ハイスクールD×D 転生生徒のケイオスワールド   作:グレン×グレン

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次手ラッキーパンチ、クリーンヒット

 

イッセーSide

 

「・・・ディオドラが裏切ってることに気づいてて泳がせてたぁ!?」

 

 敵の群れをオーディンの爺さんに任せ、会長と合流することに成功した俺たちが利いた衝撃の事実に、俺は思いっきり絶叫した。

 

 確かにドーピングで一番新しい情報は、禍の団が使っているオーフィスの蛇とかいうやつだけど、あいつまさか感づいてたのかよ!?

 

 っていうか先生もわかっていて泳がせてたのか! 俺たち囮かよ!?

 

「なんでも最悪自分の首が飛んだとしても、確実に旧魔王派をどうにかすることのほうが大事と判断したそうです。宮白くんもそこは理解していたようで、とにかく協力してくれそうな上級悪魔に土下座して頼み込んでフィールド中に戦力を潜伏させてました」

 

「一番最初に頼んできたのは私たちだけどねー! あ、あとアポロベ・フィネクスって人が協力してくれたおかげで14チームきてるよー」

 

 周囲を素早く警戒しながら、会長を補足する桜花さん。

 

 まさかアポロベさんが協力してくれているとは思わなかった。そういえば、宮白ってあの人の腕の代わりに、相当高性能な義腕を優先供給することにしたとか言ってたっけ。

 

 っていうか、レーティングゲームでのパワーアップはドーピングかよ! あの野郎ふざけた真似しやがって!!

 

「・・・っていうかお前らよく無事だったな。アレで生きてるってマジすげえよ」

 

 匙は俺たちがいた方向をみてなんていうかドン引きしている。

 

 まあ、俺も正直ドン引きしている。

 

 ものすっごいぶっといビームみたいなのがポンポン出てるんだもん。

 

 たった一人で相手するとか言ってるだけあるよあの爺さん。この調子だと、あっという間に敵全滅させるんじゃないのか?

 

「だけど宮白くんが危なくないかい? そんなディオドラをたった一人で倒すのは無謀だよ。彼には眷属だってついているんだよ!?」

 

 木場が焦って声を荒げる。

 

 ・・・だよな。

 

 たった一人でレーティングゲームをひっくり返すような今のディオドラが相手じゃ、いくら偽聖剣が使えるからって宮白でも危なすぎる。

 

 とにかく急いで助けに行かないと!

 

「部長! 俺たちも宮白の援護に行きましょう! 早くいかないと宮白が危ない!!」

 

「当然よ。兵夜一人に重荷を背負わせるほど、私は落ちぶれてはいないわ」

 

 俺の提案に部長も乗った。

 

 よっしゃ待ってろ宮白!! 今すぐ助けに来てやるから―

 

「―駄目です」

 

 会長が、きっぱりと言い切った。

 

「すでに宮白くんにはアザゼル先生が別働隊として向かっています。もともとディオドラ確保用だったチームも行動を開始していますし、私たちは早くシェルタールームに避難しますよ」

 

 ちょ、いくらなんでもそれは冷たすぎるだろ!?

 

「ソーナ? あなたね、私が自分の眷属一人に重荷を背負わせ、安全圏でのうのうとのんびりしていると思っているのかしら?」

 

「心外だね。私たちはそこまでふざけた生き方をするつもりはない」

 

 部長とゼノヴィアが速攻でブチギレかけてにらみつけるが、その視線からかばうように桜花さんが立ちはだかる。

 

「ちょっと落ち着いてよー。これは兵夜くんから頼まれたことでもあるんだからさー」

 

「・・・どういうことですか? 宮白先輩は切羽詰まってもいない限り、単独で無謀なまねをするようなことはしない人物だと思いますが」

 

 何かに気づいたのか小猫ちゃんが鋭く目を光らせる。

 

 その視線に降参したのか、会長が一つため息をついた。

 

「・・・アーチャーからの要望に応える形で、宮白くんは持ちうる外道の知識をすべて使ってディオドラに制裁するそうです。すでに魔王ベルゼブブ様の了承も得ています」

 

 ・・・おいちょっと待て。

 

「そんな光景を兵藤くんたちが見て余計なトラウマを与えるわけにはいかないということです。・・・実際、ディオドラの眼球や内蔵を使った魔術礼装の開発を提案してさすがに止められたとか」

 

「それ別の意味で駆け付けたほうがよくないかしら?」

 

「ひ、ひぃいいいいいいいいい!! 宮白先輩を怒らせるのは本当に怖いですぅううううう!!」

 

 部長がドン引きし、ギャスパーが恐れおののいて悲鳴を上げた。

 

 ・・・やばい、宮白なら本当にやるかも!

