ハイスクールD×D 転生生徒のケイオスワールド 作:グレン×グレン
プロローグ 俺の日常
私立
もともと女子高だったのを、数年前から共学校にした結果、最も男女比が近い1年ですら確か3:7という、疑似的にハーレム気分を味わうにはもってこいの学校だ。
さらに、この学園にはリアス・グレモリーに姫島 朱乃という二大お姉さまという絶世の美貌持ちが存在する。それ以外にもクール系生徒会長支取 蒼那に一年生のマスコット搭城子猫など様々な美人が在籍しているという素晴らしい男の楽園である。
そんなところに通う俺、
ま、おかげで美人の顔を拝めるのは最高だ。眼福眼福。
「いやぁ、今日もいい学園生活だった」
授業は真面目にちゃんと受けてたし、体育ではいつものごとく成績優秀だし、学食はマジでうまいし。
駒王学園最高!
生徒は個性豊かで面白いし、学内はおしゃれできれいだしと文句の付けどころが・・・
「ここだよここ。ここで女子更衣室がのぞけるんだ」
「「まじか!?」」
・・・あった。
俺の健やかな学園生活を損なう、極めて面倒な連中が。
視線を声のする方に向ければ、そこには学園でも有名なある三人組の姿があった。
俺はもはや恒例になった言葉を放つ。
「何してんだエロス三人衆」
「「「覗きさ!!」」」
「・・・覗くなよ」
額に手を当てて頭痛をこらえる。
ああほんとにもう。このやり取り何回目だろう。
「邪魔すんなよ宮白! そして俺にも覗かせろ松田に元浜!!」
俺に食って掛かるかダチに文句をいうかどっちかにまとめてほしい男は兵藤一誠。悔しい事に小学生から続く、俺の数少ない友人である。
見てのとおりのドスケベだ。日夜エロ妄想に余念がない。
「イッセー!おまえは宮白を抑えろ! 俺たちは脳内メモリーにこの光景を保存するので忙しい!!」
そしてそのイッセーに除き禁止令をつきつけるのは元浜。眼鏡を取ると弱くなるロリコンである。
だが、その眼鏡は女子の体型を数式化できるという、とんでもないエロスカウターを内蔵している。
「元浜もどいてくれ! カメラが、カメラが入らない」
あげく写真まで撮ろうとしているアホは松田。丸刈り頭のスポーツ少年風。
だが、こいつは高い身体能力をエロ写真を撮るためだけに発揮する元写真部である。
ここまで言えばわかるだろうが、俺はこの三人とは腐れ縁だ。
もともとはイッセーとだけ付き合いがあったのだが、イッセーが二人と良くつるんでいるため、必然的に俺も巻き込まれているのだ。
そしておそらく想像がつくだろうが、俺はこいつらに対して毎回同じ行動をしている。
「変態三人組に覗かれてるぞぉおおおおおおおおおおおおおおおおっっ!!!」
「叫ぶなぁああああああああああああああああああっっっ!!!!」
すなわち被害者に対する通報だ。
こいつらは常習犯なので、いい加減俺の喉も鍛えられた。
そして女性陣の反応も鍛えられたから。
「「「「・・・こらぁああああっ!!」」」」
このように、即座に制裁班がやってくる。
「「「に、逃げろぉおおおおおおおおおお!!!!」」」
悪いがイッセー、未遂も立派な犯罪行為だ。
追われろ。俺はそのまま見送った。
「「「うわぁあああああっ!」」」
「「「「待てぇええええ!!」」」」
イッセー達が女子たちに追いかけれているのを見ると、なんだか最近は今日も一日が続いていると思えてきた。
完璧に病気だな。
一年のマスコット搭城子猫ちゃんがなぜかちょうどいい観戦スポットで焼きそばパン食べてるし。
しかも見事に対比できる位置には、学園のプリンス木場祐斗が女性に囲まれてちやほやされている。
イッセーも顔ならジャンルが違うだけで充分勝負になると思うんだが、完全にエロさが表に出過ぎなんだよな。
本当にあいつらは地味に残念な連中だ。
スポーツ万能の松田はもちろん、元浜やイッセーも友達として普通に付き合う分にはいいやつだというのにホントにもう。
こういう高校で持てるのはスケベじゃない風に見える男なんだよ。
その点俺は問題ない。
適度にスケベな話にも関わってるが、学校の中でエロDVD出すようなアホなまねはしない。
結果、俺は女子には彼氏にはしたくないけど無害な男という認識だ。
むしろ、変態の通報を積極的にしているから人気もある。
そう、おかげで
お、そんな事をしている間にイッセー達が捕まった。
「ぎゃぁああああっ!!!」
合掌。
ん?
何で見送ったのにあんな見えてる風に状況が見えてるのかって?
ああ、別におかしなことじゃない。
俺は本当に『見えてる』からな。
「おい宮白ォ! お前はなんでいつもいつも俺たちの覗きを邪魔するんだ!」
などと考えてた帰り道。イッセーが俺に食って掛かってきた。
「覗きは犯罪だからだ。女の敵は始末しないと、俺が学園に居れなくなる」
「バカいうな。俺はいっつエロいことしてるがちゃんと学校に来てるぞ」
「お前、いつかホントに追い出されるぞ」
冗談抜きで本当にそう思う。
ちなみに、松田と元浜は帰り道が違うので俺達とは別方向だ。
この時間だけはあの二人に優越感を感じるな。
「見てろよ宮白! 俺は絶対に彼女作ってやるからな!!」
「はいはいイッセー。期待しないで待ってるよ」
俺たちはそんな馬鹿な会話をしながら、通学路を歩く。
小学生のころからずっと続けてきたこの日常。
未だにいっさい飽きないから不思議なもんだ。
「そういえばさ」
馬鹿話を続けていると、ふとイッセーが話を変える。
「なんだよイッセー」
「俺とおまえが知り合ってだいぶ経つけど、見つかったのか『アレ』関係」
『アレ』
俺の持つ、イッセーだけが受け入れてくれたとんでもない秘密。
ちゃんと伏字にしてくれているあたり、こいつは誰にも漏らしたりしてないんだろう。
やっぱ、スケベだけどいいやつだ。
「残念だけどな。三回イギリス行って調べてみたが完全にハズレだったし、多分俺の妄想だろ」
「ウソつけ。目の前で見せられた俺が言うんだから、あれは妄想なんかじゃねぇよ」
「わかってる。最後は冗談だよ」
俺だけがかかえる完全なる秘密。
「ま、頑張って見つけろよ『魔術使い』」
「おう」
俺が、魔術使いだという存在だということだ。
今にして思えば、全てはこの日の夕方から始まったと俺は思う。
イッセーにありえない奇跡が起こったその日。
俺は悪魔としての人生を踏み出したんだ。
これは、おっぱい片手に世界にその名をとどろかす英雄兵藤一誠と
その親友である魔術使い宮白兵夜の
数多の世界の因果を束ねた
地球を騒がすおとぎばなし
はい、まずは序の口いかがだったでしょうか。
最後までなんとか完走するべく頑張りたいと思います。