ハイスクールD×D 転生生徒のケイオスワールド   作:グレン×グレン

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久しぶりに更新します!!


ロキ戦! 大混戦!!

俺たちは今、ものすごい弾幕から逃れるのに必死だった。

 

威力は中級悪魔の上といったところだが、数が圧倒的に多い。

 

数十人がかりで一斉砲撃されているかのようなこの攻撃は、明らかに危険だ。

 

「ファック! やはり、木原の奴らが来てるよーだな!!」

 

 全弾回避しながら、鎧に身を包んだ小雪が吠える。

 

 その声は非常に苦々しく、相当の事態だということがよくわかった。

 

 まあ、こんな化け物が量産されたらそれこそ禍の団は大暴れできるから当然といえば当然か。

 

 幾度となく暴風にさらされながら、しかし特に揺れることなくそのままとどまって砲撃を繰り返すファイブオーバーとやら。

 

 何度か無言で迎撃していたそれから、声が漏れたのはその時だった。

 

『・・・なるほどぉん。その能力とAIM拡散力場の反応ぉん・・・。お前マリンスノーかぁん?』

 

「!?」

 

 聞きなれない人命に、小雪の動きが一瞬止まる。

 

 その瞬間を狙いすましたかのように放たれる攻撃を、俺は小雪をひっつかんであわてて回避した。

 

「・・・てめえ、木原・・・木原エデン!!」

 

『ああぁん。今でもその名を名乗っているぞぉん。・・・まさかこの世界で自分の下働きに会うことになるとはなぁん』

 

 ・・・ものすごくシリアスになれない口調なんだが。

 

 つぅか下働きってことは、小雪の前世の上司か何かか!?

 

「てめーなに考えてやがる!! この戦闘にお前らが参戦して何の利益がある、答えろ!!」

 

『それを応えてやる義理なないなぁん。第一、お前は人のこといえるのかぁん?』

 

 お互いに砲撃を叩き込みながら、しかしエデンとかいうのはあざ笑うかのように小雪に言い放つ。

 

『自分が生きるためならば様子を見に来た自分の同僚すら殺した女が、いまさら社会正義の側とか、笑わせるなぁん』

 

「・・・まあ、自分でもそう思うよ」

 

 鎧越しではわからないが、それは確かに自嘲の笑みだった。

 

「自分が死にたくないという理由だけで罪のない人間を殺すことに一切の躊躇もない人間が、世界平和と共存を唄う堕天使の長直属の兵士として行動だなんて、自分でもファックなのはわかってる」

 

 放たれる砲撃は、数こそ多いが狙いは甘い。

 

 それがわかっていたのか、小雪はすべての攻撃を冷静に対処して的確に反撃する。

 

 敵の存在に動揺しながらも、その言葉には一切動揺していなかった。

 

「あたしがファックなのは重々承知の上だ。これがファックな偽善の自己満足なのもわかってる」

 

 その攻撃は、すこしずつだが確実に当たるようになってきていた。

 

 それを理解しているのか、小雪が使う銃器は威力重視の単発タイプに変わっていく。

 

 そして、それを使う小雪の動きも冷静沈着で、動揺がなくなってきていた。

 

「それでも、そんなクズみたいなあたしが・・・あたしが自分のためじゃなく誰かのために動くことができる。・・・偽善を通す理由には十分だな」

 

 そして、敵の砲門の一つが粉砕された。

 

 ・・・銃撃が敵の中の銃口の中に入って銃を暴発させるって、どこのSFだ!?

 

「・・・今更その程度で動揺するとでも思ったか? そんなファックな悩み、何年も前に割り切ってる!!」

 

 ・・・堕天龍の鎧で出力も増大してるから、もう圧倒的だな。

 

 とりあえず、こいつらは無視しても問題ないだろう。

 

『・・・なるほどなるほどぉん。守る者があれば強くなれるぅん。それは確かに正論だなぁん』

 

 吹き飛んだ腕を見ながら、その兵器の乗り手は感心していた。

 

『目的意識は重要だぁん。モチベーションがあるとないのとではあるほうが確かに優れているからぁん、それができるのは重要だなぁん』

 

 ・・・なんだ? 妙にいやな予感が―

 

『・・・だがぁん。それは守る者を守り切れるものだけが言えるセリフだなぁん』

 

 ・・・まずい!?

 

「・・・全員、朱乃さんをカバーしろ!!」

 

 声を張り上げると同時に、俺の視界に何やらやばいものが映る。

 

 ・・・音もなく接近する航空機。このタイミングでの登場ということは、超音速の航空機か何かか!

 

 っていうかちょっと待て!! そんなもんがなんでこのタイミングで!?

