ハイスクールD×D 転生生徒のケイオスワールド   作:グレン×グレン

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ディオドラ処刑タイム。スタート。


四手 敵JOLTブロー、直撃

 

 連続で高出力の魔力のビームが放出されるが、しかし警戒心を生み出すほどではない。

 

 殺気が見え見えな上に、発射タイミングがすぐにわかるので回避するのが非常に容易だ。これなら警戒するまでもない。

 

 素早くかわしておとりの幻影を生むなりしてから、透明で接近してボディブロー

 

「ぐえ!?」

 

 先に幻影を突進させて、とっさの行動をしている最中に横から光魔力を砲撃。

 

「ぐは!?」

 

 天閃の速度を最大限に発揮してから、祝福を発動させてサブミッションを叩き込んで聖なるオーラで焼き尽くしつつ間接を極める。

 

「があああああああ!?」

 

 苦し紛れに魔力を込めた腕が振るわれるが、それをかわして、

 

 右ジャブ三回

 

「ば! ぶ!? べ!?」

 

 左正拳突き。

 

「ぐほっ!」

 

 右張り手。

 

「ふばっ!」

 

 ローキックを脛に。

 

「ぎゃぁ!?」

 

 ネリチャギ。

 

 シャイニングウィザード。

 

 さらにカウロイを連続で。

 

「グゲ!? んが!? がぼぼぼぼっ!!」

 

 さらに頭部を足でつかんで、フランケンシュタイナーで壁にたたきつける。

 

「あっばっはぁああああああ!?」

 

 ・・・弱い。単純な力技に持ち込まれなければこの程度か。

 

 古来より武術が戦場で生まれたのも納得できる。

 

 圧倒的な力は確かに技を寄せ付けないが、しかし力の差が大きくなければ技に長けたもののほうが勝利をつかむ。

 

 筋力の強化は時間をかければいいというものではない。それゆえに強化できるスピードにはある程度の限界が存在する。

 

 ならば技を習得することでその限界に別アプローチを試みるのは当然だな。アザゼルがパワータイプにとってカウンター主体のテクニックタイプが天敵だというのもわかるというものだ。

 

「ば、馬鹿な馬鹿な馬鹿な馬鹿な馬鹿な馬鹿な馬鹿なぁあああああ!?」

 

 あまりにも信じられないようで、ディオドラは全身から血を流しながら地面を何度も悔しそうに叩く。

 

「情愛の深いグレモリーの連中がこんなに強いなんてありえない! 僕は高貴にして高位のアスタロトだぞ!? 魔王ベルゼブブの血族だぞ!?」

 

「血縁的なものが才能にかかわるというのはわからなくもないが、それを磨かなければ意味がないだろう。十で神童十五で才子二十過ぎれば只の人って言葉を知らんのか」

 

 これだから、才能を伸ばす努力を一切しない馬鹿なボンボンはだめなんだ。

 

 もし上級悪魔が皆努力と修練を積むことをいとわなければ、転生悪魔による上級悪魔社会の参入はもっと遅れていただろう。

 

 自業自得で身から出た錆。そんなやつが蛇を使ったところで、できることにはたかが知れてるということだ。

 

 だがその意味を理解しようとも思ってないようで、ディオドラは目を血走らせながらこっちをにらみ、魔力で円錐上の物体を作り出す。

 

「下賤で下劣な転生悪魔の分際で、ほざくなぁああああああ!!」

 

 円錐が高速で飛来する。

 

 それらは回避行動をとらなかった俺の鎧にピンポイントで当たる。

 

 狙いは装甲の継ぎ目や薄い個所。そこに収束させて貫通することで、一発逆転を狙う腹か。

 

「赤龍帝の鎧なら、効果はあっただろうな」

 

 だが効かない。

 

 それに向こうも気づいたのだろう。その表情が絶望一色に染まる。

 

「な・・・な・・・なんで!?」

 

「こいつに擬態と祝福の力があるのを忘れたか? 直撃する瞬間にオーラと装甲厚を変化させれば、この程度の対策は簡単に取れる」

 

 ディオドラの戦闘をみて、こいつは魔力の精密コントロールに長けるということは気づいていた。

 

 ならばイッセーに対する最終手段として、この戦法は当然予測できる。

 

 だからこそ俺が出張ったんだ。

 

