すいません。
シャルティア(私の貞操の危機)が野盗のアジトに向かわせて私は一息ついていた。
「はぁ、退屈やわ〜 なぁ〜そない思わん千代女。ウチの退屈紛らわしてくれへん?」
と私は瓢箪の酒を呑みながら言う。
シャルティアが行ってすぐに千代女も気配が近づくのを私は感じ取っていた。
「はっ!退屈は紛れるか分かりませぬが少し酒呑童子様に御報告したきことが御座いまする」
「?」
私は首を傾げる。
千代女に案内されて来た場所は野盗のアジトからさほど離れてはいない所だった。
私と千代女は少し高い木の上から森の中を進んでいる集団が見ている。
「あれが千代女が言うてた奴らなん?」
「はい。そうでございまする。あれなる者らは明らかにこれまで会った誰よりも装備の点で他よりも優れていると思い。こうして酒呑童子様が直接見て判断されるべき案件と思いご足労願いました」
確かに千代女の言う通りあの集団は明らかに他の雑魚とは違うだろう。
それにあの集団の真ん中の婆婆が着ているモノは傾城傾国だ。
傾城傾国はとあるミスコンイベントの優勝者が貰えたワールドアイテムで私はそれに参加して8位だったのは苦い思い出だ。
どいつもこいつもそんなに巨乳好きか!と怒りを爆発させたっけ。
参加者数が10000を超えた大会で8位なら凄いじゃないですかとかギルドのイメージが悪いせいで酒呑さんが悪いわけじゃないとギルドの皆に励まされたっけ。
おっと思考が逸れた。
その傾城傾国の効果は完全耐性を突破しての魅了だったと思う。
この世界ではゲームの内容や効果が現実になっている今はこの効果は強力だ。
だがおかしい点もある。
あの集団は何というか強そうな感じがしない。
これはあれだろうかワールドアイテムをわざと弱い連中に持たせて出てきたプレイヤーを狩るという作戦か?
ならば本命のプレイヤーは近くにいるはずだ。
でもそれなら千代女が無傷で帰ってきたのは何故だ?
まだこの世界のことは大まかにしか分かっていないが千代女はこの世界ではかなりの強者に分類されるはず、それがなぜ無傷で私の元まで帰ってこれたのか?
いや、これは千代女の後ろにいる存在、つまり私を引きずり出すためにあえて見逃した?
でも、それはそれでおかしい仮にも私はマスターアサシンの職を持っている。ガチ探知系職には劣るがそれなりに探知能力には自信があるつもりだ。
となるとその私の探知を上回る探知対策に力を入れたプレイヤーか?
いや、それだと戦闘職の相手には対応できないから・・・
とああでもないこうでもないと頭を働かしていくうちに
「面倒やさかい。まとめて蕩かし・・いや、アレ奪うてまおか」
「よ、よろしいのでございますか?酒呑童子様、ア、アインズ様からは極力目立つ行動は控えよと仰せでごいまするが」
ごちゃごちゃと面倒な考えるのは鬼のすることではないと思った私が千代女に提案すると案の定、千代女が反対してきたが私的にはもう考えるのは面倒なんよ千代女すまんね。
「ええよ、別にかまへん。そないなことよりも今後の脅威をなくしてもうた方がええに決まっとるやろ」
「はっ!それが主命ならば拙者は全身全霊励ませていただきまする」
「さようか、ほんなら千代女。オロチ召喚してアレにぶつけてもうてくれるか」
「はっ!仰せのままに」
そう言うと千代女は印を結び手を少し噛んで血を流して手を地面についた
「口寄せの術!来たれオロチ!」
千代女の召喚に応じて首が7つの全長15mほどの真っ黒な巨大なヘビの化け物のようなモンスターが召喚された。
通常のモンスターとしてのオロチのレベル60くらいだが千代女の取得している職の一つのヘビツカイによって強化される。
ちなみにヘビツカイとは蛇系モンスターの召喚と強化とあと数種類の魔眼スキルを取得できる職だ。
そのヘビツカイのスキルによって強化されたこのオロチは65レベル相当になっている。
自身が召喚したモンスターの姿に満足したのか千代女はオロチに命令を出す。
「行け!あの者らを間引いてまいれ!」
命令を受けたオロチは了解とばかりに舌を鳴らしてから地面に潜っていた。
side法国
森の中を12人の男女の混成チームが進んでいた。
彼らはスレイン法国の六色聖典が1つ漆黒聖典のメンバーと神官長のカイレを加えた法国のいや、人類の切り札といれる者達だ。
そんな彼らは先日、消息を絶った。
陽光聖典の失踪の調査とある預言の調査に赴いていた。
より正確には後者の意味合いの方が強い。
そんな彼らの足下からの脅威をいち早く察知したのは漆黒聖典のメンバーの一人、占星千里だ。
「隊長!足元から何か来ます!かなり大きいです!!」
と彼女の焦った声からも今から来る相手が余程の者だと想像がついた。
「全員、戦闘態勢!カイレ様を中心に陣形を組め!」
この部隊の隊長、第一次席である私の言葉に皆が一斉に動きカイレ様を囲む陣形を築き上げた時に地面から轟音とともに大きな蛇のモンスターが姿を現した。