 

「ファック! やはり超音速ステルス爆撃機の十や二十は開発済みか!!」

 

 小雪が舌打ちしながら朱乃さんに向かって飛び出していく。

 

「伏せろ朱乃!!」

 

 その声が届くか届かないかの瞬間に、その爆撃は一斉に行われた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 祐斗SIDE

 

 

 

 

 

 

 

 朱乃さん!?

 

 爆撃機まで投入とは、学園都市の技術というのは相当広範囲に向っているのか!!

 

 ただの爆撃機程度の攻撃ならイッセーくんや偽聖剣状態の宮白くんがどうなるとも思えない。

 

 だが、朱乃さんは防御方面は弱いほうだ。

 

 女王として全方面を強化しているとはいえ、個人には相性というものが存在する。

 

 宮白くんは全方位大抵そつなくこなすが、アレはどちらかといえば少数派だ。

 

 イッセーくんの場合、プロモーションでも戦車などといった力押しのほうが得意で、僧侶などといった魔力方面においては能力が低い。

 

 朱乃さんの場合は戦車が弱い。典型的な魔力攻撃タイプで、それゆえに防御方面においてはいささか弱いところがある。

 

 青野さんたちがあわてて助けに入ったが、あの集中砲火は大丈夫なのか!?

 

「ははははは! 禍の団もなかなか面白いものを用意する。ふむ、興味深い」

 

 ロキが哄笑を挙げながら感心しているが、しかしその表情は面白くなさそうに見える。

 

「とはいえ愚者どもに助けられたとなっては神として沽券に係わる。そろそろ見せたほうがいいか」

 

 イッセーくんとヴァーリを同時に相手をしながら、ロキはマントを翻る。

 

 そして空間がゆがみ、そこから巨大な影が姿を見せた。

 

 馬鹿な、アレは・・・フェンリル!?

 

 さらに非常に巨大なドラゴンもいくつも姿を見せる。

 

「フェンリルとミドガルズオルムの量産型といったところだ。・・・単独で主神と護衛を相手にするのだ、これぐらいの戦力は用意しているとも!!」

 

 ただでさえ戦力において苦戦が必須の状況下で、こちらが上回っているであろう数においてまで対策が取られている!?

 

 しかもザムジオ・アスモデウスの存在がさらに状況を混乱させ、こちらの優位点はほとんど封じられていた。

 

 このままだとまずい!

 

 量産型フェンリルの一体が、こちらに向かって襲い掛かる。

 

 食らいつこうとする牙をかわし、聖魔剣で切り付けるが・・・浅い!

 

「ゼノヴィア! ここはデュランダルだ!」

 

「いいね。状況は不利だがわかりやすいのは大好きだ!!」

 

 アスカロンとともに聖なるオーラを放ちながら、デュランダルの一閃がより深い傷を作る。

 

 間一髪飛びのいたためそのダメージはやはり少ないが、しかし飛びのかなければ決定打を与えうるほどのダメージだ。

 

 さすがにフェンリルほどの戦闘能力はないらしい。これは不幸中の幸いだろう。

 

 だが、ミドガルズオルムの量産型も炎を吐きながらこちらに攻撃を加えてくる。

 

 それらをかわしながら、しかしザムジオの攻撃にも警戒しなければならない。

 

「量産型風情がなめてくれるなよ!!」

 

 タンニーン様がその炎によって量産型ミドガルズオルムをたたき飛ばす。

 

「おらおら! 面白くなってきたじゃねぃかい!!」

 

 美候も如意棒でミドガルズオルムを吹き飛ばし、さらにヴァーリチームも量産型を相手に大暴れしている。

 

 何とか今は食い下がっているか。

 

 警戒するべきはザムジオと量産型のフェンリル。・・・今はどこに―

 

「ほう? どうやらこの程度ではやられないようだな」

 

 後ろから声が聞こえてきた瞬間に、聖魔剣を振りぬく。

 

 能力は聖なるオーラに特化し、さらに悪魔の力を抑制することを重視した対悪魔特化型。

 

 あれが先代魔王の遺骸によって生み出されたのであれば、これは効果があるはず!

 

 そして、その目論見は当たったのか、ルレアベは確かにその出力を若干落としていた。

 

 だが、聖魔剣は半ばまで割られている。

 

「・・・着眼点は悪くないが、ルレアベを甘く見てもらっては困るな」

 

 やはり油断できる相手ではないか!

 

 おごり高ぶっていないだけあってシャルバよりはるかに脅威に感じる。

 

 これが真に己を鍛え上げた魔王血族の本領か! ヴァーリにも引けを取らないその気迫は、確かに彼らが魔王の血を引くことを感じさせる!!