 少しでも確実に絶望を与えるためには、こいつに一矢報いるという奇跡すら与えてはならない。

 

 すべての手段を封殺して、絶対に勝てないという絶望で心をへし折る。

 

 そしてしかし生かしてとらえ、しかし生涯後遺症が残るような重症を負わせなければならない。

 

 だから俺が適任なんだ。イッセーやゼノヴィアじゃあ勢い余って殺しちまうか、微妙なダメージで終わらせかねない。

 

「・・・安心しろ。アーシアちゃんが眷属なおかげで助かってるのはこっちだ。そういう意味では恩義があるから殺しはしない」

 

 ただし―

 

「・・・死ぬほど地獄を見てもらうし、五体不満足になってもらうがな!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 だというのに、アーチャーからの連絡でそれどころではなくなってしまったではないか。

 

「お前らが想像以上に戦力投入するから、こっちも急いで救援に行かなきゃいけなかったんだぞ? ・・・まだ歯ぁ全部引っこ抜いて、目につくものすべてがクリーチャーにしか見えないように洗脳して、リアルタイムでホモ系エロビデオの映像が目に映るようにしただけだってのに。この後礼装の応用による感覚共有で知り合いの重度のホモマゾ(pi-)マニアの感覚と視界も加えようとしていたところで邪魔しやがってからに」

 

「・・・お前敵に対して悪逆非道すぎやしねえか? 確か日本は犯罪者にも人権与えてるはずだが」

 

 フィフスがドンびいているが、しかしそれぐらいはしておく必要があるだろう。

 

 それと、俺は犯罪者の人権が被害者の人権より上回っていいとは思ってはいない。それに食生活に関してはそれなりに譲歩するつもりだぞ? その分魔力も搾り取るが。

 

 二度と反抗しようなんて考えるどころか、ただ恐怖に震えることしかできないようにするぐらいじゃないとだめだろう。それぐらいはしても罰は当たるまい。少なくとも全部許可は取っている。

 

「イッセー、久遠、無事だな? 間に合ったようでよかった」

 

「宮白遅ぇよ! っつーか怖いなお前!?」

 

「よっしゃー! 兵夜くんから名指しで心配されたー!」

 

 とりあえずこの二人は無事か。

 

 それに、見る限りほかのメンバーも無事なようだ。

 

 ・・・さて、なら俺のやることは決まっている。

 

「・・・部長、指示を」

 

「ええ、わかり切っているわ、兵夜」

 

 あえて部長の前に降り立ち、そして主の命を待つ。

 

 一応彼女の下僕なんだし、こういう時こそいうこと聞かないとな。

 

「・・・レーティングゲームを汚した愚か者たちを、叩き潰してあげなさい!!」

 

「イエスマイロード!!」

 

 俺は突進してシャルバへと殴りかかる。

 

 聖なるオーラを充填させ、さらに光魔力も込めた全力の一撃を、しかしシャルバは片手でとめる。

 

「舐めるな下民!! ディオドラごときと一緒にするな!!」

 

 さすがに旧魔王血族がドーピングすると格が違うか! コカビエルより少し上ってところか?

 

 さらに、真後ろからフィフスが槍をもって回り込む。

 

「サーヴァントを呼び出すのはお前が先だろうこれが! お前程度がサーヴァントの力抜きで何ができる!!」

 

 ほう、言ってくれるな。

 

 だが甘い。

 

「呼び出すまでもない。・・・アーチャー!!」

 

『ええ、躱しなさい、マスター』

 

 天閃を全力で発動させて横に飛ぶと同時、シャルバとフィフスに極太の魔力砲撃が襲い掛かる。

 

 二人は素早く防御したが、しかしダメージをゼロにできるわけもなくダメージが入っている。

 

 っていうか、フィフスの奴は何気にシャルバを楯にしてやがるな。ちゃっかりしてるというかなんというか。

 

「なんだと!?」

 

「おいおい最上級悪魔クラスの砲撃だぞ!? どこからぶっ放した!?」

 

 あわててあたりを見渡す二人の視界に、その要因が映っただろう。

 

 ・・・空を舞う飛行物体が、砲撃をぶっ放していることに。

 

「ま、ま、まさか―」

 

「そう、そのまさかさ!!」

 

