ハイスクールD×D 転生生徒のケイオスワールド   作:グレン×グレン

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今回も感想がいっぱいだったぜ☆



外伝作品もよろしくね! 感想待ってます!!


お父さん、傷心です!

 

 と、思った瞬間に忙しくなってきた。

 

「ほ、ほらバラキエル! どうせ今のオーディンにはアザゼルがついてんだから、明日に残らない程度に呑んで忘れようぜ!!」

 

 肩を落とす大男と、それを慰める男勝りな少女。傍から見れば父親を慰める娘の構図だが、残念なことに親子ではない。

 

「・・・まあ我らがお姉さまのお父さんとなれば歓迎させていただきます。ほら、これ一本20万円!」

 

 かなり本気で落ち込んでるようなのでこちらも本気で持て成そう。つまみは何がいいかな?

 

「あの兵藤一誠という男、朱乃の乳を食ったりせんだろうか?」

 

「食わねー食わねー。そんな度胸ねーから安心しろ」

 

「そうです! 人肉食に興味はない男ですから安心して!」

 

 と、いうかどんな誤解してるんだこの人? おおかたアザゼルあたりがいらんこと吹き込んだんだろうが実に迷惑だ。

 

 堕天使バラキエルは酒を口にしながらつまみも運ぶが、その表情はやはり暗い。

 

 ・・・どうも朱乃さんと口論になってしまったそうだが、その原因がイッセーを危険視してのことだ。

 

 欲望に負けて堕ちた堕天使ならイッセーを意気投合してもおかしくないのだが、この人なんで堕ちたんだろう?

 

「小雪から朱乃の身の回りのことは聞いているが、しかしやはり心配だ。・・・言ってはなんだがラブホテル街で鼻血を出しているなどスケベすぎるとしか思えん!」

 

 ・・・イッセー。だからなんでお前は俺をもってしてもフォローできないことをするんだいったい。

 

 そんなのが愛娘と一緒にいるところを見れば確かに不安になっても全くおかしくない。一言言おう、馬鹿すぎる。

 

 とはいえ朱乃さんはそんなイッセーにベタ惚れだから、危険視されれば逆に敵視してしまうというもの。

 

 ただでさえ嫌悪していることもあって、相当やばい展開になっているようだ。

 

「・・・ねえねえ、そもそもなんで朱乃って堕天使嫌いなの?」

 

 ナツミがすごい聞きづらいことを聞きやがった。

 

 思わず視線をそっちに向けるが、ナツミは俺にしか見えない位置でウインクする。そしてその手にはメモが。

 

『俺様が情報聞き出してやるから、フォローは任せた』

 

 なんていい子! これならいけるか!?

 

「いや、見えてるぞ?」

 

 後ろから小雪のツッコミが入った!

 

 台無しだった。

 

「・・・まあいいだろう。君たちには知る権利がある」

 

 酒を呑みながら、堕天使バラキエルはそう呟いた。

 

 それを聞いて、小雪はため息をつくと酒を片手にソファーに座り込む。

 

「じゃーせめてあたしが話すよ。あんな話、自分から話すこたーねーだろ」

 

「いや、お前だって―」

 

「いいから。アンタより客観的に話せる自信はある」

 

 つまみのから揚げを一口で食べると、小雪は天井を見ながら過去を語りだす。

 

「まあ、出会いはよくあるラブロマンスなもんだ。ある日、退魔の一族の名家であった姫島朱里という女性は、負傷した堕天使であるバラキエルを匿った」

 

 そして、2人は恋に落ちた。

 

「姫島の家からは反対されながらも、しかし二人は共にいることを選び、本家からは離れて暮らし始めた。愛し合う二人には子供ができ、その子は2人のできた親のおかげでとてもいい少女に育った」

 

 それはわかる。ドSだけど朱乃さんいい人だからな。

 

 育ちの良さも感じるし、いい親に育てられたんだとは思っていた。

 

「あたしが朱乃とあったのもその頃だ。・・・エロに忠実だがお人好しな親父が、サポートのために家族ぐるみでそっち来てな」

 

 そのころを思い出を思い出しているのか、小雪の表情は柔らかい。

 

 だが、その表情は一瞬で暗くなる。

 

「最悪なことに、本家はそれを黙ってみているつもりはなかったってわけだ」

 

