよ、ええよ。これくらいのことなら・・・さてシャルティアの方も終わったみたいやね」

そう、私は事前に馬車の操縦をしていた男をソリュシャンが欲しがっていたのでその男、名前は聞いていないし興味もなかった男以外の野盗をスキル果実の酒気で眠らせてからシャルティアにゲートを開かせてセバスと茨木に野盗達を運ばせたのだ。

正直、野盗相手にこんなに警戒することはないと思うがアインズさんが『もしかしたら酒呑さんが野盗の相手をしている間にプレイヤーに襲撃させるかも』と言い出したのでこうして私が速攻で野盗を眠らせてから辺りを私と千代女で警戒するという流れになったのだ。

そしてようやく全ての野盗をナザリックに運び終わったシャルティアとセバスと茨木がこちらに向かってきた。

「酒呑童子様、全ての作業を滞りなく完了しんした」

「ご苦労さん、シャルティア、セバス、茨木ほな次に行こか。あの野盗のアジトも聞き出したんやろ?」

私の質問に答えたのは意外にもシャルティアではなくセバスだった。

「はい、それは私が既に聞き出しております。酒呑童子様」

おそらくシャルティアの血の狂乱が発動するのを避けるためにセバスがスキルを使って聞き出したのだろう。茨木にその手のスキルはないし。

 

 

 

あの後、私達は一旦別れることにした。

セバスとソリュシャンは当初の予定通り王都に向かってもらった。

念の為、茨木もそれに同行させてた。

本人は凄く渋々といった感じだったがこれからの任務は基本、隠密行動が厳守になるので派手な攻撃が多い茨木には向かないというのもあり遠慮してもらった。

そして今現在、シャルティアと私の二人きりだ。

ちなみに千代女にはこの辺り一帯を調べてもらう為に別行動してもらった。

もう一度言う私は今、シャルティアと二人きりだ。

 

・・・アレ?

もしかして私・・・ヤバイのでは?

 

そういえば先ほど私と千代女とシャルティアの三人で移動していた時も何やらチラチラと視線を感じたのはそういうことだったのかと今更ながら怖くなってきた。

千代女は周囲の確認に行かせてからまだ5分と経っていない。

つまり、助けは来ない。

今更ながら少し身の危険を感じた私の取った選択は

「シャルティア、あそこが野盗のアジトらしいわぁ〜 今度はシャルティア一人でやってみぃ。あと血の狂乱は発動させんようにな」

シャルティアを遠ざけることだった。

 

ごめん。シャルティア

やっぱり君は怖い。

 

 

 

 

 




下がる評価は気にしない。

どうか。私に文才をください_:(´ཀ`」 ∠):


次回、面倒やさかい・・・以下略

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