 

 アーチャーさんも怒らせなければ結構いい人だけど、属性が悪名だけあってやると決めたら容赦しないし、俺後日ディオドラの肺でできた酸素ボンベとか渡されそうで怖いぞ!!

 

「・・・あらあら、これは別の意味で駆け付けたほうがいいような気がしますわ」

 

「で、ディオドラさんは確かに悪い人ですけど、それはさすがに―」

 

 さすがにドン引きの朱乃さんや、明らかにあわてるアーシアを見ながら、さて俺はどうしたものかと考えた。

 

 や、やっぱり止めに行ったほうがいいよな? これはさすがにまずいんじゃ―

 

「そうは問屋が卸さないぜ? これが」

 

 ・・・最近聞いたばかりの嫌な奴の声が響いた。

 

「まあ初手で詰めれるとは思っちゃいなかったが、さすがにオーディンは想定外だな。・・・一応出張ってきて正解だったぜ」

 

 フィフス!? なんでこんなところに!!

 

「貴方まで出てくるとは思わなかったわ。どうやらこの作戦、旧魔王派だけでなく、他の派閥も協力しているようね」

 

「禍の団同士の連携がここまでとは思いませんでした。・・・急ぎすぎているこの行動に協力するとは、現在の主流は旧魔王派のようですね」

 

 部長と会長が鋭くにらみつけるが、フィフスは全く動じない。

 

「・・・将来危険になりそうな連中を真っ先に片づけるのは戦略としてあってるだろ? 乳首つついて禁手に至るような奴、不確定要素すぎるから即倒すっつの、これが」

 

 俺のせいかよ!?

 

 乳首つついて禁手に至って何が悪い。あの衝撃が理解できないとは哀れなやつめ! 不健康そうな顔してるからモテないだけだろ!!

 

「状況わかってんのか? お前がどれぐらい強いかしらねえけどよ、禁手状態のイッセーと感卦法状態の桜花を同時に相手にし、勝てると思ってるのか?」

 

「さすがに舐められたものだね。いくらあのサイラオーグ・バアルを相手に渡り合ったとはいえ、君ひとりでこの数を相手に倒せるとでも?」

 

 匙と木場が前に出て神器と剣を構える。

 

 確かにパーティの時は一瞬で倒されたけど、俺だってすでに禁手になってるんだ!

 

 あの時のような情けない真似は絶対しない! さっさと片付けて宮白のところに向かわないと!!

 

 だが、フィフスは不敵な笑みを浮かべると両手を大きく広げる!

 

「俺を馬鹿にするのもたいがいにしてほしいな! これでも戦略ってものの基本中の基本はわかってるつもりだぜ!?」

 

 ・・・何が言いたい?

 

 と、俺たちの耳に妙な音が聞こえてくる。

 

 まるで何かが落ちてくるような―

 

「敵と戦うときは敵より多くの数をそろえる! これは基本中の基本だろ、これが!!」

 

 フィフスがそういうと同時、それは落ちた。

 

 全身頑丈そうな鋼で包まれた巨体。

 

 その重量を支える、見るからに力がありそうな太い脚。

 

 俺たちをにらみつける単眼は、不気味に輝いている。

 

「キャスター特製の俺専用の護身用兵器、まあ名前は適当につけてくれ―」

 

『機★獣! 咆☆哮! エドワァアアアアアアアアドォオオンッ!!』

 

 合成音声でなんかものすごく響き渡った。

 

 ・・・・・・・・・いやな沈黙だ。

 

 なんていうか、ぽつぽつとあのドラム缶が出てきている中、本当に微妙な感じになってきている。

 

「・・・あ、カテレア? ちょっと悪いんだけどキャスターに一週間ほど青汁毎食飲むように言ってくれる? ・・・ああ、令呪を楯にとればなんとかなるだろ」

 

 どうやら想定外だったらしく、フィフスもものすっごくおこりながら通信してた。

 

 と、さらに例のごとくドラム缶が大量に降下してくる。

 

 さらに、なんていうかSFに出てきそうなフルアーマーの装備をした奴らまで、なんとでっかい斧をもって現れてきた!