 俺はそれに飛び乗り、素早く偽聖剣を変化させて接続させながら感づいたフィフスに勝ち誇る。

 

「詐欺同然の呼び出しをしたアーチャーに余計なリスクを背負わせるわけないだろう? こいつは俺とアーチャーのつながりを利用して、遠隔地からアーチャーの魔術を行使する戦闘支援装置、トゥムファーアイン!!」

 

 近接戦闘に持ち込まれた時の備えも当然用意していたが、そもそもそんな危険な状況下に持ち込まれないようにすることが一番なのは当然だ。つーか王女を戦場に引っぱり出すとか明らかに悪趣味だろう。

 

 だから当然考えたさ。アーチャーを安全地帯に置いたまま、アーチャーの戦闘能力を発揮させる装備の一つぐらいは!!

 

「発想がすさまじいというかなんというか。サーヴァントの力を借りながらサーヴァントを安全圏に置くという発想がまた恐ろしいなこれが」

 

「下らん。己の使い魔風情の安全に気を使ってリスクを負うなど、これだから下賤な者は駄目なのだ」

 

 呆れるフィフスと、蔑むシャルバだが、しかしこいつら状況わかってるのかね?

 

「後方注意だ馬鹿ども」

 

「ドラゴンショットー!!」

 

「京都神鳴流、斬空閃乱れ切りー!!」

 

 俺が指摘すると同時に、イッセーと久遠が後ろから集中攻撃を叩き込む。

 

 しかしそれは、なんか機械で出来た鳥みたいな恐竜みたいな化け物が楯に入り受け止めた。

 

「・・・甘く見てもらっちゃぁ困るなぁこれが。俺たちだって勝ちに来てるんだぜっとぉ!!」

 

 そしてフィフスは両足に力を込めて飛び上がる。

 

 ―イッセーたちより後方、部長たちの方向に!?

 

「グレモリーは片づけとくぜ!? お前も魔王名乗るならこの程度一人で何とかして見せな!!」

 

「言われるまでもない。ハーフ堕天使の力など借りずとも、この程度片づけて見せよう」

 

 あの野郎! 先に数を減らしてから畳みかける腹か!

 

 確かに数を減らすのは集団戦の基本戦術。理に適ってやがる!

 

「チィッ! 久遠! 追いかけろ!!」

 

「会長ーっ!」

 

 瞬時に駈け出す久遠だが、その眼前に魔力で出来た壁が立ちふさがって俺たちの進行を食止める。

 

 見ればハエのようなものが数えきれないほど飛んでいて、魔力の壁を生み出していた。

 

「行かせるわけがなかろう? 真なる魔王の機嫌を損ねたのだ。大人しく首を刎ねられるがいい」

 

 シャルバが嘲笑いながら両腕に魔力を込める。

 

 チッ! こりゃ先に片づけないとだめか。

 

「イッセー! あと何分持つ!?」

 

「あ、あと20分ぐらいだ!」

 

 ・・・十分! それで終わらせる!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 祐斗Side

 

 

 

 

 

 

 

 面倒な敵が突撃してきたか。

 

 フィフス・エリクシルがこちらに向かって先行してくる。

 

 偽聖剣をまとった宮白くん、禁手状態のイッセーくん、そして感卦法状態の桜花さん。

 

 寄りにもよって僕らの中でも一騎当千の実力者を、シャルバによって足止めさせている状況下だ。

 

 これは、まずいか!

 

 僕らが戦慄する中、しかし生徒会に動揺の色は見られなかった。

 

「皆さんは雑兵とリット・バートリの相手に集中してください。フィフスはどうにでもなります」

 

 会長が一歩前に出て、フィフスと相対する。

 

 いや、いくらなんでもそんな・・・。

 

「おいおい。アンタ、自分がサイラオーグ・バアルと同等のつもりかよ?」

 

「いいえ? 彼と同等の戦闘能力があるなどとおごり高ぶるつもりはありませんし、私であなたの相手をするのは無理があるということもわかっています」

 

 会長はパクティオーカードを取り出しながら、不敵に笑う。

 

「・・・なら、戦える相手を呼んで相手をしてもらうのが合理的です」

 

 ・・・え?

 

「召喚!!! 桜花久遠!!」

 

「よっしゃ復習してて正解だったー」

 

 虚空からいきなり桜花さんが現れた!?