 

「だが甘い。この戦い、すでに数ではこちらが上だ!!」

 

 ザムジオの言葉の通り、コピールレアベを持った異形が回り込むようにこちらに迫る。

 

 とっさに両肘と両足に聖魔剣を展開して打ち合うが、そのすべてが先ほどと同様のものであるにもかかわらず破損する。

 

 本当に特殊能力以外はコピーできているのか! それだけの性能の武装をよくも作り上げる!!

 

 だが、甘い!!

 

「リョウメン・・・スクナ!!」

 

 リョウメンスクナを展開して、すべての聖魔剣を一つに固定。

 

 作り出す聖魔剣は、このリョウメンスクナの特性を生かせる特殊武装。

 

 ジャンルは同種の聖魔剣と共鳴することによる強度強化一点集中!

 

 より上級の武装と戦闘するときのため、宮白くんが発案したとにかく壊されないための特化武装!!

 

「ほう・・・。どうやら頭が回るようだ!!」

 

 感心しながらも集中砲火で襲い掛かる攻撃を何とかさばく。

 

 とはいえこれ以上の戦闘は非常にマズイ。

 

 何とか状況を一変させなくては・・・!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イッセーSide

 

 

 

 

 

 

 

 もうこれ怪獣映画じゃねえか!!

 

 そこらかしこでドラゴンが暴れるわでかい狼が暴れるわ。

 

 挙句の果てに爆撃機まで来るとかありえねぇえええええ!!

 

 しかもその攻撃で朱乃さんが行方不明だし!!

 

 小雪さんとバラキエルさんが飛び出したのは見えたけど、朱乃さん大丈夫か!?

 

「まったく! 現代兵器などしょせんは使い勝手の悪いおもちゃだと思っていたが、中々侮れないということか!!」

 

 そしてこっちはこっちでロキの攻撃が激しくて助けに行けない!!

 

 くそ! 今は朱乃さんのほうが大事だっていうのに!!

 

「まずは赤龍帝のほうが倒しやすいし、その力を譲渡されてはさすがに困るのでね! そちらからぶっ殺しだ!!」

 

 譲渡の力を警戒されまくってる!!

 

 確かにヴァーリの能力は個人的だけど俺は味方にも使えるからね! そりゃ警戒されるよ畜生!!

 

 ぶっ放される魔法攻撃を受け止めながら、俺もドラゴンショットで迎撃する。

 

 ああもう! 何発かは当たってるけど効いてる気がしねえ! 神様ってマジすごいな畜生!!

 

「こちらを忘れてもらっては困るな」

 

 いつの間にかロキの後ろにヴァーリが回り込んでいた!

 

 よっしゃでかした!!

 

 これで何とか―

 

「我が子を忘れてもらっても困るぞ?」

 

 そのヴァーリの後ろから、フェンリルがいきなり襲い掛かる!

 

 その姿は結構ボロボロだったけど、何気にピンピンしていた。

 

 へ? なんでフェンリルがこんなところに!?

 

 あわててとっ捕まっていたはずのところを振り返ってみれば、そこにはボロボロになって倒れているフェンリルの子供の姿があった。

 

 ・・・ダメージ覚悟で鎖を食いちぎったってのか!?

 

「ちっ・・・。 さすがに天龍に匹敵する猛者を無視するのは問題だったか」

 

 血まみれになりながらも、フェニックスの涙で傷をいやしながらヴァーリは立ち上がる。

 

 だが、そのヴァーリにフェンリルが襲い掛かった。

 

 木場よりも早い速度でヴァーリを翻弄しながら、ありとあらゆる方向に回り込みながらその爪でヴァーリを切り刻む!

 

 んな馬鹿な!? あのヴァーリが手も足も出ないとかそんなのありかよ!!

 

「白龍皇は我が子に任せ、今は赤龍帝の始末をつけるほうが先ということか」

 

 しかもロキは完璧にこっちを狙ってやがる!!

 

 ぶっ放される攻撃を耐えながら、俺は反撃の糸口を探す。

 

 木場たちはザムジオとフェンリルの子供の相手で精一杯。

 

 タンニーンのおっさんは量産型のミドガルズオルムを何とかするので忙しい。

 

 ヴァーリはむしろ助けに行ったほうがいいし、宮白もさっきからあのロボット兵器を相手に苦戦中。

 

 やべえ。助けが来ない!?

 

「さて、それではそろそろ終わってもらおうか!!」

 

 その声にあわててロキのほうに視線を戻せば。あたり一面が魔法攻撃用の魔法陣だらけだった。

 

 やべえ!? さすがにこれは耐えられないしかわせない!!

 

「今代の赤龍帝はなかなか面白かった。我が最後の相手だったことを誇りに思って散るがいい!!」

 

 ちょ、ちょっとま―

 

 なんてことを思うより早く、魔法攻撃の嵐が俺を飲み込んだ

 

 

 

 

 

 

 

 

Side Out

 


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