 

「・・・気を取り直して! 先生! お願いします!!」

 

「マジ気が抜けた感じ。まあやるしかないって感じ」

 

 さらに後ろから一人の女性が歩いてくる。

 

 ドレスっぽい恰好をした女性が一人、同じくドラム缶を引き連れてこっちに近づいてきた。

 

「英雄派所属の、エリザベート・バートリィの末裔、ウィン・バートリって感じ。・・・面白そうだからちょっと殺されてって感じ」

 

 なんていうかふざけた女が現れやがった!!

 

 とはいえ、こんなところにやってくるからにはこいつもただ者じゃないんだろう。油断していい相手じゃない!!

 

「・・・ディオドラの眷属にも一応蛇は渡してある。想定外の事態が起きたら速攻で飲むように言ってるからな。・・・どっちが先かは知らないが、仲良くあの世に行ってくるといいぜ、これが」

 

 フィフスが嘲笑うようにそういうと、槍を呼び出して俺たちにつきつける。

 

「やっちまいな、ユーヌス!!」

 

『承知!!』

 

 エドーワードンとかいうロボットの口が開いて、そこから白い光が漏れだした。

 

『粒機波形高速砲、発射!!』

 

 ってビームかよぉおおおおおお!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side Out

 

 

 

 

 

 

 

 

 ちょっとこれは想定外の展開その二だな。

 

「な・・・なんだって?」

 

 ディオドラも目を見開いて驚愕している。

 

 今、俺たちの目の前で起きている展開は一つ。

 

「あ、あ、ああああああああ」

 

「ひ、ひぃいいいいい!?」

 

「ひゃっは、ひゃは、ひゃはは」

 

 発狂状態といっていいほどに錯乱している、ディオドラの眷属の姿だった。

 

「お、お前、何をした!?」

 

 眷属全員で襲撃させようとした途端に急にこんな事態になり、ディオドラは明らかに混乱していた。

 

「っていうかお前は何ともないんだな? ・・・昨日送られてきたベルゼブブ様からの差し入れはどうした?」

 

「ああ、僕はすでに夕食を終えていたから女の一人にくれてやった・・・まさか!?」

 

 その言葉に、ディオドラは理解したようだ。

 

 まあつまりこういうことだ。

 

 試合開始前に仕込んでいた。

 

 周囲に魔力を流すことで活性化し、精神干渉を引き起こす宝石粉末をベースにした限定礼装を仕込んだケーキを、ベルゼブブ様経由でディオドラと眷属に差し入れさせておいたのだ。

 

 こいつらが裏切らなければ意図的に発動させず、さらにフィールドに用意した細工が防御するので発動することなく体外に排出される。そうでなければ裏切りが確定した瞬間に発動することで、戦闘に集中できない程度の精神攻撃でこちらに有利に事を進める。どっちに転んでも根回しもあって損はしない程度の行動だったのだが、どうしてこうなった?

 

「くそ! こいつらは全員、フィフス・エリクシルに渡された蛇を飲んでいたはずだぞ!? たかが下級悪魔の細工程度にやられるわけがない!!」

 

 泡を食ったような状態のディオドラだが、そのおかげで俺はどういうことか大体わかった。

 

「・・・蛇を飲んだのがケーキ食った後だとすれば、蛇は仕込みも強化しちまったんだろうな。ついてないよお前」

 

 蛇がどういった形に強化するのかはわからんが、どうやら精神力までは強化しないのだろう。

 

 だからブーストされた精神干渉によってフルボッコにされているというわけだ。

 

 ・・・アインツベルンはやれ悪神召喚しようとしてただの被害者呼ぶとかいう作戦自体が裏目に出る連中らしいが、まさかこの世界でもやらかすとは。

 

 まあおかげで面倒事が減ってくれた。

 

 とっとと終わらせてイッセーたちと合流しようか。

 