 

「な、なにぃいいいいい!? 召喚魔法だと!?」

 

「いやぁ、実は仮契約は契約相手を呼び出すという機能がついてましてー」

 

「反則だぁああああああああっ!!!」

 

 まさかこのタイミングで割って入るとは思っていなかったのか、フィフスはあわてながら桜花さんの攻撃を捌く。

 

 と、とりあえずこれでフィフスの方は注意を向けなくても何とかなりそうだ。

 

 だかそれでも・・・っ

 

「くっ!」

 

 パワードスーツの兵士たちが、巨大な斧を軽々と振り回して連続して切りかかる。

 

 単純に筋力が増強されているというだけでない、これはこの状態での高速戦闘に慣れていなければ不可能だ。

 

 パワードスーツ自体にスラスターが内蔵されているのか、三次元的な高速移動を行って攪乱してくる。

 

 リョウメンスクナで機動力を高めているにもかかわらず、同時に三人相手するのが精いっぱいだ。

 

 幸い、近接戦闘に限定しているせいで向こうも四人も五人も投入することができないせいで何とかなっているが、しかし敵は彼らだけではない。

 

 油断していれば例のドラム缶もどきの砲撃が叩き込まれるし、さらにエドワードンとかいう大型兵器が大火力で敵味方問わず薙ぎ払おうとする。

 

 廃棄予定の兵器を使用するのであるならば、どうせ捨てる以上残しておく必要はない。合理的な判断ゆえに苦戦を強いられていた。

 

 戦場も戦場だ。隠れるところがない開けた地形で戦闘しているがゆえに、数を最大限に生かされている。

 

 さらに―

 

「あっはははははって感じ! ほらほらどうしたって感じ?」

 

 巫山戯た物言いのリット・バートリが放つ攻撃が部長や朱乃さんたちウィザードタイプの攻撃を掻き消し、援護攻撃が一切発動できない!

 

 この場にイッセーくんがいれば、乳語翻訳で相手の行動を読むことである程度対処できただろうが、今のイッセーくんはシャルバの相手で精一杯だ。

 

 このままだと・・・不味い!!

 

「ゲリラ戦的に一人ずつ片づけるつもりだったが、これなら俺が来なくても何とか出来たかもなこれが!!」

 

「その時は真っ先に三人がかりで倒すだけだったけどねー!」

 

 桜花さんと切り合いながらのフィフスの嘲笑が響く。

 

 実際桜花さんと今の段階でも互角に切り結んでいるフィフスの戦闘能力は驚異的だ。むしろ僅かながらに押しているといってもいい。

 

 桜花さんの場合は、単純な戦闘技術が僕ら全員の中でも最上位に位置し、そこに感卦法という能力強化を重ねがけることで圧倒的な戦闘能力を発揮している。それゆえに技量とスペックの二つで圧倒的であり、総合的に見ても味方側で最も強いといっていいだろう。

 

 だが、レーティングゲームで本人が認めたように感卦法は制御が難しいはずだ。

 

 長時間の戦闘には向いていない。この調子ではフィフスのほうが有利か!

 

 最強戦力を釘づけにするフィフスと、魔力攻撃を片っ端から無効化するバートリ。

 

 あの二人のせいでこちらの戦闘が大きく不利になっている。

 

「・・・抑え込みました! 今です!!」

 

 そしてその戦闘の中、子猫ちゃんが機械兵器の脚に食いついて動きを止める。

 

 たとえ仙術が使えなかろうと、子猫ちゃんの戦車としての怪力は驚異的だ。一時的に動きを止めるぐらいなら問題ない。

 

「今よ! 集中砲火!!」

 

 部長の声で、全方位から魔力攻撃が叩き込まれる。

 

 だが、バートリの指輪が輝くと同時に炎へと変化し、そして波動で掻き消される。

 

 だが、そこにソーナ会長の指示が響く。

 

「そこは読んでいます! 由良、匙!!」

 

「「了解!」」

 

 飛び上がった由良さんが、神珍鉄自在棍でその頭部をたたきつけ、その衝撃で開いた口の、ビーム砲の発射口に匙くんのラインがたたきつけられる。

 

 そしてラインはもう一つのび、敵の体へとくっついた。

 

「この状態で砲撃すれば、ラインを流れて敵自身にもダメージが入ります。これでビーム攻撃は封じました!」

 

 敵の最大火力を封じるのが目的か!

