酒呑みロード   作:六導

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超久しぶりです。
書きたい事はあるけど言葉にできなくて時間がかかりました。




第15話 炎の村

アルベドの襲撃から数日経った。

あの後、パンドラが上手くやったのかは知らないが私が知る限りアインズさんがアルベドを罰することは特になく私はアイテム整理などをしながらナザリックでダラダラ過ごしていたが今日は第七階層の寺院で巴と一緒に遠隔視の鏡を見ていた。

「巴はんはこれはどう思いはるん?」

そこに映し出されていたのはナザリックでポップした最下位のアンデットの大群対リザードマン達の戦いが映し出されていた。

「このままでは確実に負けてしまいます。出来ることであれば、この巴が今すぐあの場に出向いて直接指揮をさせて頂ければまだ勝ちの目もありますが・・」

と巴が私を見て判断を求めてくるがそれは出来ない。

これはアインズさんが発案したコキュートスを使った実験であるからだ。

私達はクラスや種族などによって持った技能以外のこと、例えば料理などの専用のスキルがいることはかならず失敗してしまう。

ただ肉を焼く程度のことすら失敗し、只の炭にしてしまう。

しかし、アインズさんのように冒険者として活動し戦士としての経験を積んでいくとある程度の動きができるようになっていた。

ならば、この大軍を指揮する経験を積むことで指揮官職を持っていないコキュートスも指揮が出来るようになるのではと考えての実験らしい。

「そらあかんわ。巴はん、今回は堪忍してな」

「はい、分かっております酒呑童子様」

私がそう言うと巴は頭を下げて再び遠隔視の鏡の映像に見入っていた。

それから程なくしてこの戦いは私達、ナザリックの敗北という結果に終わった。

 

 

次の日のナザリックの地表部分、隠蔽された丘の上にて私はヤケ飲みをしていた。

「はぁ〜納得いかへんわ〜」

「そ、そう仰らずにアインズ様も酒呑童子様のお力を信頼して留守を任されたのだとこの巴は思います」

と巴が私を励ますがその言葉が今はとても空虚なものにしか聞こえない。

 

私は昨日、コキュートスが帰還してからアインズさんと他の守護者達と共に此度の敗戦についての報告を聞いていた。

なぜ負けたのかとアインズさんが聞いた時、コキュートスは与えられた兵の弱さや指揮官の不在などの理由を辿々しくはあったがコキュートスが指揮官としての経験をしっかりと出来ているのを確認できた事をアインズさんと喜び、そしてさらに話は進んでリザードマンを統治することが決まり今は守護者、ガルガンチュアとヴィクティムを含めたメンバーと一緒にナザリックを出発しナザリックの力を見せつけるらしい。

そんな一大イベントに私はナザリックの守護と言う名の留守番を言い渡された。

故に今は少しイラついてるのだ。

 

ちなみにこの時、巴は酒呑童子がこっそりついて来ないかを監視するという任務も与えられているのは秘密である。

この時のアインズはここで酒呑童子が来れば確実にリザードマンの元へ行ってこれまでの流れを無にするか台無しにする気がしてならないために巴にこのような命令を出している。

最悪、酒呑童子がこのリザードマンのいる湿地帯にさえ来なければいいとさえ考えることは巴も知らない。

 

ああ、暇やなぁと思いながら私が空を眺めながら盃を傾けていると

『酒呑童子様、ご報告したいことがあります。以前話されていた適合者を王都から離れた村にて発見致しました』

と千代女が念話で報告してきた。

地上に出て暇を潰していたら丁度いい暇潰しが向こうから来たようだ。

これには先程までのイライラが消えて顔が少しにやけてしまうほどにいい報告だった。

 

この世界にワールドアイテムの所有者がいるのを確認したことで更なる戦力拡大をアインズさんが行なっていたので私の方でも戦力拡大を図って千代女の諜報活動のついでに奴隷王のコンパスと言うアイテムを渡して"あのアイテムの適合者"を探させていたのだ。

ちなみに奴隷王のコンパスとはユグドラシル時代のとあるイベントで自分の近くにいるお助けNPCがいる地点や町の位置を指し示す程度のアイテムだったモノだがここではフレーバーテキストの内容が反映されているらしく所有者が求める人材を数キロ以内で指し示すアイテムになっている。

 

『ふーん。ようやっとか千代女はんもご苦労さん。他の任務のついでにうちの我儘聞いてくれてありがとな』

『い、いえ、拙者も偶然見つけたようなものでございまする』

とその後、千代女からその他の報告と王国の周りの情報をいくつか聞いてからメッセージは終えた。

よし、アインズさんがリザードマンで遊ぶならこっちはこっちで勝手してもいいよね。そうと決まれば行動あるのみと私は立ち上がる。

「さて、巴これからうちと少し遊びに行こか」

「はっ!酒呑童子様と共であればこの巴、何処へなりとも参る所存でございます」

 

 

 

 

日がそろそろ沈み始める頃に私と巴は王国のとある村にやってきた。

あちこちに畑があるのでどこにでもある村の様だがその辺の村と違うのは一目瞭然だった。

強面のどう見ても堅気ではない者たちが巡回のように畑を見回っている。

まぁ武装は私達からすればゴミ以下のモノだったので脅威にもならないが

さて、そんなことよりもこの村に適合者がいる訳がいるわけだ。

私がとっとと潜入してその適合者を攫えば早く済んでいいのだがそれだと巴を連れてきた意味がないし、それに最近巴にも何かさせないと他の2人と仕事量に差が出てしまうからここで何かさせてみるのも良いかもしれない。