「さて、そろそろボコられる覚悟はできたか?」

 

 偽聖剣のオーラを放出しながらの俺の脅しに、ディオドラはようやく我に返る。

 

 それでもまだ動揺していたが、ふと何かに気づくと自信満々の表情になった。

 

「・・・まあいいよ。僕はすでに蛇で強化されているんだ。魔王の血筋がオーフィスの蛇を受け入れるんだ。彼らよりのはるかに強化されているのは想像できるだろう?」

 

 なるほど、確かに目の前で見ればわかるぐらいに本気のオーラが漂っている。

 

 確かに下手な連中なら返り討ちだろう。アガレス眷属を単騎奮闘で撃破したのもうなづける。

 

 だが―

 

「君もなかなか面白いおもちゃを持ってるようだけど、そんなおもちゃで僕を倒せるはずが―」

 

「グダグダうるさいな、お前」

 

 御託を並べるその顔面を殴り飛ばした。

 

 ・・・夢幻の聖剣で幻影作り出してから、透明の聖剣で姿を隠してただ歩いて殴っただけだ。こいつの性能なら普通にできる。

 

 ちなみに殴る瞬間に破壊の聖剣と祝福の聖剣を活性化させたので、悪魔は非常に大ダメージだろうな。

 

「な、い、痛い? 痛い痛い痛い!?」

 

「アーシアちゃんの分・・・だなんてことを言うつもりはない」

 

 予想はしていたがやはりこの程度か。

 

 赤龍帝の籠手と偽聖剣のデータを比べて、わかったことが一つある。

 

 総合性能なら、この二つは同レベルだ。

 

 イッセーがまだまだ未熟なのと、アーチャーやアザゼルの能力が非常に優れていることがあり、身体能力強化の性能だってそこまで大きく離れているわけじゃない。

 

 倍化の譲渡などがあるので不利と思われるかもしれないが、こちらも祝福があるからサポートとしてもそこそこできる。

 

 性能差も破壊と天閃があるから十分対処可能な範囲内だ。

 

 もちろんそんな高性能な武装をフルに使うのは大変だが、これでもだいぶ慣れた。

 

 出力制御は聖剣因子で、機能制御は魔術回路で対処すればいいだけの話。最初は並列作業に苦労したが、なれればそこまで苦労するほどのことでもない。

 

 まだまだ性能にも伸びしろがあるし、これは俺の主力として長い間使っていけるだろう。

 

 まさか本当に隠し玉がないのか? この程度の性能で、赤龍帝を倒せるわけがないだろうが。

 

「ただ個人的に、お前みたいなくそ野郎を無視できる性分でも無いだけだ。・・・立てよクソ野郎。俺の親友は正義の味方やることになってんだ。その俺が、鬼畜調教野郎見逃すわけにはいかないんだよ!」

 

 ・・・地獄はすでに始まったぜ。

 

 さあ、泣きわめけクソ野郎!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アザゼルSide

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 いまごろ兵夜はディオドラをフルボッコしているだろうな

 

 素の状態でも十分勝負になるだろうあいつが偽聖剣を使えば、眷属全員を相手にするなんて無謀な真似をしない限り負けることはまずない。

 

 その眷属相手にもすでに仕込みを済ませている以上、本当に一人でワンサイドゲームを起こす可能性だって十分にあった。

 

 ・・・そしてこっちのほうもなんというかあっさり片が付いたな。

 

「おのれ、偽物が、偽物のくせに、本物を、本物をよくもぉおおおおおおおお!!」

 

 消滅の魔力の嵐に、クルゼレイがなすすべもなく消滅する。

 

 サーゼクスの全力の前に、圧倒的に叩き潰されたんだよなぁ。・・・俺、堕天龍の鎧まで出したのに意味がねえじゃねえか。

 

「・・・まあ、これで幹部の一人は撃退ってわけか。どうするオーフィス、これで三対一だが?」

 

 おれはぼんやりとそれを眺めるドレスを着た少女の姿をした龍に視線を向ける。

 

 無限の龍神、オーフィス。

 

 禍の団の首領、静寂を求めるもの。グレートレッドを滅ぼすために、多くの連中の力を借りようとするもの。

 

 ・・・まあちょっとぐらいは気持ちはわかるんだが、こいつの目的は間違いなく俺たちにとって害となる。

 