その異様な姿に隊員の何人かは唾を飲む。
「カイレ様、もしやコイツが破滅の龍王なのですか!」
「うむ、まだ分からんがそれに類するモノなのは確かなはずじゃ」
モンスターの只ならぬ気配にこれこそが我らの目的なのではと皆が察して気を引き締めた。
そして大蛇が口を大きく開いて威嚇したことで戦闘の火蓋が切られた。
まず最初に動いたのは大型モンスターの方だ。
モンスターはその巨体をいかし、我々を押しつぶそうと突進してきた。
その突進を巨盾万壁が持つ大盾で防ぐが
「ぐううう!!何て力だ!」
神々の残した至宝の力を借りて何とかその場に押しとどめるのが精一杯なようだ。
だがモンスターの攻撃はそれだけではない、モンスターの巨体は止められたが七つの頭がフリーのままなのだ。
しかし、我々もそれを見逃すことはない。
続いて神領縛鎖が鎖でモンスターを縛るが鎖は少し止めるだけで完全に動きを封じ込めるまではいかないようだ。
ここからは私の仕事だと私は体に力を入れてモンスターに向けて走り出す。
手強い相手だった。
もしも私が居なかった部隊は全滅ないし撤退を余儀なくされていたであろ難敵だった。
「誰か怪我をした者はいますか?」
「いいえ、しかし隊長霧がで、ゴホ!?ゴホ!」
私が報告を聞こうとした所で漆黒聖典は謎の霧に包まれた。
side酒呑童子
つまらない。
の一言に尽きる。
あの連中の底は大体分かった。
あのみすぼらしい槍を持った長髪の男がおそらく連中のリーダーなのだろう。
先程からあの槍の男ばかり攻めて他の者はそのサポートといった感じだ。
それに
「酒呑童子様、そろそろオロチが倒されるで御座いまする。どうなさいますか?」
そうか、アイツらの実力を見るために出したオロチがもう時期倒される頃合いだそうだ、そろそろアレを使うか。
私はあるアイテムを取り出す。
それは古びたランタンのようなモノだがようとはランタンとは全く違う。
私はランタンの蓋を開ける。
するとランタンから大量の霧が出てくる。
そうこの霧こそが指定した範囲に視覚の阻害に移動阻害さらには酸ダメージを与える結界アイテムその名前を暗黒霧都【ザ・ミスト】だ。
私が考えた作戦は単純だ。
千代女が召喚したオロチを奴らにぶつけ、相手がオロチを倒して油断した時に暗黒霧都の霧に乗じて私がおそらくリーダーであろう槍の男を少し足止めして千代女がワールドアイテムを奪うという単純なものだ。
ちなみにこのアイテムはアイテムの使用者である私は酸ダメージや行動阻害の対象にはならないし千代女はメデューサの種族特性で大地属性にかなり高い耐性とHP自動回復スキルがあるので大してダメージはないし行動阻害に対する完全耐性の指輪も装備しているので全く問題ない。
「ほんなら早よ。すまそか千代女」
「はっ!酒呑童子様の期待以上の働きをして参りまする」
少し気負いすぎな気もするが私に良いところを見せようと頑張る千代女を見てつい頬を緩んでしまうが今は目の前の相手に集中しよう。
既に霧が辺り一面を覆い目の前には何も見えないが私はアイテムの発動者としてこの霧の中でも相手の位置は分かるし千代女は気配感知スキルで相手の位置を把握しているので問題ないではすぐに済ませるとしよう。
結果を言うと仕事はすぐに終わった。
私はあの男が持っていたみすぼらしい槍を手でクルクルと回して弄ぶ、これはまぁ戦利品のようなモノだ。
私は霧の中で必死に仲間を運び出そうとしていた男を背後から接近して私好みのイケメンか顔を確認し私の好みとは少し違う男だったので槍を持っていた腕ごとを引きちぎって槍を奪い、男が痛みで動けなくなっているのを確認してから千代女と予め決めておいた集合場所に悠々と戻ってくると既に千代女はチャイナ服の老婆を抱えて待機しており千代女の横には転移門が開いていた。
私と千代女があの集団を襲う少し前にシャルティアを呼び戻してこの場所に転移門を開くように行っておいたからだ。
「酒呑童子様、どうかお早く」
どうやら千代女を待たせてしまったらしい。
「そやね。千代女の方もうまく行きはったんやね、ならさっさと帰ろか」
と言いながら私は内心遅れたことを詫びながら私は転移門の中に入り千代女もそれに続いた。
アイテム紹介
暗黒霧都【ザ・ミスト】
聖遺物級
効果 指定した範囲に硫酸の霧を発生させ相手の視覚阻害と移動阻害の効果に加え範囲内の敵に酸ダメージを与える結界アイテム
ちなみに発動者と発動者が指定した者はこの効果を受けない
酒呑童子が自室のアイテム整理をしていた時に偶然見つけたアイテムでこの時、このアイテムの指定した者も効果範囲外に出来ることを忘れている。
その後、このアイテムは千代女が授かる事になり千代女はあの時なぜ酒呑童子様は私を範囲外にしなかったのか疑問に持つことになる。
次はナザリックの話でも書ければと思ってます。