 

 機動兵器はその怪力で全員を弾き飛ばすが、しかしラインは消えずそのまま残る。

 

 これで砲撃は迂闊に使えない! 少しは楽になるか!

 

「ちっ! やはり戦闘の基本は頭を抑えることか!!」

 

 その様子をみたフィフスが、素早く距離をとると桜花さんを無視して会長に迫る。

 

 桜花さんはそれを追いかけようとするが、しかしパワードスーツ部隊が組み付いてそれを止める。

 

「あ、ちょっ!? 会長ー!?」

 

 桜花さんが焦り、そして僕も走るが間に合いそうにない。

 

「大将首もらったぁ!!」

 

 高速で突き出されるガ・ボルグ。

 

 確実に会長を貫くであろうそれはしかし、割って入った剣に受け止められる。

 

「・・・会長に手出しはさせない!!」

 

 幅広の日本刀を構えた巡さんが、かろうじて割って入っていた。

 

 あの距離では間に合わないはずだが、彼女も瞬動を会得していたのか!

 

 絶好の機会を逃し、しかしフィフスは面倒そうにはしていても悔しがってはいなかった。

 

「ちっ! だがお前の技量で俺には勝てな―」

 

「なら私が力で凌駕しよう」

 

 素早く切り返そうとしたフィフスは、その攻撃をとっさに防ぐも勢いを殺せず弾き飛ばされる。

 

 続けて駆け付けたゼノヴィアが、フィフスをデュランダルで弾き飛ばしていた。

 

「最近になって理解した。私は力を振るうことは得意でも、力を制御することには向いていない」

 

 フィフスと対峙しながら、ゼノヴィアはデュランダルの力を解放させる。

 

「だからこう考え直すことにしたんだ。・・・とにかく高めることに全力を尽くし、リアス・グレモリー最良の剣ではなく最大の剣となろう、とな」

 

 放たれたオーラは刀身となり、すでにその高さは敵の兵器の全長すら凌駕するほどになっている。

 

 それを見たフィフスは、目を大きく見開いて驚いていた。

 

「え・・・ちょ・・・ま、待て―」

 

「―叩き切る!!」

 

 全力を込めて振り下ろされたデュランダルは、強烈なオーラの奔流となって一気に周囲を薙ぎ払った!

 

 ・・・切り裂いた先が見えなくなっている。まさかこれほどまでの破壊力を発揮するとは思わなかった。

 

 だが、フィフスはそれをかろうじて回避していた。

 

「危ないなこれが!? グレモリー眷属はどいつもこいつも放っておけない危険人物の群れだから困る!!」

 

 オーラに少し焼かれながらも、しかし無事な姿を見せるフィフスはそう毒づく。

 

 だが、これなら勝算は十分にある。この調子でいけば増援がくるまで何とか持ちこたえることができるはずだ。

 

 だが、フィフスは舌打ちすると、懐から通信機らしきものを取り出した。

 

「だったら叩き潰すだけだ・・・パンツァーフォー、フォイヤ!!」

 

 そういうと同時に、素早く後方に下がる。

 

 何をする気だ? そう思った瞬間、それに桜花さんが真っ先に気づいた。

 

「・・・会長ー!? 3時の方こ―」

 

 明らかに焦っている桜花さんの声にとっさに飛びのいて、しかしそれは完全には間に合わなかった。

 

 閃光が、僕たちを包む―

 

 

 

 

 

 

 

 

Side Out

 




とりあえずディオドラは徹底的にぼこりました。

ぶっちゃけ偽聖剣の性能は基本スペックでは赤龍帝の鎧に劣りますが、要所要所ではまだ追い抜けるレベルなうえ、特殊能力が上なのでテクニックタイプが使うならこちらのほうが高性能というチート武装。基本聖剣なので対悪魔戦ではアスカロンが左腕限定のイッセーより使い勝手がいいです。

ぶっちゃけ呪詛をかけて悪魔爆弾にするという案もありましたが、さすがに体制側でそれはマズイと没にしました。・・・体制側じゃなければ兵夜はやっていたとか言わない。マジそうだけど言わない。

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