「なぁ、巴」

「はい。なんでございましょうか、酒呑童子様」

「うちが潜入して適合者を攫う間に巴はんはこの村の人間全部焼いといて」

私が考えた巴の仕事は単純にゴミ掃除だ。

しかし巴はその案に苦言を呈する。

「しかし、それでは目立つのでは?」

巴が気にしているのは前回の件についてだろう

「そのへんは大丈夫なんとちゃうやろか。なんでも千代女はんの報告やと、近頃、青の薔薇言うのんが8本指とか言う組織の村を焼いてるらしいからそれに見せかけるいう話や」

「な、なるほど」

「でも、あんまり高位のスキルは使うたらあかんよ」

巴の納得も得られたので私と巴は行動を開始する。

「はっ!了解しました。では、是より鏖殺を始めます。スキル、紅の陣」

その巴の言葉共に地面に拳を叩きつけることで炎の壁があっという間に私の前の村を取り囲んだ。

 

 

 

村の男side

 

一体、何が起きたんだ。

 

いつもの簡単な仕事のはずだったのに、辺りが夕暮れと共に少し薄暗くなってきた時にそれは起きた。

突然、この村を囲うように炎の壁ができた。

さらにそこからが地獄の始まりだった。

 

「はぁ!!!」

と掛け声の後から仲間の悲鳴と肉が潰れ引き裂かれる音がこだまし始めた。

 

俺は目の前の光景に俺自身の目を疑った。

それは銀色の美しい髪をしたとても美しいこの世のものとは思えないほどの美女だった。

だがその女が剣を一振り、薙刀の一突きで一人二人と次々と斬り殺され、それを見て逃げた仲間を弓矢で正確に頭を撃ち抜くと同時に仲間の頭が炎に包まれる。

女が扱う剣、薙刀、弓によって俺たちは一方的に殺戮されていく。

 

そんな悪夢のような状況を作り出す女の顔を俺は見た。

 

いや、見てしまった。

 

その女の顔はとても美しくはあるが決して人ではないと確信できた。

俺がソレを確信できたのは女の眼だ。

女の眼は禍々しく血のように紅く輝き口元は笑みが浮かべていた。

 

あれだけ一方的に殺戮し、その上で笑みを浮かべる女の姿とつい一時間ほど前まで語っていた仲間のあまりに酷い姿に俺は思わず吐き気を催したがそれを何とか気力で抑え、すぐに物陰に身を潜めた。

こうやってジッとしていても自身の心臓の音であの怖ろしい女のバケモノに気付かれるのではと俺は自身の体の震えを必死に抑えた。

でなければ俺もココで殺されると思ったからだ。

だが運が良かったのか女は俺に気付かずに俺とは反対側に足を進めたのか足音が遠ざかっているのが分かった。

助かったと思ったがそこでふと俺は視線を上に向けると赤く綺麗に輝く星が俺に向かって来ていた。

ああ・・・クソが

それが俺がこの世で最後の言葉だった。

 

 

 

酒呑童子side

 

探し物はすぐに見つかった。

私の前には牢屋のようなモノがあったが鉄で出来た簡素なものだった。

所々、錆び付いていて元の世界の私でも壊せるのではと思えるほどその牢屋はボロボロだったがその中にいる私の探しモノの状態を見るにこの牢屋に入れるほどでもないのかもしれないとすぐに分かった。

 

その牢屋の中にいたモノは肌も髪も乾ききった枯れ木のような体、そして体のあちこちに痣や切り傷などでボロボロになった人の形を成した何かに見える。

しかし、そんな悲惨な現場を見てもちっとも良心は痛まない。

むしろ、探し物の手足がないなどの状態ではないので余計な手間がかからなくて寧ろラッキーと思えるほどだ。

「ふ〜ん、そんなんになってもまだ生きとるやねぇ〜あんたはんはそんなに生きたい?」

そう私が言うとサンドバックのような塊が何か喋ろうと口を動かそうとしているが残念ながら何を言っているか全く分からない。

「フフ、何言っとるか。ぜ〜んぜん分からんへぇ〜 ほな、こうしよか」

と言って私は手を差し出した。

「今、うちの手を取るなら助けたらるわ。で、もし取らんのなら楽に殺したるわ。さぁあんたはんはどないするん? うちはどっちでもかまへんよ」

と私は新しいおもちゃで遊ぶような感覚で手を差し出す。

本当はここに来た目的からするとコレを連れて行かなくてはいけないのに、なぜなこうして必死にもがく姿を見ていると愛らしいと思えてしまいついこうして意地悪をしてみたい衝動が出てきてしまいう。

そして私はコレの反応を待とうとした。その時、私の予想に反して手はすぐに私の手を触ってきた。

 

驚いた。

 

こんな傷を負ったのならもう死にたいと思うと考えていたがどうやらこの子は違うようだ

それにこの目は何かを成したいと願う目なのは分かった。

「この手を取るからにはもう人の道には戻られへんからね」

そう言って私はこの子を背負って外に出ると先程まで村だった事が分からないくらいに私が出てきた建物以外焼け野原が広がっていた。

私は巴の働きに満足してから巴と合流してここに私たちがいた痕跡をある程度消してからナザリックへと戻った。

 

さて、これから忙しいなりそうやね。フフフ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




オリジナルスキル
紅の陣
炎のサークルを作りサークルから出た対象にファイアーボール程度のダメージを与える。

オリジナルアイテム
奴隷王のコンパス
見た目は大航海時代に使われていたような古いコンパス
このアイテムの所有者が欲している人材【人間種限定】を数キロ以内で指し示す。
ただし、その対象はこのアイテムの所有者よりもレベルが低くないと反応しない。

未知を求めるユグドラシルでは最初期はそれなりに需要はあったが情報が集まるに連れて次第にゴミアイテムと言われるようになったアイテム

次回で適合者について話して行こうかと思います。
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