 異教の存在でしかも悪徳側である堕天使が、自分たちの血筋と関わるなど我慢できなかったらしい。

 

 とはいえ堕天使の中でも最上級のバラキエルを敵に回してただで済むわけがない。刺客はあっさり返り討ちになったそうだ。

 

「だが、コテンパンに伸された連中はファックな手段で報復しやがった」

 

 堕天使と敵対する組織に情報を提供する。・・・まあよくある手段だ。俺もたまに使う。

 

 とはいえ使われた側はたまったもんじゃない。

 

「運の悪いことに、バラキエルはたまたま自分じゃなきゃできない仕事があって出張っていた。・・・そして親父じゃ荷が重い相手だった」

 

 強く目を閉じる小雪の手からは、爪が皮膚を突き破ったのか血が流れる。

 

「あいつらは・・・」

 

「もういい」

 

 俺はその手を握って止める。

 

 治癒魔術をかけながら、静かに首を振った。

 

「そこまでわかれば十分だ。・・・すまなかった」

 

「・・・ああ。ならいいよ」

 

 一気に酒をあおりながら、小雪は遠い目で天井を見る。

 

 その眼に映し出されているのは、仲のいい友達との色鮮やかな日々か。それと赤いも血なまぐさい悲劇を彩る光景か。

 

「私が、私が甘かったんだ」

 

 堕天使バラキエルも、暗い顔でコップの中身を見つめている。

 

「五大宗家の一つ、朱雀を冠する姫島にとって、異国の悪徳など嫌悪の対象でしかないだろう。私の権力なら相応の護衛をつけることもできた。それを怠ったせいで、私は朱離だけでなく小雪から両親を―」

 

「気にすんなつったろ。・・・過ぎたことだ。あれはアンタの責任じゃない」

 

 バラキエルの言葉を遮りながら、小雪は俺の手を握った。

 

「本当に、どうしてこうなっちまったんだろーな。・・・もし、各勢力が今みたいな状況下なら、少なくともあんなファックなことになならなかった」

 

 確かに、今の状況下ならそんな行動をとれば各勢力から叩かれるだろう。

 

 たった十年前後。たったそれだけの違いで、一つの悲劇が発生した。

 

 そのおかげで助かっているとはいえ、やるせないな。

 

「・・・ファック」

 

 歯ぎしりとともに、小雪のその口癖がやけに重く聞こえた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんなことがあっても日々は過ぎていくものである。

 

 俺は今、ゼノヴィアと共にデュランダルを睨んでいた。

 

「・・・で? どれぐらい制御できてるよ? 俺はよくわからないんだが」

 

「あいにく五割といったところか。まだまだ木場のようにはいかないな」

 

 汗を拭いながらゼノヴィアは苦笑する。

 

 今やっているのはデュランダルの制御実験。

 

 ただ垂れ流すより指向性を加えて放出したほうが威力は大きくなると思い、時折偽聖剣を使ってのフォローができないかやっていたりしている。

 

「まあ木場のように行くのは別にいいと思うぞ? あいつはテクニックタイプでお前はパワータイプ。目指すべき方向性が違う」

 

 テクニックは俺と木場の仕事だ。ゼノヴィアは手加減ができるようになるぐらいでいいだろう。

 

 まあカウンター系神器のこともあるから警戒はするべきだろうが、それとテクニックタイプ転向はまた違った発想だろう。

 

 威力重視のゼノヴィアと技術重視の木場では剣の振るい方すら違う。その辺はしっかり分けて考えないとな。

 

「やはり方向に指向性を加えたいところだな。それだけで威力が桁違いに変わると思うんだが」

 

「今の私ではそこまでできないということか。・・・宮白、制御システムは作れるか?」

 

「偽聖剣で培ったノウハウを利用すれば補助システムぐらいは作れるとは思うが、しかしデュランダルクラスを使うとなるとこちらも相応の中枢が必要になるな」

 

 世の中は非常に上手くいかないものだ。さてどうしたものか。

 

 ちょっくら冥界までいってドラゴンでも退治するべきだろうか? いや、並のドラゴン程度で対処できるとは思えないしなぁ。

 

「あらあら、ゼノヴィアちゃんと宮白くんはデュランダル相手に大変ですわね」

 

 と、部屋を覗き込んでいた朱乃さんが声をかけてくる。

 