 今のオーフィスは変質している。そんな状態のこいつをあの場所にとどめるようになったら、一体どんな影響が世界に出るかわかったもんじゃない。

 

 ・・・正直この状態でも苦戦は必須だろうが、しかしとっ捕まえることができるなら、やるべき相手だ。

 

「サーゼクスが真の姿見せたら、我、さすがに手こずる」

 

 どうやら少しだけ本気モードになったらしいオーフィスが、サーゼクスに視線を向ける。

 

「その力、グレートレッドを倒すために振るってほしい。そうすれば、この場は下がらせる」

 

「あいにくそういうわけには行かない。今の我々にとって、グレートレッドがあの世界にいることは必要なのだ」

 

 全力で警戒しながらも、サーゼクスははっきりと言い切った。

 

 悪いなオーフィス。今のお前をあの世界においておくなんて判断は、各勢力のトップじゃ考えるわけにはいかないんだよ。

 

「逆に聞くぞ。禍の団を解散させて静かにすることはできんのか? そうしないのであれば、こちらも全力をもってお前を滅するしかないぞ」

 

 タンニーンがそう警告するが、しかしオーフィスは首を横に振った。

 

「それはない。我の居場所はあそこ。諦めるのは無理」

 

 やはり説得は難しいか。

 

 仕方がねえ。ちょっとハードモードだが、ここでこいつをとっつまえて―

 

『ピンポン♪パンポン♪ピンパンポーン! パラケ☆ラススの時間だよー』

 

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 なんか上から降ってきた。

 

『素敵なー♪ マジカルー♪ 錬金術師だー♪ マジカルリリカルキルゼムオール☆ パラケ☆ラススの参上なん―』

 

「うっせえよ!!」

 

 あ、つい砲撃しちまった。

 

 なんか巨大な人型みたいだったが、なんだいったいマジうぜえ!

 

『あ、こら、パラケ☆ラススの歌はまだ途中だよ!? 最後まで聞いてくれないと怒るよ!?』

 

「怒ってんのはこっちだよ!! 今シリアスなんだから邪魔するなコラ!!」

 

 どうもピンピンしてるらしい。ええい、サーヴァントは化け物か!!

 

「キャスター、無事か?」

 

『はっはっは! このパラケ☆ラススを甘く見ないでくれたまえ! これは遠隔操縦だから僕本体に傷は一つたりとも存在しないよ!(^^)!』

 

 そうか、ここにはいないのか。

 

 ・・・いたら吹っ飛ばしてやったものの・・・っ!

 

「落ち着けアザゼル。明らかに敵の思うツボだぞ」

 

 タンニーンになだめられるが、しかしむかつくことに変わりはない。

 

 ああ、ほんと吹っ飛ばしてぇなオイ!!

 

『まあそれはともかく、首領がぽんぽん戦場に出てくるのはお勧めしないよ? ここはこのパラケ☆ラススの新作兵器に任せて、さっさと用事を果たして来ちゃいなさい♪』

 

「わかった」

 

 キャスターにそう促され、オーフィスは踵を返してそのまま飛び去っていく。

 

 逃がすわけにも行かないので追いかけようとするが、そこを巨大な人型が遮った。

 

 全長二十メートルは超える巨体。赤青黄で塗られた派手な機体・・・って

 

「スーパーロボット!?」

 

『YES☆なのさ♪ これぞ、僕が異世界の技術まで合わせて開発した特製品、錬金魔人☆アルフォンスン!!』

 

 明らかに子供向けテレビ番組のノリでポーズをする巨体は、その両腕をこっちに向ける。

 

『さあ足止めさ☆ 飛翔鉄拳☆ブットブゼーアームッ!!』

 

 肘のあたりから煙が噴き出て・・・って

 

「ロケットパンチだとぉおおおおおお!?」

 

『ファイヤ☆』

 

 オイちょっと待てふざけんな!

 

 なんだそのロマン兵器! 俺が先に実用化したかったぞオイ!?

 

 

 

 

 

 

 

 

Side Out

 

 




キャスター大暴れルート。

禍の団の魔法の言葉は、「キャスターが作った」です。実に便利なキャラクターを作ったもだと自分でも思っております。

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