「ああ、自分の未熟を痛感するよ。宮白にも手間をかけさせる」

 

「いやいや。こんなじゃじゃ馬使いこなせというほうが無理な話だ。木場だって性能を引き出してるわけじゃないからな」

 

 木場は自分が制御できる程度の威力で抑え込んでいる。ゼノヴィアは逆に引き出せるだけの威力を引き出している。方向性が違う。

 

 加えて言えば久遠の言う通りデュランダルはパワー重視のグレートソード。小技で挑む木場とは基本的に相性が悪い。

 

 その辺を考えると下手に抑え込むより放つ方向を制御するほうに持ってったほうがプランとしては正しい。とはいえ生徒会戦の時を考慮するとリミッターも必要不可欠。難易度の高い要求仕様となっている。

 

「頑張り屋さんにはご褒美がいりますわ。ちょっとお茶でも―」

 

「ファックな難題ご苦労さん。差し入れ持ってきた―」

 

 別のドアから小雪が顔を出して、2人は思いっきり固まった。

 

「え、あ、えっと・・・」

 

「・・・ちょっと用事を思い出しましたわ。じゃあ、これで」

 

 小雪があたふたしている間に、朱乃さんが慌てて踵を返してしまう。

 

 見る見るうちに表情が暗くなってしまった。

 

「・・・ここ、置いとく」

 

 ポツリとつぶやくと、そのまま部屋を出て行ってしまう。

 

「・・・いろいろと大変なようだな。私も経験があるからよくわかる」

 

 イリナとのごたごたを思い出したのか、ゼノヴィアはうんうんと頷きながら唸る。

 

 そういえば揉めたらしいな。こっちはすぐに解決したが。

 

「宮白はどれぐらい知っているんだ?」

 

「ああ、朱乃さんがなんで堕天使嫌いになったのかの理由ぐらいは聞いたが・・・」

 

「あまり深入りしていい内容でもないからな。そのあたりは任せるしかないが、必要になればいつでも呼んでくれ。荒事程度でしか役立たんだろうが手を貸そう」

 

 自分も大変だったからか、その辺にはやる気モードになっているゼノヴィアだ。

 

 とはいえ俺からできることなんて何もないだろうしな。

 

 それに―

 

「ここはイッセーの出番だと思うぜ? そういうことはイッセーに言っておきな」

 

「だがイッセーが動けばお前も手を貸すだろう? なにも変わらん」

 

 おお、言われてみれば。

 

 どうせ俺がフォローするなら確かに同じことか。これは一本取られたな。

 

「もっちろん! ボクも手伝うよぉー!!」

 

 と、ドアをけり開けてナツミまで乱入!?

 

 後ろには小猫ちゃんとアーシアちゃんまで!

 

「・・・様子を見に来たら目撃してしまいました」

 

「あのお二人はいつもギクシャクしてるところがありましたけど、最近は特に酷いです」

 

 確かに酷い。

 

 これまではお互いに距離を置く程度だったが、最近その辺が激しくなってきている。

 

 どうも堕天使バラキエルが来たことで朱乃さんの堕天使嫌いにブーストがかかったようだ。

 

「・・・まあ、俺たちが迂闊に動けば逆効果になりかねないしな。その辺は上手く気を使うべきだろう」

 

 いろいろと根が深い問題っぽいからなぁ。

 

 うかつに刺激してこっちの連携にまでヒビを入れるわけにはいかないし、非常にデリケートな問題だ。

 

 とはいえ―

 

「ま、動き方がわかれば動くことは決まってるんだけどな」

 

「もちろん!」 

 

 こらこらナツミ。お前が胸張ってどうする。

 

「兵夜が動くならボクも動くからねっ。・・・俺様が馬鹿な鬱フラグなぞクラッシャーしてやる」

 

「お前ニ●動見すぎだ」

 

 頭に手を当てながら、俺はつい苦笑してしまう。

 

「とはいえ当然だろう。私たちは仲間なのだから」

 

「イッセー先輩にも期待したいところですね。スケベですけどこういう時はすごいですから」

 

「はい! 朱乃さんのあんな顔は見たくないですから!」

 

 ・・・みんな本当にお人よしなんだから。

 

 まあこっちは準備完了ってことだ。

 

 例のごとくお前がキーになるんだろうし、いざというときは任せたぜ、親友?

 

 

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